2024年10月の記事一覧

準備ができた人のところに奇跡は起こる

地震から280日目

豪雨から16日目

 

アメリカの著作家

ウェイン・ダイアー氏は

「人間の感情で最も無益な感情を二つ挙げれば

 済んでしまったことへの自責の念と

 これから行うことへの不安である」

と述べています

そして

「準備ができた人のところに奇跡は起こる」

とも

 

「街プロ」について取材を受けると

決まって聞かれるふたつが

①「きっかけは?」

 人を好きになるのに理由などないのと同じで

 やりたいからやる

 ほとんどそれだけです

②「ゴールは?」

 明日の生活すらどうなるかわからない中

 そんなビジョンなどあるわけがありません

 

過去と未来は考えない

あるのは現在のみ

そして準備ができたら奇跡は起こるのです

 

今日は準備ができて奇跡が起こりつつある

ひとつのグループを紹介します

 

「ネコにもあげれるスイーツ」グループです

長井彩綺さん

大向莉奈さん

坂口紋彩さん

濵谷美耶さん

の4名による活動です

 

避難生活の中で

ヒトが食べているものを

気軽にペットにもあげれるといいなと

考えたのがきっかけです

 

ネコにとって

小麦粉がアレルゲンになったり

牛乳によって皮膚疾患が見られたりと

ヒトが口にするものをそのままあげることが

好ましくない場合があります

そこで小麦粉のかわりに米粉と片栗粉を

牛乳のかわりに豆乳を用いたスイーツを開発

スーパー「ワイプラザ」内の出張朝市での

販売にこぎつけました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今後は投資家さんとの

マッチングイベントに参加して

来年の大阪万博での出店を目指しています

 

商品開発にご協力くださったのは

輪島市内に店舗を構える

「アンファン」さんと「ta・mago」さん

 

「アンファン」さんは小さな洋菓子屋さん

 

 

 

 

 

 

フランス北西部のブルターニュ地方に伝わる

伝統的な焼き菓子「ファーブルトン」などが

お店に並びます

 

 

 

 

 

 

 https://notowajima.jp/navi/anfan/

 

「ta・mago」さんはシフォンケーキのお店

 

 

 

 

 

 

店へ向かう橋が今回の水害でこのとおり

 

 

 

 

 

 

でも明るい店主はめげません

 

 

 

 

 

 

しばらくはオンラインで

ふわふわもちもちのシフォンケーキを

お届けします

 https://ta-mago.net/


ほかの「街プロ」グループも紹介します

 

【A5】輪島の課題

 天野さんは現在の輪島の課題を

 あぶり出しています 

 被災地でとられたアンケートなどをもとに

 研究しています

 

【B5】リラクゼーションルーム

   〜学校にヨギボーを置こう〜

 紺谷さんと干場さんは

 生徒が勉強の合間に休めて

 リラックスできる場所をつくるために

 ヨギボーやお菓子を置いた

 場所を設置したいと考えています

 

【C5】商店街を復興しよう

 古戸さんは

 馬場崎商店街の復興を目指して活動をしています

 

ありし日の窓岩

地震から279日目

豪雨から15日目

 

今回水害で被害の大きかった町野地区

 

氾濫した町野川は

かつての町野高校の高校に

「玲瓏と清き流れの町野川

 そそぐ海原遥けくも…」

と歌われるように

日本海にそそいでいます

それで河口の海岸を

曽々木(そそぎ)海岸といいます

 

曽々木海岸には

観光名所「窓岩」がありました

高さ10m以上あろうかという

大きな岩の真ん中に

ポッカリと窓を開けたような穴がありました

「ありました」と過去形なのは

今回の地震でなくなってしまったから

 

9月27日に投稿したこの写真

 

 

 

 

 

 

窓岩が「あった」場所です

 

そういえば生徒相談室に

窓岩を写した写真があったなと

生徒相談課の先生に探してもらったら

出てきました

これです!

 

 

 

 

 

 

年に数回しか見られない

窓の真ん中から夕陽が覗く一瞬を捉えた

貴重なものです 

 

窓岩は

一枚の岩の真ん中に

穴が空いていたわけではなくて

よくみるといくつかの岩が

微妙なバランスで積み重なって

その隙間が綺麗な窓を形作っていました

 

私はそれを見上げ

きっと奥能登で一番高い山

高州山がかつて活火山だった頃

吹き飛ばされてきた岩が

積み重なったのか

あるいは

曽々木海岸を見下ろす岩倉山が

土石流を起こし

その時流されてきた岩が

積み重なったのか

太古のロマンに思いを馳せることが

しばしばありました

 

いずれにせよ

その岩が今回姿を消してしまった

そう考えると

地質的に非常に貴重な

歴史的瞬間に立ち会えたんだなと

感慨深くなります


「街プロ」グループを紹介するコーナー

 

