2024年6月の記事一覧
心字池に架かるみっつの赤い橋
159日目
たとえば
日本一の和英辞典があったとして
和英辞典は日本にしかないものなので
それはすなわち世界一
ということになります
先日 縁あって
たくさんの義援金を
福岡から届けてくださった
都築学園の
福岡第一高等学校さんと
福岡薬科大学付属高等学校さん
創設者の都築貞枝先生が
最初に教鞭をとられたのが
輪島高校の前身の
輪島高等女学校だったという縁で
お越しくださいました
貞枝先生が輪島に赴任しなければ
もしかしたら都築学園は
なかったかもしれないし
もちろん今回の出逢いもなかった
そう考えると
人の縁の不思議を感じます
太宰府天満宮
心字池に架かる
みっつの赤い橋は
ひとつめが過去で
ふたつめが今
そして…
過去から未来へと
確実に時は繋がっていく
今回の地震で実感しています
さてその2校で
昨日体育祭が行われました
今年3回目を迎える「夜の体育祭」
熱中症が怖ければ夜にやればいい
できない理由を並べ立てるのではなく
どうやったらできるかを追求する
見習うべき姿勢です
開会式では都築仁子校長先生が
「飛行機は追い風では飛べません
向かい風に向かって行くから
飛び立てるのです」
なんだか今の自分たちに向けられた
言葉のようにも感じました
そして
「日本一の体育祭にしましょう」と
輪島高校ともオンラインでつなぎ
生徒会の役員たちの姿が
会場の大型スクリーンに映し出され
直接お礼を言うことができました
レッド ブルー イエローの
3つのグループで
競い合いますが
応援合戦では
レッドの応援のときは
ブルーもイエローも
真っ赤なペンライトを振るなど
学校一体となって盛り上げます
そしてスポーツが好きな生徒も
そうじゃない生徒も
全ての生徒が楽しめる工夫が
なされていました
まさに日本一の体育祭
そう実感しました
体育祭は日本にしかない文化です
最後に校長先生がご挨拶なさいました
「世界一の体育祭でしたよ」
アカシアの花咲く丘で
158日目
遠くに聞こえる潮騒と
小鳥のさえずり
時折響いてくる列車の音
窓を開けると
心地よい海の匂いのする
内灘の学び舎に
まだ帰る家のない
高校生たちが
通ってきています
暮らせる目処のついた生徒から
輪島に戻って来てはいるものの
まだ16名の生徒が残っています
輪島高校の他には
飯田高校の生徒がひとりだけ
学校ごとに別々の教室を使っていましたが
ひとりだとさみしいので
いっしょに輪島高校の教室で
オンライン授業を受けています
今ではすっかり仲良しです
夏が来ます
金沢大学さんが
エアコンを設置してくださることに
なっています
本当にありがとうございます
今は淋しくて辛いだろうけど
この場所のこの学び舎のこの教室は
懐かしい匂いのする風景として
心の中に残っていくのだろうな
そんなことふと思いました
地震の授業
157日目
余震から2日が過ぎ
「この後まだ余震は来るんか?
理科の先生ならわかるやろ」
とムチャ振りされています
えー
地震の波にはふたつありまして
速い波と遅い波
速い波は最初に到着するので
Primary wave 略してP波
Primaryは
プライムタイムや
アマゾンプライムのプライムで
第一のという意味があります
プライムタイムというのは
一番視聴率の取れる時間帯
という意味ですからね
P波は進行方向に対して
縦に伸び縮みしながら進みます
お相撲さんが
どすこいどすこいと
突っ張るイメージです
突っ張られた方の力士は
顔が前後につまり横方向に
揺れますよね
すなわちP波が届くと
横揺れが起こります
P波に続いて
遅い方のSecondary wave
略してS波が届きます
Secondary は
二塁手や秒を表すセカンド
1時間を最初に60分割して
ミニマライズつまり細かくしたのが
分つまりミニット
ミニットをさらに2回目に60分割したのが
セカンダリーミニット
すなわち秒です
S波は進行方向に対して
横方向にうねりながら進みます
スタンドの応援のウエイブが
まさにそれです
ウエイブを一人ひとり見ると
横には移動せず上下してますよね
つまりS波が届くと縦に揺れます
まとめると
P波は縦波横揺れ
S波は横波縦揺れ
このややこしさが
受験生を悩ませます
1秒間に進む距離は
P波が7km S波が4km
いずれにしても新幹線の100倍以上で
恐るべきスピードです
例えば震源から28km離れた地点まで
P波は4秒 S波は7秒で到着し
3秒の時間差が生まれます
この時間差を他に2地点
合計3地点で計測できれば
震源地を特定することができます
