2025年9月の記事一覧
香川漆器と輪島塗と
地震から 615 日目
豪雨から 351 日目
香川県のお土産やさんを巡ると
漆器が目につきます
輪島同様
漆器の名産地でもあります
AI先生に訊いてみました
「香川漆器は
江戸時代後期に玉楮象谷が
中国や東南アジアの漆技法を研究・融合させて確立した
日本の伝統工芸品です
漆を塗り重ねた上から線彫りして色漆を埋め込む
蒟醤(きんま)をはじめ
存清(ぞんせい)
彫漆(ちょうしつ)
後藤塗(ごとうぬり)
象谷塗(ぞうこくぬり)の5つの伝統技法が特徴です」
なるほど
蒔絵(まきえ)沈金(ちんきん)螺鈿(らでん)が
中心の輪島塗とは
また一味違った魅力がありそうです
漆で絵や紋様を描き
漆が乾かないうちに金粉などを蒔く技法を「蒔絵」
乾いた漆に紋様を彫り
その溝に金粉などを押し込む技法を「沈金」
漆で描いた絵に
貝殻を砕いたかけらなどを貼り付ける技法を「螺鈿」といいます
「漆」はウルシノキの樹液からつくります
化学的には「ウルシオール」 と呼ばれる物質です
採取した樹液を濾過(ろか)したばかりの
「生漆(きうるし)」は
乳白色をしていますが
それを撹拌して水分を飛ばすと
透明な飴色をした
「素黒目漆(すぐろめうるし)」
に変わります
これに鉄粉を加えて
未反応の鉄粉を取り除くと
それこそ漆黒の「黒漆」となります
漆が空気にふれると
その中に含まれるラッカーゼという酵素と
酸素のはたらきによって
網目上の強固な構造の膜に変わります
この膜は
防腐性が高く
酸やアルカリにも強く
さらに抗菌性や抗ウイルス性もあります
この反応は
多湿の状態でよく進むので
雨や雪の多い輪島は
うってつけの環境であるといえます
漆は何層にも塗り重ねられます
30〜40の過程を経て完成します
輪島塗が特に堅牢なのは
さらに秘密があります
それは魔法のパウダー「地の粉(じのこ)」です
下地漆に混ぜ込んで木地に塗り込みます
「地の粉」は
珪藻土を粉砕したものです
珪藻土とは藻類の一種である
ケイソウの殻が堆積してできた岩石で
能登半島は主にこの珪藻土でできているのです
今回の地震で崩落した見附島
あるいは輪島の鴨ケ浦海岸
さらには珠州七輪の産地など
たいへん脆い岩石ではありますが
ガラス質であるため粒子そのものは硬いです
そして微小な孔が無数に開いているため
漆が入り込むと極めて堅牢な下地となるのです
日本ではなんと7000年も昔から
漆を使っていたと考えられています
驚くべき知恵です
この文化を地震なんぞによって
絶やされてたまるかと
輪島塗職人の皆さんは立ち上がっています