学校日誌

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錦高日記10月9日(金)Ⅱ ~2年生 修学旅行の活動選び~

 本日の7限目、2年生の教室ではきれいな色合いのパワポが目立ちました。内容は沖縄修学旅行。今日は一人一人が選べる沖縄での活動の紹介でした。自然体験コース、文化体験コース、世界遺産コースと分かれ、生徒たちはキラキラした目で、食い入るように画面を見つめ、先生の話を聞いていました。コロナ禍ではありますが、このような生徒の姿を見ていると「行かせてあげたいな~」と思います。想いが強ければ願いは叶う!? みんなの想いで、一生の思い出を手に入れよう!!

    

錦高日記10月9日(金) Ⅰ~次の目標に向けてⅡ・・・~

 本日の放課後の化学実験室では、10月17日(土)に行われる「いしかわ高校科学グランプリ」に向けて、実験競技に対する学習会を行っている2年生有志の姿をみることができました。彼らは、”シクロヘキサン”という油を気化させ、その際の測定データからこの化合物の分子量を求めることに挑戦していました。コロナ禍では授業で多人数になる実験がなかなかできない状況があるのですが、学校として彼らの挑戦をできるだけバックアップしていこうとしております。

 また、教室では大学進学を志す全国の3年生ほぼ全員が受験する記述型模試を受ける真剣な面持ちの3年生たちをみることができました。本日の受験科目は数学、高校3年間のなかでは最も難しく、かつ最も広い範囲からの出題となっていたはずです。彼ら彼女らが、落ち着いて自分の力をすべて発揮できたことを期待してやみません。試験は明日まで行われます。3年生気張れ!!

 ※10月5日(月)の記事で、「いしかわ高校科学グランプリ」の開催日が10月24日(土)となっておりましたが、10月17日(土)が開催日となります。誠に申し訳ありません。

   

ほりほりの部屋Vol.30「3 tops & 1 bottom~the unforgettable 4 boys<my proud students>~Part2」

 皆さん、こんにちは。堀です。先週今週とやたら忙しく、朝の挨拶運動やら、「ほり部屋」になかなか手が回りませんでした・・・朝晩の冷え込み、激しいけれども~GAT!

 金沢のこの季節、街中で、この香りが充満!ステキな街です。うちの庭でも小さなキンモクセイですが楽しませてくれています。昔、日本史の同僚からいただいた、模型の埴輪5体(堀家の象徴?)も苔むして庭と同化してます。いいカンジ。錦の正門を出て右手に歩いてすぐ、右側の大きなお屋敷の道路に面したところにも立派なモクセイが!すっごく香ってる!ハンドボールコート横の満天星(読み方、覚えてます??「ほり部屋」Vol.7参照)も徐々に紅葉してきてますね。季節の移ろい、いとおかし。まっかかになる日が楽しみ。夜な夜な鳴く虫の声も日に日にボリュームアップ!嗅覚・視覚・聴覚総動員で秋の深まりが感じられる今日この頃です。(味覚は言うに及ばず!)

