2024年2月の記事一覧
災害と政治
42日目
36日目のブログで
地震はなにかの天罰でおこったのではないことを
子どもに理解させることの大切さを書きました
この「災害は天罰である」という考えは
古くは漢の時代に遡る中国の思想で
「災異説」といいます
国に失政があったときに
意思を持った天が
自然災害や異常現象を起こして
君主に警告を与え
それでも改まらなかった場合には
国を滅ぼすと言った
儒教の教えです
昨日紹介した
「あさきゆめみし(源氏物語)」の作者
紫式部とゆかりのある
藤原道長は
この「災異説」を利用して
権力を得ようとしました
長和3年2月
三条天皇の住まいである内裏が燃えました
わるいことは重なるもので
3月にも失火し
宝物をことごとく消失しました
藤原道長は
これは三条天皇の不徳に対する
天の怒りであると
天皇に退位を迫ります
「天道、主上を責め奉る」
次の天皇は道長の娘彰子の子であり
即位をすれば自分が摂政として
権力を振るうことができる
そう考えたものと思われます
正しく「災異説」に従うと
災害は天の警告だから
君主は反省して
民のための政治を行うべきで
決して退位してすむものではないはずです
我が身に置き換えて
子どもたちのために何をすべきかな
猛省の毎日です
今日の「PRAY FOR JAPAN」
停電すると、それを直す人がいて
断水すると、それを直す人がいる
勝手に復旧してるわけじゃない
俺らが室内でマダカナーとか言っている間
寒い中、死ぬ気で頑張ってくれてる人がいる
ひさかたのしじまの中で
41日目
避難民の方が避難所をあとにし
子どもたちが通い始めて初めての土曜日
誰もいない校舎は静まりかえっています
ゆったりと
「あさきゆめみし」
を読んでいます
昨年
「どうする家康」にはまり
今はもう帰ることのできない
我が家の居間で
大好きな有村架純さん演ずる
「瀬名」の自害に涙していたころのことが
なんだか嘘のようです
今年も「光る君へ」を
楽しみにしていたのですが
それはかなわず
そんなおり
支援いただいた物資の中に
「あさきゆめみし(源氏物語)」全7巻
が入っていました
じっくりと味わうように読んでいます
ありがとうございます
気になる番組がもうひとつ
門脇麦さん演じる
「料理は化学です」が口癖の
天才料理人のドラマ
「厨房のありす」です
こちらは1月21日(日)から
スタートしているそうです
化学の教員として興味津々なのが
尊敬するサイエンスライターの
佐藤健太郎先生が監修をされていること
いつも佐藤先生のブログや著書を
授業のネタにさせていただいているので
楽しみにしていたのですが
テレビがないため見れません
部屋の掲示物など細部に至り
こだわっているそうなので
化学に興味がおありのかたには
ぜひともおすすめです
今日の「PRAY FOR JAPAN」
韓国人の友達からさっき来たメール
「世界唯一の核被爆国。大戦にも負けた。
毎年台風が来る。
地震だって来る。津波も来る。
・・・小さい島国だけど、
それでも立ち上がってきたのが
日本なんじゃないの.頑張れ超頑張れ」
ちなみに僕はいま泣いてる。
ごめんなさい 嘘つきました
40日目
みなさん
大変です
38日目のブログで
とんでもない大嘘つきました
どうも目の調子が悪く
目医者さんに行ってみたら
感染性結膜炎と
アレルギー性結膜炎を併発していて
とんでもない状態になっていると…
訂正します
コンタクトレンズは用法を守って
正しく使いましょう
決して使い捨てレンズを
もったいないからといって
使い続けてはいけません
37日目のブログで
子どもの姿を見るだけで涙が…
というくだりも
単なる結膜炎だったんですね
あとブログを読んだ方から
メガネスーパーさんが
コンタクトの被災者支援やってるよ
との情報もいただきました
2月13日(火)から
県内全ての高校で
学校再開するという県教委からの通達を受けました
正式に3学期の始業式を行います
