2025年6月の記事一覧
「街プロ」シーズン2始動
地震から 537 日目
豪雨から 273 日目
現在おそらく事故により
熊野トンネルの中に
かれこれ30分ほど
立ち往生です
これから帰る方は
別ルートをお勧めします
今日
本校を会場に
車椅子バスケが行われました
詳しくはこちらをご覧ください
これまで日本が議論をリードしてきた
「OECD ティーチング・コンパス(教師の羅針盤)」
がリリースされました
輪島高校もその策定に
関わらせていただきました
被災したからこそ見える教育課題
という視点が取り入れられています
下記がOECDの公式サイトのリンクですのでぜひご覧ください
https://www.oecd.org/en/publications/oecd-teaching-compass_8297a24a-en.html
なお今回発表されたものはあくまで要約版で
より詳しい内容は
6月24日に「コンセプトノート」として
改めて公開される予定です
若手教員育成プロジェクト
通称「若プロ」
今日は数学の橋元幸弥先生による
「STEAM教育を視点に入れた授業」
「僕らの街は僕らがつくる」
街づくりプロジェクト・シーズン2が
始動しています
2年生が進めています
先輩の活動を引き継いだもの
新たに自分たちで立ち上げたもの
23のグループに分かれて活動しています
これからシリーズで紹介していきます
第1回目は「スポーツで健康」
〔解決したい課題〕
震災の影響で遠藤する機会が失われ
体力が低下していること
〔目標とする未来〕
市民の体力が向上し健康になること
〔方法・手法〕
① トレーニングマシンを借りて
トレーニングする場所をつくる
② 訪問型のスポーツクラブを設立し
地域の方々の体力を向上させる
〔これまでの活動〕
僕たちなりに運営プランを作成して
輪島市に協力依頼をしましたが
断られてしまいました
それどころじゃないので
しかたありません
①そこでレンタル会社から
マシンを借りる計画を立てています
②同時に地域の方々の体力を向上させるため
訪問型のスポーツクラブ設立に向けて
事業計画を立てています
活動している生徒たちからのメッセージです
「僕たちからふたつお願いがあります
①の活動について
地震や洪水が残した爪痕は大きく
僕たちは狭いグラウンドや
歪んだ体育館を
各部で分け合いながら
活動しています
数年後に再建されるスポーツ施設を
ただ待つのではなく
今できることをしようと思います
トレーニングマシンをレンタルする
計画を立てていますので
どなたか場所を貸していただけないでしょうか?
また使われていない物件をご紹介いただける方は
ご連絡をお願いします
②の活動について
地域のみなさんにも元気になってほしくて
みなさんの体力向上のための
レッスンをしたいと考えています
僕たちが訪問します!
一緒にからだを動かして
体力を向上させたい方
あるいは団体さんはいませんか?
ご連絡をお待ちしています
被災地に寄せて
地震から 536 日目
豪雨から 272 日目
「ふるさと企業を知る会」
ビジネスコースの23年生を対象に
実施されました
輪島市内の企業様9社にお越しいただいて
お話をしていただきました
さて
今年は新規採用の先生方が
5名も本校に配属されました
昨年
今年よりもっと悲惨な状況で
赴任した先生がふたり
そのうち商業科の木村先生が
手記を投稿されました
一部抜粋して紹介します
「教師になって1年が経ちました
生徒にどのように成長してほしいのだろう
と自分自身の価値観について自問自答する日々でした
そんな中生徒から
「商業科目は社会で使うのか」と言われました
