蒼頡は鳥の足跡で文字を創ったそうだ(校長日記)
終業式の話
おはようございます。今日は2学期最後で、終業式が行われました。
今日も一日いい日でありますように。
その終業式、たくさんの表彰伝達がありました。たくさんの頑張りが見られてよかったです。
今日の話は「十人一色(ひといろ)」です。
「十人十色」という言葉は、皆さんもよく耳にすると思います。一人ひとりの個性を尊重し、それを生かしていくことは、今の時代においてとても大切なことです。ただ、その一方で、個人を重んじるあまり、人と協力し、力を合わせて物事に取り組むことが後回しになってしまうこともあるのではないでしょうか。
だからこそ、今の時代に必要なのは「十人一色(ひといろ)」だと私は思います。みんなで協力し、一つの目標に向かって突き進む。チームやクラス、学校をより良くするために、みんなで準備し、力を合わせていこう――そんな思いを込めた言葉です。もちろん、個人を犠牲にしなさいということではありません。チームやクラスの中でこそ、一人ひとりが自分の力を発揮すればよいのです。
二学期は、体育祭や文化祭、防災フェスタなど、チームやクラス、学年が一つの目標に向かって一生懸命に取り組む行事がたくさんありました。だからこそ、終業式でこの「十人一色(ひといろ)」という言葉を伝えたいと思いました。これは、先生たちだけの言葉ではなく、皆さん一人ひとりが実感として体験してきたことだからです。
三学期は、三年生にとって受験があります。これも「十人一色(ひといろ)」で乗り切ってほしいと思います。「受験はチームで」とよく言われます。互いを思いやり、学習しやすい環境づくり、落ち着いて過ごせる場づくりに、ぜひ力を貸してください。
また、1・2年生は、これから入学してくる後輩を迎える立場になります。自分たちは何ができるのか、学年やクラス、授業の中で取り組むべきことは何かを考え、一人ひとりがチームやクラスのために準備し、協力できるよう成長していってほしいと思います。
終業式にあたり、「終業式は制服で」というアナウンスがありました。普段は自分で考え、過ごしやすい服装を選んで生活していますが、この日は全員が制服を着用していました。場面や状況を考えた行動が、自然にできていたのです。これも、大きな意味での「十人一色(ひといろ)」だと思います。とても素晴らしいことです。
生徒たちには「短い冬休みですが、皆さん一人一人、「十人一色(ひといろ)」で三学期に何ができるか、自分自身に問いかけてみてください。」と話しました。三学期から、皆さんの行動は必ず変わるはずです。
今からとても楽しみにしています。信じて、委ねます。
日に新た。Let's Begin!
みんなで創る、みんなの学校
今日も楽しく一生懸命
BE THE PLAYER
BE THE DREAMER
未来のタイムライン
おはようございます。今朝は冷え込みました。車載気温計は今季初めての0℃。地面は一面白く霜が降りていました。
今日も一日いい日でありますように。
保護者懇談も本日が最終日となりました。二学期の成績や普段の学校生活の様子などを、担任を通じてお伝えする良い機会となっています。これが終わると、いよいよ冬休みです。今年一年の締めくくりの時期となりますが、まだ時間は残されています。やり残していることや、現在進行形で取り組んでいることを、できるだけ満足のいく形で終えられるとよいですね。もちろん、年を越して取り組むことがあっても構いません。ただし、その場合でも、見通しをもったうえで、現時点での自分の立ち位置(座標)を捉えておくことが大切だと思います。
さて、三年生はいよいよ受験モード全開です。私立高校・国公立高校の入試日程も出そろい、それに向けて計画を立てていかなければなりません(言わずもがなですね)。ここで、以前、白石豊先生が講演会でお話しされた「未来へのタイムライン」のことを覚えているでしょうか。
現在(2025年12月23日)を起点として、未来――私立・国公立高校の受験日までのタイムラインを描いてみてください。志望校合格という最終的なゴールは「結果の目標」と呼ばれます。そのゴール地点から、後ろを振り返るようにして現在を見つめてみましょう。受験日(未来)から見て、現在までに何日間あるでしょうか。その期間をどのように過ごすのかという目標が、「経過の目標」です。この「経過の目標」を立てることができなければ、望ましい結果を得られる確率は低くなってしまいます。
結果を得るためには、何を、どのように取り組まなければならないのか。一日一日の過ごし方、特に学習への向き合い方が重要になってきます。この視点で考えてみると、今の自分が「何をすべきか」が、よりはっきりと見えてくるのではないでしょうか。
残りの時間を有意義に過ごすために、ぜひ「未来へのタイムライン」を描き、実際にその道を歩いてみてください。「あれ、時間はまだあるんだな」という気づきや、「今、何をすればよいのか」が、きっと見えてくるはずです。
日に新た。Let's Begin!
