2025年7月の記事一覧
「生物」と「数学」のメガネ
地震から 577 日目
豪雨から 313 日目
名城大学附属高等学校より
岡 充彦 教頭先生
小堀 淳子 先生はじめ
アントレプレナーの生徒さんたちが
本校を訪れてくださいました
本校の3年生
中村輝くんがボランティアでやっている観光ガイド
そのお客様として
訪れてくださいました
中村輝くんをそのフォルムから
私は勝手に『輝輝坊主』と呼んでいます
午後からは
『災害時学校支援チームおかやま』
のみなさんがお越しになりました
昨日から七尾市の方で防災の講演会をなさり
本日本校まで足を運んでくださいました
昨日兵庫の『EARTH』さんと
お話をさせていただき
本日は『チーム岡山』さん
日本の災害支援を牽引するふたつの団体さんに
続いてお逢いすることができました
石川県でも設立に向けて動いています
先輩方の仲間入りをさせていただき
今回の経験を
次の災害のために役立てていきたい
と思います
きびだんごをもらったので
家来としてはたらきます!
【今日のDeep Purple】
教科を超えた授業実践を紹介し
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
野々市明倫高校さんの事例紹介4回目は
『生物』と『数学』のメガネ
「世にも奇妙な自然界に潜む数学」です
まずはフィボナッチ数列を学んだそうです
本コラムでも以前に紹介しました
1,2,3,5,8,13,21,34,55,89…
前のふたつを足したものが次の数
という数列です
考えたのはイタリアの数学者 レオナルド・ピサノ
父の名前がボナッチで
filius Bonacci(ボナッチの息子)
が短縮されてフィボナッチと呼ばれるように
彼は「兎の問題」を出題しました
次のとおりです
「1つがいの兎は
生後2か月後から
毎月1つがいの兎を産み
兎が死ぬことはないものとする
この場合に
産まれたばかりの1つがいの兎は
1年後に何つがいの兎になるか?」
解いてみてください
ちなみにつがいを漢字で『番』と書きます
では次の漢字はなんと読むでしょう」
『蝶番』
前の3つを足すトリボナッチ数列
0,0,1,1,2,4,7,13,24…
4つを足すテトラナッチ数列
0,0,0,1,1,2,4,8,15,29…
なんてのもあるそうです
フィボナッチ数列が
自然界によく見られる数列であることは
知られていますが
トリボナッチ数列や
テトラナッチ数列に関してはどうなんでしょう?
考えてみるとおもしろいですね
さて明倫高校さんの授業では
さらにハニカム構造を学んだそうです
ハニカム構造とは
正六角柱を隙間なく並べた構造のことです
「honeycomb」はハチの巣を意味します
なぜハチは六角形の巣を作るのでしょう
数学的に検証してみたそうです
答えを言ってしまうと
少ない材料で最も広い部屋を作れるからです
検証してみましょう
例えば12m分の壁を作る材料があったとします
正方形の部屋を作ると
1辺あたり3m つまり
面積 = 縦 × 横 = 3 × 3 = 9m2
正三角形では
1辺が4m
高さは1:2:√3 を使って
√3 ≒ 1.7 とすると3.4
その面積は
底辺 × 高さ ÷ 2 = 4 × 3.4 ÷ 2 = 6.7 m2
正方形より狭くなりました
円だと…
直径 × π = 円周だから
直径 = 12/π で
半径 = 6/π
面積 = π(6/π)2= 36/π ≒ 12 m2
このように円が一番
コスパがいいのです
で
この円の部屋を敷き詰めると
ひとつの部屋の周りには
6つの部屋が隣接します
これだと円と円の隙間が無駄なので
それを埋めたのがハニカム構造
ミツバチって頭いいですね
計算したわけじゃなく
体験で身につけたのでしょうけど
π にまつわる話をもうひとつ
「ピラミッドの横幅を高さで割って
2倍すると円周率になる」
ピラミッドの1辺 = 230.37m
高さ = 146.6 m
(230.37 / 146.6) × 2 ≒ 3.14
円周率という概念は
ギリシャ数学において確立されますが
それはピラミッドが造られた
およそ2000年あとのことです
π の計算もせずに
体験で身につけたもの?
ミツバチ以上ですね
円形の物差しを使っていたのではないか
という説があります
石を切り出す際に
高さは物差しの直径で
幅はその物差しを転がして測った
とすると説明はつきます
ただそんな物差しは
未だ発見されていないのだとか