2024年1月の記事一覧

昔の戦友より

このブログ

多くの方が読んでくださっているみたいで

たくさんの激励のお言葉をいただいています

本当に大きな力となります

 

やすらぎ小松にお勤めの桐生裕三先生が

石川県出身の哲学者である

西田幾多郎先生の言葉を送ってくださいました

「非常時なればなるほど

 我々は一面において落ち着いて

 深く遠く考えねばならぬと思う」

 

桐生先生とは昔、甲子園を賭けて戦った仲です

当時、後にドラフト1位でプロに入団する投手を擁するうちのチームを

1回戦で0-1で破った監督です

 

勝負師、桐生監督らしいお言葉です

 

生きていてよかった!

今日は本来なら始業式の日

本当は来れる生徒がひとりでもふたりでも

始業式を決行するつもりではいたのですが

校舎の安全が保証できない限り

やはり生徒を集めるのはためらわれます

 

でも、ひとりで頑張っている受験生に

友達の顔を見て安心してもらいたくて

ひとりじゃないって思ってもらいたくて

顔を合わせる場面を設定しました

 

本校から今年共通テストを受けるのは38名

このうち、

住むところを失い親戚を頼って輪島を離れた生徒や

今だに道路が分断されていて出てこれない生徒がいたりして

今日集まったのは13名でした

 

2週間ぶりに逢う生徒を前にして

あれも言おうこれも言おうと

たくさん準備していたのですが

顔を見た瞬間、結局出た言葉は

「よう生きとったな!」

それだけ…

 

でも生徒の目は輝いていました

きっと大丈夫

確信しました

 

みんなで「愛は勝つ」を歌いました

昨年暮れ、惜しくも亡くなった

KANさんが遺したこの曲は

東日本大震災の際に

チャリティソングとして

多くの人の心を打ちました

そしてなんと、本校進路指導主事の

矢知先生が受験生の時の曲なのです

 

これを歌おうと思いたったのは昨夜

今朝早く、件の「奇跡の一軒家」に忍び込んで

タンスの下敷きになっていた

思い出のギターを引っ張り出して来ました

 

それから共通テストについての話をしました

聞いてみると

文房具もない生徒がほとんどだったので

職員室や進路指導室の瓦礫の下から

ありったけの鉛筆や消しゴムを拾い集めました

 

 

 

 

 

 

輪島高校は

共通テストの会場がある金沢市まで

車で2時間

毎年バスをチャーターし

ホテルもみんなで予約して

団体受験をしています

 

こんな状況ではありますが

今年も予定通り行きます

道路状況が悪く

普段の2〜3倍の時間がかかりますが

「緊急車両用通行許可証」を

県教育委員会がもらってくれました

これでスムーズに通れます

 

いろんな方が応援してくださっています

ありがたい限りです

力を発揮することが

全ての人への恩返しです

今日という一日は・・・

8日目も終わろうとしています

バタバタしていた割に

何をしたかと考えると???

 

調理室に忍び込み

奇跡的に無傷の電子レンジを数台発掘しました

少しでも温かいものを食べていただこうと

さっそく各フロアに設置しました

 

なんだかとってもいいことをした気分

と、ひとり悦に入っていると突然バチッ

一斉に使用したため

ブレーカーが落ちたようです

泣く泣く引き上げました

みんなを期待させてごめんなさい

 

ブレーカーを入れ直すため

自衛隊が駐屯している体育館に潜入

目の前に映画のような光景が広がります

 

 

 

 

 

 

 

グラウンドにも多くの重機が…

自分が高校生時代野球の練習をしていた

グラウンドがこんな姿になるとは…

 

 

 

 

 

 

震災前はこんな感じでした

 

 

 

 

 

 

グラウンド全体にうっすらと

氷が張った早朝のグラウンドです

 

今日も炊き出しをしていただきました

うっすら雪化粧の中

あったかいご馳走が嬉しいです

 

 

 

 

 

 

 

昨日お世話になった「Japan 元気塾」さん

今日は帰途についていたのですが

途中積雪のための倒木による通行止めで

ふたたび戻って来て

今日もうどんをご馳走してくださいました

 

よくよく見ると

味付けがちゃんと関西風

やはり地方によって

変えていらっしゃるのでしょう

細やかな心配りに感心しきりです

 

同じく昨日からお世話になっている

「Humanity First」さん

パキスタンやモンゴルの連合軍です

今日はキーマカレーをご馳走してくださいました

 

 

 

 

 

 

 

今日新たに加わったのは

大宮で天ぷら屋を営む「周平」さん

天丼をこしらえてくださいました

初めて炊き出しを行ったそうで

15時間もかけてお越しくださったんだとか

 

 

 

 

 

 

 

深夜になると

感染症病棟に段ボールベッドが

運び込まれます

市の職員や保健師さんたちで

必死の組み立てです

 

 

 

 

 

 

 

とにかく今日も一日が終わります

いろいろ走り回ってクタクタです

 

今日という日は自分にとっては

ただの一日だったけど

 

瓦礫の下で亡くなった方にとっては

どうしても生きたいと願った

一日だったんだろうなと思うと

 

この疲れこそが生きている証で

なんだか尊く感じます

 

明日は久しぶりに生徒に逢えます

「おこらいえ」って何?

