2024年3月の記事一覧
部活道の3つのA
90日目
輪島高校では部活を部活道といいます
単に技術やスキルを身につけるだけでなく
人として大切なことを身につける場所
を目指しています
元校長先生である赤田英明先生の命名です
「3つのA」
あいさつのできる
あきらめない
あいされる
をモットーに日々自分磨きです
できることからひとつずつ
始めています
そしていろんな方々から
支援の手を差し伸べていただいています
サッカー部は
金沢医科大学高松球技場で
卒業生の引退試合を行いました
結果は5ー0で現役チームの勝ち
サッカーを続ける卒業生もいます
思い出に残る一日となりました
バドミントン部は
県立工業高校で
能登地区の被災した学校が集まり
合同練習会です
県高体連バドミントン専門部が企画
筑波大学バドミントン部のみなさんが
来てくださいました
竹原慧監督はじめ
アクアバドミントンの漆崎真子コーチ
一流の方々から直接ご指導をしていただきました
野球部は
仙台育英高校さんが
本校と飯田高校を招待してくださり
27日〜29日の日程で
ホームステイしながら
合同練習や練習試合をしました
ほんとうにありがとうございます
道具がない 場所がない 集まれない
でもあきらめない
男子バレーボール部は
クラウドファンディングで
資金集めを始めました
支援されるのを待つだけでなく
自分たちで行動を起こしました
おばあちゃんと一緒に
倒壊した家の下敷きになった部員が
自力でノコギリで脱出する一部始終を撮影した
生々しい動画もアップされています
https://camp-fire.jp/projects/view/749046
第二体育館の照明の修繕も始まりました
4月から部活動で活用できます
実はありがたいこと
89日目
春の嵐です
春先には突然こんな日が訪れます
被災地にとって
この世の終わりかと思うくらい
こたえます
やがてあれから3ヶ月
新しい仕事に就くと
3日 3ヶ月 3年目に
辞めたい時期が来る
なんて言われますが
このブログ
できるだけ暗い話はやめて
明るい未来を語るようにしてきた
つもりではいるのですが
正直…
なんてこと考えているうちに
TikTok で素敵な投稿を見つけました
実はありがたいこと
①ご飯が食べられること
②帰る場所があること
③体が元気に動いてくれること
④仕事ができる状態があること
⑤愛してくれる人がいること
⑥選べる選択肢があること
⑦生活できるお金があること
⑧安心して暮らせる場所があること
⑨今生きていること
ありがたいこと
有り難いこと
こうして見てみると
発災当時は
⑤と⑨しか無かったな
それに比べたら
①や③や④
ほんとは有り難いことが
今は有り易い
教育委員会のお力で
4月から②も解消されます
登山の途中
ふと来た山道を振り返ると
雄大な景色が目の前に現れ
もうこんなに登ったんだ
そんな思いになることがあります
このことをふと思い出させてくれる
TikTok あさひさんの投稿でした
僕らの街は僕らが創る「街プロ」
88日目
金沢地区へ2次避難しているみなさん
学習環境の確保ができました
かほく・津幡~野々市・白山地区に
避難している生徒は
4月以降当面の間 内灘高校へ通うことになります
詳しい内容につきましては
一斉メールでお伝えしますのでご確認ください
高校魅力化プロジェクトの皆さんが来校し
次年度の探究学習の目玉
未来の向けて輪島を創造しよう
輪高生による街づくりプロジェクト
『街プロ』について
作戦会議を行いました
プロジェクトメンバー 教員それぞれにとっても
生徒同様探究活動です
まずNPO法人「じっくらーと」代表小浦様より
先日生徒が参加した
「マイプロジェクト」全国サミットの
報告がありました
優れた発表に触れて
生徒の心に火がついたようです
新年度に入ったら
福祉 交通 教育 …
それぞれ自分がやってみたい
カテゴリーに分かれ
興味関心のある街づくりに取り組みます
仲のいい友達同士だとすぐ行き詰まるので
学年をまたいで交流したり
他校の生徒とオンラインで繋いだりします
さまざまなコンテストへの出場や
大学入試総合型選抜も視野に入れます
アイデアがどんどん膨らみます
未来のことを考えると
なんだかワクワクしてきます
自分のこれまでの経験からの知見を以下に
(1)似たものが3人寄っても文殊の知恵にはならない
「3人寄れば文殊の知恵」といいますが
3人いれば誰かがアイデアを出すだろう
という人任せな態度ではダメだし
3人いるからといって
1人が何かを思いつく確率が上がるわけでもない
誰かの考えに2人が無批判に追従するだけでは
単なる1人の思いつきに過ぎず…
特に本校生徒は
幼小中と固定された人間関係の中で育っており
仲良しグループの中では
意見を言う者と追従する者の関係が
できあがってしまっています
そんな中で話し合いをしたところで
インブリーディングを繰り返して