 さて、今回紹介する‘my proud student’は、二水の理系の担任をしていた頃のtop。この生徒も日頃は物静かで謙虚、そしてひとかたならぬ熱いハートの持ち主、という点で前回の弁護士さんと共通してました。ただ、この生徒はものすごい努力家でした。本人曰く「僕は能力がないので、時間をかけるしかないんです。」とのこと。4月の個人面談での「なりたい自分」は「地球の砂漠化を食い止めたいです。研究者になりたいです。」「ふむ。環境保護活動ってこと?」「実は、モンゴル砂漠を緑地化したいんです。春先、金沢によく黄砂が降ってくるじゃないですか。最初、不思議だったんです。あんな砂、どっから来るんやろうって。調べたら、遠く大陸のモンゴルから、春先の強い偏西風に乗って来るんやって。もっと調べたら、砂漠はものすごいスピードで拡大してるって。人間のエゴのせいやって。で、なんとかできないかなって。」「ふむ。だからこういう第1・第2志望のセットなんやね。」「先生。砂漠化、半端なく速いんです。一刻を争うんです。少しでも早く研究チームに加わりたいです。浪人はしません。」第1志望(前期)は京都大学、第2志望(後期)は鳥取大学というセットパターンは4月から翌年3月まで微動だにしませんでした。農学分野で、いわゆる偏差値ランキング(入りにくいランキング)では、1番上と1番下・・・この時も進路課長さんや学年主任さんから「堀さーん、第2志望なんとかならんが~。せめて阪大か神戸くらいじゃないけ~。1番のオススメは第1志望を貫いて、前後期とも京大。今年ダメなら、1年浪人して再チャレンジでもいいがんないけ~。説得してま~。東大京大、最近、でとらんし~。」「ん~。でも、本人の『なりたい自分』固まってるんで。僕には説得ムリです。よろしければ、直接、説得されたらいかがです?」(いつものやりとり・・・ウンザリでしたっけ・・・)実は、日本における砂漠研究の中心地が、日本最大の砂丘、鳥取砂丘のほど近く、国立の「鳥取大学乾燥地研究センター」というところで、京大出身の研究者も、国内なら最終的に集う場所でもあるんです。本人の夢がそこでの研究者だったわけで、「踏み台」としての経由地は、京大でも鳥取大でも構わなかったのです。実際、模試結果は年間通して京大はほとんどB判定で、センター試験の自己採点結果でも十分届くところにいたのですが・・・結果は後期出願した鳥取大のみ合格でした。ボーダーラインを200点近く超えてのトップ合格。京大には届かなかったけど、ニッコニッコで合格の報告に春休み、来てくれました。今頃はきっと、砂にまみれて、研究に没頭していることでしょう。ひょっとするとモンゴル砂漠にいるのかも。彼と出会ってからは、黄砂が降ってくると、彼のことを思い出すようになりました。

 生きているうちに、金沢で「黄砂でクルマが汚れること、なくなったねえ。」なんて言える日が来ればスバラシイ!ウチらの生活にとってはその程度のことだけど、本当に実現すれば、地球規模の環境保全に一役買ったってことですよね。次の世代に繋がる仕事って夢があっていいね。使命感、やりがい、てんこ盛り!応援せずにはいられません!(cannot help ~ing!)ではでは。今日はこの辺で。CU ASAP!

<次回、Part3へ。To be continued.>

錦高日記10月8日(木) ~3年生 「主体性」とは・・・~

 昨日の放課後、3年生の教室のワックスがけが行われています。当然、本日の朝は、教室前の廊下が机やイスで山積みの状態になっていました。このようななか、黙々と友達の机やイスまで運び入れている生徒たちの姿を見ることができました。早い時間に学校に来たのだから、「受験生」なのだから、自分の机・イスをだけを室内に運び入れて、授業の予習などをしていても誰にも責められることがないのかもしれません。しかし、自分たちの貴重な時間を割いて、このような行動をとれる生徒たちが多くいることを本校は本当に誇りに思います。

 今般、社会で求められる「主体性」とは、言われないことや言われたこと以上のことを自己の判断と責任をもってきちんとやれる力を身につけていることなのだと考えております。

  

錦高日記10月7日(水)Ⅱ ~部活動の風景 フェンシング部&剣道部~

体育館の2階には、柔道場や剣道場があります。剣道場を訪れると、フェンシング部と剣道部が練習していました。

剣道場手前のスペースを使用しているのはフェンシング部です。ウオームアップ後、フェンシング独特の防具を身につけ、剣を手に取り練習を始めました。剣道場の奥では、剣道部が顧問の原田先生に稽古をつけてもらっています。剣道の大きな「気合い」と竹刀のぶつかる音、フェンシングの静かで素早い動きと剣がの金属音、同じ剣を持ってのスポーツですが、これだけ違うのだなと思いました。どちらも、打ち込む時が美しいスポーツだと思いました。新人大会に向けて、がんばってほしいです。

  

   