とはいえ、
対面とオンラインのハイブリッド授業や
小中学校の仮校舎が校内にあることなど
これまでと全くかわらないんですけどね
とはいえ一区切り
授業のコマ数も徐々に増やし
日常に一歩ずつ近づけていきます
13日(火)からは
学校にきた生徒に昼食も準備されます
先日
「PRAY FOR JAPAN]
という本をいただきました
これは東日本大震災のときに
世界中から寄せられた思いをまとめたもので
ひとつひとつのメッセージに込められた思いが
今読んでもひしひしと伝わってきて
とても勇気づけられます
この中から1日ひとつずつご紹介します
「大丈夫」の漢字には
人が3人集まってるから
安心を感じる言葉なんだって
小走りの思いやり
39日目
昔、阿久悠さんのエッセイで
「小走りの思いやり」みたいなのを
読んだ覚えがあります
うろ覚えですが
横断歩道の手前で車が止まってくれる
歩行者優先だから当然である
が、
止まってくれた車に軽く会釈する
そしてほんの2、3歩でいいから小走りして見せる
それが
自分も急いでいるのに止まってくれた
運転者への心遣いであり
それが
日本人の心だ
みたいな内容だったと記憶しています
1ヶ月の避難所運営の中で
たくさんの日本人の心を
見せていただきました
狭い通路で譲り合ったり
誰が始めるともなくトイレ掃除
ゴミの分別や収集など
おかげでみなさん快適に過ごすことができました
近隣の高校では
避難所でもないのにガラスを割って忍び込んだり
自動販売機を壊して中身を奪ったり
勝手に校長室に入り込んで備品を使ったりと
信じられない現状が見られたようですが
おかげさまで輪島高校では
そのようなことは一切見られませんでした
みなさんの日本人の心に感謝です
どうか次の避難所でも健やかにお過ごしください
1日でも早く元の暮らしに近づきますように
今日はまず金沢西高校で勉強している
3年生を訪ねました
受験校も絞り終え
あとは目標に向かって一直線
続いて文教会館で学習している12年生です
落ち着いて学習できる環境を
提供してくださっている関係者の方々に
感謝の気持ちでいっぱいです
これまでありがとう避難所さん
38日目
小中学校の登校2日目です
今日も元気よく登校です
昨日は避難経路を確認したり
初めて見るお友達と
おしゃべりしたりしましたが
少しずつ慣れてきているようで
今日はたくさんの笑顔が
見られるようになりました
災害によって子どもたちは
心と体に大きなストレスを受けます
恐怖や不安 家族に対する心配
怒りやイライラ 突然の騒音への怯え
孤立感 生き残ったことへの罪悪感
不眠 悪夢 物忘れ ケガ 無力感
大人でも同じですね
でもこれはあたりまえな反応なので
そのことを自分の言葉で伝えてあげることが必要です
長野県からいらっしゃっている
ボランティアの田中さんが
コマ回しの名人だということがわかり
急きょ高校生を集めて
コマ回し体験をしました
初めてという生徒ばっかりでしたが
すぐに回せるようになりました
昔の遊びは
電気が来なくてもできていいですね
日本こままわし協会では段位が定められていて
技ができれば
それぞれの級や段が与えられるそうです
最高位の六段は
「夜叉車」「砂時計」「背面鞭」など
10種類ができれば認められます
高校生が技をマスターしたら
今度は小学生に教えてあげようと思います
今日コンタクトレンズが破れました
使い捨てではあったのですが
替えもないため1月1日からつけっぱなしでした
「使い捨てレンズは1ヶ月問題なく使える」
実証されました
レンズ会社からすると
あまり推奨できる使い方ではないかもしれません
だとすれば
今回のような災害時
被災したサブスク契約者に
レンズを無償で届け続けるといった
システムは作れませんかね
きっと多くの人が助かると思います
これまで隔離病棟にいらっしゃった
コロナ陽性の方も元気になられ
本校を後にしました
1ヶ月続いた教室での