【A4】みつばちプロジェクト

   〜高校生×小学生の交流会〜

 稲木さんは

 高齢者の声が優先されがちな状況の中

 若者の視点が反映されることが少ないことに

 危機感を感じています

 学生も社会を変える力がある

 世代を超えた協力と

 積極的な行動が重要であると考えています

 そこで小学生と高校生の交流を通じて

 未来の輪島を共に考え

 実践する機会を作る取り組みを行っています

 

【B4】被災地記録

 笹波さん 三中さん 白崎さんらは

 地震で被災した経験をもとに

 震災前や復興途中の写真や

 震災時に必要だった物資についての情報を

 SNSで発信しています

 被災者のリアルな声と現状を共有し

 支援の輪を広げ

 復興への関心を高めるプロジェクトです

 

【C4】 フラワーアレンジメント

   〜花で小中高生を笑顔にしよう〜

 岩地さん 出村さん 松谷さん 森さん 上平さんらは

 地震によって活気がなくなった輪島を

 小中高生を対象とした

 花を使ったイベントを開催することで

 笑顔にします

 元気あふれる子どもたちによって

 輪島の活気を取り戻すことを目的とした

 取り組みを行っています 

お礼参り

地震から278日目

豪雨から14日目

 

商業高校の全国校長会があって

岐阜に来ています

 

少し時間を作って

これまでご支援くださった

近くの方々を訪ねてみました 


 

 

 

 

 

 

こちらは震災後真っ先に駆けつけて

ほぼ1ヶ月にわたって

炊き出しをしてくださっていた

Humanity First さんのモスク

 

中も見学させていただきました

 

 

 

 

 

 

厳かで敬虔な雰囲気の本部

 

 

 

 

 

 

こちらは祈りを捧げる礼拝堂

メッカの方向を向いています

 

 

 

 

 

 

コーランも見せていただきました

単なる経典にとどまらず

生き方や決まりごと

相続の方法まで事細かに定められていて

憲法の役割もしています

 

LOVE FOR ALL HATRED FOR NONE

誰も憎まず全ての人に愛を

この教えを忠実に被災者に対して

分け与えてくださっていたことに

心から感謝です


次に名古屋市立西陵高校さん

 

 

 

 

 

 

昨年度の2年5組のみなさんが

真っ先に支援物資を送ってくださいました

 

その頃郵便も宅急便も動いていなくて

宅急便の集荷基地まで取りに行ったのを

思い出しました

なんだか遠い遠い昔のような気がします

 

靴下とかハンカチとかコスメとか

女の子らしい可愛いものから絵本まで

当時お風呂に何日も入れない子らが

本当に喜んでいました

 

 

 

 

 

 

授業中だったけど廊下から直接

こそっと感謝の言葉を伝えたら

素敵な笑顔を返してくださいました

 

被災地で頑張っている輪島高校の子らも

困っているところにすぐ手を差し伸べてくれる

日本中の高校生らも

本当に国の宝だなと思いました


最近発表された新しい研究

「新型コロナに罹りやすい血液型がある」

 

えー?

そもそも血液型占いには

なんの科学的根拠もないのに…

 

ところがこの学説にはちゃんとした根拠があって

新型コロナに限らずウイルスは

細胞の外に出ていく際に

血液型の情報も一緒に持って出ていきます

例えばA型の方が罹ったウイルスは

A型の特徴を熟知していて

A型の人に罹りやすい傾向がある反面

B型の人には抗体の違いもあり

感染しづらくなります

 

ABO式血液型は

赤血球の表面の形状で決まります

 

O型の人はAB双方と

赤血球の形状上の共通点がないので

A型とB型から来たウイルスには感染しにくく

 

AB型の赤血球は

A型B型双方の特徴を持つので

A型から来たウイルスにも

B型から来たウイルスにも

簡単に罹ってしまう傾向があります


「街プロ」グループを紹介するコーナー

【A3】子どもの居場所を作りたい

 桂木さんと明後さんは

 今子どもの居場所が少なく

 特に門前地区にはそれがないので

 ぜひ作りたいと考え

 直接市役所を訪ね活動をしています

 

【B3】猫探し

 茶園さん 東野さん 若狭さんは

 地震で迷子になった猫を保護したり

 飼い主に戻す活動をしています

 

【C3】猫と人間が食べれるお菓子

 長井さん 大向さん 坂口さん 濵谷さんは

 人間も猫も食べられるお菓子を開発しています

 主にシフォンケーキやボーロを

 販売しようと考えています

 被災した時に

 人間が食べているものを

 気軽にペットにもあげれたらいいなと思い

 そのイメージのもとで活動しています

 完成したら大阪万博での出店を

 視野に入れています

半島の最先端から目指せ世界の最先端 vol.3

地震から277日目

豪雨から13日目 

 

