2024年2月の記事一覧
卒業おめでとう
61日目
卒業おめでとうございます
大切な人を亡くされた人もいます
家が壊れたり燃えたり
大切な思い出をなくした人も
たくさんいます
私も
洋服が全て瓦礫の下で
1月1日からずっと
同じ服で過ごしています
でもね
今日のこのモーニング
去年の入学式以来
ずっと校長室に
おきっぱにしておいたんですよ
なので今日はちゃんとした格好で
みんなの卒業を
お祝いすることができます
コロナの中
中学時代を過ごしてきた
みんなが入学してきて
コロナが収まって
さあこれからというとき
こんな話をしました
「みんなは決して
可愛そうな世代なんかじゃない
これまでの辛い日々は
これから生きていくための
きっと大きな力になるよ」
そして今回
もうみんなには
これ以上がんばれなんて
そんな簡単には言えない
でもね
前を向くしかないんです
今はこんなに悲しくて
涙も涸れ果てて
もう二度と笑顔には
なれそうもないけど
そんな時代もあったねと
いつか話せる日が来るわ
あんな時代もあったねと
きっと笑って話せるわ
だから今日はくよくよしないで
今日の風に吹かれましょう
輪島に残るみんな
一緒に
新しい街作ろう
一旦輪島を離れるみんな
きっと
いつか
帰っておいで
みんなが驚く街
作って待っとるし
令和6年1月1日
そのちょうど2ヶ月後
みんなは
輪島高校を巣立っていきます
年齢を3で割ると
60日目
自分の年齢を3で割った数が
人生を一日に例えたとき
いったい何時頃を生きているのかを
表しているのだそうです
たとえば私は
来年度退職を迎えるので60歳
60を3で割ると20
つまり私は今、20時、午後8時を生きています
仕事を終えて家に帰って
のんびりしようかなと考えている時間なので
なるほどぴったり当てはまります
でもまさか帰宅直前に
こんな大きな残業を命じられるなんて・・・
とんでもないブラック企業ですね
この震災ってやつは
ご卒業されるみなさんはどうでしょう
18歳を3で割って 今午前6時
さわやかな朝の光を迎えている時間です
みなさんは午前5時頃に
一度目覚めを妨げられました
覚えていますか
コロナです
早起きして
がんばろうって思っているその時に
「学校に出てきてはいけません
学校行事も一切やりません。」
その後五類に移行して
日常の学校生活が戻ってきたときに
私は生徒のみなさんにこんな話をしました
「みんなのことを、
修学旅行も文化祭もできなかった
かわいそうな世代
という人がいます
でも私はそうは思いません
コロナのまっただ中に中高生時代を過ごし
さまざまな制限の中でも工夫を凝らし
努力を重ねることの大切さを
身をもって経験することのできた
貴重な世代です
乗り越えてきた
かつてないその試練は
これから生きていくための
きっと大きな力になるはずです。」と・・・
そして今回・・・
これ以上頑張れなんて軽々しく口にできない
同じ言葉を繰り返しても心には響かない
そんな無力感に苛まれています
無力な校長は
しっかり前を向いて歩もうとしている
みんなの姿に逆に元気づけられています
朝の5時から6時の間は
一日のうちで最も気温の低い時間帯です
これからお日様がでてきます
少しずつ少しずつ温かくなってきます
いつまでも布団の中で
スマホをいじっていたんじゃ
これから始まる一日がもったいない
思い切って飛び起きよう
そして今日一日何をしようか
これからの一生どう行きようか
楽しいことをいっぱい想像しよう
みんなの一日が
一生が
輝かしいものになりますように
今年は素数ゼミ大発生の年
59日目
59は素数です
素数とは
1と自分自身の他に約数を持たない数
つまり1と自分自身以外の数では
割りきれない数のことです
たとえば2、3,5、7、11・・・
こうやって数えていくと
59は小さい方から17番目の素数
この17も素数です
素数ゼミってご存じですか?
たとえば17年ゼミというのがいて
17年間土の下で暮らし
17年目に外にでて飛び回り
子作りをして一生を終えます
17年に一度大発生をします
前回アメリカ東海岸北部で
2007年に大発生をしました
13年ゼミというのもいて
こちらは前回アメリカ東海岸南部で
2011年に大発生をしました
ということは2024年つまり今年
アメリカ東海岸の北部と南部が交わるあたりには
その両方が同時に大発生して
とんでもないことになると予測されています
17と13は互いに素
つまり1以外に共通の約数を持たないので
最小公倍数は17×13=221
前回の同時大発生が起こったのは221年前
つまり1803年のことです
このときの記録によると
ゼミの抜け殻で地面が覆い尽くされたそうです
地震もこれぐらい
正確に予知できるようになるといいですね
ちなみに歯車を組み立てるときは
必ず歯の数が互いに素になるもの同士を
かみ合わせるのだそうです
そうでないと公約数の歯の部分に負担がかかり
欠けやすくなるのだとか
「俺は社会の歯車になんかなりたくない!
素数なんか勉強して何の役に立つんだ!」
と息巻いているきみ
素数すら知らないきみは
社会の歯車にすらなれないよ
なんて昔よく言ったなあ
そんな全然言うこと聞かなかった教え子が今
被災地の中で一生懸命走り回っている姿を見ていると
なんだかうれしかったりします
今日は小学校に
マジシャンルパンさんが来てくださって
マジックショーをしてくださいました
こどもたち大喜びでした
ありがとうございます
自分も見たかったのですが
今日は
鼻からスイカがでるくらい
忙しかったので
残念ながら写真はなしです
今日の「PRAY FOR JAPAN」
誰かに頑張って欲しいと願うなら、
100回『頑張れ』と言うよりも、
自分が1回頑張った方が伝わる。
自分たちが、頑張ろう。
2月27日 絆の日
58日目
2月27日は「絆の日」だそうです
2月14日の「バレンタインデー」と
3月14日の「ホワイトデー」の中間であることと
2人のきづ(2)な(7)
【2人の絆】とかけて
恋人同士の絆を深める日として
結婚カウンセラーさんが設定したようです
「冬の恋人の日」ともよばれるのだとか
被災以来、人と人との絆を感じています
先日 山椒魚のピアノを助けてと呼びかけたら
ピアノは運べんけど壁ぶち抜くのはまかしとけという名人と
壁ぶち抜く名人を紹介するよっていってくれた保護者
ピアノを運ぶプロ紹介したげるよっていってくれた楽器屋さんに
楽器屋さんに相談しとくよっていってくれた宴会部長に
宴会部長に助けてあげてっていってくれたカウンセラー
いろんな人に助けられて
山椒魚脱出できそうです
今日はお昼の2時頃に大きな余震が2度
そのとき小学校3年生の授業を
廊下から眺めていました
揺れたとたん
先生の指示よりも早く
全員が机の下へさっと身を隠しました
その間 おそらく
1秒かかってなかったと思います
同じく廊下にいた小学校の先生といっしょに
思わず拍手をしてしまいました
そのくらい見事な避難行動でした
ただ小学校の先生は
こんなことが上手になるなんて
かわいそう・・・
と複雑な面持ちでした
卒業式が近づいてまいりました
金沢市の音楽堂で行います
輪島から送迎バスを運行します
予約した3年生とその保護者のみご利用できます
自家用車でお越しの方は
駐車料金をご負担願います
1,2年生へは動画配信しますが
直接来たい人は入場できます
できる範囲でかまいませんので
制服等、式にふさわしい服装で来て下さい
式には報道各社も入ります
映りたくない卒業生は
あらかじめ学校までお知らせ下さい
式ではひとりひとりに卒業証書を手渡します
当初の予定終了時刻よりも遅くなります
あらかじめご了承ください
輪島行き復路バスの予定出発時刻は16:30となります
今日の「PRAY FOR JAPAN」
じいちゃんが電話で言っていた。
『お国のために電気を消すのも
燃料を節約するのも全く苦ではない。
今回は空から爆弾が降ってくるわけではない。』
日本で2番目に高い山知っとるか?
