2016年9月の記事一覧

第1回グローバルリーダー養成講座

 9月16日(金)に、1・2年生の希望者30人を対象とした「第1回グローバルリーダー養成講座」を行いました。今回は京都大学高大連携事業「学びコーディネーター」制度を活用した大学院生の出前講義として行い、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士後期課程の原将也氏をお迎えし、「アフリカ農村で援助について考えてみよう」と題した講義とグループディスカッションを実施しました。

 ザンビア共和国を中心に、人々の生活・文化や価値観を知り、現地で本当に必要とされる援助の在り方について考えました。グループディスカッションも活発に行われ、講座終了後も質問の列が続くなど、積極的に参加しました。これを機に視野が広がり、将来国際社会で活躍する生徒が増えてほしいと願っています。


【生徒の感想】
 アフリカのザンビアでの日常生活や行われている援助について知ることができました。「現金を直接あげる」という援助は、村の人たちが怠ける原因になってしまうので、あまり良い援助ではないと思っていたけれど、村に出回る貨幣の量が多くなり、経済が活性化するということがわかり、1つの良い援助方法だとわかりました。ただ「貧しい」と決め付けるのではなく、本当に貧しいのかどうかを考える必要があると感じました。使っているお金の量が少ないだけで、幸福度は低くないのかもしれないと思いました。ディスカッションでもいろいろな意見が出て、考えを深められて良かったです。

 「アフリカ」=「未開」=「貧困」という固定観念を取り払う必要性を感じました。メディアなどに教えられるがままの受身的な態度ではなく、積極的に、多角的な視点をもつことが、答えのない課題への適切なアプローチであるのと同時に、それが、いわゆる先進国の国民や世論に浸透していくことが必要であると思います。いろいろな支援の形をこれから自分で見つけられるようになりたいです。JICAや青年海外協力隊にもとても興味を持ちました。講義に参加して良かったです。


SG探究基礎特別講義

 9月10日(土)、1年生対象としたSG探究基礎特別講義を行いました。慶應義塾大学大学院教授の渡辺美智子先生をお招きし、「グローバル時代に必要な統計思考力 ~モノゴトを科学的に探究しマネジメントする力~」という演題で講演をいただきました。

 私たちの生活の中で統計学がどのように生かされているか、今後のグローバル社会でどのように活用されうるかについてお話しいただきました。

 1年生がこれから課題研究を始めるに当たり、統計学の手法を生かした調査・研究を進めていきます。


【生徒の感想】
 グローバル化が進み、社会においてデータからものごとの変化を読み取ったり、さらに未来を予想したりすることが大切なのだと分かりました。僕は、こういう数学より純粋数学のほうが大切なのかなと思っていましたが、これからは、データを使うことがとても重要なのだと思いました。しかし、すべてを情報化することは、倫理的な問題や、人間がもともと持っていた能力を退化させることになるかもしれないので、兼ね合いが難しいと思いました。

 抽象的なものであったとしても、対象を定めさえすれば、たくさんのデータから分析できるということが分かった。全国の高校生のたくさんの例を見る中で、データを分析することで、目標を設定し、実現させることに対して、とても興味を持った。私は、テニス部に所属しているのですが、勝敗の原因に何が大きく関連しているのか、調べてみたいと思いました。最近、将来は食品や何かを研究し、開発する仕事につきたいと思っているので、その時に、データを利用して売り上げを上げたいと思った。

おもてなし講座

 9月8日(木)、2年生対象に「おもてなし講座」を行い、国際マナー指導家の藤井寛子氏をお迎えし、「グローバル社会で発揮する日本人らしさ~”おもてなし”から学ぶ異文化理解~」という演題でご講演をいただきました。

 おもてなし講座は、石川県教育委員会が全県立学校の生徒を対象にスタートしたものです。相手のことを気遣って行動する「おもてなし」の大切さを理解し、これからの社会に他と協調しながら主体的に関わる力を育成することを目的としています。本校では、おもてなしを異文化理解の一環として捉え、日本人らしさを大切にし、その良さをグローバル社会で発揮することを目的に実施しました。
 2年生は10月に普通コース・理数科は台湾修学旅行、SGコースは米国海外研修に行きます。今回の学びを生かして、おもてなしの精神を発揮した国際交流をはかってほしいと思います。


【生徒の感想】
 外国を理解することがグローバル化についながると思っていましたが、今回の講義を受けて確かに日本という自国を知ることの大切さを知りました。また、日本語の「お」の概念として紹介された言葉で普段何気なく口に出しているものが外国にないものであったり、特別な意味を含んでいたりすることに驚きました。アメリカに行った時に現地の人とおもてなし、ホスピタリティについて会話してみたいと思いました。

 異文化理解というテーマは、自分たちの課題研究ともつながりがあり、興味深いものであった。当たり前の反対は、ありがたさという話を聞いて、そうかもしれないと納得すると共に、当たり前のことがありがたいことだとわかった。日本人は「和」である「他人を思いやる」文化を基調とする稀な民俗であり、そういった自分だけではなく、他人に対しても考えられるような民族の1人で良かったと切に思う。2020年の東京オリンピックでも日本の「和」の精神が外国の人に理解され、評価され、国際的な結びつきを強めていけたらいいと思う。