2025年8月の記事一覧

米国マンスフィールド財団との交流会

7月22日(火)の午後からアメリカのマンスフィールド財団のフェロー9名を本校にお迎えしました。同財団との交流会は2年ぶりとなりましたが、1・2年生49名が貴重な経験を求めて参加してくれました。

マンスフィールド財団は、毎年アメリカの政府機関に勤める職員(フェロー)を日本に派遣しています。今回訪問されたフェローのみなさんの所属先は、国防総省、宇宙軍、米国空軍、保健福祉省、国土安全保障省、国務省、運輸省でした。

フェローのみなさんは1年間日本に滞在し、日本の政府機関で活動される一方で、全国の主要都市を訪れています。金沢もその都市の1つで、石川県国際交流協会の援助のもと、日本語や日本文化について学んでいらっしゃいます。その活動の一環として、毎年県内の高校を訪問し、高校生たちと日本語と英語で交流されています。今回、本校も2度めの機会をいただき、交流会を実施することになりました。

<生徒の感想>

・今まで自分が無意識のうちに外国の人と話すことを怖がっていたとわかりました。今回の異文化交流で日本以外の国について知ることはとても楽しいことだと感じました。これから様々な国の人と交流したいと思えるいい時間になったと思います。

・自分の英語力の未熟さももちろんだけど、それ以上に自分のコミュ力の無さの方に精神的ダメージを受けました。今年はアメリカ研修にも行くので、このままの内向的性格では思うようにコミュニケーションを取れないのは明白なので、アメリカに行くまでになんとかもう少しだけでもポジティブ思考になって、失敗を恐れずに、英語で話すことに前向きになりたいと思います。

・アメリカ政府の方と話す機会はそうそうないので、業務内容からフェローの方々の人生までたくさんの初めてを知ることが出来て本当にいい経験になったと思う。フェローの方々が日本語を楽しんで話している姿から、自分も言語の壁に臆することなく英語の勉強や英語を用いたコミュニケーションを楽しんでいきたいと思った。自分の英語に対する意識改革にとっても、自身の経験にとってもすごくいい時間を過ごすことが出来たと思う。

・生の外国語を聞いて、コミュニケーションを取れる機会はめったにないためとても貴重な体験ができた。価値はそれだけにとどまらず、これからの挑戦についてアドバイスを頂いた。自分が英語が好きなことに改めて気がつけた。

・宇宙関係や医療関係の仕事と言っても、宇宙飛行士や医師だけではなく、もっとさまざまな職業の人がその分野に関わっているとわかった。フェローの方達のお話を聞いて、海外経験はとても人生を豊かにしてくれるのだと思ったし、海外留学に行きたい気持ちが高まった。

3年SGコース課題研究成果発表会

7月10日(木)午後からSGコース9期生(3年4H)による「課題研究成果発表会」を実施しました。9期生は、2年次の1月に行われた「研究発表会(日本語による発表)」以後も継続的に取り組んできた活動を発表内容に盛り込み、さらにはグローバルな視点も加えて英語でプレゼンテーションを行いました。生徒たちは、忙しい中でも開会式・閉会式の進行から発表までを自分たちで運営し、SGコースらしいユニークで特色ある発表会を作り上げてくれました。また、保護者の皆様にも多数ご参観いただき、有終の美を飾ることができました。

各班のテーマは以下の通りです。

A班:Fostering Belonging and Connection in Secondary Education(中高生の居場所づくりに関する研究)
B班:Rainy Days, Happy Ways: Kanazawa’s Umbrella Project(歩いて楽しい街づくりに関する研究)
C班:Checkmate Food Waste with Our Mate ~ Leftover Is Now Over ~(ゲームを用いた食ロス削減に関する研究)
D班:Understanding Disability: Path to a Better Society(障がい児への理解促進に関する研究)
E班:Prepare for Disasters through Stronger Local Community Bonds(避難所で安心できる環境づくりに関する研究)
F班:Revitalize the Local Economy ~ With Traditional Japanese Crafts ~(伝統工芸を用いた地域活性化に関する研究)
G班:Empowering the Next Generation with AI(小中高生のAI活用の促進に関する研究)
H班:Eating for Our Health Awareness(高校生の食を通した健康増進に関する研究)

