校長室ブログ

校長室ブログ

未来さがし

 今日は、1年生がジョブカフェと学校訪問。「働くとは」「大学や専門学校に行くとは」どういうことかを学んできました。2年生はインターンシップ1日目。「就業体験」を通して、一(いち)従業員として働くことの重さや楽しさを自分の経験値にプラスしています。そして3年生が各々の進路選択に合わせて就職面接練習と進学オリエンテーション。2ヶ月半以降には受験していくことになる会社や学校を探したり、決めたり、試験の準備に取り掛かっています。 

 どの学年も「未来さがし」の1日でしたが、今日、皆さんはどんなことに気づき、どんなことに思いを馳(は)せたのでしょうか?

  昨日のインターンシップ結団式で、2年生の皆さんには、二つの「見つめる」を頑張ってきてほしいとお願いしました。一つはインターンシップ就業先の職場の様子や雰囲気、働いている方々の様子、大事にされていることを見つめる。その上で、二つ目は、将来働く人になる自分に既に備わっているものや逆に足りないものに気づけるように、自分自身をよく見つめてほしいと話しました。実は、働くことはもうそんな先のことではないし、学生の期間の何倍も長く続く時間です。1日の起きている時間のうち、半分は職場にいることになるのですから、やりがいのある仕事に就いて、毎日笑顔で過ごせたら素敵ですよね。 

 未来が見えなくて(やりたいことがわからなくて)不安な人もいると思います。きっとそんな人の方が多いかもしれません。そんな皆さんは、やりたいことが見つかった時に困らないように、全方向なるべく手を抜かずに頑張ってみておくと良いですよ。そうするとやりたいことが見つからなくても、とりあえず気持ちは落ち着きます。もう一つは、既に働いている年上の人に、どんなふうに仕事を決めたのか、高校時代に頑張っておくと良いことはないか、について尋ねてみてください。ご両親でも良いし、先生方でも良いし、知り合いの方でも良いです。自分の中に情報が増えると、選択肢が増えるので、何も見えない状態よりは少し気持ちが楽になります。 

 実をいうと、大人になっても「未来さがし」はまだまだ続きます。私も人生すごろくのあがりは多分もう少し先なのですが、今は、何をしたいか、何ができるか、向陽高校の楽しい未来を毎日頑張って考えています。皆さんの悩みも一緒に考えていきたいので、いつでも相談に来てくださいね。お待ちしています。

                                   

                                   亀吉も未来探しの途中…?

ハート わかるように伝えたい

 テストが終了した開放感の中で、今年度の「障がい理解のための特別授業」が行われました。来年4月からは屋根続きの校舎で一緒に学び生活することになる3校の校長先生と保護者の方々にもお越しいただいての授業でした。

 今年の講師は、いしかわ特別支援学校の廻田春奈(まわりだ はるな)先生と地域支援室の先生方でした。2・3年生が昨年既に学んでいることを踏まえた上で、実際にふれあう場面でどのような働きかけができるかということをワークショップに組み込んでくださった1時間でした。

 前半のお話では、お話を聴いて初めて分かったことや、(自分も少しそんなところあるかもしれない…)と共感的に 耳を傾けた部分があったのではないかと思います。そして後半のワークショップでは、これから一緒に生活していくに当たって自分ができることを実感的に考えてみた人が多かったのではないでしょうか? (わかるように伝えるにはどうすればよいのかな?)(細かいところまでわかってもらうのって難しいんだな。)(わかってもらえないのってもどかしいし寂しいな)…今日の時間の中で、わかるように伝えたいと思って頑張ったことや感じ取ったことをどうか大切にしてほしいと思います。

 知的な障害があるゆえに、人と違う見え方・聞こえ方・とらえ方・感じ方・考え方をしてしまうことがある。時間がかかることもある。でも、その違いをわかって、先回りの支援や配慮がある環境は、その人を特別ではなくします。「あなたも私も同じだね。」と思えて、笑顔も多くなります。一緒に笑うことが多くなると、私がしてあげられることよりも、相手からもらっているものの方が多いことに気づきます。そうなると、「してあげる」などと思っていた気持ちが「したい」に変わります。その人と関わりたくて仕方なくなります。私自身が明和特別支援学校で感じてきたこの気持ちを、2・3年生の皆さんはこれまでの交流の中でもう感じてくれているように思います。そして、1年生の皆さんにもこの後しっかり受け継いでいってほしいと願っています。

 今日のために、一生懸命に考えて私たちにお話をしてくださった廻田先生と地域支援室の先生方、ワークショップにも加わって、最後にハッとするお話をして下さった杉江校長先生、参観に来て下さった3校の保護者の皆様、本日は本当にありがとうございました。

     