57日目
「日本で2番目に高い山知っとるか?
俺も知らん!」
これは 自分が昔 練習試合等でお世話になっていた
ある高校野球の監督さんの言葉です
滋賀県から何度か甲子園に導いた実績をお持ちなので
重みのある言葉です
「だから一番を取れ!」という意味です
一番でないとダメなんですか?
というご意見もおありかと思いますが
一番でないと得ることのできないものもある
一番を取ったこともない自分が言うのもなんですが
そう思います
富士山のように
自分だけの力で一番を取れるのは
限られた人でしょう
でも決して一番でなくても
一番に負けないくらい
みんなに認められる存在になることはできます
それが
群馬が誇る名山「赤城山」です
多くの方に知られる「赤城山」
しかし「赤城山」という山は実際には存在しないのだそうです
黒檜山、駒ヶ岳、地蔵岳、長七郎山、小地蔵岳、鍋割山、荒山、鈴ケ岳
などの山々の総称が「赤城山」です
それぞれに特徴を持った山々が集まって
全体で輝いているのです
現在、高校は
一年の中で最も忙しい時期です
大学入試に向けての進路指導
高校入試に向けての準備
学年末の試験と成績処理
そして新年度の準備
今年はそれに加えて
避難所運営や
小中学校への校舎提供
学校行事もこれまでのノウハウが全く使えず
全てをゼロから作り上げています
大学入試への指導を進路指導主事が
卒業式の計画を総務主任が
高校入試の準備を教務主任が
しかも今年は入試会場が輪島と金沢の2ヶ所
授業も対面とオンラインを並行させて
それぞれの専門性や能力を発揮しながら
先生方が全員で輝いています
特に頭が下がるのが
実家が金沢や加賀方面にある若い先生方です
実家にいれば何不自由なく
暮らせているはずなのに
水道が復旧しないのでお風呂に入ることもできず
アパートが傾いているので車中泊している先生も
買い物もかなり制限のある中 炊きだしの食事でしのぎ
それもこれもただ生徒のためだけに
必死に耐えて頑張ってくれています
その責任感とプロ意識
自分はひたすら見守ることしかできません
心の底から感謝です
富士山が堂々とそびえ立つように
強いリーダーシップでぐいぐい引っ張ることはできない校長ではありますが
献身的な先生方が
見事な「赤城山」をつくり出しているのです
今日の「PRAY FOR JAPAN」
母「ホッカイロ逃げたぁ」
妹「逃げてないよ♪」
母「あ、いたいた☆」
停電中、家族で一つのふとんに入り、
あったかい娘の足を探すかわいい母なのでした。
悲しい調べの「まれぞら」
56日目
今日は音楽の話から
ドミソの和音は明るく元気な調べです
起立礼着席 チャーンチャーンチャンの
最初の和音
Cメジャーコードといって
楽しい曲の伴奏や旋律に使われます
ドミソの和音の
ミの音を半音下げてミ(フラット)に
つまりドbミソにすると
Cマイナーコードといって
一転暗く悲しい響きに変わります
簡単にいうと
明るく元気な曲でも
曲中のある音を半音下げるだけで
暗く悲しい曲に変わるというわけです
少しずつではありますが
金沢と能登を繋ぐ大動脈
のと里山海道の復旧も
進んでいます
先週ぐらいに片道復旧した別所岳付近に
おとのみち「希空(まれぞら)」があります
土屋太鳳さんが
輪島高校の高校生という設定であった
NHKテレビ小説「まれ」の
主題歌「希空」のメロディーが
聞こえてくる道です
道に細かく溝が刻まれていて
その上をタイヤが通ると音がします
溝の幅が狭いと高い音
広いと低い音がして
一定の速度で走ると
音楽に聞こえるという仕組みです
車の速度によっても音程が変わり
早く走ると音程が上がります
今回の震災で
ところどころ減速をしなければならない箇所があり
明るく元気な曲であるはずの「希空」が
なんだかもの悲しくなって聞こえることに気づいた方
他にいます?
さて今日は国公立大学の2次試験の日です
1月以来厳しい環境の中
頑張ってきた3年生
どうか落ち着いて
力を発揮してきてください
今日の「PRAY FOR JAPAN」
娘三歳がぬいぐるみ達を
うんしょ、うんしょと、どこかに運んでいた
「じしんがくるから、みんなひなんしたの」と言う
しばらくして、さて寝るかとパパの掛け布団を開いたら
ぬいぐるみが全員寝ていた
思わず吹き出した
そしていつもパパと寝ている娘三歳が「ここが安全」と
思ってくれていて嬉しかった
山椒魚を助けてください
55日目
世間は3連休の真っ只中
被災地への配慮からか
石川県への観光客数が激減していると
報道されています
金沢界隈を歩いてみると
日本人観光客の姿はほとんどなく
インバウンドばかりが目立つと聞きます
東日本大震災で日本中が自粛ムードの時
東北の造り酒屋のご主人が
「日本中のみなさん
こんなときだからこそ
我々の作ったお酒をどうぞ呑んでください」
とおっしゃっていたのを思い出します
日本中のみなさん
一部を除いて石川県は元気です
遠慮なさらずに
どうか観光にお越しください
みなさんが来てくださることが
復興に繋がります
私はといえば
1月4日のブログで紹介した
「奇跡の一軒家」に入り込んで
家財の整理をしています
ほとんど使い物にならないものばかりですが
このまま取り壊される家と一緒に
処分されるのがかわいそうで
せめてきれいにしてあげて
と無駄な努力をしています
このブログを読んでくださる方に
お知恵を借りたいことがあります
グランドピアノを運びだす方法を
ご存知の方いらっしゃいませんか?
