校長室ブログ

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王冠 今年の総体・総文

 先週から今週末にかけて、令和6年度の県総体・総文が各地で次々に開催され、県内の多くの高校生が日々の練習や修練の成果を発揮し合いました。壮行会でもお話ししましたが、元日の地震の影響もあり、今年は当初予定されていた大会日程や会場を大きく変更しながら、何とかして例年通りの大会が開催できるように準備してきました。

 3年生の皆さんにとっては、この3年間、先輩や後輩たちと笑ったり、時には悔し涙を流したりしながらつないできた日々の集大成です。有終の美を飾るべく、試合に、作品制作にと、一心に取り組んだ皆さんを応援したくて、あちこち駆け回りました。

 行く先々で、試合の中でグググーンと成長している素敵な姿が見られました。技術的にもそうですが、精神的に強くなり人として磨きがかかったような…そんな表情や行動をたくさん見ることが出来ました。そういう3年生や2年生の姿を間近で見ていた1年生も、これから日に日に素敵になっていくんだろうなぁと思わされました。

 励ますつもりが皆さんのまぶしい姿に心を揺さぶられ、エネルギーをたくさんいただいた嬉しい九日間でした。

   

      

 

鉛筆 学びの環境

 昨日のスポーツテスト測定会は、金沢市営陸上競技場という最高の舞台で、自己ベストに果敢に挑む気持ちの良い姿があちらこちらで見られました。工事の関係で運動場が使えず、思うような練習はできていなかったと思うのですが、早めに競技場に来てトラックでのウォーミングアップなど軽く流している2年生の男の子たちを見ながら、伸び伸びと体を鍛えられる環境がいかに嬉しいものか、改めて痛感させられました。 

 今日の1限目には、やはり2年生の生物基礎の授業で学校のお隣のたんぼに繁殖する「藻」の様子を見に行きました。クロムブックを使えば細部の映像まで見られますが、どんなところにどんな大きさでどんな拡がり方をしているのか、種類の違いによる実際の色味の違いはどうかなど、自分の目で確認して初めて実感できることがあります。教室に戻ってから顕微鏡で先生が前もって採取してくれていたその藻の細部の様子を見た時も、いつになく身近に感じてまじまじと覗き込んでしまうのでした。 

     

 学ぶ環境は本当に大切です。今月に入り教室棟の工事が大きな音が出るものになり、授業中も聞き取りづらい場面が出てくるようになったので、本日から授業の多くを管理棟の教室で実施できるようにしました。2年生は管理棟2階の物理実験室を工事が落ち着くまでの仮ホームとしました。1年生も朝礼・終礼・お昼休みと火曜日の午後以外は、ほぼ管理棟で過ごせるようにして、移動教室も今までよりは少しだけ楽になるようにしています。 

 高校時代は学ぶのがお仕事です。たった3年間しかないこの時間に、大切なことを少しでも多く学んでもらえるようにこれからも考えていきます。不自由や不便も今の向陽生だけが経験できる特別なことと捉えて一緒に乗り越えていければ嬉しく思います。

驚く・ビックリ そんなにもあなたは〇〇を待つてゐた…

全校生徒の何割が並んだのだろう…。お弁当を持ってきていた人も沢山並んでいたのではないでしょうか?

今日は、内灘町のパン屋さん「ふわこっぺ」さんが、本校で臨時に販売をして下さいました。美味しいこっぺぱんが来るとあって、朝から本当に楽しみにしていたのでしょうね。4限のチャイムが鳴り終わるや否や、すごい勢いで生徒玄関に殺到する姿を見て、私自身の高校時代を思い出しました。(狙っていた焼きそばパン、今日も買えなかったなぁ…)なんて恨めしい思いで教室にとぼとぼと戻っていったっけ…(笑)

でも私の高校時代とは違って、きちんと一列に並んで買い求めている皆さんの姿はとても誇らしいものでした。さすが向陽生だなと嬉しくなりました。

欲を言えば、今回は初回だったので、早く並べなかった友達の分も頼まれたのか、たくさん買っている人がいましたが、次回からは、後ろに沢山並んでいる人にも行きわたるように考えて購入するようにしていけたらいいですね。美味しいものはみんなで食べられるともっと美味しくなるものですから…。

次回の販売も楽しみですね!                           