鉛筆 ラスト1日ですね

 1学期の期末テストが4日目まで終了しました。廊下で出会った時に、「バッチリです!」と言ってくれる人、「全然ダメダメです…」と嘆く人など、実に様々です。残り1日となりましたが、今回のテストで嬉しかったのは、1年生の皆さんが自主的に教室等に残って勉強している姿が見られたことです。もちろんこれまでにも部活動でとか、学年でという姿は見ていて、そのたびに嬉しかったのですが、今回も友達と一緒に励まし合って頑張っている姿は実に頼もしかったです。

 テストに向けての勉強として、終了後に提出しなくてはならない課題を必死にこなしていた人もいるでしょう。友達のノートを大量に写さないといけなかった人もいたでしょう。また、提出課題も済んでいて、ノートは授業中に全部とれていて、今回は1点でも多く得点できるように、何度も見直したり練習問題を解いたりして準備した人もいたと思います。

 勉強は人それぞれです。でも追われたりやらされたりする勉強よりも、自分が追い求めていく勉強ができるようになると良いと思います。基礎的なことを一生懸命に一つでも多く覚えるのも良いです。さらには、テスト勉強をしていて見つかった「?」を自分で調べて納得・理解し、本当の意味で「わかる」ことが自分の中に増えていく…そんな勉強ができたら、とても格好良いですよね。

 明日からはまた次のテストに向けての勉強が始まります。良い勉強の輪を広げていけるように、授業中も友達と励まし合って頑張っていきましょう。

           

     小さな花々の寄せ植え大好きです。      こちらはこれからスクスクスク…

     どこにあるかわかりますよね?        なんの花かわかりますか?

 

イベント 「人にやさしく」するということ

 本校の校訓は「自学」。そして、私が校長になった昨年からもう一つ掲げたテーマが「人にやさしく」。令和7年からのインクルーシブ教育本格実施に先駆けて、いしかわ特支の仲間と交流している皆さんとともに、普段の生活から取り組んでいる心がけです。

 ところが、この「人にやさしく」は簡単なようでなかなかに難しい。というか、奥が深い。「人にやさしく」するってどういうことだ???反対言葉は「人に厳しく」なのか「人に冷たく」なのか、それとも「人に無関心」なのか…。時と場合によって、或いは相手によって、どうすることが「やさしく」することになるのかが、まるで違ってくるものでもあったりするから、本当に難しいものです。

 一つ言えることは、やさしい人のところにやさしさは集まってくるということ。いつも周囲の人に優しい表情、やさしい言葉、やさしい態度、やさしい考えで接している人は、いつのまにか周りをやさしい気持ちにしてくれているからかなぁと思います。

 

 ところで、皆さんは THE BLUE HEARTSの歌に「人にやさしく」があるのを知っていますか?甲本ヒロトさんの作詞で、向陽高校の校長先生に決まった日からずっと事あるごとに私の中で流れる曲です。 

   人にやさしく してもらえないんだね

   僕が言ってやる でっかい声で言ってやる

   ガンバレって言ってやる

   ガンバレ! 

 甲本さんの「人にやさしく」は、人のことを想う気持ちと態度とエールを大切にすること、と言っているように私には聞こえます。自分のことも大切だけど、自分の周りにいる一人ひとりの人、仲の良い友達も、そうでもない人も、すれ違うだけの全然知らない人にもやさしい気持ちを持てるといいですね。因みに今日は「小さな親切の日」です。

注意 備えあれば…

 早朝6:31、能登地方で震度5強を記録する地震がありました。学校の周辺でも震度3が観測され、身のすくむ思いをしました。電車等の運行の遅延は心配されたほどではなかったようですが、落ち着いて安全に登校できるようにとの思いから、本校は始業を1時間遅らせました。9時半にはほとんどの皆さんが元気に集まり、大変安心しました。朝からご協力いただいたご家族の皆様には心より感謝いたします。

 

 去る5月21日、本校では火災による避難訓練を実施しました。『高校生らしい避難訓練』には、私は3つの要素があると思っています。一つ目は、訓練と侮らず、真剣に取り組むこと。高校生は、一度しっかり考えて体験したことは実際の時に必ず再現できます。二つ目は、まず自分自身をしっかり守ること。地震に備えて日頃から飲み物や食べ物を携行しておく。落下物から頭を守る。火災時の避難ではハンカチや袖口で口を覆う…などです。その上で三つ目は、小さな子やお年寄りの手助けをすること。16歳、17歳、18歳は、そういうことができる年齢です。今までに何回も訓練を経験しており、人を助けられる気力や体力があるからです。向陽生には、周りのために動ける人であってほしい…先生はそう願っています。

      

