校長室より「おこらいえ」
PISAの斜塔とPISA大学と
地震から 583 日目
豪雨から 319 日目
相変わらず校舎の一部が傾いたままです
『ピサの斜塔』状態です
ピサ大聖堂の鐘楼である『ピサの斜塔』
イタリア語で『Torre pendente di Pisa』
まんま「ピサの傾いた塔」です
日本語の『斜塔』
フランス語でお城のことをchâteauというので
うまいこと訳しましたね
『ピサ』『ピザ』発音はどっちでもよいようです
ただ日本人が『Pizza』を『ピザ』と発音するのは
イタリア人は???なんだそう
1173年に建設が始まった『ピサの斜塔』は
建設が始まって5年後
南側へと傾き始めます
一時的に工事が中断されたものの
約100年後に傾いたまま建設を再開しました
建設期間中も塔は少しずつ傾き続けました
傾いた主な原因は、建設地の地盤の弱さです
かつて海に近い湿地帯であったため
地盤が非常に軟弱だったのです
塔の傾きは長年にわたって少しずつ進行し
20世紀末には約5.5度にまで達し
倒壊の危険性が指摘されるようになりました
しかしその後行われた大規模な補強工事により
傾斜の進行は止まり改善されました
現在の傾斜角度は約3.97度とされています
これは現在原則使用禁止となっている
本校の2号棟の傾きとほぼ同じです
これほどまでに傾いているのに倒れないのは
塔の巧妙な構造にあります
中が空洞の円筒形で重心が低く設計されている他
約4メートルもある厚い壁が塔を支えています
現在はコンピュータシミュレーションを用いて
塔の構造を詳細に解析し安定性を確保しています
さてピサ大学と京都大学が共同で
興味深い研究結果を発表しました
神経細胞に関する研究です
神経細胞は
中心部から軸索という手が伸びて
隣の細胞にシナプスという結合部分を作って
情報の伝達を行い
思考したり記憶したりしています
勉強をするというのは
このシナプスをたくさん作っている過程に
ほかなりません
たくさんシナプスを作れば作るほど
物事をしっかり考えることのできる脳に
育ちます
そして一生の中で
最も盛んにシナプスが作られるのが
15〜18歳です
ところがある病気の方で
うまく軸索が伸びていかない方が
いらっしゃいます
両大学の研究は
神経細胞の中に磁性物質を取り込ませて
体外から磁力で誘導することによって
軸索を思いの方向に伸ばすことに
成功したというものです
この磁性物質をパンに練り込めば
『暗記パン』を作れるじゃないですか!
万博でプレゼン!
地震から 582 日目
豪雨から 318 日目
いよいよ来ましたよ
会場は外食パビリオン『宴〜UTAGE〜』
被災地から食の魅力を伝えます
『UTAGE 』は
『'85 国際 食 博覧会・大阪』をルーツに
4年に一度開催されています
「復興産地を知って食べて応援しよう」
今回「オオサカ Kizu なイチバ」を
開設してくださったのは
株式会社 グルメ杵屋 様
『わじねこシフォンケーキ』を
試食していただきます
『街プロ』イラスト班の横地さんが
つくってくれたPOP
元気に頑張っている様子もPR
25人ずつの入れ替え制で4回
プレッシャーあったと思いますが
頑張りました
圧倒的なパビリオンの数々
とんでもないものをこしらえるもんだと感動
こら全国の工事関係者が
被災地に回って来れない訳だわと納得
世界最大の木造建築として
ギネスにも認定された大屋根リング
一周が 2025.4 km
万博開幕の2025年4月を表しています
輪島塗の『夜の地球儀』
会場の真ん中に展示してくださっていました
エサに注意
地震から 581 日目
豪雨から 317 日目
人間は食べれても
最悪ペットにとって死に至る食べ物があります
例えば犬や猫がチョコレートを食べると
・下痢
・嘔吐
・不整脈
・けいれん
を起こします
カカオに含まれる『テオブロミン』を
犬や猫は分解できないからです
またレーズンを食べると
24時間以内に中毒症状があらわれます
急性腎障害で死に至ることもあります
キシリトールを食べると