もちろん使いますが
あえて「使わない」と返答しました
ただ
「商業科目を学ぶ過程で身につく能力は
これから人生で大いに役立つ」と
自分の経験から返答しました
その時はっきりと気づきました
生徒には
商業の知識そのものではなく
学ぶ過程で養われる能力を身につけてほしいのだと
初任校は輪島高校でした
輪島に向かう道中は
地震の影響で亀裂や段差がたくさんあり
慎重に運転しても危険を感じるものでした
輪島に入ると
崩壊した山や倒壊した家屋の光景が
目に飛び込んできました
この環境の中で教師として働くことができるのか
不安でいっぱいになりました
しかしその不安も
輪島の生徒たちの笑顔や
真剣な眼差しに触れるうちに
次第に和らいでいきました
そして気づけば
不安よりも
どうすれば生徒たちの力になれるか
を考えるようになっていました
この1年間で
私の中の価値観が大きく変わりました
教育に対する考え方
授業の進め方
生徒への指導の方法など
どれもが悩みと向き合い
試行錯誤を重ねる中で
少しずつ変化してきたものです
その中でも最も大きく変わったのは
被災地に対するイメージでした
暗くて重いイメージを勝手に作っていましたが
そんな事はありませんでした
元気に溢れ
賑やかで
時に騒がしい
そして輪島の未来を誰よりも真剣に考えている人たちが
力強く生きている場所でした
この環境で
そんな彼らと日々を共にする中で
この学校に配属されたことを
嬉しく思うようになりました
まさか私が
こんなことを思うなんて」
タイムリミットあと2日
地震から 535 日目
豪雨から 271 日目
北信越大会に出場する陸上部
やり投げの紺谷優衣菜さん
砲丸上げの大久保侑さんに
激励会を行い
校長会と同窓会からの
激励金を手渡しました
紺谷さんは
「予選突破してベスト8に入る!」
大久保さんは
「輪島新記録を更新する!」
と力強い抱負を語ってくれました
自分のことは自分でする
そのことを生徒に教える教員も
自分達の場所は自分達で掃除
あたりまえのことを愚直に行っています
水曜日のトイレ掃除は校長の仕事
ピカピカに磨き上げてきました
若い頃
当時の校長先生といっしょに
素手で便器に手を突っ込んで掃除したことを
思い出します
まるで明治大学野球部の島岡監督
調べてみると
今でも明治大学野球部の伝統として
受け継がれているそうですね
さすがに素手でということはないと思いますが
思えば2年前の大晦日
誰もいない校舎で
便器の中に手を突っ込んで
尿石を削り落とし
ワックスまでかけて
ぴかぴかにした翌日
地震に襲われたのでした
せっかく綺麗にしたのに・・・
と悔しがったのを思い出します
その思い出のトイレ掃除の翌日
焼き尽くされた朝市界隈の片隅に
ポツンと1軒燃え残った我が家
(実際にはもう1軒ありますが)
割れたガラスや瓦
崩れた壁や天井が痛々しいまま
1年半雨ざらしになっていましたが
いよいよ20日に公費解体が始まります
なんとか震災遺構として残せないか
新しい朝市の入口となるこの場所で
この震災を後世に伝える施設にできないか
中に展示室やセミナー室を設けて
修学旅行生などに防災教育を施す
拠点として再生できないか
そう考えて
「大改造!劇的ビフォーアフター」に
申し込んで返事を待っています
タイムリミットはあと2日
あさってまでにオファーがあれば
公費解体を中止するつもりでいるのですが
ここまで返事がないところを見ると
この家の姿を見るのも
あと2日になりそうです
最後に潜り込んで
大事なものがないか
見て来ようと思います
有無を言わさず全てを奪われた
お隣さんに比べると
お別れを言えるだけしあわせです
非凡?平凡?役不足?
