この度の地震で被災された全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます
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校長室ブログ
1年という時間
3月の声を聞いてから、47名の3年生を送り出し、49名の新入生が決まり、そして昨日は1・2年生の単位認定を行いました。
1年間という時間は短いようで長く、長いようで短いものです。1日1日の過ごし方が積み重なって1年という時間を創り上げていきます。時間は決して過去には戻らず、常に未来へと進んでいきます。今日の自分の心がけや心映えが明日の自分につながっていきます。元日の経験からも今日という何でもない1日の大切さを痛感した皆さんです。夜、お布団に入った時、今日一日の後悔が少しでも少なくなるように、これからも過ごしていきたいものですね。
また、人生は選択の連続です。授業では答えのある選択肢ばかりを解いていきますが、人生の選択肢には正解がありません。選択した方を正解にしていくように努力することが大切です。悩んだ時にはとにかく一人でも多くの大人(先輩)に相談すること。情報を整理して自分の力で決めること。自分で決めたことは自分で責任を持って、これまで以上に自分で歩いていくことが大切です。自分で選択した方を正解にすることや、もっと言うと自分で選択できないことでも自分が置かれた場所を正解にすることが出来るようになると、人生どんな場所や境遇でも楽しみながら自分を成長させていけるようになります。
今、後期生徒会のメンバーが、行事の際のスマホ利用を認めてほしいと、時間をかけて方策を練り、皆さんに協力をお願いし、実行(試行)まで漕ぎつけようとしています。前期生徒会からの悲願を受け継いでの試行です。1年という時間の中で、生徒会の先生方と何度も相談しながらここまで来たことに純粋に敬意を抱くとともに、この情熱が皆さん一人ひとりに届いて、自分たちで決めたルールを自分たちでしっかり守っている姿を見せてほしいと願っています。
1年という時間の中で、皆さんが確かに「向陽生」として成長したこと、21日の姿を楽しみにしています。
北校舎への通路は…
1年という時間の中でいしかわ特支高等部への通路へ
ありがとう
昨日は「国際女性デー」でした。今日は「ありがとうの日」です。多くの人に「ありがとう」という言葉が届くように、NPO法人『HAPPY&THANKS』によって制定された日で、2007年に日本記念日協会に認定されました。多くの記念日の中ではまだ生まれたてという感じですが、ありがとうという言葉は日本人が大好きな言葉の一つですから、毎日が「ありがとうの日」といってもおかしくないくらい使っていますよね。人の言葉や行動、思いに感謝する気持ちと言葉を常に持って生きているって、素晴らしいことだなぁと思います。逆に、身近な人には思っていてもなかなか改まって伝えられない言葉かもしれませんが、言葉は声に出して(或いは文字にして)伝えてこそのものです。「ありがとうの日」にかこつけて、家族に感謝の言葉を伝えるのもいいですね。
そうそう、「3月9日」といえばレミオロメンの名曲です。平成22年3月の卒業式。答辞のBGMにこの曲のオルゴールVer.が流れて、もらい泣きしたことが昨日のことのように思い出されます。
瞳を閉じればあなたが/まぶたのうらにいることで/どれほど強くなれたでしょう
困ったとき、疲れた時、嬉しくてたまらない時、まぶたのうらにいる人に、思いを込めて・・・「ありがとう」。
卒業式の日に…
このHPのTOP Pageがそっと変わりました。気づいてくれた人はいますか?
桜色の背景に「祝! 卒業! 今、新たな世界へはばたきます!!」の文字。
46人の晴れの日を、職員一人ひとりがそれぞれの場所からお祝いしてくれています。
「それぞれの場所で出会う人とのつながりを大事にしてください。」
PTA会長さんの祝辞の中の言葉です。周りの人が差し伸べてくれる手に感謝し、手を差し伸べられる人になること…とても大切なことを教えていただきました。
「コロナや工事などで多くの制限があった中でもいつも前向きに、工夫をしながら乗り越えてきた先輩の姿を忘れずに私たちも頑張っていきたい。」
送辞の中の言葉です。卒業生の皆さんは、課題にぶつかった時の大切な姿勢を後輩たちに教えてくれていました。
「困難に直面した時ほど力を合わせて立ち向かう。能登の復興に向け、私たちも石川県の若者として、それぞれの場所で行動していく覚悟です」
答辞の中の言葉です。心が震えました。課題山積の本県ですが、若いあなた方と力を合わせて頑張っていきたい…改めてそう強く思わされました。
これから皆さんが出会うであろう多くの人々や言葉が、皆さんを支え、助け、光ある方へと導いてくれるものであることを、いつも、いつまでも祈っています。
追伸:式辞の中でお話しした藤井聡太さんが色紙に書いた言葉は
「雲外蒼天(うんがいそうてん)」。「雲の外には青空が広がっている」
というところから、「どんな試練でも努力して乗り越えれば青空が望める
(=必ず良いことが待っている)」という意味で使われています。
東風吹かば…
このタイトルの続きがわかる人はいますか?修学旅行で太宰府天満宮に出かけた2年生ならわかるかな?
