2024年3月の記事一覧
若鮎跳ねて甲子園
85日目
とにかく新年度に向けてスタートです
時は待ってはくれません
これまで小中学校に利用していた校舎を
高校用に復元です
先生だけではどうしようもないので
生徒のみなさんに声をかけて
ボランティアに来てもらいました
30人くらいが集まってくれました
自分たちの学ぶ環境を
自分たちで整えます
昔野球部の顧問をしていた頃に
和歌山県の日高中津分校へ
練習試合にお邪魔したことがあります
唯一分校で甲子園を果たした学校です
和歌山県は日高川のほとりにある
小さな分校の
甲子園までの道のりを記した
「若鮎跳ねて甲子園」
という冊子をその時いただきました
そこには
赴任されたばかりの垣内監督が
何にもない環境の中
河原の石拾いから始めて
グラウンドを創り上げたことが
記されていました
まさに今の自分たちは
そんな感じです
ゼロどころかマイナスからのスタートですが
みんなで力を合わせて「一歩前進」です
まずは生徒玄関の整頓です
ロッカーが倒れ中の履き物が散乱です
ひとり分ずつ袋に入れてあげました
まるで神経衰弱か貝合わせでもしているよう
ペアが見つかると「あったー!」
3か月ぶりにペアとなった靴たちも嬉しそう
それから体育館に駐屯している自衛隊さんに
少し空けていただき
入学式に使う椅子などを運び出しました
入学式は4月8日(月)
本校の第二体育館で行います
電灯が落ちかかっていますが
3月28日(木)修繕を入れます
床はホコリで真っ白
こすってもこすってもとれませんが
1年生を気持ちよくお迎えするために
みんなで力を合わせて綺麗にしています
お昼には
「ラトリエ・ドゥ・ノト」さんらの
支援者用炊き出しを
振る舞ってあげました
これは被災者に遠慮して
満足に食事をとることのできない
ボランティアの方々のために
ワンコインで美味しい料理を提供しようと
始められたものです
「少しばかりのお金を払っているのだから
支援の方も遠慮なく食べてくださいね」
という発想が素晴らしいですね
今日はカキフライ
終業式の日を迎えました
82日目
今年度最後の日を迎えました
【終業式】
卒業式を終えたあとで
こんなこと言ってくれた卒業生がいます
「誰も経験できないような辛い思いをしたけど
一生逢うこともなかっただろう人に
逢うことができた』
昨日の本田圭佑選手もそのひとりです
「誰よりも辛い思いをしたみんなは
きっと誰よりも強くなれる」
そうおっしゃってくださいました
一歩ずつ一歩ずつ進もう
走り疲れたら歩けばいいし
歩き疲れたら休めばいい
やがて休み疲れたら
どうせまた走りたくなる
だから
昨日よりも一歩でも進んだら
自分を褒めてあげよう
【生徒指導より】
「地震にあったことは不運だったけど
決して不幸じゃない!
自分の生き方は自分で決めろ!」
力強いエールが送られました
【離任式】
被災直後から
自分の生活もありながら
学校のために
尽くしてくださっている先生のうち
8名の先生が転勤されることとなりました
4分の1の先生が変わることとなります
今回の石川県立高校の
特に能登地区の人事は
災害復興と職員の通勤の確保
が最優先課題となっています
発災直後から
自分と一緒に学校に寝泊まりして
陣頭指揮をとってくださっていた
大坪克哉教頭先生も
家から通える学校へ
「夜明けの来ない夜はない」
生徒へ語りかけてくださいました
【小中学校もさようなら】
高校校舎での最後の授業が終わりました
元気いっぱいの声を
学校中に響かせてくれてありがとう
先生と輪島市の方が一緒に
ちっちゃな机と椅子を運び出しました
春が来て君はきれいになった
81日目
季節外れの雪が降っています
2か月ほど続いた小中高一緒の学校
いよいよ明日で終わりです
今日はみんなで体育館に集まって
最初で最後の全学校集会をしました
小中高それぞれの生徒から
お礼の言葉が述べられました
これからはそれぞれの学び舎
歩いてゆくんですね
そしてなんとなんと今日は
本田圭佑さんが来てくださいました‼️
「つらいことを体験したみんなだから
日本中の誰よりも強くなれるよ」
との言葉に胸が震えました
質問コーナーでは小学生から
「好きな食べ物は?」
「好きな色は?」
「好きなキャラは?」
「好きなスポーツは?」
勝手に好きなもん縛りで
どんどんたたみかけてきます
関西出身の本田圭佑さんは
「輪島の子はお笑いのツボ知ってんな」
とおっしゃっていました
本田圭佑さんのインスタには
全員で撮った写真がアップされています
宮城教育大学の
武田 真一 特任教授が
「あの時、
子どもだった私たちから
伝えたかったこと」
を贈ってくださいました
東日本大震災の伝承に関わる
「3.11メモリアルネットワーク」
さんによる
被災した子ども6人が
真に伝えたかったことを
まとめたものです
真っ暗な被災地で見上げる星空の綺麗なこと
自分が感じたのと同じだったり
今の自分でさえ想像すらできない
もっと悲惨な状況が書かれていたり
ありがとうございました
科学ツアー「ASCoT」のみんなが
夜遅くに帰ってきました
明日からの
「マイプロジェクト全国サミット」
に続けて参加する生徒もいます
ゆっくり休んでね
もし体調が悪いようなら
無理しないように
また野球部が
23日の日本航空石川と星稜の試合の応援のため
明日出発します
それぞれの生徒の
自分が輝くことのできる場所探しを
輪島高校は精一杯応援します
マイナス×マイナス=?