地震から 534 日目
豪雨から 270 日目
詩人の 里みちこ さまから
被災地に心を寄せた詩をしたためた
「詩作品」をいただきました
(1)希望
捨てられるはずのアイスの棒でこしらえました
(2)アイン スタイン(ein stein)
曽々木海岸に打ち上げられた
玉石を使いました
(3)ありがとう ごめんなさい
団扇を使った「詩作品」です
昨日のブログを読み返してみて
語句の誤用をしているのを見つけました
「非凡」です
たいした能力のないこと
の意味で使ったつもりだったのですが
「凡」に非らずだから
全く逆の意味でしたね
この他にも言葉使いの間違いをして
恥ずかしい思いをしたことが多々あります
まずは「役不足」
「私には役不足です」
謙遜の意味で使ったりしていました
でもよく見てみると
不足しているのは「役」の方なので
「立派な儂にこんな簡単な仕事なんかさせるな」
という尊大な意味になってしまうのですね
「綺羅星の如く」
(きらぼしのごとく)と読んでいましたが
(きら・ほしのごとく)なんだそうですね
「間髪を入れず」これも
(かんぱつをいれず)ではなく
(かん・はつをいれず)です
日本語って面白いですね
「フラダンス」も本当は奇妙な言葉です
「フラ」自体がダンスの意味なので
日本語にすると「踊り踊り」になります
「チゲ鍋」も「鍋鍋」
「サハラ砂漠」も「砂漠砂漠」です
職員室変えちゃって委員会
地震から 533 日目
豪雨から 269 日目
ポルトガルのスクールクラスターを
視察して驚いたこと
職員室に対する考え方です
職員室は職員の休憩場所
これが徹底されています
置いてあるのは
バーカウンターと
エスプレッソマシン
そしてソファー
授業から帰ってきた教員が
エスプレッソを飲みながら
子どもたちの授業の様子について
情報交換をします
考えてみたらそうですよね
教員の仕事場は
教室であり体育館であるはずで
日本のように
授業以外の文書作成に追われ
教員が黙ってパソコンに向かっている
職員室は
彼らにとっては異様な光景として
目に映ることでしょう
さて本校では仮設校舎の建設が始まりました
グラウンドの片隅に
とは言っても3分の1ほど
ドスンと鎮座ましまする
秋頃から運用が始まりその後
本校舎のジャッキアップ作業が始まります
あんな大きなものを
ジャッキアップするなんて
驚くべき技術です
仮設校舎が完成すると
引っ越しとなるわけですが
職員室には
あの大きくて重い灰色のデスクを
全員分運び込む必要が生じます
業者がそこまでやってくれるはずもなく
限られた教員で運ぶとなると
負担が大きく
とすれば生徒のみんなに
手伝ってもらう必要が生じます
私が若い頃教えていただいた
先輩の先生からの言葉で
心に残っているもののひとつに
こんなのがあります
「生徒にものを頼むことを
躊躇しなくなったら
教員としてはおしまいだ」
ずっとこの言葉は心に残っていて
管理職になって赴任した学校では
職員室と職員トイレの
生徒による掃除を
ことごとく廃止してきました
自分のことは自分で責任持ってやる
そのことを教えるべき教員が
自分の場所を生徒に掃除させることは
もってのほかだという思いからです
というわけで
仮設校舎に職員用の従来の机を運ぶことをやめ
これを機に
職員室のフリーアドレス化を
一気に推し進めようと画策しています
教員が毎日同じ場所に座るから
そこには書類が山積みになってきて
毎朝出勤するたびに
その書類の山を目にして
やる気が失せ
そんな悪循環を断ち切りましょう
ただ中には
書類をサグラダファミリアのように
芸術的に堆く積み上げ
「先生あの書類どこですか?」
と尋ねると
「確かこの辺に」
とか言って一発で探し当て
しかもその書類の山が
地震でも微動だにしなかったという
驚くべき耐震構造を備えている
こんな先生もいらっしゃいました
このような名人級の先生はさておいて
非凡な教員は日々の整頓が大切です
そんな訳で
「職員室こんなに変えちゃって委員会」
再結成です
教員一人ひとりが働きやすく
しかも生徒も訪れやすい
そんな職員室を目指してのプロジェクトです
再結成というのは
すでに一度立ち上げたことがあった委員会だから
あれは6年前
私が教頭時代の頃の話です
その時は
これまでのやり方をかえることをよしとしない
一部の先生の抵抗に遭い
名前の割にさほど変わらなかったのですが
今はまずはやってみようという
考えの先生が増えてきているはずなので
ある程度前へ進むことができると思われます
教育の万博
地震から 532 日目
豪雨から 268 日目
