校長室より「おこらいえ」
高校野球 春の大会です
119日目
初夏を思わせる心地よい風
高校野球の春の大会に来ています
一冬超えて一層たくましくなり
はち切れんばかりのユニフォーム
先発のマウンドは濱田くん
安定のピッチングを見せています
6回までピシャリ0点に
6回の裏
宮下くんのタイムリーで
1点先制すると
続く濱田くんの内野ゴロの間に
2点目です
続く7回には
森高くん 平くんの連打のあと
田屋くんがきっちりスクイズを決めます
お母さん方の応援にも熱が入ります
守備の乱れから失点したものの
濱田くんの球威は
最後まで衰えず
3ー1で初戦を飾ることができました
今回出場している選手のうちふたりが
避難先から別の高校の野球部に通い
練習に参加させていただいています
ご理解をしてくださっている
関係高校の校長先生 監督さんはじめ
多くの先生方
ありがとうございます
選手のみんなも
一緒に練習させてもらって
本当にありがとう
今日久しぶりに仲間と一緒に
プレイすることができました
そのうちのひとり秋田くんは
1月4日の本ブログで紹介した
配給場所を回っていろんな人に
パンを配っていた彼です
今日お母さんにお会いしました
その当時
もう自分は
野球なんてやっている場合じゃないと
諦めていたそうです
諦めないで本当によかったな
3月に招待してくださった
仙台育英高校のみなさんからの
励ましのメッセージを
保護者会の方が
わざわざ届けてくださいました
仙台育英高校も
今日は春の大会を戦っているみたいです
公務員としての誇り
117日目
本校は今年度
金融教育の研究指定校になっています
被災したこんな状況で
辞退してはとの声もある中
「こんなときだからこそ
できることがきっとある」
と研究主任の山上佳織先生の
力強いお言葉
今日は
金沢市長を勤められた山野 之義 氏をお迎えし
1年生全員を対象に
「まちづくりへの挑戦
〜輪島復興に向けて〜」
と題して講話をいただきました
山野氏からの問いかけに
生徒の徳野さんが
すかさず手を挙げて答えます
山野氏からは
「大勢の中で
真っ先に手を挙げて発言できる君は
きっとみんなをリードできる人になれる」
山野氏は市長時代
金沢市の中高生に対して次のように
おっしゃっていたそう
「環境さえ許せば
どうぞ金沢を出て行ってください
環境さえ許せば
どうぞ日本を出て行ってください
そしていつの日か
金沢に戻って来てください
どうしても戻って来れなくても
金沢を思い続けてください」
なんだか今の輪島の生徒たちに
伝えたいことそのもの
「素敵な街づくりのために
高校生ができることは何だろう?」
生徒が答えます
「ゴミ拾い」
山野氏はここからも話を広げます
「ある有名企業の創業者の逸話
毎日せっせとひとりでゴミ拾いを
していたところ
周囲の人はそんなたくさんのゴミ
ひとりで拾っていても仕方ないだろう
今の被災地のゴミも同じ状況
でもその人は云いました
『ひとつ拾えばひとつ綺麗になる』」
その話題の豊富さに
生徒もどんどん引き込まれます
一緒に小坂小学校の
久野 恭子先生も
ボランティア休暇で
来てくださいました
小坂先生のご専門は音楽
校内の清掃や
災害ゴミの撤去など
献身的に働いてくださった他に
ストリートピアノで
即興ライブです
生徒からのリクエストに
何でも弾いてくださり
一緒に歌う生徒も
私もギターとカホンで加わり
セッションしました
おふたりには放課後にも
若手教員研修をしていただきました
石川県では優秀な若手教員を育成すべく
若手教員育成プロジェクト
(通称若プロ)を展開しており
その一環です
若手教員の
心の悩みを聴いていただき
それぞれのお立場から
適切なアドバイスを
いただきました
実家が金沢で単身赴任の
山崎裕貴先生
今回帰省し損ねて輪島で被災
翌日からずっと車中泊で
学校再開に向けて
力を尽くしてくれていた先生です
「正直心折れていました
公務員だからという誇りだけで
踏ん張ってきました
市長として心折れそうな時
支えとなったものは
何ですか?」
山野氏からは一言
「家族です」
思わず目頭が熱くなりました
同時に
その家族すら失った方の
気持ちを思うと
なんともやるせない気持ちに
花いちりん描く会
116日目
毎週木曜日の7限目は
総合的な探究の時間
「WAJI活(街プロ)」
僕らのまちは僕らが創る
をコンセプトに
今被災地のために
今の自分に何ができるか?