 今、向陽高校は工事の関係で、事故が起きた時の避難経路が限定されています。また、いつも先生がそばにいてくれている時に非常事態が起きるわけではありません。校内に自分たちだけでいる時や、たまたま一人でいる時に緊急地震速報や非常ベルが鳴ることも考えられます。どこからどう避難できるか。1年生の皆さんは特にシミュレーションをしっかりしておいてほしいと思います。

 また、今朝のように登校・下校時に起きた場合には、安全なところに避難出来たら、家族への連絡の次に、学校の安否確認フォームにもしっかり入力して送信してください。非常時に必要な行動を一人でもとれるように、今、改めて備えをしておくことが、落ち着いた避難につながるはずです。

 元日の大地震を経験して、災害が起きる前の「訓練」に真剣に臨んでおくことの大切さを、私たちは言葉通り痛いほど味わいました。「訓練」であるうちに、頭や体が覚えたことを、本当の災害でしっかりと実践すること…それが自分を守り、家族を守り、周囲の人々を守ります。このことの意味を、高校生である皆さんは、十二分にわかってくれると、そして、これからも考え動いてくれると、信じています。

 最後になりますが、今朝の地震が再び能登の皆さんの暮らしを直撃しています。なにか自分たちに出来ることはないか、こちらもまた一緒に考えていきましょう。

王冠 今年の総体・総文

 先週から今週末にかけて、令和6年度の県総体・総文が各地で次々に開催され、県内の多くの高校生が日々の練習や修練の成果を発揮し合いました。壮行会でもお話ししましたが、元日の地震の影響もあり、今年は当初予定されていた大会日程や会場を大きく変更しながら、何とかして例年通りの大会が開催できるように準備してきました。

 3年生の皆さんにとっては、この3年間、先輩や後輩たちと笑ったり、時には悔し涙を流したりしながらつないできた日々の集大成です。有終の美を飾るべく、試合に、作品制作にと、一心に取り組んだ皆さんを応援したくて、あちこち駆け回りました。

 行く先々で、試合の中でグググーンと成長している素敵な姿が見られました。技術的にもそうですが、精神的に強くなり人として磨きがかかったような…そんな表情や行動をたくさん見ることが出来ました。そういう3年生や2年生の姿を間近で見ていた1年生も、これから日に日に素敵になっていくんだろうなぁと思わされました。

 励ますつもりが皆さんのまぶしい姿に心を揺さぶられ、エネルギーをたくさんいただいた嬉しい九日間でした。

   

      

 

鉛筆 学びの環境

 昨日のスポーツテスト測定会は、金沢市営陸上競技場という最高の舞台で、自己ベストに果敢に挑む気持ちの良い姿があちらこちらで見られました。工事の関係で運動場が使えず、思うような練習はできていなかったと思うのですが、早めに競技場に来てトラックでのウォーミングアップなど軽く流している2年生の男の子たちを見ながら、伸び伸びと体を鍛えられる環境がいかに嬉しいものか、改めて痛感させられました。 

 今日の1限目には、やはり2年生の生物基礎の授業で学校のお隣のたんぼに繁殖する「藻」の様子を見に行きました。クロムブックを使えば細部の映像まで見られますが、どんなところにどんな大きさでどんな拡がり方をしているのか、種類の違いによる実際の色味の違いはどうかなど、自分の目で確認して初めて実感できることがあります。教室に戻ってから顕微鏡で先生が前もって採取してくれていたその藻の細部の様子を見た時も、いつになく身近に感じてまじまじと覗き込んでしまうのでした。 

     

 学ぶ環境は本当に大切です。今月に入り教室棟の工事が大きな音が出るものになり、授業中も聞き取りづらい場面が出てくるようになったので、本日から授業の多くを管理棟の教室で実施できるようにしました。2年生は管理棟2階の物理実験室を工事が落ち着くまでの仮ホームとしました。1年生も朝礼・終礼・お昼休みと火曜日の午後以外は、ほぼ管理棟で過ごせるようにして、移動教室も今までよりは少しだけ楽になるようにしています。 

 高校時代は学ぶのがお仕事です。たった3年間しかないこの時間に、大切なことを少しでも多く学んでもらえるようにこれからも考えていきます。不自由や不便も今の向陽生だけが経験できる特別なことと捉えて一緒に乗り越えていければ嬉しく思います。

驚く・ビックリ そんなにもあなたは〇〇を待つてゐた…

全校生徒の何割が並んだのだろう…。お弁当を持ってきていた人も沢山並んでいたのではないでしょうか?