キラキラ さやけく生きていく

星野富弘さんが亡くなりました。

昨年のちょうど今頃、母の日を目前にした5月10日のこの「校長室ブログ」で、星野さんの詩についてお話ししました。「星野富弘」「ぺんぺん草」で画像検索してくれたら、その心温まる作品がすぐに見られると思います。首から下が全く動かせない身体で、口に筆を加えて描いたとはとても思えない、本当に美しい作品です。

星野さんの描く草花の絵とこぼれる言葉は素直に心に染み入ります。

「私にできることは小さなこと/でもそれを感謝してできたら きっと大きなことだ」(グミ)

「道端の花のようにひっそりと だれかの役に立てたらいいな/神様だけが知っているんだ」(シモツケソウ)

「たち止まっていいんだよ/ふり返っていいんだよ/そこに美しいものを見たのなら/すわりこんで ずうっと見ていて いいんだよ」(カキオドシ)

短いもの、長めのもの、色々ありますが、中でも私が励まされたのは次の詩です。

「痛みを感じるのは 生きているから/悩みがあるのは 生きているから/傷つくのは 生きているから/私は今 かなり生きているぞ」……一薬草(イチヤクソウ)という可愛い花の絵とともにあった詩です。痛みを感じ、悩み、傷ついていることを、「かなり生きているぞ」と前向きな言い方で吹き飛ばそうとしているというか、生命があるということのすごさの前にはどんな思いを持つことも全て愛おしいことなんだと言ってくれているというか…星野さんの強さがとてもまぶしかった詩でした。

自分の弱さや醜さを見つめ受け入れながら、さやけく生きていくために自分を奮い立たせていた星野さん。そんな姿や言葉が、多くの人を同じように奮い立たせ励ましてくれました。今頃は天上でお母さんの肩を存分に叩けていますように…。合掌。

本 今日は『子ども読書の日』です

 職員会議が始まろうとしていた時のことです。会議が行われる視聴覚室の前で出会った2人の1年生が、今日は部活動がなくなったので帰る時間まで図書館で過ごすのだと話してくれました。今日は「子ども読書の日」。そして今日から5月12日までの約3週間は「こどもの読書週間」です。なんともピッタリだなぁと階段を上がっていく二人を嬉しく見送りました。

  今日 4月23日は「※サン・ジョルディの日」であり、「世界図書・著作権の日」でもあります。1週間後の30日は「図書館記念日」と、本や読書にまつわる記念日が続きます。

 私もここ数週間、読書熱が高まっていて、憑かれたように色々と読み漁っています。運転中はオーディオブックで聴き、寝る前は本を開いて黙読と、最低2冊を並行読みしたりして、その合間にTverも見てと大忙しです。そうまでして読みたい本があるのかと思われるかもしれませんが、そうまでして読みたくなる1冊との出会いを追い続けているという感じです。あるいは、最後のページを読み終えてパタンと閉じる時の充足感がたまらないからというのもあります。

 夢中になれるかどうか…勘が外れることもたまにありますが、たいていは知らない世界を知ることが出来たり、素敵な考え方や表現に出会えたり、新しい友達が増えていくような感じで嬉しいことの方が多いです。「(心の栄養のためにも)食事をするように読書をすべき」と言ったのは、『不思議の国のアリス』の作者のルイス・キャロルですが、食事をしている時間そのものが楽しくて、栄養になるかどうかは、私の場合は二の次です。

 そうそう。12Hさんが図書館オリエンテーションをしていた時に手に取った『君のクイズ』(小川哲 著)は、「読み始めたら、もう止まれない」と帯にあったとおり、本当に一気に読んでしまいました。クイズ番組好きにはたまらない1冊ですよ。ぜひ、お薦めします!皆さんもお薦めの本があったら、ぜひ教えてくださいね! 

 

  ※ サン・ジョルディの日:「本の日」とも呼ばれ、スペインのカタルーニャでは親しい人に本を贈る記念日とされている