2024年3月の記事一覧
東日本大震災13年に思う
72日目
11日付の朝日新聞「天声人語」です
「女川町を見下ろす丘の上で、
これを書いています。
いかがお過ごしですか?
あの日と同じように、
さっきまで小雪が風に舞っていました。
あなたたちを忘れぬようにという
空からのメッセージでしょう。」
昨日3月11日は忘れてはならない日
学校でも14時46分に黙祷を捧げました
あの時亡くなった方が
命と引き換えに残してくださった
教訓のおかげで
あの時生き残った方が
差し伸べてくださる
温かい手のおかげで
今私たちはこうして生きています
今回最も大きな被害のあった場所のひとつ
珠洲市の高屋という地区に
かつて原発を建設する計画がありました
私が教員になりたての頃
40年ほど昔の話です
賛成派と反対派が
珠洲市を二分して争いました
立場が異なれば
親子や兄弟であっても
口すらきかないという
殺伐とした空気が
街中を覆っていました
選挙が近くなると
ほとんど車の通らない山奥の道沿いに
真夜中に点々と車が停まっているのです
夜中にこっそり往来する車を見張って
寝返るものがいないか
お互いに見張っているのです
不気味な光景でした
教員になりたての頃は
「珠州の子はなんて物言わぬ子だろう」
と正直感じていたのですが
おそらく大人たちのそういった雰囲気を
感じ取っていたのだと思います
珠州に限らず
石川県の人は総じて自己表現が苦手
よく言われます
百万石の領地を抱える前田の殿様は
徳川家に目をつけられぬよう
鼻毛を伸ばすなど
わざと馬鹿なフリをして
領民をお守りになったとも言われます
目立つことが嫌いで控えめな
石川県民の気質はそういったところから
脈々と引き継がれてきたものかもしれません
今回も
支援に来てくださっている
大阪府の方に言われました
「よう黙ってんな
大阪やったら
みんな暴れてるで」
言うべきことを言う
ということをやっていかなければ
今回の被災を次に活かすことはできません
結局
珠洲の原発は反対派が勝利しました
もしあの時原発が建っていたら・・・
考えるだけで恐ろしくなります
物言わぬ当時の珠州の人々が
心の声をあげて
今の我々を
放射能から守ってくださいました
「天声人語」は続けます
「なぜでしょう。
あなたたちの命の代わりに学んだはずのことが
なぜこんなふうになってしまうのでしょう。
女川原発は秋にも再稼働するそうです。」