急激にインスリンの分泌され
低血糖や肝障害を引き起こします
ネギ類に含まれる
『有機チオ硫酸化合物』は
赤血球を壊し貧血を引き起こします
能登半島地震の際
ペットを連れて避難所に来られた方がいました
輪島高校避難所では
ペットをお連れの方専用の部屋を設けたのです
ところが困ったのはエサ
自衛隊の炊き出しが来てくださるまで
パンの支給があっただけでした
ペットフードの支給があったのはさらにその後
実は猫は小麦粉にもアレルギーを起こすのです
飼い主は
欲しそうに見つめるペットを横目に
パンを食べるのでした
それを見ていた生徒が閃きました
災害時にペットにあげれる避難食があれば
人が食べるものを
ペットフードのように気軽にあげれればいいのに
小麦粉を使わない避難食の開発に乗り出しました
現在の3年生がスタートアップして
いろいろな企業様の協力を得ながら
開発に成功
これまでも色々な場所で販売してきました
今では後輩たちがその活動を引き継ぎ
万博会場で明日プレゼンをして
お客様に試食もしていただきます
またポスターと動画を
今日から8月16日まで
ご覧になっていただけます
今日はその準備と会場下見です
詳しくはこちら
https://kizu-ichiba.com/expo/kizunaichiba/fukkou/020/
大屋根を通って会場入りです
こちらが明日発表するパピリオン
楽しみです!
なんだか『濃い』お茶がブームです
『カテキン』や『カフェイン』を
多く含みます
お茶の木は
学名「カメリア・シネンシス」
緑茶・紅茶・烏龍茶
お茶には何種類かありますが
お茶の木は1種類だけです
『発酵』の度合いによって
お茶の種類が変わります
本来『発酵』とは
微生物の活動によって
成分が変化することを指しますが
お茶の『発酵』は
茶葉自身が持つ酸化酵素によるものです
ですので
化学的にいうと
『発酵』ではなく『酸化』です
緑茶は
葉を摘み取ったら
すぐに蒸すか煎るかして
酸化する酵素の働きを止めて
発酵しないようにします
一方で紅茶は
茶葉を萎れさせた後
もみほぐしたり刻んだりして
細胞を壊し
空気に充分触れさせて
一定期間発酵させます
烏龍茶は
軽く発酵させた後で加熱して
途中で発酵を止めます
つまり
緑茶と紅茶の中間です
発酵が進むと
カテキン同士が結合して
別の物質に変わるので
『カテキン』の含有量は
緑茶>烏龍茶>紅茶
の順に少なくなります
『プーアール茶』のように
カビをつけて実際に発酵させたものもあります
『カテキン』とは
赤ワインにも含まれるポリフェノールの一種で
お茶には
化学構造がわずかに異なる
4種類の『カテキン』が含まれます
『カテキン』どうしは
酸化酵素のはたらきにより結合し
最終的には
赤色の『テアフラビン』や
褐色の『テアルビジン』という
ともに渋味を示す物質に変わります
烏龍茶は
発酵を途中で止めているので
『カテキン』が『テアフラビン』に変わる
途中段階の物質が種類豊富に含まれ
複雑な味わいを醸し出しています
『カテキン』はタンパク質や脂肪に
結合しやすく
過剰に摂取した脂肪なんかを
一緒に排泄してくれます
これが「カテキン』を豊富に含む
濃いお茶のブームにつながっています
『カテキン』は熱いお湯に溶け出しやすいので
多く摂りたい時は
80℃以上のお湯で入れるといいそうです
1煎目でその80%が溶け出すので
2煎目以降には
実はほとんど『カテキン』は含まれていません
『玉露』のように旨みを愉しむお茶は
苦味成分である『カテキン』を出さないように
50℃程度のお湯で
じっくりと旨み成分のアミノ酸だけ
抽出するのがおすすめです
微妙な駆け引き
地震から 580 日目
豪雨から 316 日目
暖かい日が続きますね
これだけ暖かいと
自販機のジュースもどんどん売れます
と同時にゴミ箱のペットボトルも
すぐに一杯になります
まだまだ入るとばかりにぎゅうぎゅう詰めです
誰か袋を替えればいいのに
最近この袋の交換が私の日課になっています
よく似た微妙な駆け引きに
シュレッダーのゴミいつ捨てる?
