校長室より「おこらいえ」

SNSについて考える

地震から 725 日

 

先日復興応援に来てくださった

福岡のバレエ教室の光永祐香里様が

報告書を贈ってくださいました

20231214_能登復興応援.pdf

ありがとうございます

 

 


世界各国で

子どものSNS利用を規制する動きが

急激に拡がってきています

 

サイトによっては

12歳以下のアカウント作成を

禁止しているものもありますが

厳密な年齢確認はなく

生年月日を入力する自己申告制で

実効性が高いとはいえません

 

国を挙げての何らかの規制が必要

というのが世界の流れです

 

オーストラリアでは昨年 12 月

子どものSNS利用禁止に踏み切りました

SNS運営会社に

16 歳未満はアカウントを作成できないよう

義務付けたものです

ダイエット動画にはまり

摂食障害の末に自殺した

中学生の事例などが引き金になりました

違反すると数十億円の罰金だそうで

国の本気ぶりが伺えます

 

フランスでは昨年より

「デジタルコンマ」政策を施行しています

学校内にロッカーを設け

生徒が登校したらスマホを預かり

下校時に返します

本校と同じシステムです

「学校では成果が上がっている

 生徒たちが学習に集中できている

 学習に専念する学校の雰囲気なくして

 学業成功はあり得ない」

と担当大臣はコメントしています

 

なぜこんなに急激に

未成年のSNS規制が動き出したのでしょうか?

 

数年前に

「インターネットの利用時間が長い子どもほど

 学業成績がわるい」

という論文が発表されました

「インターネットしている分

 勉強時間が減るから

 それは当たり前でしょ」

そんな単純なものではないのです

この研究は

同じ学習時間の子ども同士の比較です

例えば

一日2時間勉強している子ども同士比較しても

インターネットをする時間が長いほど

成績が悪いとうものです

こうなると

インターネットをすること自体に

大きな問題があるような気がします

 

iPhoneの開発者スティーブ・ジョブズ自身

我が子には青年になるまで

スマホ使用を禁止していたことが

何だか不気味に思えてきます

 

さらには

多くの欧米のハイテク企業のトップたちが

身体活動や芸術などを重視し

12歳未満のスクリーンタイムを禁止する

といった自然教育を実施する学校に

わが子を入学させているそうです

 

開発者側はここまで神経質に

わが子をデジタル機器から守ろうとしています

 

なのにSNSにどっぷりと使っている我々は

何だかアヘンを売りつけられている

昔の発展途上国のような気になります

 

SNSの利用そのものが

子どもの発達に悪影響を及ぼすことを

裏付けるような研究が

数多く発表されています

 

東北大学の 川島 隆太 教授の研究によると

SNSの着信音が鳴った途端

集中力が途切れ

作業効率が格段に落ちたそうです

SNSには関係のない

アラーム音だと

集中の途切れは見られなかったそうです

 

医学的な証明もあります

5〜18歳の子ども約200人の

脳の発達をMRI(核磁気共鳴)で

検査したところ

インターネットの使用時間が

長い子どもは

大脳の3分の1の発達が止まっており

特に神経細胞を繋ぐ大脳白質においては

ほぼ全域の発達が止まっていたそうです

 

SNSの利用が

未成年の脳の発達に

こんなに悪影響を与えるということは

もはやアルコールのレベルです

であるならば

倫理観に委ねるよりも

法的に強制的にでも

禁止する必要があると思います

 

自分で節度ある飲み方ができるまで

飲酒を禁止しているように

自分の人生に責任が持てるようになるまでは

何らかの規制が必要です