2025年4月の記事一覧
入学おめでとう!
地震から 464 日目
豪雨から 200 日目
入学式へ向かう朝
のと里山海道からの風景です
大きく波打った道路の眼下に
幻想的な雲海が広がっています
タイトル「天空の地獄路」
「街プロ」の取り組み
一つずつひとつずつ身を結んでいます
桂木智哉くんが取り組んできた
子供の居場所づくりプロジェクト
いよいよイベントの開催が決まりました
ぜひお越しください
今日は入学式
77名の入学生を迎えました
道路の寸断が解消され
より広い地域から集まってくれました
こんな挨拶しました
「年齢を3で割った数字が
人生を一日に例えたときに
その人が何時頃を生きているかを
表す時間となります
入学生のみなさんは15歳
3で割って5
今つまり朝の5時を生きています
2年生は5時20分
3年生は5時40分です
3時頃コロナが襲ってきて
ベッドから出るな!
と無理矢理押し込められたり
4時過ぎには地震で起こされ
こっちのベッドはダメだから
あっちの布団で寝ろ!
大好きな家族と離ればなれになって
集団移転しなければならなくなって
本当にいろいろありました
ともあれ今は朝の5時
これからだんだん明るくなっていきます
少しずつ温かくなってきます
3時と4時に起こされたからといって
二度寝しちゃダメですよ
布団の中でスマホいじっていないで
飛び起きて布団を蹴飛ばしましょう
覚醒ホルモンつまり目覚めのホルモン
というものがあります
このホルモンは朝目が覚めると同時に分泌されます
そして一日ぱっちり良い目覚めをもたらしてくれます
ただし分泌されるのは目覚めてからの20分間だけ
しかもその20分間に身体を動かさないと
そのホルモンは分泌されません
つまり目が覚めてから
20分間布団の中でゴロゴロしていると
日がな一日眠たい状態が続くのです
朝の20分間つまりそれは今日からの1年間になります
みんなの一日つまりみんなの人生は
この瞬間からの1年間の過ごし方で変わってきます
どうぞ布団から飛び出してください
身体を動かしてください
そして頭を使ってください」
今日の入学式にはまたまた
フラワースクールミュゲ主宰の水上詩子さんから
お花の飾り付けとコサージュの
プレゼントをいただきました
新入生の胸にはエアリーフローラのコサージュ
エアリーフローラは
石川県で8年の歳月をかけて開発した
フリージアの新品種です。
日本人の好みに合う中間色と
全国でも類を見ないカラーバリエーションの豊富さが
特徴です
2012年春に7色でデビューし
その後2017年に3色
2020年に1色
2024年に2色が追加され
現在13色となっています
キャッチフレーズは『旅立ちを祝う花」
花言葉は『希望』です
※ 以上「いしかわ百万石食鑑」より(写真も)
https://ishikawafood.com/foods/227/
能登の農家も積極的に栽培しています
東京の方が高く買い取ってくださるらしく
ほとんどが東京へ流通してしまうそうです
詩子さんはさらに高く買い取って準備してくださいました
本当にありがとうございます
青森県の伝法利高さんも来てくださいました
伝法さんは昨年日本一周の旅の途中
立ち寄った金沢で
春の大会を戦っている本校野球部の試合を観戦
感動されて以後応援してくださっています
詳しくは野球部インスタで
https://www.instagram.com/wajima_hs_baseball?igsh=MXRheml4aDhhMnIzMA%3D%3D&utm_source=qr
【被災地に電気が灯るまで】第15回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
第14回では
マイナスの電気を持った電子が出ていくと
残った原子はプラスの電気を持った
「陽イオン」になることを学びました
反対に電子が入ってくると
マイナスの電気を持った
「陰イオン」「マイナスイオン」になります
ところでこの「イオン」という言葉
「ion」と書きますが英語では「アイアン」と発音します
「イオン」というのはドイツ語読みです
「陰イオン」は「anion」
日本語では「アニオン」と発音しますが英語では「アナイアン」
不定冠詞をつけて「An anaion」「アナナイアン」
鉄が陰イオンになると「An iron anaion」「アナイアナナイアン」
鉄が陰イオンになることはほとんどないのでよかったです
明日は入学式
地震から 463 日目
豪雨から 199 日目
暖かくなり
電線の復旧工事も本格化してきました
とはいえほとんどの電柱は
まだ傾いたまま放置されています
こちらは輪島の桜の名所
一本松公園です
手前に写る傾いた電柱を尻目に
お花見用の提灯が下げられました
でもまだ蕾は固く
満開になるとこの山全体が桜色に染まるのですが
もう少し時間がかかりそうです
そんな桜前線の到来を心待ちにしている
輪島ではありますが
輪島高校の桜だけは
一足お先に満開となりました
まるで明日の入学式を
心待ちにしているかのようです
【被災地に電気が灯るまで】第14回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
第13回では陽子や電子など
原子のつくりについて学びました
陽子の数によって原子の種類が決まります
そして陽子の数と電子の数は
どの原子でも同じです
例えば陽子を11個持つ原子はナトリウムですが
電子の数も11個です
陽子1個が持つプラスの電気の大きさと
電子1個が持つマイナスの電気の大きさは同じなので
原子全体としてはプラスマイナスが打ち消しあって
電気を帯びていない状況になっています
ところがなんらかの理由で
原子から電子が出ていくと
マイナスの電気が出ていってしまうので
原子全体としては
プラスの電気を帯びた状態になります
このような原子を
「陽イオン」「プラスイオン」
などといいます
実はこの電子の出入りこそ
電気が起こるしくみに関係があります
いよいよ発電の本質に迫ってきましたよ
では原子になんらかの理由で
電子が入ってきたとしたら
どうなるでしょうか?