一人ひとり自分なりの
課題を探しています
本日別の会議で本校を訪れていた
文科省の方やNPOカタリバさんも
活動をご覧になり
一人残らず真剣に自分ごととして
取り組んでいると
驚いていらっしゃいました
神戸の「花いちりん描く会」代表の
立岡佐智央さまより
お花のカレンダーと
手記「花と百字文」を
届けていただきました
立岡さま曰く
「花いちりん描く会」は
阪神淡路大震災を超えて
大地に咲いた野の花のような
いわば震災を超えてしぶとく
生き残った花だそうです
「花と百字文」は
会員の方が手作りで編まれた体験談
カレンダーと手記は
無料で追加発送してくださるそうで
希望の方は学校までご連絡ください
とりまとめてお願いしたいと思います
また 元県職員でいらっしゃる
宅美 克基 様からは
「能登半島地震による隆起状況写真」
を送っていただきました
圧巻なのは全ての撮影地で
震災前の写真との比較ができること
学術的にも非常に価値の高いものです
ウルトラマンと栄光の架け橋と
115日目
2人のウルトラマンが
炊き出しに来てくださいました
ウルトラマンダイナのつるの剛士さん
ウルトラマンガイアの吉岡毅志さんです
自分はウルトラセブンから
帰ってきたウルトラマン
ウルトラマンエース
の世代ですが
そのあといろんなウルトラマンが
登場しているのですね
保護者の方が繋いでくださりました
他にも多くの方に来ていただき
一緒に牛丼を振る舞ってくださいました
食後にはギターで歌のプレゼントも
詳しくは本校HP
「輪高生の活動記録ブログ」
をご覧ください
このブログを今年度担当してくださるのは
山崎瑞稀さん
以前本校に勤めていらっしゃった方です
しばらく別のお仕事をされていたのですが
震災を機に戻ってきてくださいました
地元のことをよくご存知で
頼りになる方です
ブログの更新も迅速かつ正確です
ぜひご覧ください
今日はもうひとつ
サプライズがあったのですが
そちらの紹介はまた今度
世界は意外に単純で
心配事には心配事が
笑顔には笑顔が
感謝には感謝が
集まるようになっているそうです
今日もそんな1日でした
たくさんの笑顔と感謝
元気と希望と夢が集まってきました
輪島塗の音色
114日目
先日の入学式の際のバイオリンの話が
NHK名古屋さんにより紹介されました
https://www.nhk.or.jp/nagoya/lreport/article/004/27/
動画が見れない場合はこちらから
たのしみは
113日目
北陸は福井に生きた
幕末の国学者橘曙覧
「たのしみは…」で始まり「…とき」で終わる
52の短歌を収めた「独楽吟」
その中で
「たのしみはまれに魚烹て児ら皆が
うましうましと言いて食う時」
と詠んでいます
児らに限らず
自分が作ったものを
おいしいおいしいと食べてもらうことは
本当にうれしいものです
全日本司厨士協会北陸地方本部のみなさんが
今日のお昼に生徒全員に
フレンチの炊き出しをしてくださり
生徒ら皆が
うましうましといただきました
メニューは
「オードブルバリエ」
「野菜のポタージュスープ」
「ハンバーグステーキ
能登牛ホホ肉赤ワイン煮込み添え」
「パン」
「苺のムース」
学校で味わえる本格フレンチに感動
元気をいただきました
グループリーダーを務めてくれたのが
私の幼馴染の「ゆうじろう」
金沢の「VICTORIA GROVE」で
料理長を務めています
子どもの頃から
女の子にモテモテだった
イケメンシェフです
そんなゆうじろうに縁のあるみなさんが
集まってくださいました
ゆうじろうが料理のイロハを叩き込まれ
親父と慕う元浦安ブライトンホテル料理長
堀内進様
田辺稔様は
珠州ビーチホテル再建のご経験もお持ちで
現在ANAクラウンプラザホテル金沢で
料理長を務めていらっしゃいます
金沢製菓調理専門学校の
小石 幸一郎 教頭先生
遠く福井県からも
グラン・シェフ クーゼーの 久世 康史 様
キッチン・オーの 大崎 新仁 様
クッキングスタジオ おかじまの 岡島 周二 様
金沢から
アニバーサリークラブ フラワーガーデンの
吉田 貴也 様と 長松寿宗 様
国際ホテルの元料理長 山口 進 様
町屋cafe くりの樹の 小鍛治 裕樹 様
旬菜焼はざまのオーナーシェフ 狭間 新一 様
いずれもいつか行ってみたい
素敵なお店のみなさんです
多くの方に支えられ
豊かなランチタイムになりました