問題があります
「くずを捨ててください」ランプがついても
箱の中の屑をぎゅうぎゅうにして
まだ入るしとばかりに
ジャミジャミジャミ・・・
ところで福井県の一部では
シュレッダーのことを
「ジャミジャミ」というそうです
電子レンジを「チン」というのの
発展系ですね
さらにトイレットペーパーを
一巻ほど残して
「自分最後じゃないし・・・」アピール
10センチほどで次の人拭けると思うんかい!
と突っ込みたくなります
使い切って替えときましょう
以前ある芸能人がテレビで言っていました
「お互い気のついた方が掃除をしよう」
と夫婦でルールを決めたんだそうです
ところがある日奥さんが
「トイレ掃除してくれてありがとう」
言われて一瞬うれしくなったけど
よく考えたら
ということは
奥さんは明らかに汚いって気づいていますよね
微妙な駆け引き問題は
生活のいろんなところに潜んでいます
昨日テレビで不思議な物を見ました
これです
木材を継ぎ合わせたものなのですが
どうなっていると思いますか?
『四方蟻』という継ぎ方なのだそうです
倒れたり折れたりしない上に
抜けたりもしません
なんとも不思議な構造です
昔から受け継がれている伝統の智恵には
本当に驚かされます
地震の多い日本ならではの技術です
こちらは先日の幼稚園でのボランティア
「国語」と「化学」のメガネ
地震から 579 日目
豪雨から 315 日目
最近の悩みはもっぱら「マップ」アプリです
字が小さくて見えないので
二本指で大きくして見えるようにすると
地図は大きくなるのですが
字がシュルシュルと
小さく元通りになって結局読めません
午後は石川県高等学校商業教育研究集会にて
小松市の 山本民夫 教育長様のお話を
聴かせていただきました
OECD調査によると日本の学生は
数学リテラシーや科学リテラシーはトップ
なのに国際競争力が低くなり続けています
数学に関しては3つの問題があります
①実生活における課題に対し
数学を使って解決する力が弱い
②実生活における事象と関連づけて
学んだ経験が少ない
③日常生活に絡めた指導を行なっている
傾向も少ない
つまり日本の子どもたちは
勉強ができても
その学力を使って問題解決する力が
弱いということです
教科横断型学習がますます重要なようです
山本教育長様は
① 迷った時は困難な方を選べ
② 運のいい人と付き合え
とご自身の座右の銘を語ってくださいました
そして最後に若い先生に
「夏休み取って海外に遊びに行ってこい!」と
心の中で拍手喝采を送りました
8月後半に高岡法科大学において
「自然災害と法 -対応 復旧 復興-」と題し
1週間にわたってシンポジウムが行われます
私も28日(木)13:00より登壇する予定です
被災者を今でも苦しめているもの
それは『法律』だ!と
法曹界を志す学生さんたちに
法を変えてくれ
そうでないと次何かあった時に
その人たちに
今の自分たちと同じ苦しみを
味わわせることになる!
と訴えて来ようと思っています
震災に関する困った法律
もしありましたらどうぞ教えてください
代わりに訴えてまいります
【今日のDeep Purple】
教科を超えた授業実践を紹介し
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
野々市明倫高校さんの事例紹介最終回は
『国語』と『化学』のメガネ
「青色界隈」です
李白の漢詩
七言絶句を読み取りましょう
『黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る』
故人西辞黄鶴楼(故人西のかた黄鶴楼を辞し)
煙花三月下揚州(煙花三月揚州に下る)
孤帆遠影碧空尽(孤帆の遠影碧空に尽き)
唯見長江天際流(唯だ見る長江の天際に流るるを)
これは尊敬する詩人「孟浩然」の船出を
見送った時の詩です
孟浩然は『春暁』という詩を詠んでいます
第一句の「春眠暁を覚えず」で有名な詩です
第三句「孤帆遠影碧空盡」の『碧』
帆が青い空に消えていく様子を描写しています
漢詩から影響を受けて風景を描いた絵師に
葛飾北斎がいます
こちらは富嶽三十六景神奈川沖浪裏
青色に着目すると
インジゴと
プルシアンブルーを使い分けているそうです
インジゴについては
本ブログ7月7日「家庭科のメガネ」
でも取り上げました
ではプルシアンブルーとは?