「奇跡の一軒家」は
火災地区の東の端にあるのですが
西の端に両親が住んでいた家が
これまたギリギリで燃え残っているのです
家は傾き
取り壊されるのを
待つばかりなのですが
運び出したいピアノはこの中にあります
娘たちが練習していたピアノです
ただピアノを入れてから
家の改修をしたため
部屋の出口がピアノより小さいという
井伏鱒二の「山椒魚」状態なのです
壁をぶちぬけばいけそうですが
そのはずみで家が倒壊しそうだし
このまま家と一緒に取り壊される
その前に運び込むことができれば
奇跡のピアノとして学校において
ストリートピアノにしたいなと
考えてはいるのですが
どなたかぜひお知恵を
瓦礫の中のランドセルとお洋服
54日目
卒業式のシーズンが近づいてきました
東日本大震災の6年後
横浜のある小学校の校長先生が
こんなご挨拶をなさいました
6年前、みなさんと同じように
小学校の入学式を心待ちにしていた子がいました
幸い家族は全員無事でしたが
津波で家は跡形もなく流されてしまいました
お母さんは瓦礫の中から
泥だらけのランドセルを見つけ出し
水で洗いました
もちろん水道が復旧していないときだったので
貴重な溜め水できれいにしました
でも完全にはきれいになりませんでした
そんな子のために新しいランドセルが寄付され
ピカピカのランドセルでその子も入学式に向かいました
話はここからです
実は入学式の翌日から
その子が背負い続けたのは
ピカピカのランドセルではなく
お母さんが必死で洗ってくれた
瓦礫の中のランドセルだったのです
「おかあさん 6年間ありがとう
おかあさんが洗ってくれたランドセルで
学校に通ったから頑張れました」
卒業式でそう言ったそうです
この子
今20代後半ぐらいですかね
今まで何人もの
東北地方からのボランティアの方に
お会いしたので
もしかしてその中にいらっしゃったかも
先日、奇跡の一軒家に忍びこんで
瓦礫の中の
桐のタンスの中から
娘たちが小学校の入学式や卒業式で着ていた服を
引っ張り出してきました
桐ってとてもよく水を吸う木材で
しかも水をかけると隙間なく膨張して
中の衣類をしっかりと守るのだそうです
だから中の衣類をきれいなまま
持ち出すことができました
大事なお洋服燃えてしまった方
いらっしゃいませんか
よろしければ差し上げます
輪島高校校長までお声かけください
今日の「PRAY FOR JAPAN」
2011年3月11日に生まれた子供の名前には
『希』『明』『愛』『心』という文字が
多く付けられているそうです
山中毅選手の栄光のプール
53日目
輪島高校の卒業生には
ふたりのオリンピック選手がいます
最近ではピョンチャンオリンピックに
スケルトン競技で出場した
小口(旧姓大向)貴子選手
古くは昭和31年メルボルンオリンピック
なんと現役3年生の山中毅選手が
銀メダルを獲得したのです
当時の山中選手が練習していたと言われるプールが
鴨が浦という海辺にあります
なんと岩をくり抜いて作ったプールです
中には天然の海水が…
波が荒れれば危険で使えなくなるプールです
岩と岩の間に縄を張ってコースを作り
ストップウォッチがないので
ヒモに石をくくりつけて
タイムを測っていたそうです
自分の物理の記憶が正しければ
40cmの振り子が8回ふれれば
たしかちょうど10秒になったはず
今日はそのプールを
震災後どうなったか訪ねてみました
途中の道は完全にがけ崩れで進めません
岩づたいに歩いて行くことにしました
とはいえ実はここはもともと海の底
今回の地震で海底が4mも隆起して
現れた部分です
幼い頃輪島で過ごしたみなさん
亀岩まで歩いて行けるようになりましたよ
たくさんの干からびた
ヒトデやイソギンチャク
かわいそうに
今回のは
何百年に一度の地震ではなく
何万年に一度の地殻変動なのでは?
地学基礎の問題にあった気がします
ようやく辿り着いた
伝説のプールがこちら
こちらも隆起の影響か
中には水が全くありませんでした
今日の「PRAY FOR JAPAN」
母にTwitterを見せた
「自分たちよりも若い人たちが
こんなにも支えあって日本を守ろうとしているなんて」って
感動して泣いてた
私たちがやっていることは間違いじゃない
意味のあることなんだ
手書きって想いが伝わりますね
52日目
兵庫県たつの市立御津小学校の皆さんから
かわいい寄せ書きをいただきました
小さい子の描くお母さんの前髪って
左上の子の絵みたいに
いつだってぺちゃんこなんですよね
昔なんでかなと思っていたんですけど
ある時ふと気づいたんです
小さい子はいつもお母さんを見上げていて
下から見ると
お母さんの頭って前髪しか見えなくて
ぺちゃんこに見えるんですよね
子供ってほんとうによく見ています
この絵は避難所に飾っておきますね
たくさんの人を元気にしてくれると思います
3月末になると先生方の異動が始まります
生活拠点がないため
輪島を後にしなければならない先生もいて…
かといって代わりに輪島に入る先生もなかなか…
そんな中
現在輪島高校に勤めているある先生から
手紙をいただきました
言葉で言うより想いが伝わる
不思議な力が手書きの手紙にはありますよね
嬉しい内容だったので
手打ちですが紹介します
「…前略…
今回わたしは子どもたちとしばらく
輪島を離れていますが
数年後この子たちが大きくなったとき
『輪島でよかった』と思ってもらえるよう
復興に力を注ぎたいと考えています
友人や知り合いが奥能登を離れていったり
色んな葛藤や不安も感じましたが
自分が輪島にできることを
少しでも返していきたいと思っています
どれだけ輪島高校の力になれるかわかりませんが
精一杯働きたいと思います
わたしは輪島が好きなんです
『輪島高校で働きたい!』
ということが伝われば…」
今日の「PRAY FOR JAPAN」
今、日本には電気が足りない
そればっかりはどうしようもない
それを補うのは、みんなの元気だ!
笑顔だ!にっこり笑って!
そしたら、こんな状況だって余裕だよ
おはようございます!