この土日を利用して
NEW EDUCATION EXPO 2025
いわば教育の万博に
大阪まで来ています
大阪の先生はちょっと出かけると
こういった機会に恵まれているのに
我々地方の人間にとっては
何万円という大枚を叩かないといけないので
こういったところにも
教育格差を感じます
とはいえ
自腹を切った研修は
それだけ貪欲に学ぼうという気になります
教育の第一人者である
鈴木寛先生のお話を聴くことができました
現在輪島高校も連携させていただいているOECD
そこが主催していて今年本校も参加予定の
学力検査PISA
前回の調査結果を踏まえ
現在実施されている教育施策について
お話ししていただきました
日本の子どもは学力が世界一なのに
ウェルビーイングが37位と
参加国中最低レベル
つまり幸福度が低い
詳しく分析してみると
学校生活には9割の子どもが満足しているけど
家庭からのサポートへの満足度が
世界最低なのだそうです
このことは家庭だけでなく
会社 社会 地域全体で取り組むべき課題です
まずは輪島高校ではこうしましょう
お子さんのいる教員は
最低週一回は定時に帰る
そしてお子さんと一緒に夕食を食べる
なんでもない一緒にいる時間を作る
それから
自分で学習する自信のない子どもが6割と
これまた世界最低
学習内容よりも学習のしかたを教える必要があります
中間テストを廃止して取り入れた
本校の「学びウイーク」の理念と一致します
期間中の行事をこなすだけでなく
どう学びに結びつけていくかを
追求する必要があります
教科書の内容が50年前の3倍と
カリキュラムオーバーロードの問題もあります
授業時間内で内容全てを教えることに無理があり
勉強のしかたを教えることの重要性が
ますます重要になっています
最近は通信制高校が
それも通学制の通信高校が人気だそうです
従来の通信制は
大勢の中にいるのが苦手な子
ひとりで学習したい子の受け皿だったのですが
今通学制の通信高校に通っている生徒が求めるのは
友達との協働学習なんだそうです
さらに学校の授業についていけない生徒は少なく
むしろずば抜けて優秀な生徒が増えてきています
このことは教科の内容を教えるのはAIで十分
たまに学校に来て
既習内容を協働学習によってさらに深める
そんな未来の学校の姿が見えてきます
何も月曜日から金曜日
週に5日も学校に来る必要などない
ということです
個々の生徒の認知特性にも配慮した
公正な個別最適化を意識した教材の提示も
工夫していく必要があります
ある調査によると
日本人成人における認知特性は
聴覚優位 67.4 %
視覚優位 13.4 %
身体優位 17.2 % だそうです
これはほとんどの人において
耳から入る情報が
頭に入りやすく残りやすいことを
示しています
しかしながらこれまでの教育で行われてきた
教科書と板書中心の授業は視覚中心です
勉強が苦手と感じている人は
勉強ができないのではなくて
これまでの学校教育における
インプットのさせかたに
問題があったということなのです
先生の話を聴くのに集中するのに
視覚情報を遮断するために
目を閉じて聴いていて
寝るなと叱られる理不尽な経験のある方
いるんじゃないでしょうか
ある建設業界では
視覚情報中心のマニュアルをやめたところ
驚くほど作業パフォーマンスが上がったそうです
教科の見直しも求められます
ある進学校に勤めていたころ
英数国は主要教科
その他は枝葉末節の枝葉教科
などと言われましたが
これからの主要教科は家庭科と保健体育です
家庭と体育は
教科横断型の合同科学の宝庫です
料理はまさに化学だし
食材の産地は地理
運動力学は物理だし
スコア分析は統計学
今多くの教員がイメージしている
「知識を身につけてから
それを活用して探究活動を行う」
からの脱却が求められます
今後は部活動型の探究活動が求められるでしょう
送りバントが完璧にできるようになってから
練習試合に出すのではなく
練習試合で失敗させて
送りバントの練習の重要性を身をもって知る
自分が好きなことをとことん突き詰める中で
それに必要な知識を身につける
というスタイルです
そのためには
劇的変化を遂げている
教育AIの効果的な活用も
大きなポイントとなります
例えばテストの問題を作成する際に
問題集の問題文を読み込ませておいて
「〇〇な出題方法に書き換えて」
とお願いするだけで
オリジナル問題を作成することができます
これまで莫大な時間を要していた
テスト問題づくりの時間を
劇的に削減することができます
このことで捻出できた時間を
