2024年4月の記事一覧

安心、絆、チャレンジ

101日目

 

「自分は〇〇がトラウマなんですよ」

この言い方は間違っているそうです

なぜなら原因がわかっているのは

トラウマとは言わないから

 

今日は

トラウマからの回復と

トラウマからの成長について学び

実践しました

 

あの日から3ヶ月が過ぎ

自分から見ると

生徒たちはとても元気で強くて

教員の方が元気づけられているような

でも元気な行動に隠された心の傷や

元気な生徒が目立つだけで

静かに耐えているだけの生徒もいる

そんな小さいことを見落としてはならない

 

富永 良喜先生をお招きし

大災害と子どもの心のケアにどう向き合うべきか

いっしょに学びました

 

 

 

 

 

 

先生は阪神淡路大震災での心のケアを皮切りに

神戸児童連続殺傷事件では

「心のキャッチボール」を実践され

東日本大震災の時にも

多くの方が心の傷から立ち直るための

支えをなさってこられた方です

 

私自身

最近になり急に

地震や火事の夢で起こされるようになり

これはフラッシュバックで

心が壊れる前触れなのか

それとも立ち直るまでの

正常なステップのひとつなのか

とても気にはなっていたので

興味深く聞かせていただきました

 

まず今の状況に向き合います

「眠れないときどんな工夫をしているか?」

グループで話し合い 全体の前で発表しました

ちなみに「ゲームをする」というのだけは

逆効果で全くお薦めできないそうです

 

 

 

 

 

 

そのあと ストレスへの向き合い方について学びました

 

ストレスに対応するには

安心→絆→チャレンジ

の段階があるそうです

 

(1)安心

災害直後に感じていた恐怖や

大切なものを失った喪失感

時間の経過とともに薄らいでいます

特に発災後数日間のことは

思い出そうとしても

思い出せないくらいです

どうやって生き延びたのか?

何を食べていたのか?

それすら記憶はあいまいです

「忘れる力」ってありがたいと実感

 

(2)絆

こうして

トラウマ反応や喪失反応が

軽減されてくると

代わりに

不自由な生活が長引くことによる

生活ストレス反応が大きくなってきます

そのことに向き合うためには

安心して語れる場をつくり

被災体験に直接触れないテーマの表現を行うことが

重要になってきます

今この段階に来ています

 

(3)チャレンジ

避けようとしていることに

少しずつ向き合うことで

思い出として肯定的に整理される

「どうしたらトラウマから立ち直るか?」

この問いに対して「好きなことをしまくる」

と答えた生徒がいました

 

 

 

 

 

 

このような段階を経て

震災のショックから立ち直ることができます

 

11日(木)7限目には

僕らの街は僕らが創る「街プロ」を始めています

奇しくも震災のトラウマからの脱却を図るための

プログラムになっているということを

今日のお話を聞いて確信できました

 

先日の「のと未来トーク」では

学校を中心とした地域住民が語り合える場

の重要性が指摘されました

「街プロ」をまさにそんな場にしたい

保護者のみなさま

地域のみなさま

ぜひ学校にお越しください

一緒に討論に入っても結構ですし

生徒たちの活動を見守るといった参加でも結構です

 

カタリバさんが

全日本チームが直接着ていたという

グラウンドコートを

サッカー部に贈ってくださいました

できることからできる場所で

100日目

新年度が始まって2日目

 

生徒会の執行部の生徒たちが

朝早くから玄関に立ち

挨拶運動を始めました

 

 

 

 

 

 

さすが学校を変えたいと

進んで立候補してくれたメンバーです

大きな声で爽やかに声掛けをしていました

 

午前は実力テストを行いました

 

 

 

 

 

 

避難所の中めげずに勉強してきた

成果を試します

 

新しいオンラインシステムを導入して

金沢近郊への避難者の登校する

内灘高校ともつなぎます

 

 

 

 

 

 

その頃 内灘高校では

 

 

 

 

 

 

久しぶりに学校に通う生徒たちが

一生懸命です

 

午後には

先輩が新入生を迎える対面式が行われ

新入生代表として田上遥(たがみはる)さんが

ご挨拶をしました

 

 

 

 

 

 

 

放課後は部活道

 

仮設住宅建設中の陸上競技場の代わりに

陸上部は廊下をひたすら走ります

 

 

 

 

 

 

 

卓球場が避難所になっているので

卓球台を視聴覚室に運び入れて

 

 

 

 

 

 

 

同じく練習場が避難所になっている和太鼓部も

まとまった場所が必要なのでこちらは音楽室で

 

 

 

 

 

 

 

代わりに吹奏楽部が教室へ移動

場所を譲り合って使っています

 

 

 

 

 

 

 

避難所のナースステーションとなっていた

和室に箏曲部が戻って来れました

 

 

 

 

 

 

 

傾きが少なく唯一かろうじて使用できる

第二体育館は

バレー、バスケ、サッカーなど

いろんな部でローテション組んでます

今日はバドミントン部と野球部

 

 

 

 

 

 

 

できる場所を探して

できることを探して

けなげに取り組んでいます

自分たちは決して

かわいそうな子なんかじゃない!