今日は、内灘町のパン屋さん「ふわこっぺ」さんが、本校で臨時に販売をして下さいました。美味しいこっぺぱんが来るとあって、朝から本当に楽しみにしていたのでしょうね。4限のチャイムが鳴り終わるや否や、すごい勢いで生徒玄関に殺到する姿を見て、私自身の高校時代を思い出しました。(狙っていた焼きそばパン、今日も買えなかったなぁ…)なんて恨めしい思いで教室にとぼとぼと戻っていったっけ…(笑)

でも私の高校時代とは違って、きちんと一列に並んで買い求めている皆さんの姿はとても誇らしいものでした。さすが向陽生だなと嬉しくなりました。

欲を言えば、今回は初回だったので、早く並べなかった友達の分も頼まれたのか、たくさん買っている人がいましたが、次回からは、後ろに沢山並んでいる人にも行きわたるように考えて購入するようにしていけたらいいですね。美味しいものはみんなで食べられるともっと美味しくなるものですから…。

次回の販売も楽しみですね!                           

キラキラ さやけく生きていく

星野富弘さんが亡くなりました。

昨年のちょうど今頃、母の日を目前にした5月10日のこの「校長室ブログ」で、星野さんの詩についてお話ししました。「星野富弘」「ぺんぺん草」で画像検索してくれたら、その心温まる作品がすぐに見られると思います。首から下が全く動かせない身体で、口に筆を加えて描いたとはとても思えない、本当に美しい作品です。

星野さんの描く草花の絵とこぼれる言葉は素直に心に染み入ります。

「私にできることは小さなこと/でもそれを感謝してできたら きっと大きなことだ」(グミ)

「道端の花のようにひっそりと だれかの役に立てたらいいな/神様だけが知っているんだ」(シモツケソウ)

「たち止まっていいんだよ/ふり返っていいんだよ/そこに美しいものを見たのなら/すわりこんで ずうっと見ていて いいんだよ」(カキオドシ)

短いもの、長めのもの、色々ありますが、中でも私が励まされたのは次の詩です。

「痛みを感じるのは 生きているから/悩みがあるのは 生きているから/傷つくのは 生きているから/私は今 かなり生きているぞ」……一薬草(イチヤクソウ)という可愛い花の絵とともにあった詩です。痛みを感じ、悩み、傷ついていることを、「かなり生きているぞ」と前向きな言い方で吹き飛ばそうとしているというか、生命があるということのすごさの前にはどんな思いを持つことも全て愛おしいことなんだと言ってくれているというか…星野さんの強さがとてもまぶしかった詩でした。

自分の弱さや醜さを見つめ受け入れながら、さやけく生きていくために自分を奮い立たせていた星野さん。そんな姿や言葉が、多くの人を同じように奮い立たせ励ましてくれました。今頃は天上でお母さんの肩を存分に叩けていますように…。合掌。

本 今日は『子ども読書の日』です

 職員会議が始まろうとしていた時のことです。会議が行われる視聴覚室の前で出会った2人の1年生が、今日は部活動がなくなったので帰る時間まで図書館で過ごすのだと話してくれました。今日は「子ども読書の日」。そして今日から5月12日までの約3週間は「こどもの読書週間」です。なんともピッタリだなぁと階段を上がっていく二人を嬉しく見送りました。

  今日 4月23日は「※サン・ジョルディの日」であり、「世界図書・著作権の日」でもあります。1週間後の30日は「図書館記念日」と、本や読書にまつわる記念日が続きます。

 私もここ数週間、読書熱が高まっていて、憑かれたように色々と読み漁っています。運転中はオーディオブックで聴き、寝る前は本を開いて黙読と、最低2冊を並行読みしたりして、その合間にTverも見てと大忙しです。そうまでして読みたい本があるのかと思われるかもしれませんが、そうまでして読みたくなる1冊との出会いを追い続けているという感じです。あるいは、最後のページを読み終えてパタンと閉じる時の充足感がたまらないからというのもあります。

 夢中になれるかどうか…勘が外れることもたまにありますが、たいていは知らない世界を知ることが出来たり、素敵な考え方や表現に出会えたり、新しい友達が増えていくような感じで嬉しいことの方が多いです。「(心の栄養のためにも)食事をするように読書をすべき」と言ったのは、『不思議の国のアリス』の作者のルイス・キャロルですが、食事をしている時間そのものが楽しくて、栄養になるかどうかは、私の場合は二の次です。

 そうそう。12Hさんが図書館オリエンテーションをしていた時に手に取った『君のクイズ』(小川哲 著)は、「読み始めたら、もう止まれない」と帯にあったとおり、本当に一気に読んでしまいました。クイズ番組好きにはたまらない1冊ですよ。ぜひ、お薦めします!皆さんもお薦めの本があったら、ぜひ教えてくださいね! 

 

  ※ サン・ジョルディの日:「本の日」とも呼ばれ、スペインのカタルーニャでは親しい人に本を贈る記念日とされている