錦高日記10月7日(水)Ⅰ ~生徒会 「赤い羽根」募金活動~

 生徒会執行部とJRC部が錦丘中学校の生徒会とコラボして、赤い羽根共同募金の募金活動を行いました。

 参加者は朝の玄関前に立ち、「おはようございます」と元気にあいさつしながら募金への協力を求め、その声に応じてカバンから財布を出し、募金箱に小銭を入れる生徒の姿も見られました。

錦高日記10月6日(火) ~2年生 対話的で深い思考力を身につける物理実験~

本日2年生の物理の授業にて実験を行いました。

テーマは、

「大きさや形がある物体がつりあうためにはどのような条件が必要だろう?」です。

 

この実験は今までの、「習ったことを確かめる」実験ではなく、「習っていないことを実験を行い、データを集め、そこから法則を見出す」実験です。実は新学習指導要領の内容ですが、先取りして実施しました。

 

生徒たちは、実験で得たただの数値のデータを元に、図をかいたり、グラフを作成したり、試行錯誤しながら、対話を通して協力して法則を見出していました。

 

今後は総合的な探究の活動のように、答えの分からない問題に対して、思考や対話を通して、工夫しながら解決していくような態度が各科目においても重要になります。

物理では、今後もこのような実験を行っていきたいと思います。

錦高日記10月5日(月)Ⅱ ~部活動の風景 陸上部~

 2学期中間試験が終わり、放課後になると体育館やグラウンドのみならず、校地内のあちこちで部活動が行われています。今日は体育館前で練習をしていた陸上部の様子をレポートします。

 整然と並んで、大きく一歩を踏み出したり、全力で走ったり、ハードルを使って体の向きを変えながら乗り越えて行く練習など、見ていて飽きないものでした。彼らの着ているTシャツは鮮やかなオレンジ色、よく見ると「FINDMAX」と書かれています。(これはFind Your Maxから来ているのかな?そうとしか思えない!)

 「最高の自分」、自己最高の記録に向けて、がんばって欲しいです。

   

 

錦高日記10月5日(月) Ⅰ ~次の目標に向けて・・・~

 先週で中間試験は終わりましたが、次の目標に向けて頑張っている生徒たちを紹介します。

 本日の放課後の物理実験室では、10月17日(土)に行われる「いしかわ高校科学グランプリ」に向けて、筆記競技に対する勉強会を行っている2年生たちの姿をみることができました。彼ら彼女らは、”昨年の44チーム中総合第4位(筆記競技7位、実技競技2位)という成績を超えたい”という高い意識をもって頑張っています。ライバルはSSH(スーパーサイエンスハイスクール)校の2年生たちになるのでしょうが、過去の自分を超えられるよう、当日は最大限に自分たちの力を発揮してくれるよう願っています。

 また、物理講義室では、今後行われる模擬試験に向けて、理科の定期試験の解き直しを行っている3年生たちの姿をみることができました。大学進学を志す全国の3年生ほぼ全員が受験する記述型模試は、10月に行われるものが最後となります。(これ以降も、マーク型模試や難関国立大学用の記述型模試は実施されていきますが・・)定期試験の内容で徹底的に基礎を固め、できれば1冊に決めた受験用問題集の問題を何回も解いて応用力を高め、しかるべき準備をし、目標を持って、次の模試に臨んでいくのが受験勉強なのだと考えます。本番が一番大切なのはいうまでもないことですが、これまでの模試の自己ベストを超えられる3年生がたくさん出てくれることを期待しています。

 ※「いしかわ高校科学グランプリ」の開催日が10月24日(土)となっておりましたが、10月17日(土)が開催日となります。誠に申し訳ありません。

    

錦高日記10月2日(金) ~事務職員の皆さんの錦愛♡~

 2学期の中間試験がようやく終わりました。本日は天候にも恵まれ、午後からのグラウンドや体育館では、多くの生徒たちが部活動に汗を流しました。

 さて、現在本校の事務室には6名の職員の方々が在室されており、日頃より本校の教育活動を支えてくださっています。今日の事務室では、職員の方々全員が同じ柄のTシャツを着て執務を行っていらっしゃって、部屋に入った筆者はちょっとビックリ!Tシャツには、”錦愛”溢れるデザインがプリントされており、聞くところによると、職員の一人である間戸(まと)遥香さんによって書かれたもののようです。皆さん、とっても仲のよい雰囲気で仕事をされておられたのが大変印象的でした。(大職員室や進路指導室も負けませんぞ!)

