校長室ブログ

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朝 東風吹かば…

 このタイトルの続きがわかる人はいますか?修学旅行で太宰府天満宮に出かけた2年生ならわかるかな?

   東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ

 そう、菅原道真の詠んだ歌ですね。結句が「春を忘るな」として収められている歌集もありますが、歌意は「春風が吹いたなら、香りを(京の都から太宰府まで)送っておくれ、梅の花よ。主人の私がいないからといって、春を忘れてはいけないよ」というものです。

 3連休の真ん中の日、北陸中日新聞に「あるじなしとて 春を忘れぬ」という小見出しとともに、能登の倒壊した家屋の庭で咲いた紅梅の写真が掲載されていました。その記事を読んでいた私の母が「今年の場合は本当にそうだねぇ」とそっと呟きました。母は齢80を超え、故郷を離れざるを得なかった同じ年頃の方々のことが気になって仕方がないようです。故郷に住み続けることも、離れることも、再び戻ることも、大きな大きな決断です。長く生きてきた人生の中で一番安心してゆっくりと過ごしてほしい年ごろなのに…と思います。今、能登で起きていることは、日本のどこでも起こりうることと考えて、解決していかなくてはいけないことが、いくつもいくつもあるなぁと思います。80歳になるまでにはもう少し時間のある私と、たっぷり時間のある皆さんとで、周りの高齢者の方々のために何かできること、動けることはないでしょうかね。

 春が来たことを忘れずに、誰もいない場所できっぱりと咲いた梅の花の姿は、どんなにしんどい日があろうと、必ず花開く日がまたやって来ることを信じさせてくれているようでした。1・2年生の皆さんが今しんどいのは、目の前のテストですね。残り3日です。自分の中で「今年度一(いち)勉強した!」と言えるような頑張りを期待しています。

 

  追伸:1月16日のブログ「2枚の年賀状」でお話しした珠洲市のお友達に、ようやく会ってきました。