学校長挨拶

「夏休みを迎えるにあたって」

 今週末から来月下旬にかけて、昨年開催できなかったインターハイが北信越5県を中心に、無観客で行われる予定ですが、つい先週末にも県内の高校で臨時休業の措置がとられており、コロナ感染の拡大防止には昨年から大変苦慮しているところです。
 
 ただ今年は昨年と違い、県総体や県総文祭などが制限のある中でも開催されており、現在も行われている高校野球の県予選大会では、先週、皆さんも本校の初戦を各教室でネット視聴し応援することができました。

 昨年から今年にかけて、これまで本校では全国でも入賞実績のある強豪校との試合がいくつもありました。いずれの試合でも本校の出場選手は、どれだけ得点差がついても、また、緊迫する場面でも、選手が互いに声を出し、鼓舞しあい気持ちを切らすことなく、その時にできる限りのプレイを最後までやりきる姿勢は素晴らしいことだと感じています。今後とも、この気概は鶴高生として大切にして欲しいと思います。

 3年生では明日から4日間ある前期補習に取り組み、大学進学等に向けて取り組む生徒がいます。また、就職の模擬面接で自分の思いを伝える練習を積み上げていく生徒もおります。1・2年生でも全国大会やコンクールにむけて準備する生徒、新人大会や演奏会などを目標として日々練習に取り組む生徒がいます。

 夏休みはそれぞれが「個」の目標に向けて、目標を共有できる人たちとともに、集中して「個」を伸ばす、ひいては「チーム力」を伸ばす絶好の期間です。

 生徒の皆さんには、集団から少し距離を置いて過ごす時間が多くなるときですが、「個」のレベルを高めるということを意識して、集団の中で切磋琢磨できる一員になってみてください。制限されているコロナ禍で、今一度一人ひとりが何を目標としてどのように過ごすか、考えてほしいと思います。

 おわりに、コロナ感染防止を心がけるとともに、交通事故や水辺の事故、熱中症、犯罪被害など、生命に関わるような事故に巻き込まれないような日常生活を送り、8月下旬の鶴翔祭をはじめ、学校生活が安全に、安心して送れるよう一人ひとりが自分の行動に責任を持って充実した時間を過ごせることを願っております。

 令和3年7月20日

                石川県立鶴来高等学校長  北川 博勝

北信越高等学校体育大会壮行式

 北信越大会に出場する4競技40名の選手の皆さん、出場おめでとうございます。   皆さんの中にはインターハイへの出場を決めて北信越大会に臨む生徒、この大会にインターハイへの出場権をかけて臨む生徒、そしてこの大会を最高のパフォーマンスの場として臨む生徒、置かれた状況は様々ですが、厳しい練習の成果として北信越大会の舞台に立つ皆さんを心から讃えます。 

 各部の選手の皆さんには、これまで鍛えた力と技を存分に出し切り、素晴らしい成績を持ち帰ってくることを期待して、2つのことを話します。

  一つ目は、週末の大会を迎えるに当たって急に強くも弱くもなりません。会場の雰囲気や競う相手に対して必要以上に意識しすぎず、大切なのはどういったふうに戦い、どうしたら自分のベストパフォーマンスが発揮できるかのみに集中して大会に臨んで下さい。

  二つ目は、県大会より高いレベルで試合が行われると思いますが、さらに自分の競技レベルを高める絶好の機会ですから、自分自身が取り組んできたことを信じて、臆することなく、自分の持ち味をだしきり、ワクワクした気持ちで戦ってほしいと思います。

  このことが、今後のインターハイや国体への出場、そして秋の新人大会や選抜大会に繋がるとともに、自分の自己実現や一生懸命応援してくれる家族をはじめ、関係者の皆さんに感謝の気持ちを表すことになると思います。

  一昨日、「石川緊急事態宣言」が解除される中でコロナの影響でまだまだ制限された環境でありますが、開催に向けて取り組んでいる大会関係者への感謝の気持ちも忘れず活躍することを祈念して、激励の挨拶とします。

令和3年6月15日(火)

                 石川県立鶴来高等学校長  北川 博勝

5月連休を終えて

 5月連休が終了し、新年度も早1ヶ月が過ぎました。今月は中間考査やインターハイ県予選会などもスタートし、これからの一日一日が、皆さんの進路実現に大きく影響してきます。

 先月下旬、陸上競技の全国トップレベルの大会で日本を代表する選手が優勝しました。近年2年間、身体の故障により満足に走れない状況が続いていましたが、彼はこれまで一貫して走り方や練習方法は高校時代から自分自身で考えるスタイルを貫き、フォーム指導や練習方法などもコーチをつけずに取り組んできた28歳のトップアスリートです。

 その彼が、これまでのトレーニングのままでは、自己ベスト更新すら厳しく、変化をしないことが怖いと感じて、この時期、故障のリスクを減らすことや自分の感覚だけを頼りにしていたことを見直し、コーチをつけて競技することを決断しました。

 それでも全てをコーチ任せにするのではなく、自ら考えることを大事にするスタンスはそのまま崩さず、自分が気づかないことやこれまで考えていたことと違う助言をもらうこと、信頼できる人との相談を通して感じたことを自分に取り入れ、競技レベルを高めるべく練習に取り組んでいます。

 自分のやり方やスタイルにこだわることはとても大切なことですが、自分の成長が実感できないときや、長い時間、壁にぶつかってもがいているとき、自分のスタイルさえ見つからないときなどには、何らかの変化がとても重要なこととなります。

 今より少しでも高みを目指す生徒や、前に一歩でも歩みを進めたいと考えている生徒は変化することを怖がらず、勇気を持って変化を受け入れ、自分を高めるためにはむしろ変化してほしいと思います。

