2025年9月の記事一覧
釣瓶落としの謎
地震から 636 日目
豪雨から 372 日目
【今日のDeep Purple】
教科を超えた授業実践を紹介し
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
今日は国語と理科の教科横断です
3日間にわたった
阪神淡路復興研修ツアー
帰りのバスの中
夕暮れ空を見ながらこんなこと考えました
「秋の日は釣瓶落とし」
他の季節に比べて
秋は急速に日が暮れる
ということを表すことわざです
釣瓶とは
井戸で水を汲み上げるための道具で
桶を縄の先にとりつけたものを
滑車に掛けて使用します
井戸に落とすと素早く一気に落ちる様子に
秋の日暮れを例えています
これは単に
「日が短い」ということを表しているのではなく
「一気に暗くなる」ということを表しているようです
言われてみれば確かに
日が沈むと容赦なく暗くなる気がします
薄明るい時間が短いような気がします
科学的に検証してみる価値がありそうです
以前にこのブログでも紹介した
「天高く馬肥ゆる秋」
の科学的な根拠
夏の小笠原高気圧に比べ
秋の移動性大陸高気圧の
空気中に含まれる水分の違いから
実際に秋の雲の標高は高い
と言う事実
このことに関係があるのではと
考えてみました
空気中の水分量が多いと
そこを通る多くの光が散乱します
つまり明るく輝いて見えます
震災による停電で真っ暗なときに得た智恵ですが
懐中電灯を立てて
その上に水を入れたペットボトルを立てると
光が散乱されて
ランタンのように照らしてくれます
つまり空気中の水蒸気量が多い春や夏は
日が水平線に沈んでも
しばらくは散乱した光によって
空全体がぼーっと明るく見えるけど
空気が乾燥している秋はそれがなく
太陽が水平線に沈むと同時に
あたりが真っ暗になる
という仮説を立ててみました
単なる気のせいかと思い
実際に日没後の明るい時間帯の長さについて
調べてみました
すると
上空の大気が太陽光を散乱して光り
日の入後もしばらくは暗くならない現象をさす
「薄明」ということばがあることを知りました
「薄明」の長さを調べたサイトを見つけました
それによると
最も長いのは6月で1時間49分
それに対して
9月のそれは1時間25分
30分近くの違いがありました
どうやら仮説はある程度合っていそうです
実際に
湿度と「薄明」時間を測定して
調べてみるとおもしろそうです
温度によって差が出るのか?
緯度によって差がでるのか?
興味は尽きません
以前こんなこと研究している生徒がいました
「二階から目薬」
本当にそんな難しいのか?
実験と計算により検証しました
こうした諺や古くからの言い伝え
これらを科学的に検証する教科横断型の学習は
ものごとを複眼的に捉える力を育てます
「それがいったい社会の何に役立つのか?」
いいんです
本人がおもしろければ
「災害復興は現状復帰が原則」
としか言わない
頭の固い役人のようなこと言わないでください
日本人として5人目となるノーベル化学賞を受賞した
海洋生物学者である下村 脩 氏は
子どもの頃に見た光るクラゲが不思議で不思議で
その発光の仕組みを生涯追い続けました
そして「GFP」とよばれる光るたんぱく質を発見したのです
「それがいったい社会の何に役立つのか?」
のちに医学の発展に大きな役割を果たすことになるのです
細胞を生きたまま観察するための「光る目印」として活用され
がん細胞をマーキングしたり
難病治療のための新薬開発などに大きく貢献するのです
基礎研究とはこういうものです
そのときは何の役にもたたないように見えても
その後思わぬところで
大切な何かに結びつくのです
だから
基礎研究に関わる国家予算を
ふんだんに研究機関に回していただきたいと思います
日本の失われた30年を取り戻すために
長い目で復興のことを考えている毎日を送っていると
コスパやタイパばかり追い求めず
目に見える成果ばかりにとらわれず
真に大切なことは何なのかを
本気で考える大切さを日々感じています
【30-55 時間の旅】vol.3
30年前 55年前と時を遡った復興研修旅行
生徒の学びを紹介するコーナー
〔辻 姫花〕〜2025 万博会場にて
ポルトガルパビリオンに行きました
パビリオンのテーマは「海洋:青の対話」
海が私たちに話しかけるような口調で話している様子が
スクリーンに映し出されてました
海の氷を溶かすと海は私達の家を沈め
ゴミを流せば海は私たちにそれを返し
資源を奪い尽くせば海はもう
私たちは資源をもたらすことはない
海は決して危険な存在ではなく
真に危険なのは人間である
私はその動画をみて
自分たちが環境にしたことは自分たちに返ってくる
と改めて知り
環境を大切にすることの重要性を実感しました
復興は極めて重要ではあるが
環境を思いやって進めていくことが
真の復興だと思いました
〔濵高一朗〕〜2025 万博会場にて
国が
大阪府が
私たち輪島の特色である輪島塗を
全国または世界各国に伝え
輪島への興味関心が薄れないよう
輪島という町の価値を再確認してもらうよう
努めてくださっているということが
心に残りました
「夜の地球」輪島塗で作られた地球儀に対し
多くの方が足を運ぶ様子が
輪島市がまだ忘れられていないことを
強く象徴していると感じました