  

                                                               ↑nishikiのロゴ入り、ひれのところに名前入り

錦高日記10月1日(木) ~PTAから生徒たちへのプレゼント~

 明日でいよいよ中間試験は終わりになります。頑張った生徒たちには、明日試験終了後に、PTAの方々からの素敵なプレゼントが渡される予定です。(すみません。この瞬間、サプライズでなくなってしまいましたね。)

 コロナ禍のため、今年度の紫錦祭では、恒例のPTAの方々による模擬店が出店されませんでした。このため、その代わりに記念になるものを子どもたちに渡したいとの声があがり、協議の結果「クリアファイル」が配付されることになりました。このファイルは、紫錦祭で撮影した生徒たちの写真をたくさん集め、それらを美術部員の生徒らがレイアウトすること等によって作られており、大変素敵な仕上がり(フォトモザイク)になっています。生徒たちには、感謝の気持ちをもって大切に使ってもらいたいと思います。PTAの皆様方、本当にありがとうございました。

 本日の放課後もまた、生徒たちは頑張ってお気に入りの場所でしっかりと勉強を続けていました。

      

錦高日記9月30日(水) ~9月の花々~

 本校の中央階段の踊り場には、華道部の活動日に素敵な生け花が展示されます。今日は、9月中に飾られた花々をご紹介します。筆者は、時々足を止めては花々を眺め、心の安らぎをもらっています。小さな花でもその中をのぞいてみると、微妙に色が変化していたり、なんとも不思議な形状をしていたりと、自然の「魔法」を感じる時があります。どうぞご鑑賞下さい。

   

 

錦高日記9月29日(火) ~1年生課題探究「防災・減災研究」学習会~

 1年生の中間試験は明日からです。

 本日の1年生の6,7限目は課題探究の時間となり、陸上自衛隊の方を招いて、防災・減災の具体策を考えるために必要な知識・事例等について学びました。生徒たちは、2クラス交代で視聴覚室に集まり、陸上自衛隊が近年対応してきた様々な災害現場の写真を見ながら、防災・減災について学んでいきました。災害現場の大変さや隊員の方々の活動・活躍に緊張感や敬意を感じながら、ときおり、現場に出られた自衛隊員の方の生の「心の声」なども紹介されることもあり、非日常におかれた人間心理等も学べる有意義な時間となりました。今後、「防災・減災プロジェクト」に取り組むグループの生徒たちは今回の学びを活かした研究を進めていくことになります。また、「商店街活性化プロジェクト」に取り組むグループの生徒たちには、自身の防災意識を高める良い機会としてほしいと願っています。

   

錦高日記9月28日(月) ~2学期中間試験!~

 9月も最終週となりました。2・3年生は明日から、1年生はあさってから、中間試験が始まります。

 放課後、進路室前の廊下や渡り廊下などでは、たくさんの生徒たちが試験勉強に取り組んでいました。本校の特徴であるマルチメディア(図書館)5Fに設けられた自習用のブース、さらには購買前に設置されたテーブルや隣接するテラスでも多くの生徒が勉強していました。夕刻ともなると秋の風は肌寒いくらいですが、それにも気付かぬくらい集中している様子でした。一方、職員室や進路室などでは、先生に質問する生徒の姿が目立ちました。

 定期試験はこれまでに学習したことをもう一度学び直して、より深く理解するチャンスです。わからない部分は積極的に質問して、「自分のもの」にして欲しいと思います。

      

