校長室より「おこらいえ」
SNSについて考える
地震から 725 日
先日復興応援に来てくださった
福岡のバレエ教室の光永祐香里様が
報告書を贈ってくださいました
ありがとうございます
世界各国で
子どものSNS利用を規制する動きが
急激に拡がってきています
サイトによっては
12歳以下のアカウント作成を
禁止しているものもありますが
厳密な年齢確認はなく
生年月日を入力する自己申告制で
実効性が高いとはいえません
国を挙げての何らかの規制が必要
というのが世界の流れです
オーストラリアでは昨年 12 月
子どものSNS利用禁止に踏み切りました
SNS運営会社に
16 歳未満はアカウントを作成できないよう
義務付けたものです
ダイエット動画にはまり
摂食障害の末に自殺した
中学生の事例などが引き金になりました
違反すると数十億円の罰金だそうで
国の本気ぶりが伺えます
フランスでは昨年より
「デジタルコンマ」政策を施行しています
学校内にロッカーを設け
生徒が登校したらスマホを預かり
下校時に返します
本校と同じシステムです
「学校では成果が上がっている
生徒たちが学習に集中できている
学習に専念する学校の雰囲気なくして
学業成功はあり得ない」
と担当大臣はコメントしています
なぜこんなに急激に
未成年のSNS規制が動き出したのでしょうか?
数年前に
「インターネットの利用時間が長い子どもほど
学業成績がわるい」
という論文が発表されました
「インターネットしている分
勉強時間が減るから
それは当たり前でしょ」
そんな単純なものではないのです
この研究は
同じ学習時間の子ども同士の比較です
例えば
一日2時間勉強している子ども同士比較しても
インターネットをする時間が長いほど
成績が悪いとうものです
こうなると
インターネットをすること自体に
大きな問題があるような気がします
iPhoneの開発者スティーブ・ジョブズ自身
我が子には青年になるまで
スマホ使用を禁止していたことが
何だか不気味に思えてきます
さらには
多くの欧米のハイテク企業のトップたちが
身体活動や芸術などを重視し
12歳未満のスクリーンタイムを禁止する
といった自然教育を実施する学校に
わが子を入学させているそうです
開発者側はここまで神経質に
わが子をデジタル機器から守ろうとしています
なのにSNSにどっぷりと使っている我々は
何だかアヘンを売りつけられている
昔の発展途上国のような気になります
SNSの利用そのものが
子どもの発達に悪影響を及ぼすことを
裏付けるような研究が
数多く発表されています
東北大学の 川島 隆太 教授の研究によると
SNSの着信音が鳴った途端
集中力が途切れ
作業効率が格段に落ちたそうです
SNSには関係のない
アラーム音だと
集中の途切れは見られなかったそうです
医学的な証明もあります
5〜18歳の子ども約200人の
脳の発達をMRI(核磁気共鳴)で
検査したところ
インターネットの使用時間が
長い子どもは
大脳の3分の1の発達が止まっており
特に神経細胞を繋ぐ大脳白質においては
ほぼ全域の発達が止まっていたそうです
SNSの利用が
未成年の脳の発達に
こんなに悪影響を与えるということは
もはやアルコールのレベルです
であるならば
倫理観に委ねるよりも
法的に強制的にでも
禁止する必要があると思います
自分で節度ある飲み方ができるまで
飲酒を禁止しているように
自分の人生に責任が持てるようになるまでは
何らかの規制が必要です