そんな声が聞こえてくるような

 

体育館入り口には

避難民の方が新入生に

寄せ書きしてくださった

横断幕が

心のこもった贈り物ありがとうございます

 

 

 

 

 

 

 

シンガポールのゴメス真理子先生から

励ましのお便りをいただきました

 

 

 

 

 

 

以前シンガポールから高校生を連れて

輪島の街に来てくださった時

朝市などを案内したのですが…

当時の高校生たち

街がこんな姿になってるなんて

想像すらできないでしょうね

 

僕らの街は僕らが創る!プロジェクト

「街プロ」

(響き的には

 町野町の方が始めた「町プロ」と

 被っちゃいました)

今週木曜日にスタートします

 

先日の「のと未来トーク」のとき

高校生と地域の大人が

いっしょに語り合う場が必要だという

強い意見がありました

 

毎週木曜日の7限目

そんな時間にしたいと考えています

地域の未来について

高校生と語り合いたいという方

高校生が何を感じ

何を求めているのか知りたいという方

そんな難しいこと考えてないけど

ふらっと覗いてみたい方

ゆる〜い感じでまずはスタートします

ぜひお越しください

性別、年齢一切不問です

どんどんお越しください 

未来からの留学生たちへ

今日は99日目

 

ご存じでしたか?

今年は昭和99年です

 

昨年創立100周年を迎えた輪島高校に

101年の歴史の中で最も少ない

76人の入学生を本日迎えました

 

輪島高校を選んでくれた

入学生のみなさん

輪島高校を信頼して送り出してくださった

保護者のみなさま

おめでとうございます

そしてありがとうございます

 

学校の様子をご覧ください

ほんとうにズタズタです

でもこれでも先生方先輩方が

みんなを迎えるために

一生懸命片付けをして

今日の日を

準備してくださいました

 

さてみなさんは

日本で一番過酷な環境で

高校入試に備え準備をしてきました

 

去る1月17日

白山市の施設へ集団避難避難する

みなさんを乗せたバスを見送る

お母さん方の涙を

テレビで拝見しました

 

生まれて初めてこんなに長い時間

親子バラバラに過ごす

お互いにさぞ不安なことだったと思います

 

でもそんな中でしっかりと

前を見つめ

努力を重ねて

たくましくなって今日の日を迎えました

 

輪島高校では

そんなみんなのことを

未来の世界からやってきた留学生

と考えています

 

今 たまたまタイムスリップして

この悲惨な世界に

辿り着いてしまいました

でも帰って行くべき

輝かしい未来の世界があります

 

未来の世界はどんな世界でしたか?

 

いつの日かその未来の世界へと帰っていくのです

 

その時が来るまで

今できることを

精一杯やっていきましょう

 

未来を生きるために必要なことを

輪島高校で3年間しっかりと学んでください

 

最近夢を見るようになりました

地震の夢

火事の夢

そしてもう帰ることのできないはずの

元の家に帰って行く夢

そんな夢で夜中に何度も

目が覚めるようになりました

 

これまで夢を見ることもできないくらい

毎日疲れ果てていたのに

少し前に進んだ証しだと思います

止まっていた時間が動き始めた

なんだかそんな気がします

 

これから暖かくなってきます

復興もこれから一気に進んでいくでしょう

 

「自分の未来は自分で決めよう」

 

今日の入学式にあたり

式場を花で飾ってくださったのは

卒業式にも来てくださった

フラワースクールミュゲの

水上詩子さん

今回はいっぱいの青い胡蝶蘭を

あしらってくださいました

青い胡蝶蘭の花言葉は

希少、尊敬、愛情

誰にも経験できない希少な悲しみの中でも

尊敬と愛情をとの思いを込めてくださいました

 

 

 

 

 

 

 

それから本校卒業生で

平昌オリンピックのスケルトン競技に出場された小口貴子さんが

入学生全員にバームクーヘンを贈ってくださいました

 