「PRAY FOR JAPAN」は
東日本大震災発生のわずか12分後から届き始めた
祈りのメッセージを集めたWebサイトを
書籍化したものです
震災当夜
停電中の一時避難所にいた
20歳の大学生によって
立ち上げられたものだそうです
毎日その中からひとつずつ紹介しています
卒業式ここで行います
51日目
3月1日の卒業式
今日は会場の下見と打ち合わせに行って来ました
学校の体育館は未だ自衛隊の駐屯基地
文化会館も資材置き場となっているということを聞き
今年の卒業式は金沢市の音楽堂で
執り行うこととしています
金沢駅東口を出て右側
玄関入って右手コンサートホールへ
エスカレーターで2階へ進みます
お弁当持参の場合は
ロビーでいただくこともできますが
金沢駅周辺には美味しい店がたくさん
発災以来ずっと避難食の方もいらっしゃるでしょう
たまには贅沢なさってください
そして会場がこちら
輪島からの送迎バスも出します
詳しくはこのあとご連絡します
例年通知簿に同封してお送りしていますが
郵便事情のこともあり
このホームページあるいは
一斉メールでお知らせします
今日はひとりぜひお会いしたい方がいて
金沢市内の避難所の方にも足を運びました
以前輪島高校の避難所にいて
その後次の避難先へと変わって行った方から
手紙が届いたので尋ねてみました
手紙の消印は2月8日
10日ほどしてようやく届いた手紙には
輪島高校が学校として運用されることを知り
真っ先に手を挙げて
学校を空けてくださろうとしたこと
その後避難所を変わってほしいとお願いされる度に
他の方が移るのは大変だからと
率先して手を上げてきたことが綴られていました
現在なんと5カ所目の避難先だそうです
その度
食事がもらえないなどの
様々な困難を抱えながら
病院に通うことのできない方への
お薬の世話をしてくださったり
言葉のわからない外国人被災者の
話し相手になってくださったり
していたようです
さぞかし大変だったろうなと思ったら
その度に素敵な出会いがあって
楽しんでいらっしゃるとのこと
素敵な考え方ですね
今日の「PRAY FOR JAPAN」
避難所で、4人家族なのに
「分け合って食べます」と
3つしかおにぎりをもらわない人を見た
凍えるほど寒いのに
毛布を譲り合う人を見た
生きるということ
50日目
これまでさまざまな偶然が積み重なって
今日まで生きています
1月1日
末娘が2日からバイトがあるからと
夕方実家をあとにして
金沢へ送っていくことにしました
あのとき家にとどまったままだったら・・・
発災後、即、裏山へ駆け上がりました
寒さと暗さで不安になる中
たまたま近くに避難所が開設されて
そこに潜り込むことができたけれど・・・
大津波警報が解除され
真夜中車で帰ろうとしたとき
末娘が必死に止めそれに従いましたが
無理に帰ろうとしたら
きっと崖に落ちるか何かに衝突して・・・
なにより震災が
授業中に起こっていたとしたら・・・
考えるだけで恐ろしくなります
「生きる」って不思議です
だからこそ「生」って言う字には
これまで生きてきた人が
いろんな思いを込めて
さまざまな読み方が生まれたのでしょう
「生花を生甲斐にした生え抜きの生娘
生絹を生業に生計立てた
生立は生半可でなかった
生憎、生前は生まれてこの方
生涯通して生粋の生だった」
15回登場する「生」の字は
全て読み方が異なります
今日もさまざまな方から
支援の手を差し伸べていただいています
ライオンズクラブを介して
香川県立多度津高校の
海洋食品科食品科学コースのみなさんから
学校で商品開発された
チーズケーキ缶詰を送っていただきました
以前から非常食としてのご飯の缶詰を備蓄されるなど
防災意識の高い取組をされています
チーズケーキはほっとします
本当にありがとうございました
以前,多額のご寄付をくださいました
横浜の有限会社カイトさんが
今度は直接お越しになり
避難者と、学校に通う子どもたちに
お菓子の詰め合わせと焼き芋のプレゼントです
焼き芋は800食ほど一瞬でなくなったそうです
みんな大喜びでした
支援物資もたくさんいただきました
今日の「PRAY FOR JAPAN」
亡くなった母が言っていた言葉を思い出す
「人は奪い合えば足りないが分け合うと余る」
しめやかに
四十九日
痛かったでしょう
重たかったでしょう
熱かったでしょう
凍えたでしょう
怖かったでしょう
どうか安らかに
心からご冥福をお祈りします
あなたの分まで
力を合わせて
生きていきます
おだやかな休日が来ました
48日目
吹き荒れた春一番も止み
おだやかな春を思わせる長閑な土曜日
内閣府副大臣の古賀篤様はじめ
文部科学省の方々が視察に来られました
避難所も含め
現在小中高で共用している施設を
視察していただきました
ひび割れて傾いた教室棟
液状化を起こして使い物にならないグラウンド
ドアが開かず窓を割って出入りしたボイラー室
中に入ると気分が悪くなるくらい傾いた体育館
あちこちに落とし穴の空いた駐車場
野球のマウンドのように迫り上がった武道場
4月に入ったら
できるところから教育活動が再開できるよう
最大限の支援をお願いしました
石川県教育長はじめ県の方々も同席し
現在の輪島市の教育環境について
また今後求められる支援について説明しました
今後の昼食の提供をどうするか
生活拠点のない中でどう教員を確保するか
避難所提供と学校再開をどう両立させていくか
課題は山積みですが
文科省、教委、学校、連絡を密に取り合って
一刻も早い学校活動の復興に向けて
協力していくことを確認しました
困り事がありましたら
随時上げていきますので
なんでもおっしゃってください
直接中央省庁にあげていくことが大切です
東日本大震災の際に得られた教訓として
何かで目にしました
「災害現場には
現地で指示のできる
優秀なリーダーを派遣する
そして全てを任せる
必要と判断したことは全てやれ
と指示する
それが法に触れるようなことであれば
法改正する
それが一国の首相の責任」
だそうです
頼もしい教訓です
今日の「PRAY FOR JAPAN」
ぜんぜん眠っていないであろう旦那に
「大丈夫?無理しないで」とメールしたら
「自衛隊なめんなよ
今無理しないでいつ無理するんだ?