 そのためにも学校行事や部活動をはじめ、校内外の多くの取り組みに対して与えられることを待つだけでなく、身近な先生方や信頼できる外部の関係者などと積極的に話をし、相談する機会を自ら作り動き出すことができるようにして下さい。

 おわりに、本県では5月連休中には新規感染者が初めて40人に上るなど、感染に対する県民の危機感が高まっています。

 私たちの生活や社会がより深刻な打撃を受けないためにも、昨年以上の感染対策を暮らしの中に定着させ、一人ひとりが警戒を緩めることないよう学校生活、家庭生活を送ってください。 

令和3年5月6日

                石川県立鶴来高等学校長 北川 博勝

令和三年度一学期始業式 挨拶

 昨年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全校生徒が一堂に集まることができない異例の年となりました。昨年4月から二ヶ月間の臨時休業はどんな意味があったのだろうかと振り返ることがよくあります。授業がなく、体育大会などの学校行事や対外的な行事もできなく過ごした経験は何だったんだろうと思います。

 皆さん一人ひとりがあの二ヶ月を振り返りどんな影響があり、自らの高校生活にプラスだったのか、それともマイナス面が多かったのか、今一度、考えてほしい。自分の生活の時間を見直し、時間の使い方や今後の進路、将来の生き方を考える機会としてほしい。時間を有意義に活用してください。

 3年生は各教科の担当や部活動の顧問が変わり、戸惑うこともあると思うが、いち早く変化を受け入れ、自分の価値を高めるために、この一年の取り組みを明確にして進路実現につながるよう邁進してほしい。充実した高校生活を過ごすために、本校で友人や教師と積極的に話し合う時間を持ち、一人ひとりが自分の夢を語りあえる空間として、また、刺激しあえる場となることを期待しています。

 皆さんが将来働いて生き抜く社会は、変化のスピードが非常に速い社会であり、皆さんが社会に出るときには、高校で「何に取り組んできたのか」「何ができるのか」「どんな力を身につけているのか」相当厳しく問われる時代です。

 生徒の中には「夢が見つからないからとか、やりたいことが見つからないから、がんばれない」という人がいますが、今できることに集中して取り組めない人には「夢や、やりたいこと」を見つけるのは厳しいと思います。

 今年一年で「できること」を一つでも増やす努力をはじめて、自分の『強み』を発見し、継続して磨くことを祈念して、始業式の挨拶とします。

 本年一年よろしくお願いします。

 令和3年4月8日     

             鶴来高等学校 学校長 北川 博勝  

3学期始業式をむかえて

「新年明けましておめでとうございます」年末には寒波が来て、昨年と打ってかわって、白山麓やこの鶴来にも真冬の季節感が感じられるようになってきました。

 生徒の皆さん、この年末年始を利用して、今年の令和3年にはどんなことができるようになって、叶えられたらいい、と思ったでしょうか。そして、そのための具体的に取り組むべきことが明確になっているでしょうか?

  すでに具体的な目標を持って意識して動きだしている人もいるでしょうし、あまり考えてなかった人もいるかもしれません。ぜひ、この始業式にあたり、あらためて今年の自分の目標とする姿を思い描いてもらいたいと思います。

 1月は「行く」・2月は「逃げる」・3月は「去る」といって、三学期は「あっ」という間に時間が過ぎていくとよくいわれています。

 3年生は、卒業後に、なりたい自分を明確にして、3年間ともに歩んできた仲間とともに就職・進学に向けて内容の濃い準備を進めていってください。
 2年生は、この3学期を3年0学期として自分の進路実現に向けた助走期間となります。進路が決まった人は4月のスタートに向けて準備する貴重な時間です。コロナの影響があっても心がぶれることなく学習活動の定着や心身の鍛練など準備を滞りなく進めてください。進路に迷っている人は、もっと先生方と話す機会を持って下さい。

 1年生は、例年より短い高校生活をもう一度振り返り、初心に返って学習や部活動などに励んでほしいと思います。自分の居場所をしっかりと確保し、自らの行動を通して、仲間をつくり、仲間を通して自分自身を高める取り組みに着手してほしいと思います。

 3学年が揃って皆さんに話す機会はこれが最後となるかもしれませんので、次のことを強く伝えたいと思います。

  昨年、2学期末の保護者懇談で来校していた2年生の保護者と立ち話をしていた時のことです。その保護者からは、家庭では「学習」の出来不出来も大事だが、まず人としてどんな時でも「挨拶」ができる人間になれるよう家庭では心がけているとのことでした。

 社会に出れば会社によって学ぶ内容も違えば、日々、仲のよい人や知り合いの人ばかりと仕事をするわけでもなく、年の差が離れた人や国籍の違う人もいる。どんな人とも仕事を円滑に運ぶためには、気持ちのよい挨拶が人間関係の始まりであり、社会生活を営む上での最低限のマナーであります。その上で自分が身につけた知識や技能など、強みや良さが持ち味となって発揮され、信頼感のある人づき合いにつながっていくと考えられます。

 今後とも、学校生活や社会生活においても、お互いの多様性を認め合うとともに、人と人の、心と心を結びつける行動がとれるコミュニケーションを大切にして生活していただきたいと思います。

 限られた短い時間の中で、充実した3学期となるよう、一人ひとりが目的意識をもって生活することを期待します。
 自分の良さ・強みが何なのかを問いつづけ、真剣に取り組み、一日一日を大切にして、皆さんにとって、おめでたい1年となるよう、お互いがんばりましょう。

 令和3年1月7日

                     鶴来高等学校長 北川 博勝