プルシアンブルーとは
別名ベルリンブルーとも呼ばれ
北斎らは『ベロ藍』とよんでいました
動物の血液から作られる
『黄血塩』や『赤血塩』などから
化学的に合成できる青色の染料で
それまでラピスラズリを削ってしか得られなかった
青色の絵の具の大量生産に成功したもので
その後の美術界に大きな衝撃を与えた化合物です
化学的な構造は
二価の鉄イオン Fe2+と
三価の鉄イオン Fe3+が
シアン CN- によって
3次元的に格子状に繋がっています
その格子の大きさは
セシウム原子の大きさとぴったり同じで
その中にすっぽり閉じ込めることができます
東日本大震災の原発事故の際に
体内に取り込まれた放射性セシウムを
体外に排泄させるために用いられました
「数学」と「地歴」のメガネ
地震から 578 日目
豪雨から 314 日目
校長研修に来ています
文部科学省の合田哲雄局長と
石川県の浅野大介副知事の対談は
見応えのあるものでした
GIGAスクール構想を構築されたおふたりの
次世代の教育への展望を聴かせていただきました
副知事からは
現在このコラムでも連載中の
教科横断型学習へのヒントもいただきました
国語 × 数学 → 証明活動を通した文章表現
社会 × 数学 → 社会的事象の統計処理と結果考察
化学 × 公共 → 公害と環境
倫理 × 生物 → 生命倫理
化学 × 家庭 → 調理における化学変化
数学 × 体育 → 動作解析とバイオメカニクス
なるほどアイデア満載です
午後からは
学校リスクマネジメント推進機構様からの
保護者対応のセミナーです
実際に最近あったケースです
ただ石川県のケースではありません
校庭で大縄跳びの練習をしていた小学生
ひとりの子がフード付きコートを着たまま跳ぼうと…
その時先生が危ないので脱ぐように
その子は従いました
ところが放課後教育委員会から先生に電話
寒いのにコートを脱がされたと
保護者からクレームがあったから
気をつけるようにと一方的に告げられます
フードが縄に引っかかった時の危険性は
少し想像力をはたらかせばわかるのに
保護者はそこまで考えが至らず
自分の子が叱られ寒い思いをさせられたことしか
頭になかったようです
保護者の言い分をそのまま受け止め
その行為の危険性を伝えようともせず
先生の側に立ってくれなかった
教育委員会もどうかと思いますが
最近増えてきたケースです
①子供の言うことが全て正しいと思い込んでいる親
②自分のことしか考えない自分勝手な親
③子供どうしでは解決しているのに納得しない親
④ここぞとばかりに威厳を振りかざす親権のない父親
⑤警察弁護士マスコミに連絡すると脅す親
⑥1時間も2時間も電話で延々話し続ける親
本校でも震災前はちょこちょこありました
以下はイメージです
「もしもし」
「はい輪島高校です」
「2年3組の担任誰や!」
(電話の向こうで「私2組」)
「おうそうか2年2組の担任誰や!」
「平野ですが…」
「その平田出せ!」
「平野はもう帰宅しました」
「ふざけるな!今何時やと思とる!」
「8時で勤務時間は終わっています」
「お前んとこの平井は勤務時間終わったら帰るんか!」
「平野ですが普通そうなっています」
「ふざけるなファミマ見習え!」
「よろしければ代わりにお話し伺いますが」
「お前誰や?」
「教頭の髙橋です」
「高井か!うちの娘部活辞める言うとる!どうしてくれる!」
「髙橋ですが詳しくお話しいただけますか?」
「クラス担任の朝の挨拶の声デカすぎる!わかるか高山!」
「髙橋ですがそれと部活どういった関係が?」
「そんなもんどうでもいい!俺は会社でふたりも部下を使とる!」
「…」
「最近の若いもんはホント礼儀を知らん!そう思わんか高田!」
もう完全に酔っ払っています
こんな不毛なやりとりが時折
繰り広げられるのでした
ところが震災の後このような理不尽な電話が
パタっとなくなったのです
学校も大変だからと
おそらく言いたいことを
我慢してくださっているのでは?と拝察します
ただ大切なお子さまに関することですので
不安なことや改善してほしいことは
遠慮せずおっしゃってください
ただし素面(シラフ)で
できれば勤務時間内でお願いします
【今日のDeep Purple】
教科を超えた授業実践を紹介し
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
野々市明倫高校さんの事例紹介5回目は
『数学』と『地歴』のメガネ
「TM 15」です
日本はPISAの数学リテラシーが世界第五位
数学が得意なお国柄です
これはなぜでしょう?