生徒に寄り添う時間に費やすことができます
AIがどんなに進化しても
教員にはなれないといいます
教員の最も大切な仕事は
「寄り添う」ことと
「勇気づける」ことだからだそうです
今回の震災で
私は痛いほどそのことを実感しました
「学校にどんな支援が必要か?」
と尋ねられた時に迷わず
「授業をしてくれ」
とお願いしました
被災地の教員にしかできない仕事は
「寄り添う」ことと
「勇気づける」ことだからです
このことを私は
一言も口にしたことはありませんでしたが
先生方一人ひとりが
実践してくださっていました
支援される側から支援する側へ
地震から 531 日目
豪雨から 267 日目
一昔前アメリカであった話です
ある国道沿いに
チキン料理が美味しい
こじんまりとした
レストランがありました
ところがある日この町に
新しいバイパスが作られる計画が
浮上しました
これまで
国道を通るドライバーによって
支えられていたこの店は
廃業のピンチに追いやられます
年老いた店主は
バイパス沿いに新しいお店を構える
資金も気力もありません
そこで考えた店主は
新しくバイパス沿いに出店する店に
持ちかけます
「うちのレシピを提供します
その代わり
売り上げあるごとに
その◯%をいただけませんか」
新しいレストラン側にしてみても
これまで人気だったこの地方の料理を
そのままメニューに加えることができることは
大きなメリットです
世界初のフランチャイズ制の誕生です
この年老いた店主の名は
カーネル・サンダース
さて学校では
「臨時子ども食堂 in 輪島」
の下ごしらえが始まりました
さいたま子ども食堂ネットワークさまの
ご協力によります
まず、炊飯からです
9つの電気釜をフル稼働させるため
調理室以外に空き教室などに
分散させて炊いています
一気に一部屋で炊くと
ブレーカーが落ちるからです
避難所運営で得た知恵です
最初のご飯が炊きあがりました
美味しい匂いが漂っています
続々と応援に来られるボランティアの方々は
案内しなくても匂いにつられて調理室へ
炊きあがったご飯は
チキンパエリアになります
ケンタッキーフライドチキンさまの
協力を得ているそうです
本日
普通コースの3年生は模擬試験をしています
何人かお手伝いしたい生徒もいたのですが…
模擬試験を受けに来る3年生にも
振る舞っていただけることとなりました
学校での準備を終えいざ会場へ
中心となっている岡本先生からのレポートです
「さいたま栄高校さんの
総合探究部の生徒さん6名と
引率の小野先生も
お手伝いに来てくださいました
さいたま市子ども食堂ネットワークの本間さまをはじめ
たくさんの方が来てくださり
マリンタウンが大賑わいでした
物資を運んでくださったデコトラや
大きなはしご車もに集結していました
輪島高校生は
セッティングから参加させていただき
物資の配布をしたり子どもたちと遊んだり
力持ちたちは荷物の運搬
そして片付けまで携わらせていただきました
11時の開始後は
『輪島にこんなに子どもたちがいたのか!』
と思わず口から出てしまうほど
子ども連れのご家族や小中高校生でにぎわっていました
そんな様子を見た生徒からの感想をいくつか紹介します
子どもたちとの遊びの補助をした3年生
(田中さん 上田さん 吉浦さん)
『いつもはお世話してもらう側だったけれど
今回お世話する側だったので
周りのことを注意深く見たり
何が必要かを考えたりすることができた』
物資の配布をお手伝いした2年生
(谷内さん 上田さん 大岩さん 川口さん)
『とても楽しかった!
今度は自分たちでも
このようなイベントを企画したい!
たくさんの方々が支援に来てくれて
うれしいしありがたい
輪島市外の方々に
いつもこういった企画で
輪島を元気づけてもらっているので
市内にいる自分たちも
中心となって輪島を盛り上げたい
ありがとうと言ってもらえたのが
とてもうれしかった』
などなど
有志のメンバーに加え
練習後の男子バレー部もかけつけてくれ
総勢25名の生徒と4名の教員が参加しました
ネットワークの本間さまから
企画のコツやアドバイスもいただきました
自分たちでも輪島を元気づけられるような
企画を考えていきたいと思います
そして何よりも
いつもたくさんの方々に
支援していただいているということが
とてもありがたく感じています
色々な経験をさせていただき
輪島からさらに日本を元気づけられるような
活動ができたらいいなと思います
キリコ太鼓を演奏してくれた小1の男の子と
高校生のコラボの写真です
授業の感想 なぜ書かせるの?