みんなで創る、みんなの学校
今日も楽しく一生懸命
BE THE PLAYER
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古(いにしえ)を稽(かんが)える
おはようございます。今日は冬至です。
今日も一日いい日でありますように。
冬至はゆず湯。山中温泉の総湯ではゆずが浮かんでいました。無病息災、運気上昇を願う伝統行事です。心なしか普段より体がポカポカしているように感じます。そのほか冬至にかぼちゃを食べたりするのも、この時期にしっかりと栄養を摂り、無病息災を願ったのでしょう。
昔から伝わるといえば、ちょっと話は変わってしまうのですが、バスケットボールやバレーボールでは「練習する」と言いますが、柔道や剣道、相撲などの日本の伝統的な武道や芸道においては「稽古(けいこ)する」と言います。この「稽古」という言葉には、「古(いにしえ)を稽(かんが)える」という意味があります。稽古とは、過去の先人や猛者たちが身につけてきた技を、一つ一つ丁寧に自らの身に写し取り、内に染み込ませ、自分の技として体現していく営みです。
武道・芸道には「守破離(しゅはり)」という考え方があります。「守」とは、師や流派の教え、基本や型を忠実に守り、徹底して身につける段階です。「破」とは、身につけた型を基に工夫や改善を加え、型を発展させていく段階を指します。そして「離」とは、既存の型や考え方から離れ、自らの境地を切り拓いていく段階です。このように、一つ一つの技と真摯に向き合い、時間をかけて自己を高めていく精神こそが、「稽古」という言葉に込められています。
昔から受け継がれてきた伝統や風習を稽(かんが)えることは、変化の激しい今の時代だからこそ、より一層大切なのかもしれません。
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みんなで創る、みんなの学校
今日も楽しく一生懸命
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教師の仕事の成果って?
おはようございます。今朝は寒かった。かなり冷え込んでいますね。通勤時は気を付けて。山手や日陰のところは凍結があるかもしれません。
今日も一日いい日でありますように。
今日も大村はま先生です。
『教師の仕事の成果、ほんとうに、人を育てたものは、なかなか見えにくいものです。自分で見ることのできることは、ほとんどないでしょうし、本人の気が付くことは、いっそうないでしょう。ほんものであればあるほど、ほんとうにその人のものになっていて、気づかれないでしょう。教師の仕事はそういうものでしょう。
私は長生きしたおかげで、教え子たちの成人した姿をたくさん見ることができました。調べたわけでもたずねたわけでもありません。何かの折に、ふと耳に入ったのです。そのふと話した事が私をそんなにまで感激させたことに、話した人は驚いていました。私の感動が不思議そうでした。
しかし、私はこういう人を育てたかったと、ひとりで感激しておりました。』
大村はま先生の著書 『日本の教師に伝えたいこと』のあとがきにあった文章です。
自分のことを振り返ってみても、今まで何かできたかと問われても、即答は難しいです。教師の仕事の成果、人を育てるということ、目には見えないんですよね。でもやりがいのある仕事と胸を張って言えます。教師の仕事はブラックだと揶揄されても。もっとド・ブラックな時代を過ごしてきましたが。当時の私には「そんなのかんけーねー」でしたし、考えさえもしませんでした。
大村先生のようにひとり感激できる時がくるのだろうか?
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〇〇をつける教師
おはようございます。雲が多い空からのスタート。午後からは晴れて、週末は暖かくなるとの予報。どうした12月。
今日も一日いい日でありますように。
ふと手に取った大村はま先生の著書「日本の教師に伝えたいこと」から・・・。
〇〇をつける教師
『四月の新聞には毎年のように、新卒の、若い教師の話として「私は新卒で、まだ何にもわかりませんが、子供が大好きです。それから愛情があります。熱意があります。この気持ちで、あこがれの先生の仕事をやっていきたいと思います。」というような言葉が載ります。まだ、新学期で、何事もおこらず「先生」「先生」と呼ばれて、楽しく夢中で、一日が過ぎている頃の話だと思います。ですから、これはこれでいいのですけれど、もう一人前の教師になったのですから、考えてほしいと思うことがあります。
今話された三つは、人間がみな持っているもので、教師特有のもの、それがあれば教師がやれる、というようなものではないということです。ごく当たり前のこと。それからどんな仕事をするにしても、熱意は必要です。ですから、愛情とか熱意とかは、ごく当たり前のこと。いい人であるということも、当たり前のこと。別に教師という専門職の資格とは言えないことでしょう。教師は、やはり、〇〇をつける人。〇〇を養う技術を持った人です。いい人だけでは、職業として成り立ちません。学校は〇〇を養う専門の場所であり、教師はそこを職場とする専門職であることを忘れないで、責任をしっかりと負っていたいと思います。よい人間を育てることは、家・学校・社会全体の仕事ですが、〇〇を養うことは、学校がその場です。その覚悟と責任感を持っていたいと思います。』
読んでいてなんとも心に突き刺さる、深い文章でした。この原点にもう一度振り返ることが必要ではないかと、この年になって思いました。
さて、この〇〇にはどんな言葉が入るでしょうか?ちょっと考えてみてください。
日に新た。Let's Begin!
みんなで創る、みんなの学校
今日も楽しく一生懸命
BE THE PLAYER
BE THE DREAMER
12月もあと2週間。早いものです。