学校長挨拶

「令和4年3学期に向けて」

「新年明けましておめでとうございます」

 冬休みに入ると同時に寒波が来て、校舎からは白山麓らしい冬の風景が感じられるとともに、身の引き締まる季節となり、新年、3学期を迎えることとなりました。生徒の皆さん、この年末年始を利用して、令和4年の具体的な目標や具体的に取り組むべきことを明確にすることができましたか?

  年末にある雑誌で「飛べなくなるノミの話」の記事を久しぶりに目にしたので、少し紹介します。ノミは体長2~3mm程度の目に見える大きさで、吸血性の羽のない昆虫で犬や猫だけでなくヒトにも寄生する、動物にとって最も一般的な外部寄生虫です。

 そんな小さなノミは1m以上ジャンプする能力があるといわれており、そのジャンプ力は身長170cmの人間が約30階建てのビルを飛び越えることに相当するそうです。しかし、高いジャンプ力を持つノミを瓶の中に入れてふたをすると、次第にそのふたの高さまでしか飛ばなくなり、ふたを除けてもその高さ以上には飛べず、外に出ることができなくなるそうです。

 ノミは「自分はこれぐらいしか飛べないんだ」と自分の限界を決め、また、周りの飛べない仲間に影響されて、高く飛ぼうとすらしなくなるのです。それでは、この「飛べなくなったノミ」はどうすれば再び高く飛べるようになるのか?それは「その限界を超える仲間たちの姿」を近くで見ることにより、また本来の力を取り戻すそうです。

 人とノミは根本的に違いますが、皆さんは、この実験の話を聞いてどんなふうに感じるでしょうか。

 コロナ禍で環境が大きく制限されている、こんな時だからこそ、自分の能力に蓋をすることなく、取り組むべき目標を明確にして、あきらめずに努力する心を持ち続けることで大きく飛躍してくれることを願っています。

 皆さんにとって、限られた短い時間の中で、充実した3学期となり、おめでたい1年となるよう期待しております。

 令和4年1月7日                             

                石川県立鶴来高等学校長  北川 博勝