8日目の朝です

外はすっぽり雪に覆われています

 

 

 

 

 

 

除雪が必要なほどの積雪はなく

ひとまずほっとしています

 

生徒を元気づけようと続けているこのコラム

他にも多くの方に見ていただいているようで

温かい励ましのメールなんかもいただいています

本当にありがとうございます

 

タイトルの「おこらいえ」について

 

どこかフランス語の響きにも似たこの言葉

これは輪島の「あまさん」の言葉です

意味は第1回のコラムを見てください

 

輪島の「あま」は

前田のお殿様(利家公?)から

特別に武士の称号を与えられた特権階級です

ですので多くの「あまさん」が住む町は

「海女町」ではなく「海士町」と書きます

 

現在避難所にも多くの方が身を寄せています

「じょー、おこらいえ」

「なだ、なにか」

など「海士町」の言葉が飛び交っています

 

輪島の「海士町」はとてもパワフルな町です

「おどらんな、じしんぐれえ、なしたちゃか!」

(てやんでえ、地震ぐらい、くそくらえだ…みたいな意)

とっても元気をもらいます

自分は誰のために何ができるのか

震災から7日目

全国から続々支援の手が

 

今日、本校に来てくださったのは

宇都宮からの「Japan 元気塾」さん

愛知からの「Humanity First」さんです

 

「Japan 元気塾」さんは

子どもたちの未来を創るための

社会貢献活動をしていらっしゃる団体で

今回は被災者の皆さんに

温かいうどんとおいしいお漬物を

振る舞ってくださいました

 

 

 

 

 

 

 

「Humanity First」さんは

英国に本部がある国際NGOで

東日本大震災など多くの支援を続けておられ

今回は温かいチャイ(紅茶)と

スパイシーな豆カレーを

ご馳走してくださいました

 

本来明後日から学校が始まるはずでしたが

校舎の安全が確保されないので

生徒を登校させる訳には行かず

学校再開の目処が立っていません

 

本校校舎は

1、2年生が学ぶ1号棟と

3年生が学ぶ3号棟があり

それを職員室のある2号棟が繋いでいます

 

今回の地震で2号棟が他の2つの棟から断裂し

斜めになり倒壊の恐れがあります

(避難民は1号棟に、感染対策棟は3号等にあり安全です)

 

 

 

 

 

 

生徒には次のようにメールで呼びかけました

 

避難所の様子をしっかり観察してください

誰がどのように動いているのか?

そしてしっかり考えてください

自分は誰かのために何ができるのか?

机の上で学ぶことだけが勉強ではありません

ボロボロになった自分の生まれた街から

決して目を逸らさないでください

 

大谷翔平選手が今回の震災に対して

100万ドルの寄付をしてくださいました

大谷選手は16歳の時に

東日本大震災で被災しています

当時一緒にプレイしていたチームメイトの中には

大切な家族を失った方もいるそうです

 

昨年全国の小学生に配られたグローブ

自分の記憶では

石川県の分は確かまだ各校には配られてないはず

だとすれば県のファインプレイ

これから被災した小学生に配られるグローブは

大きな勇気を与えてくれることでしょう

 

昨年3月11日に

WBCでチェコ戦に登板した佐々木朗希選手は

小学校3年生の時に同じく東日本日本大震災で

大切なお父さま、おじいさん、おばあさんを亡くしています

「つらさや悲しみは消えないけれど

たくさんの人たちに支えられて野球に打ち込めた」

と語っています

 

羽生結弦選手も

16歳の時に東日本大震災を経験し

避難所生活を余儀なくされています

自叙伝『蒼い炎』の中で

「今でも目を閉じるとたくさんのことを思い出す」

と語っています

 

つらい思いをしたからこそ

そしてそれを乗り越えたからこその

世界に羽ばたく強さと

そして優しさを兼ね備えた

素晴らしい3人のトップアスリートです

 

こんなに素晴らしい先輩たちがいるのだから

君たちにもきっとできる

そう信じています

 

今日

これまで連絡の取れなかった

最後の一人の女生徒が

学校に顔を見せてくれました

お正月を祖父母の家で過ごし

そのまま被災、道路の分断により

電波の届かない場所に

取り残されていたのだそうです

今日は5キロ以上の道を

瓦礫の山を越えて

歩いて脱出してきました

残してきた祖父母に

ヘリコプターで物資を届けて欲しいと

語っていました

 

これを書いている今、夜中の10時

不気味な余震が何度となく襲ってきます

自宅にいるのが怖くなって

新たに避難所に来るお年寄りを迎えます

 

遠くで叫び声が聞こえます

幻聴か?でも確かに…

亡くなった方の心の叫びか?

怖くなります

おそらくこの時間になっても

捜索を続けている方の声なのでしょう

 

今朝、124時間ぶりに救出された方の

新聞記事がありました

普通72時間が限界と言われているのに

 

一人でも多くの方の命を助け出そうと

諦めずに頑張っている捜索隊の方々に

感謝の思いでいっぱいです