2025年3月の記事一覧
小学校で「選択教科別模擬授業―国語・外国語(英語)・道徳―」に挑戦!
3月8日、学生クラス標準コース(第8日)が開催されました。
学校現場では教科担任制が導入され、専門性を有した教員の育成と授業の質の向上が求められています。
いしかわ師範塾では一昨年より、国語、外国語(英語)、道徳の3教科から受講生の希望を反映した「選択教科別模擬授業」を実施しています。3年目となる今年度の模擬授業の様子を報告します。
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「国語」の模擬授業を行う受講生 |
4年生「ごんぎつね」の物語教材に挑戦しました。受講生は、国語の難しさを感じる一方、教科が違ってもこれまでの模擬授業と同様に教師と児童との関わりを大切にしようと一生懸命に授業を進めていました。 [受講生の感想] |
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「英語」の模擬授業を行う受講生 |
5年生初めの単元に挑戦しました。受講生は、スマイル・アイコンタクト・クリアボイス・ジェスチャー等学習者のモデルとなるよう意識し、模擬授業をしていました。 [受講生の感想] |
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「道徳」の模擬授業を行う受講生 |
受講生は、柔和で明るい表情で、肯定的に受け入れる聞き方を意識していました。教材文の範読前にその内容について写真やキーワードで示すことで、ねらいとする道徳的価値へと焦点化しようとしている様子が見られました。 [受講生の感想] |
第12期学生クラス標準コース8日目 SDGsの視点を取り入れた授業を学ぶ!
第12期学生クラス標準コース8日目を3月8日(土)に開催しました。この日は、津幡町立津幡小学校の山村 祐也先生を講師としてお招きし、「Let’s Try“未来につなげようSDGs!”」の講座を実施
しました。
はじめに、いしかわ師範塾指導員から
- 持続可能な開発目標(SDGs)採択に至る経緯
- ユネスコスクールと持続可能な開発のための教育(ESD)、SDGs
- 全国及び本県学校教育におけるSDGs達成に向けた取組
についての講義がありました。
引き続き、山村先生から、5年生の社会科での実践についてご講義をいただきました。津幡町の製本機械メーカーを調査し、地球にやさしい製品を開発するため十年以上にわたって研究が続けられたことを題材として、学習を深めてきた指導実践が紹介されました。
参加者を児童生徒役として進める授業形式による講義の中、塾生は、企業から提供を受けた製品を手に、SDGsを教育に組み入れる方法だけでなく、社会科の授業の進め方も学ぶことができました。さらに、山村先生の「目の前にあるものに気づけるか、気づこうとする意識があるか」「先生も子どもも多面的・多角的に考えられるか」という視点を大切にしているとのお話を伺い、教師としての情熱に触れることができました。
山村 祐也 教諭 (津幡町立津幡小学校)
<塾生の感想より>
- SDGsの授業では、教師のみならず子どもたちが目の前にあるものに気づけるか、気づこうとする意識があるかを学ぶことが重要だとわかりました。そうするための発問や活動内容を考えていきたいと思います。
- 子どもと教師が共に多角的・多面的に考えられるかどうかの大切さについて学びました。地元の企業の理念や業務内容について知り、考えることで地域理解に繋がると共に子どもの探究的な学びにも繋がると感じました。
- 今の世の中を生きるには持続可能な開発目標に向けた行動をしていかなければならないため、授業の一環で触れることは大切だと思った。教師の視点に立って示範授業を受けると、どれくらい前から準備していかなければならないのかなど、授業内容以外にも考えることがあると気づくことができた。
- SDGsという大きいテーマを考える上で、地元企業が開発した1商品に視点を当てて考えるという展開が斬新で、中学高校においても応用できそうな所があると感じた。
- SDGsについての講義であったが、それだけでなく、授業を作る上で大切なことを学べた。最も印象に残ったのが、授業の教材を探す際に目の前にあるものに気づく、または気づこうとする意識があるかが重要であるという先生のお話である。教科書や資料集だけでなく、身近なものを授業に繋げることができるよう、アンテナを高く張っていきたいと思った。
- 児童が主体的に考える時間にする授業の流れを実践的に見ることができました。また、社会に開かれた教育課程にするために、教師も目の前にあるものに気づく力を育んでいく必要があるということが分かりました。
第12期学生クラス 短期コース(B・C日程)終了 短期集中で大きく成長!