東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ
そう、菅原道真の詠んだ歌ですね。結句が「春を忘るな」として収められている歌集もありますが、歌意は「春風が吹いたなら、香りを(京の都から太宰府まで)送っておくれ、梅の花よ。主人の私がいないからといって、春を忘れてはいけないよ」というものです。
3連休の真ん中の日、北陸中日新聞に「あるじなしとて 春を忘れぬ」という小見出しとともに、能登の倒壊した家屋の庭で咲いた紅梅の写真が掲載されていました。その記事を読んでいた私の母が「今年の場合は本当にそうだねぇ」とそっと呟きました。母は齢80を超え、故郷を離れざるを得なかった同じ年頃の方々のことが気になって仕方がないようです。故郷に住み続けることも、離れることも、再び戻ることも、大きな大きな決断です。長く生きてきた人生の中で一番安心してゆっくりと過ごしてほしい年ごろなのに…と思います。今、能登で起きていることは、日本のどこでも起こりうることと考えて、解決していかなくてはいけないことが、いくつもいくつもあるなぁと思います。80歳になるまでにはもう少し時間のある私と、たっぷり時間のある皆さんとで、周りの高齢者の方々のために何かできること、動けることはないでしょうかね。
春が来たことを忘れずに、誰もいない場所できっぱりと咲いた梅の花の姿は、どんなにしんどい日があろうと、必ず花開く日がまたやって来ることを信じさせてくれているようでした。1・2年生の皆さんが今しんどいのは、目の前のテストですね。残り3日です。自分の中で「今年度一(いち)勉強した!」と言えるような頑張りを期待しています。
追伸:1月16日のブログ「2枚の年賀状」でお話しした珠洲市のお友達に、ようやく会ってきました。
能登はやさしや土までも 水戸はやさしや人までも
今日のブログは長くなります。読んでもらえなくなるかもしれないけれど(笑)、どうしてもお話ししたいメールをいただいたので、よかったら最後までお付き合いください。能登地震に関連するお話なのでつらい人は無理しないでくださいね。
茨城県の教育委員会で働いているお友達が、石川県への災害救助のための職員派遣に自ら志願して9日から13日まで、能登町に来てくれていました。午前4時に富山の宿泊施設を出て、3時間かけて能登町に入り、避難所での支援活動を12時間行い、また3時間かけて22時に富山まで戻ってくるというスケジュールだったそうです。同じ茨城県の職員さんと来られていたので、会っておしゃべりしたりということはできなかったのですが、茨城県に戻った翌日、メ ールをくれました。以下がそのメールです。
『昨夜8時ごろ水戸に帰ってきました。能登町役場にお昼前まで残り、次のグループに業務の引き継ぎをしておりました。
約1ヶ月半が過ぎ、役場職員の皆さまを先頭に急ピッチで復旧が進んでいました。電気は全面的に復旧しましたが、水道がおよそ5割というところです。
私が担当した能登町の避難所には、愛すべきオジーオバー(親しみを込めてそう呼びます)を中心に36名が大ホールに段ボールベッドを並べて生活していました。
支援2日目には、あるオバー(77歳)が、我々2名の茨城県職員のために、炊き出しの列に並んでくれて「ワシは食えんさかい、あんたら食べんしゃい」と言ってパスタをもらってきてくれました。食べようとした時、嬉しくて目から汗が溢れてきて皿が見えなくなりました(笑)
また、そのオバーの姉のオバー(80歳)は、私が避難所に宿泊(夜勤)したとき、ソファを並べてそこに布団を敷いてくれました。しかもオバーが普段使っている座布団を、私の枕にと提供してくれるサービス付き(笑)
町民の皆さんのお手伝いに来たはずが、こちらが元気をいただく結果になりました。わずか3日半の担当でしたが、皆さん「また来てくれ」と言ってくださり、特に、パスタを運んでくれたオバーは私の帰り際に「ちょっと寂しいけどな」なんて言ってくれました。
役場の職員の皆さんは、発災当初の地獄のような大混乱を越えて、穏やかに落ち着いて(心の中は毎日不安がいっぱいだと思います)インフラの復旧と支援部隊のコントロールに集中していらっしゃいました。敬意を払うべき行政マンだと思いました。
おそらく輪島や珠洲など能登地方全域、石川県全体が温かく誠実な人がたくさんいるんだろうと感じました。そういう住民や行政マンがいる限り、外からの支援は絶えず、確実に復興するものと想像できました。
以上、石川県の土地にお邪魔した報告です!』
私は、このメールが途中から読めなくなりました。胸に温かいものが広がって、お友達の温かい笑顔も思い出されて知らないはずのオバーの笑顔まで見えてくるようでした。私たちの県は多くの周りの方々が差し伸べてくれる手に守られ支えられてひと月半頑張ってきました。現地での支援のお仕事は大変だったと思うのに、そんな私たちの静かな踏ん張りを見つけてくれて、能登や石川県のことを、これまで以上に温かな思いで見守ってくれる方がいて下さることに改めて励まされました。
「能登はやさしや土までも」とは古くから言われている言葉で、お友達のメールからもわかるように本当にその通りの土地柄だと思います。そんな能登を守っていくために、茨城県から来てくださった職員の方々をはじめ、全国各地から色々なかたちで支援して下さっている皆さんのやさしさに今は包まれながら、私たちも踏ん張っていきたいものです。いつかまた石川県から周りの方々に優しい笑顔をお返ししていける日まで…。
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