言葉に気をつけろ」と返事が
臨界状態を迎えて
47日目
全ての物質は原子でできています
原子のひとつぶひとつぶを見ると
中心にある原子核のまわりを電子が廻っています
原子核はプラスの電気を持つ陽子と
電気をもたない中性子からできています
原子核が壊れる
つまり核分裂がおこると
中性子が飛び出して
となりの原子核にぶつかって
新たな核分裂をひきおこします
そうするとまた別の中性子も飛び出して
さらに・・・
そうやってどんどん新しい中性子が飛び出して
核分裂を起こし続ける状態を
「臨界状態」といって
原子力発電が大きなパワーを生み出す源となっています
ただ「臨界状態」が制御不能な状態になってしまうと
「臨界事故」につながり甚大な被害をもたらします
そうならないように「制御棒」を使って
「臨界状態」をコントロールしています
朝、一本の電話がかかってきます
その案件を解決するために別の部屋に向かうと
そこで声をかけられ新たな案件が…
最初の案件が解決しないまま
新たな案件を抱え別の部屋に向かうと
廊下で出逢った人からさらに新たな案件が・・・
まさに「臨界状態」です
誰か「制御棒」を・・・
今日、福井県の 山内 悟 先生より
福井県教育委員会が薦める
~あなたの扉を開ける72冊~
の書籍を贈っていただきました
このような時だからこそ
心にしみる一冊が必ずあると思います
生徒に紹介したいと思います
小松のおばちゃんさんからは
可愛いグッズの贈り物
「可愛いものを見たいしさわりたい」
と生徒がテレビで言っているのを見て
贈ってくださいました
どんなものが喜ばれるかなと
きっと選んでくださったんだろうな
と想像するだけで・・・
松任谷由実さんのダンデライオンが
頭の中には流れています
「 ♪ ふるさとの両親がよこす手紙のような
ぎこちないぬくもりほど泣きたくなる ♪ 」
事故の報告
46日目
先日、校舎内で危ない事故がありました
天井板がはずれ、コンクリート屑が落ちてきたのです
本校は
1・2年生の教室がある1号棟
3年生の教室がある3号棟
そしてそれを繋ぐ2号棟がコの字形に立っています
今回の地震で真ん中の2号棟が傾き
1号棟および3号棟とのつなぎ目が
はずれてしまっています
かなり傾いている様子がわかります
建物検査では
1号棟と3号棟は安全
2号棟は直ちに倒壊の危険はないものの注意
との調査結果をいただいています
それを受けて
それぞれ安全な1号棟で小学生
3号棟で中学生を受け入れ
授業を再開しています
今回の事故は
2号棟と3号棟のつなぎ目の1階でおこりました
この部分は大きくひび割れており
発災直後からコンクリート屑が落ちてきていたので
1階天井部分に下からベニア板で補修を施すと同時に
注意喚起を促していました
さらに、その上を通行すると屑が落ちるので
2階の連結部分は
踏まずにまたいで通るよう指示していました
今回外れたのは補修してあった部分の
横の天井板
おそらく余震で外れたものと思われます
その際ベニア板の上にたまっていた
コンクリート屑が
天井板がはずれてできた穴から
落ちてきたものです
この場所は中学生の動線上にあるのですが
けが人がなく本当によかったです
中学校保護者のみなさま
ご心配をおかけしました
ただちに動線の変更を行い
当分の間該当箇所を通行止めにすると同時に
業者に修繕を依頼しました
一見安全に見えても
実は危険な箇所は
おそらく他にもたくさんあると思われます
危険のないよう,、教育委員会とともに
施設の観察・点検を一層丁寧に行ってまいります
以上のことについて
先日ある新聞社による報道がありました
読者からの苦情等の電話が殺到し
学校運営に支障をきたすということがありました
さまざまなご意見がおありかと思いますが
緊急以外のご意見はどうかメールでお願いします
お返事は本ブログにてお答えします
ひとつひとつのご意見に対して
お返事できないこともあります
どうかご容赦願います
さまざまな方面からの
愛情のあるご意見であることは
充分理解しております
スムーズな復興に向けての歩みのため
ご理解とご協力をお願いします
中三生とその保護者のみなさまへ(輪高生もご覧ください)
大事な高校受検を控えた大切な時期に
このような状況になり
不安な毎日をお過ごしのことと思います
また、先の見通せぬ中
高校選びに関してもどうしていいか
わからない状況なのではとお察しいたします
その一助になればとの思いで
高校選びのポイントに関するチャートを作りました
これは本校独自に、現時点で考えられる選択肢をまとめたもので
県教委から正式に発表されたものではないことをお含みいただいた上で
あくまでも参考ということでご覧いただければと思います
15日より願書受付が始まりますが
この後、志願変更の期間も設けてあります
今一度進路について再考し
適切な進路選択をされますようお願いいたします
本校在校生について
一家転住等による今後の転学を考える際の参考にもなるかと思います
思いやりの心で学習を
45日目
金沢近辺に2時避難している
1、2年生向けの学習施設である
文教会館に行ってきました
オンライン授業の休み時間が各校で異なり
落ち着いて学習できないという
訴えがあったので様子を見てきました
先日、生徒指導の冨水先生から
それぞれお互いの学習環境を思いやり
休み時間であっても
節度のある過ごし方をするようにと
注意を喚起しましたので
今日はしっかりと
お互いを思いやって授業を受けていました
今日の「PRAY FOR JAPAN」
物が散乱しているスーパーで
落ちているものを律儀に拾い
そして列に黙って並んで
お金を払って買い物をする
運転再開した電車で混んでいるのに
妊婦に席を譲るお年寄り
この光景を見て外国人は絶句したようだ
今日からお昼ももらえるよ
44日目
今日から高校は3学期です
学校へは1、2年生60名ほどが登校しました
オンラインとのハイブリッドで
始業式を簡単に行いました
久しぶりにこんなに集まったのを見て
大きな元気をもらいました
今日から小中学校高校それぞれに
お弁当も配られました
先生方が配膳を担当です
みんなそろっていただきます
たくさんのカメラが見守る中
1年生は「こわいよー」
ごめんね
今日だけ日本中のみんなに
元気な姿見せてあげて
あと今日は
メガネのJINSさんが
避難者の方へメガネのプレゼントを
してくださいました
測定から出来上がりまで
わずか10分足らず
今日1日で70本も作ったそうです
みんな大喜びでした
本当にありがとうございます
今日の「PRAY FOR JAPAN」
駅員さんに
「昨日一生懸命電車を走らせてくれてありがとう」って
言ってる小さい子達を見た
駅員さん泣いてた
ならぬものはならぬものです
43日目
いよいよ明日から新学期が始まります
学校への登校
文教会館への登校
オンラインでの参加
いずれの方法でも出席になります
登校する場合は制服でなくてもかまいません
先生方も洗濯がままならないのでスーツは着ません
できることから一歩ずつはじめていきましょう
ひとつ注意したいことは
制服以外は全て従来どおりの校則に従うこと
どうせしばらく登校しないのだからと