少子高齢化でいえば日本は世界の最先端

その中でも能登はトップランナー

という話をしましたが

世界の先進国の中には

日本同様すでに少子高齢化に

悩んでいる国がチラホラ

 

例えばイタリア

「忘れ去られた町」が無数にあります

地理的にも社会的にも

周辺から隔絶された小さな集落が

全国に点在しています

 

イタリアでは急激な人口減少が全国的に進んでいます

その中でも地方の過疎化がひときわ深刻で

正に日本とそっくりな状態です

政府も手を打ちあぐねています

公共交通網や医療体制そして教育と

基本的なインフラさえ満足に提供されていません

公立高校がない自治体も多く

中学校さえない自治体もあることを考えると

日本は本当に踏ん張っていると思います

 

能登の創造的復興を目指す取り組みの中で

このような世界中の国に提案できるような

何かがきっとあると考えます

 

それを発信する第一歩が

10月10日

本校を舞台に繰り広げられる

グローバルフォーラムです

 

世界中の国から教育関係者を招いて

未来の教育を共に考えるフォーラムです

 

昔TBSで放送されていた

「学校へ行こう」の

「未成年の主張」を行います

被災し言いたいことを我慢しているみんなが

屋上の上から

世界中の人に向けて叫びます

 

この企画をOECD(経済協力開発機構)に話したら

紹介されたスウェーデンの学校で先に実践され

教育的効果があったと報告されています

日本のテレビ番組が

世界の教育を変えました


「街プロ」グループを紹介するコーナー

 

【A2】輪島の和菓子を食べてもらおう

 上野さん 谷内さんらは

 輪島の和菓子を

 輪島出張朝市で販売する計画を立てています

 輪島には

 えがらまんじゅう

 しおせんべい

 柚餅子

 水ようかんなど

 多くの和菓子があります

 工場が使えなくなった店

 販売所をなくした店

 事情はそれぞれですが

 その復興を夢見ています

 

【B2】若者と高齢者との交流を増やそう

 谷内さんと谷野さんらは

 今回の被災により

 地元の高齢者との会話ができないことによる

 問題に不便さを感じました

 若者と高齢者が

 ともに語らい遊んだりできる

 場所の創出を目指しています

 

【C2】ダンスでみんなを笑顔に!

 山本さんは

 自分が大好きなダンスを通して

 市民のみなさんを笑顔にしようと

 がんばっています

半島の最先端から目指せ世界の最先端 vol.2

地震から276日目

豪雨から12 日目 

 

七尾高校のSSHの取り組みが

現行の学習指導要領に取り入れられている

という話を昨日しましたが

 

今日はまずその顛末を

 

今からおよそ15年ほど前

当時七尾高校のSSH推進室長だった私は

文部科学省に呼び出されました

招集先は大阪の大手前高校の校長室

窓越しに大阪府庁の知事室が見え

当時橋下知事が執務をなさっていました

 

他にも呼び出されたのは

奈良の西大和高校

滋賀の膳所高校

兵庫の三田祥雲館高校

 

招集先の大手前高校を含め5校です

 

呼び出した総統閣下から

「君たちには日本の教育を変える重要な任務を与える」

とミッションを告げられました

「なんやそれ?女子ーズか?」

と心の中で突っ込んでいました

「女子ーズ」は

地球の平和を守るため突然集められた

5人の女の子の戦隊コメディーです

出演している女優陣は

今考えると

「本当にこの方たちが全員共演していたの?!」

と驚きのキャスティングです

 

ともかく

この5校のSSHの取り組みを元に

新しい学習指導要領の草案づくりに取り組む

「世界に羽ばたく人材育成プログラム」

がスタートしたのでした

 

「ルーブリック」や「ポートフォリオ評価」など

教育界において今では一般的なことばですが

当時はなにそれ???

って感じで必死に食いついて行っていました

 

七尾高校の取り組みが採用されたのは

探究活動は

「課題の設定」→

 「情報の収集」→

       「整理・分析」→

   「まとめ・表現」↖︎

の活動を螺旋階段を登るように

繰り返すんですよ

のくだりです

 

そのときの発表原稿がこちら

 

 

 

 

 

 

助言者の大学教授からは

「これは今世界で研究されている中での

 最先端の教育プログラムですよ

 こんなプログラムが

 日本の一地方の公立高校で生まれるなんて

 独自の進化をとげたまさにガラパゴスです」

と評価を受けました

当時の主幹教諭からは

「それってディスられているんじゃ?」

とからかわれましたが

自分は最高の褒め言葉と捉えていました 


先日東北復興研修旅行でお伺いした

宮城県立多賀城高等学校の

小野敬弘 校長先生より

そのときの写真を送っていただきました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなにたくさんで見送ってくださったんですね

どうもありがとう!

うちの生徒が

「一生忘れられない光景」

と言っていたのに納得です