80日目
主に野球部が使用する本校のグラウンドは
発災時より自衛隊の基地として運用され
多くの車両が駐屯しています
当初は液状化を起こしてしまい
自衛隊車両であってもスタックして
身動きがとれない状態となりましたので
バラスを敷いたり改良剤を撒いたりと
全くグラウンドとしては
使い物にならなくなってしまいました
土の入れ替えを待つしかないのですが
いつになるか目処が立ちません
サッカー部はマリンタウンにある
学校から離れたコートで練習していたのですが
こちらは人工芝が剥がれてしまい
全て張り替える必要があります
剥がしてしまった人工芝の
処分にも困っています
マイナス×マイナス=プラス
野球部の冨水監督が知恵を絞り
とっておきのアイデアを
出してくださいました
剥がした人工芝を
輪島高校のグラウンドに敷き詰め
人工芝グラウンドにするのです
土はそのまま使え
人工芝の処分が要らず
体育にも使える
一石三鳥です
そうと決まれば善は急げ
さっそく人工芝の運び出しです
できない言い訳を考える暇があったら
どうやったらできるか考えろ
自分が日頃言っていることを
身をもって後輩に見せてくれる監督は
本当に頼りになります
野球部は23日(土)
同じ被災した能登から選抜に出場している
日本航空石川の応援に行きます
資金を保護者会の方が集めてくださっています
ご賛同される方はぜひご支援をお願いします
https://www.makuake.com/project/ishikawa-baseball/
Astro Science Cosmo Tour 2日目
ご飯を食べて出発です
まず訪れたのは地質標本館
今回の地震と大きく関わっていると考えられる
謎の水「深部流体」の特別展が
4月より始まるそうで
残念ながら見ることができませんでした
続いてはJAXAのガイドツアー
このツアーは3か月前の1日から
ネット予約が始まります
即埋まってしまうので
昨年12月1日の午前0時に
インターネットに接続して予約しました
その日の夜明けにはもう定員オーバー
去年1番の大仕事でした
新入生のみなさん
輪島高校ではこのような
学びの心に火をつける
さまざまなしかけを用意して
待っていますよ
こんなときだからこそ学んで来い!
79日目
今朝 科学研修ツアー
Astro Science Cosmo Tour(ASCoT )に
11名の生徒が旅立ちました
学びを止めるなの言葉を胸に
科学の最先端を学ぶツアーです
2泊3日でさまざまな施設を巡ります
明日は9:00からつくばの地質標本館で
地震のメカニズム等について学び
10:40からJAXAのガイドツアーに参加です
明後日は9:00から東京大学キャンパス
11:30より日本科学未来館を見学し
21:00には帰ってくるという日程です
震度7の激震にも耐えた
100周年記念モニュメントの前から
100周年記念ワゴン車で出発です
無事金沢駅に到着しました
このあと新幹線で東京へ向かいます
東京国立博物館に行きました
現在
建立900年「中尊寺金色堂」
特別展を開催中です
本当はサイエンスツアーということで
国立科学博物館を訪れる予定だったのですが
私のミスで国立博物館に行っているようです
でもまあ歴史も科学ということで…
そもそも文系理系って分けているのは
日本だけなんだそうです
女子は文系科目が得意で
男子は理系科目が得意という概念も
そう刷り込まれているだけの
単なる思い込みのようです
実際 国際学力テストの結果を見ても
女子の方が理科数学の成績の良い国も
フィンランド
スイス
カナダ
デンマークなどです
これ何かとピタリ一致しているのですが
わかりますか?
女子カーリングの世界ランキングです
氷上のチェスと言われるカーリングには
理系の頭脳が求められます
ということは
カーリングの強い日本の女子は
本当は男子に負けない
素晴らしい理系の頭脳を
持っているはずだと思います
男女のステレオタイプにとらわれない
全ての生徒が自分の得意を伸ばせる
教育をしたいと考えています
ちなみにデンマークには
「カーリングペアレント」
という言葉があるそうです
とにかく学校にクレームを言ってくる
「モンスターペアレント」や
子どもの上をぐるぐる旋回しながら監視して
我が子に危機が及ぶと急降下してくる
「ヘリコプターペアレント」の類で
本来子供が自分で解決すべき障害を
先回りして掃き取ってしまう親のことです
教育の問題は世界共通のようです
掃き取るといえば昨日
男子バレー部が練習と床掃除していたところ
長野県から派遣されている
諏訪市の山岡さんと
茅野市の牛山さんのお二人が
一緒に床をブラシとモップで
掃除してくださいました
最後には生徒たちに
「大変な環境だけど頑張って」
と言っていただきました。
日々感謝です。
ご寄付もいただいています
河田 哲也 校長先生はじめ
神戸市立長尾小学校のみなさん
先日練習試合に訪れた高岡商業高校の
野球部保護者会とネット会のみなさま
富山県は高校野球の盛んな地域で
毎週の練習試合にも地元ファンの皆さんが
ネット裏で観戦されています
これがいわゆるネット会だそうです
「最近スライダーのキレがな…」
「リリースポイントがちょっとな…」
監督より詳しかったりします
本当にありがとうございます