衰退していったメディチ家のようになるだけ
敢えてこれまで話したことのないメンバー同士の
グルーピングが求められます
(2)最初に会議ありきでは必ず失敗する
自分は昔から
長い会議 長い挨拶 長い説明
が大嫌いで
若い頃 職員会議を無くそうとして
立ち上がったことがあります
多くの賛同者を得てこれからというとき
「会議をなくすためにどうしたらいいか
会議をしますので…」
と言ったら全員離れていきました
絵に描いたようなバカですね
まずは走り出すこと
(3)「夢」を「志」へ
自分の「夢」のためだけに動いているとき
困難な場面で多くは簡単に辞めてしまいます
「夢」に
他者に対する役立ちや
社会貢献の要素が加わると
ちょっとやそっとでは諦めない
「志」に変わります
花は咲く
87日目
今日は一日お休みをもらい
輪島吹奏楽団に加えていただいて
クラリネットを抱え
避難所を廻って演奏活動をしてきました
輪島中学校
河井小学校
大屋小学校
穴水彩光苑の4カ所です
みなさん暖かく迎えてくださいました
最初の曲は「希空〜まれぞら」
土屋太鳳さんでお馴染みの
NHKテレビ小説「まれ」の主題歌です
今日は三寒四温でいう温の一日目
春の足音がきこえます
2曲目は「春の童謡メドレー」
♩春が来た春が来たどこに来た
♫春の小川はさらさらゆくよ
♬春のうららの隅田川
東日本大震災の復興支援ソング
3曲目は「花は咲く」
あのときは東北の復興を願って
よく演奏しましたが
今回は自分たちの復興を祈りながら
夜 被災した街に立つと
灯りもなく漆黒の闇に吸い込まれます
そのかわり上を向くと
満天の星空に包まれます
最後の曲は「上を向いて歩こう」
会場のひとつ河井小学校は被害が激しく
現在学校活動を行うことができません
その惨状を目の当たりにしました
校舎は裂けそして傾き
教室の床がこんもりと
運動場では仮設校舎の建設が始まっています
そんな中 被災前に植えたという
チューリップの球根が
花を咲かせる準備をしていました
以前に炊き出しで
焼き芋を振る舞ってくださった
横浜の有限会社カイトさんが
先日再び来てくださいました
首都圏では
「ほとんど放送されなくなったので
復旧が進んでいるのかと思ったけど
全く進んでいないんですね」
とのお言葉
そうか
現地以外では
もう過去のことになっているのか
空に風 桜もようと 能登の風
86日目
新学期の学校の運営について
石川県教育委員会と
奥能登5高校で会議が持たれました
生徒 保護者の皆さんは不安でしょうから
だいたいの内容について速報します
基本的には対面とオンラインの
ハイブリッドで授業を展開します
金沢近辺に避難している生徒が集合して
オンライン授業を受ける仮校舎を
確保できる見込みです
またそこまでの交通機関も
確保できそうです
金沢へ通うことも難しい生徒は
基本的には避難所で
オンライン授業を受けてもらいますが
近くの高校へ通える生徒が
複数いる場合は
その高校に場所提供をお願いしてみます
ただし現時点での確約はできません
輪島高校及び仮校舎では
体育の授業もできる見込みです
さまざまな制約の中での
高校生活のスタートとなりそうですが
その中で真の学力
本当の強さを身につけてほしいと思います
できない言い訳を考えることは
誰にでもできます
どうやったらできるかを
みんなで追求しましょう
今年の3年生は
どん底ともいえる学習環境の中
しっかりと現実と向き合い
奇跡の逆転合格を勝ち取った生徒が
何人もいます
きっとできる
信じています
北海道で
通訳をしながら学生をしていらっしゃる
信岡 晴美さまより
「論文とエッセーの中間」
を送っていただきました
通訳なるものは
英語を日本語に
日本語を英語
翻訳する事だけでなく
「さっぽろ雪まつりについて説明してください」
と外国人に言われて
外国語で説明できる人の事
とのこと
自分も普段同じようなことを考えていて
英語でケンカができて
英語で仲直りできる
そんな力が欲しいなと
詩人の伊藤比呂美さんは
インタビューの中で
自ら実践された興味深い授業について
お話をされています
中原中也の詩を英訳する課題です
お題は「サーカス」
〈ゆあーん ゆよーん ゆやゆよーん〉
をどう訳すか?
ブランコの揺れる様子をイメージして
「Swing Swung Swinging」
素敵なのは
「You Your Yours」
(あなた あなたの あなたのもの)
沖縄の古倉小学校の皆川志保先生より
素敵なお便りをいただきました
「輪島の方々は春に桜が見たいだろうな」
と桜を散りばめた
子どもたちと一つひとつ
心を込めて作ってくださったカードです
先日志賀町へ支援に行かれた際に
ご自身で作られた曲を
みんなで歌ったそうです
志賀町防災ボランティアセンターの
Facebook をご覧ください
今日のタイトルは
皆川先生が送ってくださった
封筒に書かれていたものです