 

<アンケート①:探究活動で一番苦労したこと>

・班のなかの会議が一番大変だった。班員全員がそれぞれちゃんと意見を持っているからこそ、みんなが納得できてかつ、自分たちのテーマやターゲットに合っているというものを考えることが本当に大変だった。話し合いだけでかなり時間を使った日もあって、でも今となってはそれがとても充実した大切な時間だったと感じる。こんなにみんなが積極的で自分をしっかり持っている人が集まることも今まで少なかったから苦労はしたけどとってもいい経験になった。

・イベントの立案から実行までのプロセスをスムーズに完了させること。企画書にしてもなかなか意見がまとまらないし、企画を作ってもすぐに訂正、など気が重たくなることが何度もあった。そのため基本的にすべてがギリギリだった。また企画書が通っても、イベントの集客、開催、運営、その後の事後報告をまとめるなどめんどくさいなとついつい思ってしまった。だけどそれらを我慢してやったことによって今の自分があると思う。その点で、様々な点で苦労したが、そこから様々な成長があったと思う。

・グループで協力することが大変でした。グループの仲が悪いと言いたいのではないのです。将来働くときもきっと同じことを感じるのだろうと思いますが、仲のいい人同士でも、いっしょに労働をこなすとなると、仕事のスピード感とか完成度とか、どのレベルを求めるか、必ずしも共有できず、ストレスになることもありました。

・今までやっていない、自分たちにしかできないことを探すこと。自分たちが解決したいことに対してすでにたくさん取り組みが行われているから、「それもうどっかやってるよね?」って何回も言われてしんどかった。何を変えて何をするのか考えるのが難しかった。

・英語発表の準備は大変だった。テストや模試が続き、日々忙しい中でなんとかやりきった。スライド作成から原稿作成、発表練習、すべて英語で慣れないことが多かったが、班員みんなで協力して最後完成できたことは大きな喜びになった。

<アンケート②:探究活動における一番の喜びだったこと>

・探究において一番の喜びを感じたのは、自分たちの発表に対して多くの聞き手が積極的に質問を投げかけてくれたときです。発表に真剣に耳を傾け、私たちの取り組みに興味や関心を持ってくれる人がいるのだと知り、とても嬉しく感じました。ただ聞き流されるのではなく、本気で向き合ってもらえたことが何よりの励みになりました。そして自分たちの探究が他者に影響を与える可能性を持っていることに気づき、大きな達成感とやりがいを感じました。

・探究の中で地域の人と話したりA班のコミュニティが増えたことが嬉しかった。イベントで想定よりも多くの人が来たときも嬉しかった。自分自身としては探究を自分の言葉でまとめて日本語や英語で人に伝えられるようになったことや、他人に探究を少しでも理解してもらえるようになったのが嬉しかった。

・インタビュー・ヒアリングで相手の方から「障害についての探究活動をしてくれて嬉しい」と言われたときや、特別支援学校での交流イベントでトクシの生徒や先生が笑顔になっているのをみたときに、自分達の活動が誰かの心を動かしていると感じたこと。

・発表や活動をするたびに応援してくれる人や褒めてくれる人がいたことがとても嬉しかった。私達の発表、探究を理解して、アドバイスをしてくれて、喜んでくれて、そういう人たちと直接話せたのがとっても楽しかったし嬉しかった。かなり煮詰まった時期もあったからこそそういったひとことひとことが心にしみたし、励みにもなった。そのたびに班のみんなの士気も高まって、次はもっと頑張ろうってなったあの空気感が最高だった。そうやって少しずつ自分たちの成長を感じられたことも嬉しかった。

・発表会です。1年前に先輩たちの発表を見て自分にこんな大層な役割が務まるわけがないと怯えていたけど、こうして1年経って先輩たちと同じ視点に立って話をすることで、私も大きく成長したんだなあという実感が湧いてとても嬉しかったです。班の皆もクラスの皆も発表という同じ目標に向かって頑張ってきたので、皆で大きなことを成し遂げたという感覚があってとても良かったです。