2025年7月の記事一覧
石川県名物 通知簿渡し
地震から 569 日目
豪雨から 305 日目
今日から3日間の日程で
「通知簿渡し」
保護者目線でいうと
「通知簿もらい」
が行われています
石川県在住の方以外は
「何それ?」
って感じではないでしょうか?
実は石川県では
各学期の終わりに
保護者が通知簿を受け取りに
学校へ出向くしきたりがあるのです
全国的なものかとずっと思ってきたのですが
他県から転住されてきた方が
不思議がっているのを聞いて
これが石川県独自の文化であることを
知った次第です
他県では生徒に直接渡すのが主流で
学校がどうやって成績を家庭に知らせるかは
法的には全く根拠がなく
各学校に任されているようです
廊下で待たれていたお母さまに
そのことをお伝えすると
「そうなんですよ
私九州出身なんですけど驚きました」
とのこと
とはいえ普段お話しできない担任の先生と
ゆっくりお話ができるのは
いい機会だともおっしゃっていました
もうひとつ不思議な風習
「家庭訪問」
こちらはどうなんでしょう?
輪島高校では実施してはいませんが
小学校とかではどうなんでしょう?
核家族化しかも共働きが増えているので
そのためにどちらかが
休みを取らなければいけないとなると
大きな負担です
昭和の時代なら
お掃除して
障子張り替えて
座布団新調して
お茶用意して
お寿司を注文して
並がいいか上がいいか悩んで
来るのが遅いとか言って
曲がり角まで迎えに行ったり
なんか娘の彼氏が初めて家にくる日か!
と突っ込みたくなるほどのテンションで
先生も先生で
行く家行く家でお寿司をたらふく食べて
なんてことは令和の世には
全くそぐいませんね
「家庭訪問に行きます」なんて言おうもんなら
「うちふたりとも帰りが遅いんで
夜8時以降にしてくれませんか?」
なんて家が続出で
全ての家を周り終わる頃には
もう日を跨いでいた
てなことになりかねないので
縮小傾向にあるのでは?
と勝手に想像しています
じゃあ家庭訪問のメリットは?
って考えると
担任が生徒の家を把握しておくと
災害時の安否確認に役立つかもしれませんね
とはいえ今回のように
ほとんどの人が家にいない元日に起こった時には
ほとんど役に立たないわけで
担任が生徒の家を一度見ておくと
登校時における危険をある程度
予測できるという利点もあるかもしれません
とはいえ起こる可能性が限りなく低い危険のために
担任が全ての家庭を訪ねる必要があるのかと言われると
限りなくコスパの低い作業になるのです
家庭訪問したら
身上調書では把握しようのない
内縁の夫が家にいて
生徒のその後の生活指導の役に立った
という経験も実はあります
ですので
「通知簿渡し」も「家庭訪問」も
必要ないから即廃止とはせずに
あえてグレーのまま残しておくべき
そんな行事であるというのが
私の中での結論です
ほんとにここ地球?
地震から 568 日目
豪雨から 304 日目
石川県吹奏楽コンクールに
吹奏楽部が出場し
「故郷」と
「東北地方の民謡によるコラージュ」
を演奏しました
現3年生がひとりも入部せず
一体どうなるかと心配された吹奏楽部でしたが
2年生と1年生だけで
素敵なハーモニーを奏でました
それにしても入場料が結構いいお値段で
アンパンマンショーより高かったです
能登半島の外浦を巡る
国道249号線が開通しました
隆起した海岸を利用して造った
新しい道路が続きます
空の青と海の青
その狭間をひたすら走ります
途中崩れた山肌が地震の激しさを
というよりむしろ
太古からの地球の営みを
感じさせてくれます
今回の地殻変動は
2000年に1回と言われる4m の隆起
この隆起を2212回繰り返す
すなわち442万4000年経てば
8848mに達するので
エベレストの頂上が昔海だった
と言われることにも納得です
絶対お目にかかることができなかった
昔海の底だった地形に出会える場所
本当にここ地球って感じの場所もあるので
宇宙映画のロケ地に使えるかもしれません
ぜひみなさん一度ご覧になってください
コロラドの夏
地震から 567 日目
豪雨から 303 日目
夏休みで思い出すのが
初任の夏に行ったアメリカ研修旅行です
コロラドを中心に3週間ほど
アメリカ各地の学校を視察してきました
教育委員会企画の英語科の研修でした
私は担当は理科なのですが
知らん顔して紛れ込みました
当時から教科横断を実践していました
そしてその時の経験は
その後の私の教員生活にとって
大きな影響を与えてくれました
その時ご一緒したふたりの英語の先生と
およそ40年の時を超え
お逢いする機会に恵まれました
おふたりには英語だけでなく
教師としての矜持など
多くのことを学ばせていただきました
ただ3人の行動は
同行した他の先生方には
予測不能 理解不能だったらしく
3dollers(スリーダラーズ)
と呼ばれていました
『ダラ』というのは
石川県の方言で『ばかタレ』の意味です
この語源については
「知恵タラズ(足らず)」が
地方に伝わる過程で変化したという説が有力です
鳥取・島根の「ダラズ、ダラ」や
新潟の「タラズ」がその証拠とされているそうですが
私は『阿呆陀羅経』説を支持します
小さな二個の木魚をたたき
または扇子で拍子を取りながら街頭で演じて
銭を乞うた乞食坊主が謳ったお経です
1750年頃大坂で始まったそうです
さて
1ダラー目の中先生は
渡米後のウェルカムパーティーで
女性の田中先生に続き
「I'm not Miss Tanaka but Mr.Naka 」
と洒落たIntroduceをかますような
センスあふれる方です
現在も複数の肩書をお持ちで
クリエイターの 栗 瑛太 氏
有言不実行家の 口田 圭 氏として
各方面において
その才能を余すことなく発揮されています
2ダラーズ目の向先生は
そんな才気煥発な1ダラーを
大きく包み込み
あるいは手のひらの上で転がすように
才能を開花させる術をお持ちの方で
校長先生を経てご退職なさいました
そしてそこに運良く加えていただいた
3ダラーズ目の私は
その時の経験を現在
被災地の子供達の目を
世界と未来へ向けさせるため
生かしていますので
何が幸いするかわかりません
当時の教員にとっての夏休みは
かように自己研鑽をするための
極めて重要な時間でした
しかしながら
先日の小学校の盗撮グループのような
一部のふしだらな教員のせいで
教師に対する信頼が大きく揺らぎ
世間の目が厳しくなるとともに
大多数の真面目で誠実な教員から
貴重な研修の時間を奪ったのです
私が教員を志した大きな理由のひとつが
「夏休みがあるから」でした
教員のなり手不足対策の大きなひとつが
自己研鑽のための時間の保障です
教員に夏休みを取り戻せ!