ピアスを開けた生徒や
髪を染めた生徒は
まさかいないと思います
「どうしてピアスはいけないのですか?」
震災以前から質問されることはあります
ならぬものはならぬものです
白虎隊で知られる会津藩の
什(じゅう)の掟を締めくくる言葉です
人が答えられないような質問をして
さも論破したように振る舞う人もいますが
校則のひとつひとつに「なぜだめか?」を
問い詰めていくと
むしろ明確な答えのあるものは
なにひとつありません
「なぜ人を殺してはいけないか」
という問いも同じです
答える必要のない問いであるし
答えてはいけない問いであるし
そもそも問いになっていないのです
大切なのは
学校はルールを厳密に守ることの大切さを
学ぶ場であるということ
ならぬものはならぬ
自分で自分の心に歯止めをかける方法を
学ぶ場であるということ
自分の教員生活を振り返ると
ならぬものはならぬもの
を教えきれなかったばっかりに
かわいそうな思いをさせた生徒が何人もいます
あのとききちんと導いてあげれたら
学校は
ルールを厳密に守ることを学ぶ場であると同時に
ルールは変えることができるということを
学ぶ場でもあります
昨年もケータイのルールを
自分たちで変えることができましたよね
納得のいかないルールがあったら
まず自分たちで変える努力をしてみろ
それすらできないものが
自分だけの都合でルールを破るな
「どうして髪を染めてはいけないのですか?」
この問いも同じ
でも
みなさんは今
世界中の方から
多くの支援をいただいていることを
忘れないで下さい
もし自分が支援をする立場だったとしたら
「髪を金髪にするお金があるんだったら
もう食費なんかも必要ないですよね」
と即刻支援を打ち切ります
どうか生徒のみなさん
避難民だから多少のルール破りは許してもらえる
もしそんな甘ったれた心を持っていたなら
新学期開始とともに捨て去りましょう
今週も週に一度のお楽しみ
金沢へ風呂と洗濯に行ってきました
七尾湾から望みます
右手には能登島越しに勇壮な立山連峰
左手には能登半島は飯田方面
この景色の向こうに
ひとの住めないような
地獄絵図があるなんて信じられません
今日の「PRAY FOR JAPAN」
避難所でおじいさんが
「これからどうなるんだろう」
と漏らしたとき
横にいた高校生ぐらいの男の子が
「大丈夫、大人になったら
僕らが絶対元に戻します」
って背中さすって言ってたらしい
大丈夫、未来あるよ
災害と政治
42日目
36日目のブログで
地震はなにかの天罰でおこったのではないことを
子どもに理解させることの大切さを書きました
この「災害は天罰である」という考えは
古くは漢の時代に遡る中国の思想で
「災異説」といいます
国に失政があったときに
意思を持った天が
自然災害や異常現象を起こして
君主に警告を与え
それでも改まらなかった場合には
国を滅ぼすと言った
儒教の教えです
昨日紹介した
「あさきゆめみし(源氏物語)」の作者
紫式部とゆかりのある
藤原道長は
この「災異説」を利用して
権力を得ようとしました
長和3年2月
三条天皇の住まいである内裏が燃えました
わるいことは重なるもので
3月にも失火し
宝物をことごとく消失しました
藤原道長は
これは三条天皇の不徳に対する
天の怒りであると
天皇に退位を迫ります
「天道、主上を責め奉る」
次の天皇は道長の娘彰子の子であり
即位をすれば自分が摂政として
権力を振るうことができる
そう考えたものと思われます
正しく「災異説」に従うと
災害は天の警告だから
君主は反省して
民のための政治を行うべきで
決して退位してすむものではないはずです
我が身に置き換えて
子どもたちのために何をすべきかな
猛省の毎日です
今日の「PRAY FOR JAPAN」
停電すると、それを直す人がいて
断水すると、それを直す人がいる
勝手に復旧してるわけじゃない
俺らが室内でマダカナーとか言っている間
寒い中、死ぬ気で頑張ってくれてる人がいる
ひさかたのしじまの中で
41日目
避難民の方が避難所をあとにし
子どもたちが通い始めて初めての土曜日
誰もいない校舎は静まりかえっています
ゆったりと
「あさきゆめみし」
を読んでいます
昨年
「どうする家康」にはまり
今はもう帰ることのできない
我が家の居間で
大好きな有村架純さん演ずる
「瀬名」の自害に涙していたころのことが
なんだか嘘のようです
今年も「光る君へ」を
楽しみにしていたのですが
それはかなわず
そんなおり
支援いただいた物資の中に
「あさきゆめみし(源氏物語)」全7巻
が入っていました
じっくりと味わうように読んでいます
ありがとうございます
気になる番組がもうひとつ
門脇麦さん演じる
「料理は化学です」が口癖の
天才料理人のドラマ
「厨房のありす」です
こちらは1月21日(日)から
スタートしているそうです
化学の教員として興味津々なのが
尊敬するサイエンスライターの
佐藤健太郎先生が監修をされていること
いつも佐藤先生のブログや著書を
授業のネタにさせていただいているので
楽しみにしていたのですが
テレビがないため見れません
部屋の掲示物など細部に至り
こだわっているそうなので
化学に興味がおありのかたには
ぜひともおすすめです
今日の「PRAY FOR JAPAN」
韓国人の友達からさっき来たメール
「世界唯一の核被爆国。大戦にも負けた。
毎年台風が来る。
地震だって来る。津波も来る。
・・・小さい島国だけど、
それでも立ち上がってきたのが
日本なんじゃないの.頑張れ超頑張れ」
ちなみに僕はいま泣いてる。
ごめんなさい 嘘つきました
40日目
みなさん
大変です
38日目のブログで
とんでもない大嘘つきました
どうも目の調子が悪く
目医者さんに行ってみたら
感染性結膜炎と
アレルギー性結膜炎を併発していて
とんでもない状態になっていると…
訂正します
コンタクトレンズは用法を守って
正しく使いましょう
決して使い捨てレンズを
もったいないからといって
使い続けてはいけません
37日目のブログで
子どもの姿を見るだけで涙が…
というくだりも
単なる結膜炎だったんですね
あとブログを読んだ方から
メガネスーパーさんが
コンタクトの被災者支援やってるよ
との情報もいただきました
2月13日(火)から
県内全ての高校で
学校再開するという県教委からの通達を受けました
正式に3学期の始業式を行います
とはいえ、
対面とオンラインのハイブリッド授業や
小中学校の仮校舎が校内にあることなど
これまでと全くかわらないんですけどね
とはいえ一区切り
授業のコマ数も徐々に増やし
日常に一歩ずつ近づけていきます
13日(火)からは
学校にきた生徒に昼食も準備されます
先日
「PRAY FOR JAPAN]
という本をいただきました
これは東日本大震災のときに
世界中から寄せられた思いをまとめたもので
ひとつひとつのメッセージに込められた思いが
今読んでもひしひしと伝わってきて
とても勇気づけられます
この中から1日ひとつずつご紹介します
「大丈夫」の漢字には
人が3人集まってるから
安心を感じる言葉なんだって
小走りの思いやり
39日目