地震から 530 日目
豪雨から 266 日目
朝日新聞の投稿欄
ある女子大生が
「授業の感想なぜ書かせるの?」
と問題提起していらっしゃいました
授業の内容に対する意見なら
考えを整理する意義を見いだせる
だけど単なる感想であるなら
書いても意味がないと
疑問に思っていらっしゃいます
私も大学時代そんな教授に出逢ったことがあります
毎回
「私の講義に対して建設的に意見を述べよ」
と感想を課されました
国語がからっきし弱い私は
「建設的」の意味がわからず
勝手に「批判的に」という意味と勘違いして
講義の悪口を延々と書き続けていたのでした
しかも
講義内容には大学生が反論できる要素などなく
仕方ないので
「先生があの場面で飛ばしたギャグは
全く笑えませんでした」
のようなどうでもいい感想に
ならざるを得ないのでした
おかげさまで
皆出席で試験もそこそこできたはずなのに
「不可」つまり不合格
教授はよほど腹に据えかねていたものと
思われます
あとで友達に相談して
ようやく「建設的」の意味がわかり
後悔したのでした
国語は大事です
彼女は続けます
「感想は個人の気持ちであり
正解がないものなので
書いても評価されにくく
形だけの作業になってしまいます」
なるほど
私自身振り返ってみると
感想文に本心を書いたことが
一度もないことに気づかされました
こんなことを書いておけば先生が喜ぶだろうと
そして点数が上がるだろうと
でもなんか
そのときの経験が
このブログに役立っているような気もします
このブログはほぼ本心を適当に書いてはいますが
言葉選びには細心の注意をはらっています
改行の位置とか
漢字にするかひらがなにするかとか
特に読み手が不快にならないように
このことについては
びくびくしながら何度も読み返しています
彼女は
書き方指導の必要性にも言及したあとで
こう結びます
「なぜ感想を書くのか
どんな力を身につけさせたいのか
目的をきちんと伝えるのが大切です」
すばらしいです
ぜひ教員になっていただきたいと思います
きっといい先生になると思います
日本語の使い方あれこれ
地震から 529 日目
豪雨から 265 日目
朝一番に学校に着くと
機械警備の解除から始まります
操作を完了すると
「解除になりました」
と機械のアナウンスが・・・
この日本語に
ずっと違和感を持っておりまして
「解除」ってなるものか?
「解除しました」あるいは
「解除されました」じゃないのか?
「なりました」を使いたければ
「解除状態になりました」
じゃないとおかしくないか?
自分の日本語力がおかしいのか?
朝から悶々としています
同じようなことが以前にもありました
化学の教科書には
「安定な電子配置」という文言が
当然のように使われていますが
「安定した電子配置」の方が正しくないか?
気になって国語の先生に質問したところ
「これは形容動詞の〇〇化といって
♯※〒△☆♂だから文法的に正しいのだ」
と教えていただいたのですが
何をおっしゃているのやら
という感じでいまだに???です
「万博会場を訪ねた人は・・・」
という記事を最近目にしましたが
これもおかしくないですか?
「訪れた」の間違いでは?
ひらがなひとつでもやもやしています
Google先生に尋ねてみました
「訪ねる」は
訪問する おとずれる
「訪れる」は
訪問する たずねる
えー?