するとあらゆる地点への
地震の到着時刻を
割り出すことができるのです
これが緊急地震速報の仕組みです
とここまでは理科の教員として
わかるのですが
さすがに余震予知までは…
さーて来週のおこらいえは
「どうして未来の天気がわかるの?」
天気予報のしくみです
じゃんけんぽん
うふふ
「おはよう日本」の力
156日目
今朝 NHKの「おはよう日本」で
「街プロ」で一生懸命努力している
ふたりの輪高生が紹介されました
まずは邑田 達紀さん
祭りの力で復興を成し遂げたいそう
続いて明後心咲さん
自分自身さみしい思いをしたので
同じ思いをしている子どもたちに
寄り添える場所を作りたいそう
それを見た多くの方から
支援の声が届いています
この番組は
誠実なディレクターさんが
ずっと寄り添って
とても丁寧な作り方をされているので
多くの方の心を動かしたのだと思います
心のケアなど精神看護を専門とする
「らいず訪問看護ステーション」さん
本校の相談課と連絡を取りながら
生徒の様子を観ていただこうかと
考えています
東日本大震災をきっかけとして設立された
「一般財団法人 教育支援グローバル基金」さん
経済的支援や研修活動を行なっています
「街プロ」との関わりの中で
ご一緒させていただきたいと思います
宇都宮のボランティア団体
「ムリーヤ」さん
8月に体育祭に招待してくださるのだそう
輪島高校チームとして出場します
また 番組とは関係ありませんが
愛知県豊岡市のバレーボール関係の方
バレーボール部に対して
ユニフォームやボール代として
使って欲しいということです
私自身は今日
商業高校の校長会に出席しました
本校は
輪島実業高校商業科の流れを汲む
ビジネスコースが設置されているので
普通高校ながら
商業高校会に加盟しています
松任高校の中町玲子校長先生から
声をかけていただきました
「みんな少しずつ慣れてきましたよ」
そう震災によりおよそ30人の生徒が
転校してしまいましたが
松任高校さんには
最も多く受け入れていただき
4人の生徒がお世話になっているのです
校長先生は一人ひとりの様子を
教えてくださいました
しっかりと見守ってくださる
いい校長先生に出会えたね
帰りには金沢北陵高校さんの
グラウンドを見に行ってきました
中村 悟 校長先生が敷地内を
案内してくださいました
目の前に広がる雄大な眺めに思わず
「見晴らしのいい学校ですね」
「いいえ 見晴らしが良くなったんです」
近づいてみると目の前の山が崩れ落ちて
視界がひらけたようです
こんなに離れた金沢でも
こんなに被害があったのですね
学校に帰ると
先日招待してくださった
仙台育英高校野球部保護者会の皆さんが
かっこいいパネルをつくって
送ってくださっていました
うちの選手たちって
こんなにかっこよかったんだと感動
特に監督と部長が男前です
すわ余震
155日目
今朝ほど
能登沖を震源とする
2度の余震が観測されましjた
生徒やその家族の被害の連絡は
今のところなく
通常通りの学校活動を行っています
校舎にも
大きな被害は確認されませんでしたが
傾きが少し大きくなった棟があります
生徒が学習活動をする棟ではありませんので
ご心配なく
自分でタイトルに書いておいて
なんですけど
「すわ地震」の「すわ」って何?
「すわ火事」「すわ雷」とは
言わないですよね
地震の枕詞?
今日の余震で
正月のこと思い出しました
「紅白歌合戦」から「ゆく年くる年」に
切り替わる瞬間が昔から好きです
「赤組優勝おめでとう!」
クラッカーバーン!
花吹雪キラキラ…
・・・
「ゴーン」
・・・
「ここ永平寺では…」
このギャップ
そしてこの静寂
蝋燭の炎が映ります
なんとも言えない
厳かな気持ちになる瞬間です
年が明けると初詣に行きます
今年は能登で一番大きい神社
気多大社へ詣でました
おみくじをひくと「大吉」
これまでの苦労が花咲く!
みたいなことが
書かれていたような気がします
その数分後です
「テロンテロン
テロンテロン
緊急地震速報!…」
大きな揺れが襲います
「火を消せ!」
屋台に向かって叫びます
津波警報が発令
すぐさま裏山へと駆け上り
避難所で一晩明かすことになりました
「ゆく年くる年」で
蝋燭の炎が映し出された24時間後
目に飛び込んできたのは
我が家に迫り来る炎の映像でした
あの時ひいたおみくじに
「大凶!お前の街が消えてなくなる」
と書かれていたとしても
きっと一笑に伏すことでしょう
でもほんとうにそれがおこった
災害は忘れた頃に…
自分の気持ちの緩みを実感させられた
一日でした