昔、阿久悠さんのエッセイで
「小走りの思いやり」みたいなのを
読んだ覚えがあります
うろ覚えですが
横断歩道の手前で車が止まってくれる
歩行者優先だから当然である
が、
止まってくれた車に軽く会釈する
そしてほんの2、3歩でいいから小走りして見せる
それが
自分も急いでいるのに止まってくれた
運転者への心遣いであり
それが
日本人の心だ
みたいな内容だったと記憶しています
1ヶ月の避難所運営の中で
たくさんの日本人の心を
見せていただきました
狭い通路で譲り合ったり
誰が始めるともなくトイレ掃除
ゴミの分別や収集など
おかげでみなさん快適に過ごすことができました
近隣の高校では
避難所でもないのにガラスを割って忍び込んだり
自動販売機を壊して中身を奪ったり
勝手に校長室に入り込んで備品を使ったりと
信じられない現状が見られたようですが
おかげさまで輪島高校では
そのようなことは一切見られませんでした
みなさんの日本人の心に感謝です
どうか次の避難所でも健やかにお過ごしください
1日でも早く元の暮らしに近づきますように
今日はまず金沢西高校で勉強している
3年生を訪ねました
受験校も絞り終え
あとは目標に向かって一直線
続いて文教会館で学習している12年生です
落ち着いて学習できる環境を
提供してくださっている関係者の方々に
感謝の気持ちでいっぱいです
これまでありがとう避難所さん
38日目
小中学校の登校2日目です
今日も元気よく登校です
昨日は避難経路を確認したり
初めて見るお友達と
おしゃべりしたりしましたが
少しずつ慣れてきているようで
今日はたくさんの笑顔が
見られるようになりました
災害によって子どもたちは
心と体に大きなストレスを受けます
恐怖や不安 家族に対する心配
怒りやイライラ 突然の騒音への怯え
孤立感 生き残ったことへの罪悪感
不眠 悪夢 物忘れ ケガ 無力感
大人でも同じですね
でもこれはあたりまえな反応なので
そのことを自分の言葉で伝えてあげることが必要です
長野県からいらっしゃっている
ボランティアの田中さんが
コマ回しの名人だということがわかり
急きょ高校生を集めて
コマ回し体験をしました
初めてという生徒ばっかりでしたが
すぐに回せるようになりました
昔の遊びは
電気が来なくてもできていいですね
日本こままわし協会では段位が定められていて
技ができれば
それぞれの級や段が与えられるそうです
最高位の六段は
「夜叉車」「砂時計」「背面鞭」など
10種類ができれば認められます
高校生が技をマスターしたら
今度は小学生に教えてあげようと思います
今日コンタクトレンズが破れました
使い捨てではあったのですが
替えもないため1月1日からつけっぱなしでした
「使い捨てレンズは1ヶ月問題なく使える」
実証されました
レンズ会社からすると
あまり推奨できる使い方ではないかもしれません
だとすれば
今回のような災害時
被災したサブスク契約者に
レンズを無償で届け続けるといった
システムは作れませんかね
きっと多くの人が助かると思います
これまで隔離病棟にいらっしゃった
コロナ陽性の方も元気になられ
本校を後にしました
1ヶ月続いた教室での
避難生活が終わりました
空いた視聴覚室には
卓球台やトレーニング器具を運び
ミニ体育館にします
みんなの学校始まります
37日目
今日から小中学生も通い始め
幼小中高みんなが通う学校の始まりです
多くのカメラが見守る中
ドキドキ初めての登校です
子どもたちが集まって来るのを
見つめるだけで
なんだか涙が溢れてきます
発災以来ずっとこんな調子で
目の周りがただれてきています
カタリバにはちっちゃい子が元気いっぱい
小学校1年生から順番に
6年間でずいぶん成長するんですね
6つの小学校から集まっているので
初めてのお友達もたくさんです
仲良しになれるといいね
特支の子も大好きな先生と
保健室もあるから保護者も安心ですね
続いて中高も中1から順に
今日から小中高同じ学び舎に集うことを知った
長崎県の佐世保中央高校の
中島数美教頭先生からは
文学全集を贈っていただきました
小学校で活用させていただきます
同じく神戸高校の星野智英実先生と
3年7組のみなさんからも
素敵な贈り物をいただきました
体育館が使えないので
狭いところでもできる
ミニピンポン台がナイスアイデアですね
心のこもったメッセージも
一人ひとりからいただきました
本当にありがとう
大変なときは「大」きく「変」わるチャンスなんです
36日目
今日のタイトル
島本麻衣子さんのすてきな言葉に出逢いました
http://eyes-woman.com/
明日から始まる小中学校受け入れに向けて
準備です
一年生の教室には
こんなにちっちゃい机と椅子が
運び込まれました
小学生は2階と3階に
上がってもらいますが
階段が吹き抜けになっていて
とっても危険です
急きょネットを張って
落下防止です
今回大人でさえ怖かった地震
小学生はなおのことだったと思います
子どもたちの苦しみや悲しみは
はかり知れないものがあります
災害を経験した子どもたちが
このつらい時期を乗り越えるためには
我々大人が正しい知識を持ち
子どもたちの傷ついた心を理解して
愛情のこもったケアをしていくことが
大切です
今回の地震と火災は
子どもたちから
大切な人
家と部屋
仲良しのペット
お気に入りのぬいぐるみ
大好きな毛布
いろんなものを奪いました
子供達の小さな胸は
その時の恐ろしさで
今でもいっぱいです
だからこそ
今回高校に小中学校を受け入れることに
踏み切りました
お兄さんやお姉さんと
同じ学校に通えること
少しでも安心できますように
ご家族もきっとその方が安心でしょう
災害の後
子どもたちは
「おとなしくて良い子」
のように見えることがあるそうです
子どもたちの悲しみや苦しみを
見落とすことのないように
しっかりと寄り添って
いきたいと思います
まずは地震と津波のメカニズムを
科学的にそして具体的に
説明する必要があります
何かの罰なんかではないこと
そこを理解させないと
苦しみからは抜け出せません
そして東日本大震災の際に
表現されていない感情を表現させる手助けとして
子どもたちに自分の感情や体験を
話し合わせたり
絵を描かせて表現させる
手法が用いられましたが
現在ではこれは
全くの逆効果であることがわかり
やってはいけないこと
とされているそうです
ですので
輪島市の避難所では
避難されている方が
被災時を思い出し
精神を不安定にさせることのないよう
マスコミによる撮影や
インタビューは全て
お断りするという姿勢を
貫いてきました
岡山学芸館高校のみなさんが
手作りのモリンガ石鹸を
送ってくださいました
モリンガとは二酸化炭素の吸収力が杉の数倍あり
温暖化対策に有効な樹木なんだそうです
農業部のみなさんが
一つひとつ手作りして
温かいメッセージも添えてくださいました
水道が復旧したらぜひ使わせていただきますね
何ヶ月先になるかわかりませんが
その日が来るのを楽しみに待っています
今日避難生活が長くなったおばちゃんが
金沢から来たボランティアの方に
「へー、あんたんとこは水道出るが?
