2025年10月の記事一覧

つくばサイエンスツアー【2日目】

【2日目】

 2日目は午前が2班に、午後は4班に分かれて活動しました。A班は物質・材料研究機構(午前)と産総研の地質標本館(午後)、B班は物質・材料研究機構(午前)と気象庁気象研究所(午後)、C班は高エネルギー加速器研究機構(午前)と防災科学技術研究所(午後)、D班は高エネルギー加速器研究機構(午前)と国土技術政策総合研究所(午後)をそれぞれ訪問しました。

物質・材料研究機構【A・B班】午前(20名)

 最初はミニ講義「AI時代の材料研究」を受講し、金属当て体験学習で様々な金属に直接触れて、その性質を学びました。今年は本校の山口先生がブリキとトタンの違いについて説明する場面もありました。その後は2グループに分かれ、ラボツアーに参加し、高分解能電子顕微鏡を見せていただいたり、研究者の方から多孔質高分子の開発について直接お話を聞く機会もありました。お話のなかで、「研究は基本自分の好きな分野であるが、自分の研究を意義のあるものとして社会に納得してもらうためには、知識が必要であり、それを習得するために勉強が必要なのである。」という部分が印象的でした。

 

産総研 地質標本館【A班】午後(10名)

  地球の歴史、生活と鉱物資源、生活と地質現象、岩石・鉱物・化石という4つの展示室があり、職員の方が丁寧に解説してくださいました。私たちの質問に何でも答えてくださり、とても勉強になりました。実際の岩石や鉱物・化石を観察し、流れる水の作用でどのように地形が形成されるかという装置などで学ぶことにより、地球科学の知識を深めることができました。

 

気象庁気象研究所【B班】午後(10名)

  気象研究所は、気象・水象・地象に関する総合的な研究を組織的に行うことができる研究機関で、今回は積乱雲や豪雨の発生・発達を捉えるための新しい観測データの紹介をしていただき、小型のドローンを用いて下層大気を観測し、降水予測への効果を説明していただきました。屋外施設の見学では、電波の代わりにレーザー光を用いた「ライダー」というレーダーの紹介があり、オゾンなどの大気微量成分や水蒸気、風、気温、エーロゾル、雲などの分布の測定に使われていることがわかりました。

 

高エネルギー加速器研究機構【C・D班】午前(20名)

 まず資料館を見学し“加速器”とは何かを知りました。その後、高エネルギー粒子から放出される様々な電磁波を測定するフォトンファクトリー、電子と陽電子を衝突させるBellⅡ測定器などを見学し、専門家から詳細な話を伺うことができました。少し難しい話もありましたが、丁寧に説明してくださったので、生徒達も理解しやすかったようです。今年はBellⅡ加速器がメンテナンス中で実験を行っていなかったため、実際に加速器を見学することができました。 

 今回、資料館の見学の際に偶然研究者の方がいらっしゃったため、直接お話を伺うことができました。

 

防災科学技術研究所【C班】午後(10名)

 防災研ではまず、耐震実験装置と大型降雨実験施設を見学しました。耐震実験装置は現在は巨大岩石摩擦試験機として活用されていること、また、降雨実験施設は、施設自体が移動可能となっており、効率よく実験が行われていることがわかりました。そして、いわゆる「地震ザブトン」の体験をしました。東日本大震災などの過去の大地震や想定東海地震など、体験する地震を選ぶことができ、揺れの大きさや特徴を体験することができました。

 

国土技術政策総合研究所【D班】午後(10名)

 試験走路を用いた道路の実験では、傾斜角27度の試験走路を使うことで、短距離で高速運転できる仕組みの説明を聞きました。コンクリートやアスファルトなど、異なった素材を使用した道路もあり、素材による道路の劣化速度の違いを研究していることもわかりました。また、燃えた橋の一部を使った橋の適切な維持管理に関する研究や、遠隔操作で重機を操るデジタルトランスフォーメーションに関する研究など、職員の方のお話から、様々な研究を行っていることがわかりました。