国語辞典の
「右」= 左の逆
「左」= 右の逆
と同じやないかい
さらに調べてみると
「訪ねる」はある場所へ行く
「訪れる」はある目的があってその場所へ行く
とありました
なるほど
「万博が見たい!」という目的があるから
「万博会場を訪れた人」の方がしっくりきたのですね
でも特段目的もなく来る人は
「万博会場を訪ねた人」になるのか
まんざら間違いでもないのですね
「春が訪れる」とはいいますが
「春が訪ねる」とは言いません
ということは
春は明らかに目的を持って来ている
ということなんですね
もうひとつ
「春が訪れる」は自動詞的用法です
立ち位置が自分にあります
自分に向かって「来る」イメージです
一方で
「春が訪ねる」は他動詞的用法です
違和感を生じるのでは
どこそこへ「行く」イメージだからです
「春が来た」とは言うけど
「春が行った」とは言わないのと同じです
外国語でもよく似た例があって
フランス語では例えば
「遊びに行くよ」って言うとき
「Je viens(I come)」と言って
「Je vais (I go)」とは言いません
立ち位置が相手にあるのです
もひとつ
武田鉄矢さんが「今朝の三枚おろし」の中で
こんな話をされていました
武田さんの曲に
「思えば遠くへ来たもんだ」
という曲があります
これは中原中也の
「思へば遠く来たもんだ」
のオマージュなんだだそうです
「遠く来た」
はこれまでの道のりにフォーカスがあって
出発点はさほど重視されていない
鉄矢さんは
出発点の博多を強調したくて
「遠くへ来た」
と「へ」を入れたんだそうです
「に」を使い
「遠くに来た」にしてしまうと
到達点がフォーカスされて
旅が終わった感が出てしまいます
「遠くへ来た」には
旅がこの先どうなるかわからない
そんな寂寥感があります
本日
教育実習生の研究授業が行われます
指導教員の中野智貴先生も
日本語の使い方に気をつかっています
「本日実習生の研究授業があるので
お手すきの先生は
参観の上ご指導よろしくお願いします」
中野先生の気づきは
「そもそもお手すきの先生なんているのか?」
とてもいい視点です
これまでのフォーマットを前例踏襲せず
どうすれば多くの先生に見ていただけるか
しっかりと考えています
どんなふうにアナウンスしたのでしょうか?
たくさんの先生が観に来ました
放課後に生徒を呼び出すとき
「〇〇さん
校内にいましたら
◇◇まで来てください」
と校内放送される先生もいますが
そもそも校内にいなければ
放送を聞いているはずもないので
なんか無駄なフレーズです
それどころか聞いた方としては
「校内にいなければ行かなくていいのか
たいした用事じゃないな」
来ない可能性まであります
今日の授業
地震から 528 日目
豪雨から 264 日目
なんやかんやで外に出ることが続き
今日は久々に丸一日学校にいます
授業の様子をゆっくり見に行きました
1年1組「情報Ⅰ」山﨑先生
1年2組「現代の国語」山本先生
1年3組「地理総合」竹田先生
2年「数学Ⅱ」習熟度別 端谷先生
橋元先生
今田先生
ビジネスコース3年「国語表現」松本先生
岡本先生
3年「英語」習熟度別 加藤先生
櫻庭先生
お気づきになりましたか
教室を半分に仕切って
勉強しているクラスがあります
震災で危険判定を受けた教室を使えないので
工夫を凝らして授業を組んでいるのです
もうひとつ
生徒の取り組む姿勢見てください
全ての生徒が背筋を伸ばし
緊張感を持って授業に臨んでいる様子
校長がカメラを向けたから・・・
ではありません
発災以降
生徒の学習に取り組む姿勢は
明らかに変わってきています
特に1年生は
授業中の発言も活発で
学びに向かう姿勢が素晴らしいです
震災で中学校で勉強できなかった分を
しっかり取り戻せると思います
伸びしろが充分です
1年生は実は
OECD(経済協力開発機構)による
PISA の学力テストの抽出対象となっています
「日本の高校生の数学スキルは高いが
自己肯定感に劣る」
など世界の子どもたちの学力等を調査して
各国の教育施策の指針となるテストです
7月23日に実施予定です
抽出された生徒のみなさんはがんばって・・・
いやがんばらなくていいので
いつもの調子で協力をお願いします
震災が学力や生活習慣にどのような影響を与えたか
そしてこの先どのような支援が必要か
重要なデータとなりうると思います
今日は
ビジネスコースの2・3年生および
普通科の専門学校志望者を対象に
進路ガイダンスが行われました
専門学校や企業の方をお招きして
生徒たちと直接質疑応答できる機会を持ちました
お世話になっているアナウンサーの原田幸子さま
いつもすてきなお便りをくださいます
「庭では蜘蛛の赤ちゃんが卵からかえり
まさに蜘蛛の子を散らした状態です
一つ一つが命なのだと思うと愛おしいです
この世であえて嬉しいよ
一匹一匹に声をかけたい気分です」
小さな生き物が大好きなんですね
観察眼も素晴らしいです
私はこんなの見つけたことないです
ついでに自然にいる「たつのおとしご」も
見てみたいです
どこにいるかご存じの方
どうか教えてください