錦高日記9月25日(金) ~創立記念日ですが・・・~

 本日は、本校の創立記念日にあたり、生徒たちはお休みでした。このようななか、多くの3年生が勉強をしに、また2年生の有志たちが駿台外部模試を受験しに学校に来ていました。

 さて、昨日の放課後に、講義室の一室を「勉強カフェ」と称して開放する取組(2年生課題研究のある研究テーマの検証実験です)が行われました。研究グループのメンバーによって、講義室の中にはコロナ感染防止対策まできちんと考慮した、工夫した空間が創られていました。2年生を中心とした生徒らが集まり、落ち着いた音楽のかかる室内で、静かに学習に取り組んでいました。この取組は10月中旬にも行われる予定で、次回は定期試験前でない時期の開催となるため、また違った目的の生徒も参加してくることになると思います。

    

錦高日記9月24日(木)Ⅱ ~錦丘グッドマナーキャンペーン~

 昨日より秋のグッドマナーキャンペーンが行われています。コロナ禍のために今年度初めての実施で、中学校・高等学校の生徒、保護者、教員等約120名(2日間の合計)が参加しています。活動の内容は、生徒玄関前や学校近辺の交差点に立ち、あいさつ運動や自転車の交通安全指導等を行うものです。本日は特に、”誉れや”前横門付近での自転車の走行マナー等について意識させる指導が行われていました。高校からは生活・交通安全委員が参加し、玄関前で登校する生徒へ挨拶をしていました。スタート時(7:40)からさわやかな天気にも恵まれ、少しひんやりした空気のなか、生徒や保護者の方々の元気なあいさつが続けられ、気分よくまた新たな一日をスタートさせることができるよう感じられました。ご参加いただきました中高PTAの皆様方、本当にありがとうございました。

     

ほりほりの部屋Vol.29「3 tops & 1 bottom~the unforgettable 4 boys<my proud students>~Part1」

 皆さん、こんにちは。堀です。4連休、2日間がんばって、また、(生徒諸君は)3連休!ところが来週、中間テスト!!自由時間にこそ、どれくらい「自律」できるかが問われます。「自立」した錦生となるため、社会の求める人材となるため、錦丘高校は、「自立」のための「自律」の機会をこれからも与え続けます。耐えて咲こう!GAT!

   ‘my proud students’、つまり、「私の自慢の教え子たち」は、医療界・教育界のみならず、様々な、ありとあらゆる職業分野に散らばっています。これからも、諸君の進路(「なりたい自分」)決定プロセスの参考、あるいは、励みになれば、との思いで紹介していきます。今回は、3年生の担任になった当初、学年の偏差値トップだった3人(3 tops)と最下位だった1人(1 bottom)についての第1回。4人とも、1・2年時は全くno touchでした。3年時、4月8日の始業式前の教室で初めて出会った生徒でした。たった1年の関係が、生涯「忘れることができない<unforgettable>生徒」となりました。

 35年半、教員を続けてきて、「本物の天才」と言える生徒は、ただ1人。泉の文系の担任の頃、4月最初の個人面談で、「なりたい自分」は何?と問うた時の、「社会派の弁護士です。弱い者の味方になります。なので、京大法学部を志望しています。」柔らかい表情で、しかし、毅然と答えてくれた凜々しい姿は、今でも脳裏に鮮明に蘇ってきます。「ん?社会派の弁護士って、京大出身者ばかりじゃないのでは?東大出身者にもたくさんいるのでは?」「ん~、東大出身者は検事や私利私欲に走る弁護士になってるイメージなんです、僕にとっては。悪徳弁護士みたいな・・・」「それはさすがに偏見じゃないかな~。数字的な根拠でもあるんけ?京大出身者にも悪徳弁護士みたいになってる人、いるんじゃない?」「(キッパリと)いえ。確固たるデータはありません。京大の自由な学風に憧れているんです。あーゆー風土からは利己的な人は生まれないと思います。暖かみがあるというか・・・情け深いというか・・・東大は冷たい感じがして・・・僕には合わないと思います。」面談での進路関係のお話しは大体、こんな感じでした。客観的なreason(根拠)よりも主観的なfeeling(感性)が優先しているような「なりたい自分」への未来予定図、という第一印象でした。