江戸時代の数学(和算)は日本独自の数学で
世界最高レベルでした
その中で関孝和は
筆算を使って円周率を少数第11位まで計算した天才でした
また縄文時代の人々は
建物を作るために縄文尺を使って
正確に直角を割り出していたそうです
なんとこの時代にすでに
3:4:5の三角形が直角三角形になることを
すでに知っていたようです
「歴史」を振り返ることで
「数学」の価値や大切さに気づくことのできる
素晴らしい教材です
緊急速報版
カムチャッカで地震です
遅ればせながら今ニュースで知りました
全国のみなさんにお伝えしたいことがあります
こちらは東日本大震災で
津波の被害を受けた門脇小学校震災遺構です
違和感ありませんか?
津波にやられているのに
机が整然と並んでいるのです
しかも天板はありません
つまり津波でやられているのに
燃えているのです
何が起こったのか?
これです
火事で燃えている家が
そのまま流されて来て
学校に火がついたのです
高い建物に逃げるのは
必ずしも安全ではありません
時間がない時の最後の手段です
基本は山です
この時も2階に火がついて
3階に避難していた小学生が
取り残されたそうです
先生方が力を合わせて
長机などを使って
隣の建物へ伝って逃げる経路をつくって
児童を逃したそうです
「生物」と「数学」のメガネ
地震から 577 日目
豪雨から 313 日目
名城大学附属高等学校より
岡 充彦 教頭先生
小堀 淳子 先生はじめ
アントレプレナーの生徒さんたちが
本校を訪れてくださいました
本校の3年生
中村輝くんがボランティアでやっている観光ガイド
そのお客様として
訪れてくださいました
中村輝くんをそのフォルムから
私は勝手に『輝輝坊主』と呼んでいます
午後からは
『災害時学校支援チームおかやま』
のみなさんがお越しになりました
昨日から七尾市の方で防災の講演会をなさり
本日本校まで足を運んでくださいました
昨日兵庫の『EARTH』さんと
お話をさせていただき
本日は『チーム岡山』さん
日本の災害支援を牽引するふたつの団体さんに
続いてお逢いすることができました
石川県でも設立に向けて動いています
先輩方の仲間入りをさせていただき
今回の経験を
次の災害のために役立てていきたい
と思います
きびだんごをもらったので
家来としてはたらきます!
【今日のDeep Purple】
教科を超えた授業実践を紹介し
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
野々市明倫高校さんの事例紹介4回目は
『生物』と『数学』のメガネ
「世にも奇妙な自然界に潜む数学」です
まずはフィボナッチ数列を学んだそうです
本コラムでも以前に紹介しました
1,2,3,5,8,13,21,34,55,89…
前のふたつを足したものが次の数
という数列です
考えたのはイタリアの数学者 レオナルド・ピサノ
父の名前がボナッチで
filius Bonacci(ボナッチの息子)
が短縮されてフィボナッチと呼ばれるように
彼は「兎の問題」を出題しました
次のとおりです
「1つがいの兎は
生後2か月後から
毎月1つがいの兎を産み
兎が死ぬことはないものとする
この場合に
産まれたばかりの1つがいの兎は
1年後に何つがいの兎になるか?」
解いてみてください
ちなみにつがいを漢字で『番』と書きます
では次の漢字はなんと読むでしょう」
『蝶番』
前の3つを足すトリボナッチ数列
0,0,1,1,2,4,7,13,24…
4つを足すテトラナッチ数列
0,0,0,1,1,2,4,8,15,29…
なんてのもあるそうです
フィボナッチ数列が
自然界によく見られる数列であることは
知られていますが
トリボナッチ数列や
テトラナッチ数列に関してはどうなんでしょう?