第12期学生クラス短期コースB日程は2月13日(木)から19日(水)(16日を除く)の6日間、C日程は2月27日(木)から3月5日(水)(2日を除く)の6日間で開催しました。
開講式では、才鴈塾頭が、昨年の能登半島地震や大洪水により今なお県民の多くが苦境に立つ状況に 触れ、「こういった時こそ、子どもたちが未来へ夢や希望が持てるように支え育てる、学校という存在がより大きな意味を持ち、そこで働く教師や教育の力がとても重要になる。皆さんには、ここ師範塾をきっかけに、これまで以上に教職に関心を持っていただき、教師を志す思いをより強いものにしていた だきたい。」と、激励の言葉を送りました。
短期コースでは、「めざせ石川の教師」、「授業のつくり方(授業づくりの視点、教師の基本姿勢など)」、「相手に伝わる聞き方・話し方」、「ベテラン教員による示範授業」、「できる わかる 理科実験!(小)」、「できる わかる ICT活用!(中高)」、「子どものほめ方・叱り方」、「個に応じた支 援」などの講義を行うとともに、6回の模擬授業を行いました。
| ◇ 開講式 | ◇ 講義「めざせ石川の教師」 |
| 挨拶する才鴈一博塾頭 | 島村 勝彦 室次長 (石川県教育委員会教育DX・教員確保指導力向上推進室) |
◇ 示範授業(B日程)
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矢代 貴之 教諭【社会】 (金沢市立泉野小学校) |
宮川 真弓 教諭【国語】 (能美市立浜小学校) |
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藤井 岳人 教諭【英語】 (石川県立鹿西高等学校) |
髙橋 玄季 教諭【数学】 (石川県立七尾高等学校) |
◇ 示範授業(C日程)
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前田 知美 指導教諭【道徳】 (野々市市立野々市小学校) |
八島 友志 教諭【算数】 (宝達志水町立志雄小学校) |
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吉田 愛 主幹教諭【英語】 (能美市立辰口中学校) |
鶴山 達也 教諭【理科】 (津幡町立津幡中学校) |
短期コースでは、模擬授業を連続して行うため、塾生は自分の成長を実感することができたようです。それが自信につながり、教師になりたいという思いを一層高めたようです。
<塾生の感想より>
- 現場の先生の生の声を聞くことができ、今現場で求められている力について知ることができた。教員採用試験に受かることはもちろん大切であるが、「なりたい教師像」に向かって、今の時代に必要な力を磨いていきたいと思った。
- 中高の教員として、自分の専門性を高め続けるために、生涯を通してずっと学び続けていく姿勢が大切であるということを学んだ。学ぶ対象は同僚の先生方のみならず、子ども達から自分の姿を顧みて学ぶことがなにより重要であることを再認識できた。自分も、生涯学び続ける教師になりたいと思う。
- 授業作りは改善を続けていくことなのだと思いました。また、生徒の立場に立って授業作りをすることがどれだけ大切なのかを学ぶことができました。教科書を教えるのではなく、教科書で教えることが大切であるということを聞き、より一層専門知識を深めながら、生徒に大切なことを教えていけるように頑張りたいと思いました。
- 個別最適な学びやアクティブラーニングは、実際にやるのは難しいのかなと思っていました。しかし、自分が子ども役になると新しいことを発見していく感覚で学びを楽しむことができました。もちろん授業計画は難しいと思いますが、自分が教員になったらやっていきたいと思うことができました。
- 示範授業から、教師がまず1番に分野へ興味を持ち楽しみながら授業を行うことが重要であると分かった。また、3つの評価の観点から1時間の中でどの力を狙うのかということを決めて、授業を構成する方が大切であると知った。その後の講義では、学習指導案の作成における重要な点について学びを深めることができた。授業を行うことはもちろん、その事前準備が非常に大切であると再確認することができた。
- 6日間も連続で模擬授業をする経験は今までないので非常にいい体験となりました。他大学の学生とも交流があり新しい発見や気付きがありました。ありがとうございました。
◇ 閉講式
閉講式では6日間の日程を終えた塾生に対し、才鴈塾頭は、「教職をめざす皆さんには、優れた指導力とともに、たとえどんな課題や困難があっても粘り強く、積極的に立ち向い、それを乗り越えていく、たくましい人間力を備えた教師になっていただきたい。皆さんのことを石川の子どもたちが待っている。ぜひ、先輩方に続き、本県教育の若き担い手として活躍されるよう、心から期待している。」との言葉を贈りました。