 この生徒、家庭学習時間が他を圧倒してダントツに少ない生徒でした。3年生後半になっても1日平均1時間あるかなしか・・・その代わり、読書量が半端なく膨大で広範囲、特に「先生、スタンダールってすごいと思いませんか?」みたいなフランス文学に関する知識が特に豊富でした。なのに!全ての模試での合格判定、京都大学法学部ずっとA判定、しかも、志望者成績全国順位の分子がほとんど「1」!わかりますか?ほとんどの模試において、志願者最高点をたたき出していたのです!塾にも行かず、読書習慣を継続しつつ、1日1時間程度の家庭学習と授業のみで。夏の補習期間も、「先生、母が今度の夏休み、いっしょにイタリア旅行に行かないか、って言ってるんで、補習には出られません。あ、でも野外劇の練習には間に合うように帰国します。大丈夫です。クラスのみんなには迷惑かけませんから。」「は?そこ?」さすがにお口、あんぐり・・・実際、イタリア、行っちゃいました。帰国直後に受けた8月実施の「京大模試」(全国の京大志願者が必ず受けるやつ)、結果は分子「5」。でも、もちろん、A判定。成績表手渡したときの第一声「あ~、やっちゃった~。調子悪かったんです。スミマセン。」は、は。京大模試全国第5位ですよ、ばんばんのA判定ですよ、他の生徒に知れたら「嫌みか!」って言われちゃいますよ、って心の中でつぶやいてました・・・でも、彼にとってはその程度なんです。本音なんです。謙虚な姿勢は4月当初からずっと変わりません。今も同じでしょう。本当に「デキる人」は、常に上には上がいることが本当にわかっているから、偉ぶったりしないものです。弱い奴ほどよく吠える・・・

 4月後半、ゴールデンウィーク前に京大の過去問(いわゆる赤本)を解いてみたから、採点して欲しい旨、申し出てきました。ちなみに、日本の大学入試において、英語に関して、最も難しい英文解釈と英作文を要求するのが、京大です。英語に関しては、東大はむしろ基本を徹底的に押さえておけばなんとかなる場合が多いのです。他教科にも同様のことが当てはまるので、東大は高校の通常授業ベースで対応できますが、京大は早期から個人添削等で鍛えないと合格ラインに届かない、というのが通説です。よって、東大の現役合格占有率は80%を超えることもありますが、京大は50%いくかどうか、つまり、合格者の半数が浪人経験者という特殊な大学でもあります。その京大の過去問添削1回目。真っ赤かにペンを入れ、渡すときに「英作文では、まず、日本語の意味をわかりやすい日本語に咀嚼してから、英語に転換するように。その際、エッセンスを上手く抽出すること。」とのみ言い添えました。その翌日、2回目を持参し、「指示されたようにやってみました。見てください。」とのこと。驚きました!全く赤ペンが入らない!ペンが動かない・・・ふむ・・・結局、ルーズリーフに大きく赤丸をつけ、Very good!!と書かざるを得ませんでした。泉で、京大阪大外大の英語添削、9年間担当しましたが、2回目、しかも、4月段階でパーフェクトな答案を仕上げてきた生徒はただ1人です。「すごいねえ。文句なし。日本語の解釈が絶妙に伝わってくるわ。」「ありがとうございます。今すぐ、京大の入試があれば良いですね。」アナタ!今、まだ、4月!本番は翌年2月25日ですよっ。「他の教科はどう?順調?世界史とか大丈夫?」「先生、暗記物は大丈夫です。僕、昔から、1度見たら、忘れないんです。なんか、写真を撮るみたいに山川の教科書や用語辞典、英語の単語帳なんかも、パシャって、一瞬で頭に入るんです。でも、これ、あんまり、人には言わないようにしてるんです。気味悪がられるんで。」「今度入学してくる弟は、私なんかより、数段上です。我が家の最終兵器です。」とは、これもまた教え子で、金大医学部医学科に現役合格した彼の姉のコトバ。その当時はにわかには信じられませんでした。だって、彼女だって、金大医学部医学科、将来のお医者さんで、成績も極めて優秀だったから。彼女より数段上って、本人が認めているって・・・でも、その言葉通りでした。模試の志望校の欄に「東大文Ⅰ」を試しに書いてもらいましたが、案の定、A判定。進路課長さんやら学年主任さんやら、「堀さーん、あのこ、京大から東大に志望変更させてまー。たのーん。東大の数、欲しいんやー。」「一応、言ってみますけど・・・たぶん、ムリです。なんなら、直接、面談されたらいかがですか?」お二方、たびたび、直接、アタックされましたけど、答えは常に同じ。「東大には興味ないんで。弱い物の味方になるんで。京大一本で。」