次回は24日(水)
PTAのみなさんによる牛丼です
配膳などのお手伝いをしてくださる方を
募集しています
今年の輪島高校PTAのコンセプトは
「楽しいことだけやろう!」
メールでもご案内しておりますので
お手伝いしてくださる方は
フォームよりお知らせ願います
オール金沢大学で被災地支援
112日目
発災以降
金沢大学さんが
さまざまな支援活動 調査活動を
してくださっています
「里山里海創造WG」
創造的復興に向けた構想の立案を行います
「合同調査チームKUD」
文理医融合のチームから情報発信を行います
「こころのケアKEYPAT」
心の不調を心理面から支援します
「医療支援」
被災者の健康維持に中長期的視野から行います
「教育・ひとづくり」
学習環境の整備と帰還期復興期の地域再生を行います
本校もずっとお世話になっています
「被災地支援」
学生や職員によるボランティア派遣を行います
今日はその報告会にお邪魔しました
(1)震災遺構
今回の地震は複合災害であり
全ての現象が一度に見られた
まれに見るケースです
地盤隆起 地盤沈下 液状化
津波 断層変異 大火災
地盤災害 盛土崩壊 強振動
これらのものを震災遺構として残し
後世への災害教育の教材として
活用する取り組みがあります
(2)津波痕跡
今回の津波は
近い津波で早い津波でした
その割に失われた命が少なかったのは
普段からの避難訓練の
賜物なのだそうです
(3)心のケアKEYPAT
被災民の心のケアと精神医療を行うチームです
「同僚に言葉に傷ついた」
「職場での配慮がない」
などの悩みが多かったそうです
(4)学びの支援
ずっと本校もお世話になってきた
文教会館での学習環境整備
学生さんによる学習支援
食事の提供もいただきました
学生さんによるボランティア支援
「ボラさぽ」の発表もありました
学内のさまざまな部局・組織が連携して
オール金沢大学で
我々に寄り添ってくださり
震災からの復旧・復興及び支援に
全力を尽くしてくださっています
本当にありがとうございます
恩返し、恩送り
110日目
岩手県の盛岡商業高等学校のみなさんから
あたたかいご支援をいただきました
13年前の東日本大震災の際に
全国の皆様からいただいた励ましに
心強い思いをしたからとのこと
本当にありがとうございます
盛岡商業高校さんとは
平成30年の「朝市全国サミット」で
ご一緒させていただきました
盛岡には神子田朝市があり
ゆるきゃらの「あさどりくん」とも
記念写真を撮りました
東日本大震災から
どのように復興しているのか
ぜひ見せていただきたいです
本校には、毎朝の読書タイムがあります
落ち着いた雰囲気で1限目を
迎えることが出来ます
今年度は
避難先から通って
オンラインで授業を受けている
内灘高校と時程をそろえるため
1限目のはじまりが遅くなっています
そのため例年よりも
じっくりと読書をすることが
できています
若いうちにいっぱい本を読んでおくのだぞ
自分も若い頃よく言われたものですが
この歳になって
その理由がわかりました
まず目を凝らさないと字が見えない
薄暗いところでは全く読めない
2ページ前に登場した人物を忘れる
その度に戻って確かめる
だから若い頃の5倍は時間がかかる
座って読むと腰が痛い
寝転がって読むと首が痛い
あと言語を理解するときに
分泌されるホルモンには
その副作用として
ある年齢までは覚醒作用
ある年齢を超えると誘眠作用
があるそうです
だから小学生は本を読むと
目がらんらんとしてくるのですが
高校生くらいになって
教科書を読むと
眠くなるんですね
この情報は昔ある本で読んだのですが
出典が明らかではありません
妙に納得できる説ではあります
3ページ目には大概寝てます
とかく読書には体力が要るのでした
子どもも大人も一緒に前を向いて
109日目
アメリカから
アリゾナ日本企業懇話会の
ビバリー・ワシャチェック
ディーン・ワシャチェックご夫妻が
お見えになりました
何かお手伝いがしたいということだったので
それなら生徒の話し相手になってくださいと
お願いしました
3年生の「総合英語」の授業
内灘高校ともオンラインで繋いで
生徒から今回の地震について
プレゼンテーションしました
2年生の「WAJI活(街プロ)」の時間
この時間では
「僕らのまちは、僕らがつくる」
をテーマに
輪島の再生について取り組んでいます