都会やねー」
と感心している様子を見て
思わず噴き出してしまいました
一本のかっぱ巻き
35日目
水道の復旧にはまだまだ時間がかかるので
1週間に一度
洗濯と入浴のため
妻と両親が二次避難している
金沢方面へ向かいます
そのとき、
あちこちに拡がっている
生徒の様子も見に行きます
まずは被災した3年生が
お世話になっている
「彩の庭ホテル」さん
とっても静かに学習できる環境です
こちらの支配人はなんと
輪島高校の卒業生
わたしの後輩の橋上さんでした
シャバは狭いなぁ
次に
土日の学習場所として
活用させていただいている
「ハイアットセントリック金沢」さん
まだ生徒は登校前でした
こちらの料飲部長は
わたしの先輩の九内さんの友達の雲井さんでした
クナイのともだちクモイ♪
ラップで韻を踏んでいるようですが
これまたシャバは狭いなぁ
統計学には「6次の隔たり」
という言葉があります
人の知り合いの数は平均44人
44を6回かけると世界の人口を超えます
つまり
「知り合いの知り合いを6人たどれば
世界中の人と知り合いになれる」
というものです
最後に
金沢に避難している
1、2年生の学習の場である
文教会館
以前、輪島高校の避難所の女子トイレに
サニタリーディスペンサーを
設置してくださった
大阪大学のProject IMPACTさんが
こちらにも取り付けてくださるそうです
男子バレー部は金沢錦丘高校さんと
合同練習です
お昼にはおにぎりと豚汁を
振る舞っていただきました
久しぶりに愛情のこもった
あったかい食事に
いつもの親のご飯を思い出した
と言う生徒も・・・
私もひさしぶりにおいしいもの食べようと
回転寿司に入るまではよかったものの
こんなに高かったっけ?
怖じ気づいて
これから物要りだしなあ
結局カッパ巻き1皿だけ食べて
店を出ました
「一杯のかけそば」ならぬ
「一皿のカッパ巻き」
「美味しんぼ」で
寿司職人の腕を診るには玉子を食べろ
と確か海原雄山が言っていましたが
カッパ巻きだけ食べて職人の腕を見切る
食通と思ってもらえなかったかな?
まさかね
きっと変な客と思われたことでしょうね
今日は節分
34日目
今日は節分です
避難民の方々の二次避難も進み
小中学校仮校舎開設の準備も
順調に行われています
私は今年還暦を迎えます
輪島では還暦の年男と厄年を迎えた男が
神社で豆まきを行います
今回火災で失われた朝市通り近くの重蔵神社では
延焼を逃れたものの
鳥居や狛犬が壊れ
拝殿も崩れるなど
大きな被害を受けました
今年は豆まきの中止も議論されましたが
こんな中だからこそ
市民を元気づけるために
ぜひやろうということで
賑々しく開催されました
授業が本格化してきました
33日目
いよいよ
金沢地区へ2次避難している生徒のための
学習支援が文教会館で始まりました
金沢大学さんが全面的に協力してくださり
場所の確保、必要な物資の調達など
スピーディーに準備してくださいました
昼食も全て準備してくださいます
文教会館への交通費は全て
石川県教育委員会が負担してくださいます
落ち着いて学習できる環境が整いました
この後
大学生の学習支援ボランティアも
加わってくださいます
まだ申し込んでいない人は
今からでもオッケーです
無線ルーターの貸し出しも行っています
午前中は輪島高校からの授業を
オンラインで受け
午後からは文教会館で
授業を行っています
今日は自分も
オンラインで授業に参加してみました
授業は生き物で
同じ空間で空気を感じながらやるもので
オンラインなんかでは
気持ちが通じ合わない
絶対にやってたまるかという
頑ななまでのオンライン反対派だったのですが
やってみると
意外!割といいな!という感じでした
授業感変わりました
部活道でも
(本校では部活動を部活道と書きます)
オンラインと対面を上手に併用しています
男子バレー部です
オンライントレーニングの様子です
輪島市の中学校には男子バレー部がなく
全員が高校でバレーを始めたメンバーです
素人軍団であったにも関わらず
今年の総体では県のベスト8に入り
能登地区大会では優勝しました
ところが
これからという時に
今回の被災で
主力2名が
転校することになりました
今日は転校した生徒も加わり
一緒に自宅でトレーニングです
転校先でもぜひバレーを続けてもらいたいです
来年対戦するのが楽しみです
文教会館近くのお店には
笑わんけ金沢
がんばらんけ石川
信じとるよ能登
みんなが応援してくれてます
嬉しいですね
全てが一歩ずつ前進していることを実感しつつ
輪島に帰ります
のと里山海道はきずだらけです
以前の地震でもこんな感じだったな
それでも立ち上がったんだから
今回だってきっと
新たな、人と人との繋がり
32日目
発災から1ヶ月が過ぎ
周辺の学校の様子はどうなっているのかな?
ちょっと行ってみました
道中無惨な風景を眺めながら
大きな被害を受けた飯田高校に着きました
飯田にはここ数年大きな地震が群発し
図書館の棚を「床」に固定するなど
被害を最小限にする工夫が
なされていました
それでも赤本が散乱するなど
さまざまな被害が見られました
「赤本」とは大学受験勉強に使う
大学別に過去問をまとめた本で
そのうちの一冊が昨日紹介した
「落ちない赤本」です
輪島高校よりも多くの生徒が
通っていました
飯田は道路事情が
輪島に比べて比較的いいので
車で送ってもらえているようです
教室に卓球台を入れて
体育の授業をしていました
早速我が校でも取り入れよう!
いいと思ったことは即マネします
ここは2年前に勤めていた学校で
生徒からは「教頭先生〜!」
覚えていてくれたんだ
「輪島高校のサイトにアップするよ」
「いいよー」とポーズしてくれました
グラウンドにも大きな亀裂が
帰り道
のと里山空港に寄ってみました
現在、週に3往復
東京便が運行されています
ボランティアの方が来られたり
高齢のご両親を迎えに来られたり
さまざまな人生が交錯します
穴水高校の書道ガールの作品が
それを見守っています
ここには
市内各地からの2次避難の方が
一旦集まり
まとまって温泉地などへ向かいます
バスの中には
これまで輪島高校で避難していた方の姿が…
自分に気づき手を振ってくれました
新しい避難先でもどうか健やかに
うちの学校では
学校の「中」のことは
大坪教頭先生が先生方をしっかりまとめ
「現在」なすべきことを
責任もってやってくれています
ですので
校長である私は
学校の「外」に目を向けて
「未来」に想いを巡らせることに
集中することができています
素晴らしい先生方に囲まれていることに
今回の地震を機に気づかされました