ようこそ『癒しのお部屋』へ
「障害」に思う
深夜のラジオ番組で落語家の柳家花緑(やなぎやかろく)さんの対談をやっていた。花緑さんは、柳家小さんの孫で戦後最年少の22歳で真打ちに昇進したり、俳優として舞台やドラマに出演したりするなどすごい才能の持ち主である。その花緑さんが、小中学生の頃は「落ちこぼれ」であったという。勉強が苦手で通知表は1か2、漢字の読み書きも満足にできない。授業中はじっとしていられず、友だちとしゃべってばかりいたらしい。本人はずっと自分の能力のなさが原因だと思い込んでいたのだが、数年前にある出来事から、それは能力のせいではなく、「発達障害」という脳の病気のせいなんだとわかったという。今でこそ「発達障害」は、広く認知されているが、数十年前にLD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)があるなど、本人は知るよしもなかった。花緑さんは、自分が勉強ができないことが、自分の能力のせいではなく、病気が原因だと知ってすごく安心したという。精神的にも吹っ切れて、色々なことに自信を持って取り組めるようになったとも語っていた。
現在でも出演する台本の漢字にはすべてルビをふっているという。障害を持ちながらも「話芸」をはじめ、マルチな才能を発揮している花緑さんって何か私たちの琴線に触れるものがあるなぁと秋の夜長にしみじみと思う初代斜男でした。
(P.S 障害者=社会にある障害と向き合っている人たち ということであえて「障がい」ではなく、「障害」と書かせていただきました。)
【初代斜男(ななお)でした】