避難生活が終わりました
空いた視聴覚室には
卓球台やトレーニング器具を運び
ミニ体育館にします
みんなの学校始まります
37日目
今日から小中学生も通い始め
幼小中高みんなが通う学校の始まりです
多くのカメラが見守る中
ドキドキ初めての登校です
子どもたちが集まって来るのを
見つめるだけで
なんだか涙が溢れてきます
発災以来ずっとこんな調子で
目の周りがただれてきています
カタリバにはちっちゃい子が元気いっぱい
小学校1年生から順番に
6年間でずいぶん成長するんですね
6つの小学校から集まっているので
初めてのお友達もたくさんです
仲良しになれるといいね
特支の子も大好きな先生と
保健室もあるから保護者も安心ですね
続いて中高も中1から順に
今日から小中高同じ学び舎に集うことを知った
長崎県の佐世保中央高校の
中島数美教頭先生からは
文学全集を贈っていただきました
小学校で活用させていただきます
同じく神戸高校の星野智英実先生と
3年7組のみなさんからも
素敵な贈り物をいただきました
体育館が使えないので
狭いところでもできる
ミニピンポン台がナイスアイデアですね
心のこもったメッセージも
一人ひとりからいただきました
本当にありがとう
大変なときは「大」きく「変」わるチャンスなんです
36日目
今日のタイトル
島本麻衣子さんのすてきな言葉に出逢いました
http://eyes-woman.com/
明日から始まる小中学校受け入れに向けて
準備です
一年生の教室には
こんなにちっちゃい机と椅子が
運び込まれました
小学生は2階と3階に
上がってもらいますが
階段が吹き抜けになっていて
とっても危険です
急きょネットを張って
落下防止です
今回大人でさえ怖かった地震
小学生はなおのことだったと思います
子どもたちの苦しみや悲しみは
はかり知れないものがあります
災害を経験した子どもたちが
このつらい時期を乗り越えるためには
我々大人が正しい知識を持ち
子どもたちの傷ついた心を理解して
愛情のこもったケアをしていくことが
大切です
今回の地震と火災は
子どもたちから
大切な人
家と部屋
仲良しのペット
お気に入りのぬいぐるみ
大好きな毛布
いろんなものを奪いました
子供達の小さな胸は
その時の恐ろしさで
今でもいっぱいです
だからこそ
今回高校に小中学校を受け入れることに
踏み切りました
お兄さんやお姉さんと
同じ学校に通えること
少しでも安心できますように
ご家族もきっとその方が安心でしょう
災害の後
子どもたちは
「おとなしくて良い子」
のように見えることがあるそうです
子どもたちの悲しみや苦しみを
見落とすことのないように
しっかりと寄り添って
いきたいと思います
まずは地震と津波のメカニズムを
科学的にそして具体的に
説明する必要があります
何かの罰なんかではないこと
そこを理解させないと
苦しみからは抜け出せません
そして東日本大震災の際に
表現されていない感情を表現させる手助けとして
子どもたちに自分の感情や体験を
話し合わせたり
絵を描かせて表現させる
手法が用いられましたが
現在ではこれは
全くの逆効果であることがわかり
やってはいけないこと
とされているそうです
ですので
輪島市の避難所では
避難されている方が
被災時を思い出し
精神を不安定にさせることのないよう
マスコミによる撮影や
インタビューは全て
お断りするという姿勢を
貫いてきました
岡山学芸館高校のみなさんが
手作りのモリンガ石鹸を
送ってくださいました
モリンガとは二酸化炭素の吸収力が杉の数倍あり
温暖化対策に有効な樹木なんだそうです
農業部のみなさんが
一つひとつ手作りして
温かいメッセージも添えてくださいました
水道が復旧したらぜひ使わせていただきますね
何ヶ月先になるかわかりませんが
その日が来るのを楽しみに待っています
今日避難生活が長くなったおばちゃんが
金沢から来たボランティアの方に
「へー、あんたんとこは水道出るが?