考えてみるとおもしろいですね
さて明倫高校さんの授業では
さらにハニカム構造を学んだそうです
ハニカム構造とは
正六角柱を隙間なく並べた構造のことです
「honeycomb」はハチの巣を意味します
なぜハチは六角形の巣を作るのでしょう
数学的に検証してみたそうです
答えを言ってしまうと
少ない材料で最も広い部屋を作れるからです
検証してみましょう
例えば12m分の壁を作る材料があったとします
正方形の部屋を作ると
1辺あたり3m つまり
面積 = 縦 × 横 = 3 × 3 = 9m2
正三角形では
1辺が4m
高さは1:2:√3 を使って
√3 ≒ 1.7 とすると3.4
その面積は
底辺 × 高さ ÷ 2 = 4 × 3.4 ÷ 2 = 6.7 m2
正方形より狭くなりました
円だと…
直径 × π = 円周だから
直径 = 12/π で
半径 = 6/π
面積 = π(6/π)2= 36/π ≒ 12 m2
このように円が一番
コスパがいいのです
で
この円の部屋を敷き詰めると
ひとつの部屋の周りには
6つの部屋が隣接します
これだと円と円の隙間が無駄なので
それを埋めたのがハニカム構造
ミツバチって頭いいですね
計算したわけじゃなく
体験で身につけたのでしょうけど
π にまつわる話をもうひとつ
「ピラミッドの横幅を高さで割って
2倍すると円周率になる」
ピラミッドの1辺 = 230.37m
高さ = 146.6 m
(230.37 / 146.6) × 2 ≒ 3.14
円周率という概念は
ギリシャ数学において確立されますが
それはピラミッドが造られた
およそ2000年あとのことです
π の計算もせずに
体験で身につけたもの?
ミツバチ以上ですね
円形の物差しを使っていたのではないか
という説があります
石を切り出す際に
高さは物差しの直径で
幅はその物差しを転がして測った
とすると説明はつきます
ただそんな物差しは
未だ発見されていないのだとか
「体育」と「英語」のメガネ
地震から 576 日目
豪雨から 312 日目
石川県養護教員研究協議会に招かれ
シンポジウムのパネリストを
務めさせていただきました
養護教員つまり保健室の先生は
学校の中で一番やさしくてあたたかい先生
県内のすべての学校のそんな方が
一同に介しての会ですので
まるで菩薩様の懐に抱かれているかのような
なんともいえない心の安らぐ会です
初めての経験です
輪島市立河井小学校の 中條 葉子 先生
発災直後からの安否確認
避難所巡り
校舎の片付け
学校の再開
本当にいろいろありました
6校の小学校が輪島高校に集まって
勉強していました
保健室の先生も力を合わせて
6校全ての子供たちの支援をしました
珠洲市立宝立小中学校の 小畠 尚美 先生
宝立小中学校は市の避難所に指定されています
津波発生時 800人の方が避難されました
災害人道医療支援会 HuMAさんが
支援してくださいました
以下は生徒さんの作品です
石川県立穴水高等学校の 山元 祐子 先生
高台に位置する穴水高校は
学校に向かう通学路に
大きな被害を受けました
中学校の校舎を借りて学校再開しました
ランチスペースをご自分で開設なさり
生徒のケアにあたられたそうです
助言者の金沢大学の森慶惠先生からは
「つながり」
学校内外との協力体制
「即応と継続」
災害直後の対応と長期ケアの両立
「子どもを見るまなざし」
心と体を見守る日々の視点
の大切さを教えていただきました
午後は兵庫県から『EARTH』の方を
お迎えしました
村尾先生と大封先生
Emergency And Rescue Team
by school staff in Hyogo
阪神淡路大震災時に
全国各地からいただいた支援に報いるため
震災5年後に作られた
災害があれば要請に基づき
学校の教育復興を支援する
教職員の組織です
今回の能登半島地震においても
いち早く珠洲市の支援に入られました
この素晴らしい組織を
ぜひ全国展開させる必要があると感じています
これまで全国で5件にしかなかった
災害時の学校支援システム
文科省からの
D-EST(Disaster Educational Support Team)
構想を受け
各県に広がりを見せています
『EARTH』さんには
ぜひその豊富な経験と知識を活かして
全国の組織の指導的立場を
担っていただきたいと願っています
【今日のDeep Purple】
教科を超えた授業実践を紹介し
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
野々市明倫高校さんの事例紹介3回目は
『体育』と『英語』のメガネ
「No English No Futsal」です
英語だけを使ってフットサルをしました
日本語を話すとイエローカードです
体育の先生も頑張って英語オンリー
特別ゲストにALTも参加
楽しく英語を学べていいですね
Kick off!「試合開始」
Pass!Shoot!Mark!「よこせ!撃て!いてまえ!」
Man on!「後ろに敵が!」
What a wonderful goal!「やったぜ!」
私も以前ALTと掃除しながら
「No English No Cleaninng」
をやってみたことがあります
ALTというのは
Assistant Language Teacher
外国語教育をサポートする
外国籍の教員です
色々と普段使わないフレーズを
その都度訊いては教えてもらいました
問題です
英語で何と表現するでしょう?