OECDを通して
教員のウェルビーイングを提案していきます
さて
昨年度のフランス研修
今年のGWのポルトガル研修に続き
今年の夏休みにはアメリカ研修を実施します
医療関係志望の生徒3人を
災害医療を専門に学ぶアメリカの大学へ
10日間ほど派遣します
引率は養護教員の栃木麻紀先生
災害時のトリアージなども学ぶ
教員にとっても貴重な研修です
夏の訪れ
地震から 566 日目
豪雨から 302 日目
夏休みの入りとともに
北陸地方でも梅雨が明けました
梅雨明け特有の初夏の雲が広がります
左下のは肋骨雲
魚の骨に見えます
飛行機雲が横風に吹かれてできます
右下のは毛状雲
鳥の羽根に見えます
上空の風の様子がわかりますね
上空8000mから12000m付近に発生する
『巻雲』の一種です
『巻雲』は一時期『絹雲』と表記していました
いずれも『けんうん』と読みます
横に薄く拡がる雲を『①層雲』
縦にもこもこ伸びる雲を『②積雲』
といい
標高2000m〜5000m付近に見られ
それぞれ「きりぐも」「わたぐも」
と呼ばれます
両方の特徴を持つ『③層積雲』
いわゆる「うねぐも」もあります
それよりもやや高いところに発生するものには
名前に「高」がつき
『④高層雲』いわゆる「おぼろぐも」
『⑤高積雲』いわゆる「ひつじぐも」
と呼びます
さらに高いところにある筋状の雲が
『⑥巻雲』いわゆる「すじぐも」で
同じ標高に
『⑦巻積雲』いわゆる「うろこぐも」
『⑧巻層雲』いわゆる「うすぐも」
ができます
雨を降らせるネズミ色の雲には
『乱』の文字がつき
『⑨乱層雲』いわゆる「あまぐも」
『⑩積乱雲』いわゆる「にゅうどうぐも」
雲はこのように高さや形によって
十種類に分類されています
暑いといえば涼しくなるんか!
地震から 565 日目
豪雨から 301 日目
ダルビッシュ選手は
20歳のとき
惨めな試合のあとで
40歳になってホームレスになって
全てを失った自分を想像してみたそうです
お金もない
ご飯も食べられない
そんなとき神様が現れてこういいました
「20歳の頃に戻りたいか?
もう一度チャンスをやろう
その代わりやるべきことをやらなかったら
またここに戻すぞ!」
それから神様のおかげで20歳に戻った自分を
懸命に生きたそうです
* * *
目を閉じて
想像してみてください
今日は夏休み最後の日です
明日から2学期が始まります
テストもあるのに課題すら終わっていません
「明日からやろう!」
40回口にしたらあっという間に夏休みが終わった
なんで毎年同じこと繰り返しているんだろう
明日から夏休み始まるといいのにな
夏休みはじめの日に戻りたいな
神様
「夏休みの最初の日に戻りたいか?
一度だけチャンスをやろう
その代わりやるべきことをやらなかったら
またここに戻すぞ!」
さあ 目を開けて
今日は何月何日?
今日は1学期最後の日
終業式の校長挨拶で
こんな話をするつもりでした
しかし急遽予定変更
体育館へ入ってくる生徒が口々に
「暑っつぇ!」
暑いといえば涼しくなるんか
いやいやあなたに教えていただかなくても
暑いことぐらいわかりますから
それとも暑いと感じることは
何かあなたの自慢ですか?
申し訳ないですが
それは周りを不快にするだけの呪いの言葉です
「よい夏休みを!」
挨拶は一言でやめました
そのあとの
教務主任の矢田先生からの素敵な挨拶
「夏休みはおうちの方と
いっぱいお話をしましょう
『宿題やったか?』
と尋ねられたら
『今からやろうと思っとったんに!
やる気失くした』と
ふてくされるのではなく
『今から数学のこんな問題を
やろうと思うよ』と
きちんと会話をしましょう」
さらには生徒指導の冨水先生からは
1年3組と3年2組は
1学期中ひとりも遅刻をしなかったという
素晴らしいお褒めの言葉が
何はともあれ
明日から夏休み
素敵な時間になるといいね