 そして迎えた京大入試。結果は・・・もちろん合格。しかも、文系全学部を通じてトップ合格!当時、京大だけが、出身高校の校長宛に、各受験者の得点および、合格最高点と最低点を書類で伝えてくれていました。彼の得点と合格最高点がぴたり一致してました。さらに卒業式の日。いよいよ学校を去る際、3年職員室にあいさつに寄ってくれました。「先生。本当にすみませんでした。高校時代、僕は本当にダメな生徒でした。勉強に全力で取り組むということをしませんでした。先生。今日、僕は誓います。大学に行ったら、本気で勉強します。在学中に司法試験を突破します。そして、社会派の弁護士になって、弱い人を助けます!今日までお世話になりました。ありがとうございました!」実際、大学3年時(!)、司法試験を突破し、卒業後、弁護料を払えないような社会的弱者を擁護することで有名な、京都市内ど真ん中の大規模事務所に所属。見事!「なりたい自分」になっています。30才目前にして、当時の日本中で問題になっていた、英会話教材をめぐる詐欺事件での全国弁護団代表としてTVでインタビューを受けている姿は、最初の個人面談でのまさにあの凜々しさで溢れていました。就職のためには英会話が必要、という触れ込みで10万~20万円の英会話教材を契約させられ、実際には教材が送られてこない、というような事件でした。被害者の大部分が大学生をはじめとする若い年代層で、裁判で訴えようにも、費用や手続きがわからず、泣き寝入りするしかなかったところへ、手をさしのべたのが彼を代表とする弁護士たちだったのです。

 偏差値ベースの価値観でのみ進路指導して、「伸びきったゴム」にして大学に送り込むことが、高校の進路指導ではありません。教員として、個人的に最も大切にしてきた価値観の一つです。昨年、本校に赴任してから、諸君にも納得してもらえるよう、いろんな場面で言葉を尽くしてきているつもりです。「キャリア教育」をベースに、「なりたい自分」を主体的に追いかける、必要なら大学を目指す、教員はその手助けをするのみ。のどが渇いていない馬を、首に縄を掛けて無理矢理水辺に連れて行っても、詮無いこと。願わくば、のどの渇きを訴えて下さい!水辺への道順を尋ねてください!本校の先生方は、待っています。ではでは。今日はこの辺で。CU ASAP!

<次回、Part2へ。To be continued.>

今回、写真がなくて、ごめんなさい・・・

「分母」「分子」書き間違えてました・・・スミマセン・・・<修正日時:9月28日(月)7:10>

錦高日記9月24日(木)Ⅰ ~後期生徒会役員決定!~

 昨日9月23日に後期生徒会役員選挙が校内放送にて行われ、即日開票の結果が、今朝掲示されました。

 今回の立候補者は3名で、会長に石川裟紅良さん、副会長に宮野湧斗君、書記会計に伴遼介君が信任されました。石川さんは2期連続の会長です。後期役員の主な仕事として生徒会誌「錦路」の編集・発行がありますが、スマホの校内使用をどうするのかという大きな課題もあります。生徒の意見をまとめながら、本校の進むべき道を創っていってくれると期待しています。