輪島市高校魅力化プロジェクトの
藤川恵里さんの
ファシリテーションにより
ワールドカフェの手法を用いて
話し合いました
「観光」「教育」「漁業・農業」「スポーツ」
「祭」「医療」「輪島塗」「子育て」
など10のカテゴリーに分かれて
自分の興味ある
街の再生に取り組みます
毎週木曜日の2:55から3:40
保護者や地域の方もぜひ
ご自由にお越しください
専門のお立場から
アドバイスくださってもよし
高校生からぜひ行政に働きかけてほしい
といった要望でもよし
先日来てくださった
震災学の専門家から教えていただきました
学校を中心とした地域の方々が
話し合える場所というのは
心のリハビリ
ショックから立ち直るのに
とても有効なのだそうです
未来が見えないという方
ぜひ高校生とお話をしに来ませんか
一緒に入って
ウンウンって頷いているだけでも
ぼーっと聞いているだけでも
リフレッシュになりますよ
明日に向かう勇気になりますよ
ぜひお気軽に
子どもがこうして
しっかりと前を見つめて
歩き出している逞しい姿を
ぜひ保護者の方にも
見ていただきたい
そう思います
夜にはPTAの役員会をしました
例年なら
会長はじめ役員を選出して
役員が伝を辿って電話して仲間を募り
専門委員会を組織して
年間行事を決めて…
という具合ですが
今日決めたことは
「みんなで楽しいことしよう!」
それだけ!
朝の街頭指導や自転車マナー指導
祭礼時の見回りなども一切なし!
子供が喜ぶこと
大人が楽しいこと
それだけ!
専門委員会組織もなし
一部の役員だけ苦労するPTAにはしない
一応名前だけの会長はこのあと決めるけど
みんなが被災者こんな状態だから
みんなが会長
行事や会議の案内は全員に送りますが
参加は自由
いつでもどなたでも
来たい時だけ来て
楽しいことだけ参加して
少しずつ仲間の輪が広がれば
PTA本来の活動を
取り戻せる気がします
今年はチャイムを鳴らしません
108日目
今年度の新しい取り組みとして
チャイムを鳴らさないこととしました
自分で時間管理をする力を
つけさせるためです
震災を経験して
待つだけでは物事が進まないことを
実感できた今だからこそ
一気に意識改革が進むと判断しました
時間通りに授業を開始するために
まず教員の職員室を出る時間が
早くなりました
チャイムが鳴ってから
「きりーーつ、れーー、ちゃくせーーき」と
けだるそうに始まる雰囲気がなくなりました
時間通りに授業を始めることを
生徒に求める以上
時間通りに終わることを
生徒は求めます
教員の移動時間も必要です
授業の組み立ても
当然変わります
良い授業の直後には
生徒がたくさん質問に来ます
質問の数は
それだけ生徒の意欲を高めたという
バロメーターです
ですので質問対応の時間との兼ね合いが
課題です
生徒に応じて
この生徒はモヤモヤさせておいて
自分で考えさせた方が効果的なのか
あるいは即座に答えておかないと
意欲が一気に低下するタイプなのかを
見極める力が
教員に求められます
心理学には
「ツァイガルニク効果」
という法則があります
終えてしまった事柄よりも
途中で中断された事柄の方が
より記憶に残るというものです
授業の最後には綺麗にまとめをしなければ
というのは
案外教員側のみの
自己満足に過ぎないというのが
私の持論です
授業の様子をお伝えします
1年生の地理総合です
担当は寺田知絵先生
国土地理院のデータにアクセスして
災害マップや避難経路を学びます
自らの経験と照らし合わせて
より実践的な授業となりました
ストリートビューには
被災前の風景が映し出されます
失ってしまった我が家を見つめ
「まだ建っとる!」
意外と笑顔です
この生徒は現実を受け入れ
次に向かってのあゆみを
始めているのでしょう
ハザードマップを調べて
「やっぱりな、ここ危なかったもん」
避難経路を調べて
「嘘やこれ!全然使えんかったし」
想定された経路が
実際には全く使えなかった
想定と現実を複合的に捉えることで
ハザードマップ作成に新たな視点を
加えることのできる
実践的な教材です
1年生ビジネスコースの体育です
担当は中野智貴先生と山下友子先生
「ともともコンビ」です
被災による一家転住の影響を
最も大きく受けたクラスで
わずか13人しかいませんが
その人数でできること
工夫を凝らしてやっています
今日は大縄跳びと8の字飛び
思いっきり飛び跳ねていました