また式後には

ガルガンチュア音楽祭のアンサンブルメンバーによる

演奏のプレゼントをいただきました

ヴァイオリン、チェロ、ピアノの3重奏です

リトアニア語の「ありがとう」を教えてもらいました

「アチュー!」

 

 

 

 

 

 

のと未来トーク in 輪島

98日目

 

これからの能登をどうしていくか

 

まちに住む皆でかんがえるイベント

「のと未来トーク」が

NPO法人「カタリバ」さんの主催で

本校を会場に行われました

 

 

 

 

 

 

石川県創造的復興プラン骨子案にもとづき

高校生からシニアの方まで

100名近い参加者で

おおいに話し合いました

 

 

 

 

 

 

それぞれの立場からさまざまな意見が・・・

 

いくつかをご紹介します

 

(1)なりわいの再建と仕事

〇他へ避難している人が少しでも早く帰ってこれる体制を

〇従来なんとなく存在する輪島門前町野という心の壁を取っ払っていきたい

〇水道と山水の活用というダブルスタンダード

 

(2)暮らしやインフラ

〇こんな環境だからこそ見直された物々交換の魅力

〇不便なところに価値がある

 

(3)地域文化の継承

〇溜池、お祭り、輪島塗、食文化、芸術、今ある全てのものが財産

〇輪島塗に価値があるというよりそれを育んだ環境に価値がある

 

(4)学校や子どもの居場所

〇子供を真ん中に置いていない企画はダメ

〇我慢をさせない未来を作るよと子どもたちに約束を

〇卒業後輪島を出る高校生の帰る場所として

〇地域も学校もズタズタな今こそ学校を拠点とした地域と話し合う場を

  

(5)安全安心な地域づくり

〇平時では想像できない団結力を今回見せた

〇輪島市民はみんなが防災のセミプロ

 

(6)創造的復興リーディングプロジェクトの創出

〇避難所と輪島での2拠点居住支援の施策を

〇伊丹からの飛行機誘致

〇既存のシステムを破壊する勇気

 

視点を未来に向けるために

お越しいただいたアドバイザーの方からは

次のような元気の出るメッセージを

いただきました

 

 

 

 

 

 

宇宙ロケット開発に何度も失敗している現場で

こんな意見が出された

「開発者を乗せたらいい」

つまり当事者意識がないとプロジェクトは成功しない

上から降ってきた復興計画に乗っかるだけでは

自分たちが望まぬ町になってしまう

自分の心を整理するだけで精一杯な今

一人ひとりの置かれた環境を整えるだけで精一杯な今だからこそ

うしろ髪ひかれ街を去った仲間を再び迎えるために

住民からの意思表示をする力が必要である

 

自分はフランスの三つ星レストランでの修業時代

「輪島は負けてない

 山もあり海もある

 大嫌いで一度飛び出したふるさとだけど

 世界中から人を呼べる街にできる」

と思った

そして戻ってきたこの町で

ミシュランレストランを創り上げた

今ミシュランの星を返上してでも

キッチンカーからでも立ち上がる!

 

のと里山空港を世界の玄関口にしたい

能登の最寄りのマックは羽田空港

伊丹からも航空機の誘致を

 

創造的復興を果たし能登全体を聖地に

この街にあるクラフト輪島塗は世界の最高峰

シンプルな美しさを追い求める総持寺もある

日本中の全デザイナーが助けたいと思っている街

山村漁村の不便な暮らしが

逆に魅力になる可能性に満ちた町

  

3人の子どもをこの町で育てながら

実は苦しさを感じていた

それは変化に乏しく一発逆転しにくい環境

今回の地震で子どもたちが4割減った

今まで苦しんでいたことからの脱却をもう一度

街の再生を子どもと一緒にやっていく

 

自然と文化の共生が世界のテーマである今

そのことを従来行ってきたこの地は

周回遅れから世界のトップランナーへなれる

そのために

この街で出しゃばる人をつぶさない

褒めて伸ばす土壌作りが

この街の課題である

 

 

 

 

 

 

今回の意見は次回の県の会議に提出されます

97日目

 

1月11日のブログで紹介した

胡蝶蘭の鉢植え

 

昨年迎えた創立100周年記念で贈られたもの

今回の被災で倒れてきた棚の下敷きになって

傷だらけになったもの

 

今朝蕾を見つけました

命の尊さ

どんな場面であっても

精一杯花を咲かそうとする

そのけなげな姿に

勇気づけられます