① モップについた埃を振り落とせ!
② 黒板消しをバンバン叩いてチョークの粉を落とせ!
答えは
① Shake it off!
② Bang it off!
「数学」と「国語」のメガネ
地震から 575 日目
豪雨から 311 日目
夏休みの前期補習も終わりました
学校へは3年生が自主的に登校し
学習しています
仮設住宅では落ち着いて学習できず
図書館などの公共の施設も使えないので
教室を使って学習に励んでいます
先生方も集まって探究学習への作戦会議
2年生は1学期を振り返って
それぞれのグループの進捗を確認
お困りごとなどを出し合いました
ほとんどのグループが
伴走してくださる企業様などとの
人脈作りに成功して
共に走り出しているようです
ご協力ありがとうございます
1年生は
例年行っている
探究スキルを身につけるための
「不自由研究」を
今年度はブラッシュアップします
その打ち合わせです
専門家をお招きし全11回のワークショップ
GISを活用した災害復興に取り組みます
GISとは「地理情報システム」
コンピュータ上で地図とデータを組み合わせて
位置に関する情報を可視化・分析・管理する
システムのことです
地図上に様々な情報を重ねて表示したり
位置情報をキーにしてデータを分析したり
防災計画にも活用が期待されています
「総合的な探究の時間」と「地理総合」における
教科横断型の学びの新しい形です
私はといえば
国際教育担当の岡本先生と一緒に
輪島市の観光ガイド養成ツアーに
参加してきました
将来的には
世界各国から来られるお客様に
高校生が案内できればいいなと考えています
モデルプランの街巡りをしました
今まで知らなかったことにたくさん出会え
魅力再発見です
たくさんの方に来ていただき
素晴らしさを知っていただきたいです
多くは来ていただいた時のお楽しみということで
一部だけご紹介します
まずは漆器工房
輪島塗ができるまでの流れを
ご紹介してくださいます
今日知った新しいトリビア
輪島塗の筆は
30代の海女さんの髪で作ったものが
最高級なのだそうです
20代だと油分が多く
漆自体をはじいてしまいノリが悪い
30代だと適度に表面が海水で荒れていて
最高に漆が纏わりつくのだそうです
輪島の大きなふたつの産業
輪島塗と海女漁がこんなふうに結びつくとは
新しい発見でした
輪島塗の体験もできます
工房長屋です
工房長屋は重蔵神社のお膝元にあります
地震で全壊した重蔵神社は
現在この鳥居の奥の小さなお社のみ
しかしながら
朝市は千何百年前に
この重蔵神社の境内で始まったもの
輪島塗のその技法も
ここの神様の御神託によるもの
輪島の歴史はこのお宮さんから始まった
と言っても過言ではありません
次回は自分でガイドツアーを作って
案内するミッションが与えられました
さてどんなツアーを創ろうか?
ワクワクしています
【今日のDeep Purple】
教科を超えた授業実践を紹介し
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
野々市明倫高校さんの事例紹介2回目は
「国語」と「数学」のメガネ
「寺子屋で◯◯」です
江戸時代の日本における
青年男子の識字率は世界トップクラス
寺子屋が大きな役目を果たしていました
昔の言葉で書かれた文の読解をしました
「雉子兎取合五十疋有
足数百弐拾弐本也
雉子足弐本兎足四本
銘々幾何問」
江戸時代には
中国数学から独自の発展を遂げた
和算が学ばれていました
「国語」が得意な生徒が読解をして
「数学」が得意な生徒が計算をして
それぞれの得意分野を活かした
学びができたそうです