都会やねー」
と感心している様子を見て
思わず噴き出してしまいました
一本のかっぱ巻き
35日目
水道の復旧にはまだまだ時間がかかるので
1週間に一度
洗濯と入浴のため
妻と両親が二次避難している
金沢方面へ向かいます
そのとき、
あちこちに拡がっている
生徒の様子も見に行きます
まずは被災した3年生が
お世話になっている
「彩の庭ホテル」さん
とっても静かに学習できる環境です
こちらの支配人はなんと
輪島高校の卒業生
わたしの後輩の橋上さんでした
シャバは狭いなぁ
次に
土日の学習場所として
活用させていただいている
「ハイアットセントリック金沢」さん
まだ生徒は登校前でした
こちらの料飲部長は
わたしの先輩の九内さんの友達の雲井さんでした
クナイのともだちクモイ♪
ラップで韻を踏んでいるようですが
これまたシャバは狭いなぁ
統計学には「6次の隔たり」
という言葉があります
人の知り合いの数は平均44人
44を6回かけると世界の人口を超えます
つまり
「知り合いの知り合いを6人たどれば
世界中の人と知り合いになれる」
というものです
最後に
金沢に避難している
1、2年生の学習の場である
文教会館
以前、輪島高校の避難所の女子トイレに
サニタリーディスペンサーを
設置してくださった
大阪大学のProject IMPACTさんが
こちらにも取り付けてくださるそうです
男子バレー部は金沢錦丘高校さんと
合同練習です
お昼にはおにぎりと豚汁を
振る舞っていただきました
久しぶりに愛情のこもった
あったかい食事に
いつもの親のご飯を思い出した
と言う生徒も・・・
私もひさしぶりにおいしいもの食べようと
回転寿司に入るまではよかったものの
こんなに高かったっけ?
怖じ気づいて
これから物要りだしなあ
結局カッパ巻き1皿だけ食べて
店を出ました
「一杯のかけそば」ならぬ
「一皿のカッパ巻き」
「美味しんぼ」で
寿司職人の腕を診るには玉子を食べろ
と確か海原雄山が言っていましたが
カッパ巻きだけ食べて職人の腕を見切る
食通と思ってもらえなかったかな?
まさかね
きっと変な客と思われたことでしょうね
今日は節分
34日目
今日は節分です
避難民の方々の二次避難も進み
小中学校仮校舎開設の準備も
順調に行われています
私は今年還暦を迎えます
輪島では還暦の年男と厄年を迎えた男が
神社で豆まきを行います
今回火災で失われた朝市通り近くの重蔵神社では
延焼を逃れたものの
鳥居や狛犬が壊れ
拝殿も崩れるなど
大きな被害を受けました
今年は豆まきの中止も議論されましたが
こんな中だからこそ
市民を元気づけるために
ぜひやろうということで
賑々しく開催されました
授業が本格化してきました
33日目
いよいよ
金沢地区へ2次避難している生徒のための
学習支援が文教会館で始まりました
金沢大学さんが全面的に協力してくださり
場所の確保、必要な物資の調達など
スピーディーに準備してくださいました
昼食も全て準備してくださいます
文教会館への交通費は全て
石川県教育委員会が負担してくださいます
落ち着いて学習できる環境が整いました
この後
大学生の学習支援ボランティアも
加わってくださいます
まだ申し込んでいない人は
今からでもオッケーです
無線ルーターの貸し出しも行っています
午前中は輪島高校からの授業を
オンラインで受け
午後からは文教会館で
授業を行っています
今日は自分も
オンラインで授業に参加してみました
授業は生き物で
同じ空間で空気を感じながらやるもので
オンラインなんかでは
気持ちが通じ合わない
絶対にやってたまるかという
頑ななまでのオンライン反対派だったのですが
やってみると
意外!割といいな!という感じでした
授業感変わりました
部活道でも
(本校では部活動を部活道と書きます)
オンラインと対面を上手に併用しています
男子バレー部です
オンライントレーニングの様子です
輪島市の中学校には男子バレー部がなく
全員が高校でバレーを始めたメンバーです
素人軍団であったにも関わらず
今年の総体では県のベスト8に入り
能登地区大会では優勝しました
ところが
これからという時に
今回の被災で
主力2名が
転校することになりました
今日は転校した生徒も加わり
一緒に自宅でトレーニングです
転校先でもぜひバレーを続けてもらいたいです
来年対戦するのが楽しみです
文教会館近くのお店には
笑わんけ金沢
がんばらんけ石川
信じとるよ能登
みんなが応援してくれてます
嬉しいですね
全てが一歩ずつ前進していることを実感しつつ
輪島に帰ります
のと里山海道はきずだらけです
以前の地震でもこんな感じだったな
それでも立ち上がったんだから
今回だってきっと