答えは明日
【今日のじょーおこらいえ】
校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は1月23日「群青のフェニックス」を読んで
「群青という曲がどういう意味でつくられたのか
初めて知ることができました
私も校長先生と同じで
能登半島地震後に
『群青』は東日本大震災後に
子供たちが作った歌だということを知りました
それから私は
この曲は亡くなってしまった同級生が
今でも天国から見守ってくれている
そして今でもことを君を忘れないという
そんな思いが込められた歌詞なのではないか
と思いながら聞いていました
しかし校長先生のブログで読み本当は
離れ離れになった友達や同級生に向けて
書かれたものだったと知り
歌は聴く人によって
いろいろな受け取り方ができるのだなと思いました
そして本当はどういう意味で書かれたかを知ったとき
その歌はより美しく聞こえるような風に思いました
私は昔歌の歌詞などを考えながら聞いていませんでしたが
歌に込められた意味を知る機会が増えたことで
最近は歌を聴くとき毎回
歌詞を検索したり見ながら聞くようになりました
歌詞の意味を理解しながら歌を聞くことで
心が引き込まれ
今までよりずっと楽しみながら音楽を聴いている気がします
昔の流行っていた歌やよく聞いていた歌を今聞き返すと
その歌をよく聞いていた時に悩んでいたことや
その時の気持ちや匂いみたいなものを思い出し
いつも心がぎゅっと押しつぶされるような感覚になります
でもその感覚は嫌なものではなく懐かしいみたいな感覚です」
《匿名希望》
のと里山海道情報
地震から 462 日目
豪雨から 198 日目
今日はほぼ一年ぶりに
「のと里山海道」の復旧の様子を
お知らせします
「のと里山海道」は
金沢と能登半島とを直結する大動脈です
途中で能越自動車道が分岐し
七尾 高岡方面へ伸びています
たしか日本海博覧会が開催された頃
金沢-羽咋間が「能登海浜道路」として
開通しました
日本海博覧会の会場はその後
西部緑地公園として整備され
野球場や陸上競技場などの
複合施設として利用されています
昭和57年に穴水まで延伸
「能登有料道路」として全線開通し
通行料は全線片道 1,180 円
大型車になると数千円に跳ね上がるので
野球部で練習試合に出る時は
毎回通行料だけで一万円近く払っていました
その後平成25年に無料化され
『のと里山海道』として今に至ります
羽咋にある柳田インターを過ぎると
景色は一変します
2007年(平成19年)に発生した
能登半島沖地震の際にも大きく崩れ
長年かけて復旧していたのですが
今回の地震で再び崩れてしまいました
なんとか通れる箇所を活用し
迂回路をつけるなど
現在では全線通れる感じにはなっています
それでも悪路が続くので
車と運転手への負担は
並大抵のものではありません
道路状況をよく知らない
金沢加賀地区にお住まいのみなさん
「輪島高校の帰りに能登高校に
これ届けて帰ってきて」などと
軽い気持ちでお遣いを頼むなどということは
決してしないでください
大袈裟な話ではなく
命懸けの運転を強いられているのです
【被災地に電気が灯るまで】第13回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
第12回では
電池の仕組みを知る上で必要な
原子について学び
説明文の中におかしなところがないか
問題提起しました
説明文を繰り返すと
「原子は
プラスの電気を持った陽子がくっついた原子核のまわりを
マイナスの電気を持った電子が飛び回っている
異なる電気同士は引き合うので
電子は原子核にひきつけられている
一方同じ電気同士は反発し合うので
電子はお互いに反発し合いながら飛び回っている」
いかがですか?
毎年この問いかけをすると
数人の思考力のある生徒が気づくのですが
「なぜ同じプラスの電気を持った陽子が集まった原子核は
バラバラにならないのですか?」
日本で初めてノーベル物理学賞を受賞した
湯川秀樹博士もこのことについて気づき
「中間子」の理論にたどり着いたのです
【今日のじょーおこらいえ】
校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は卒業式の日のブログを読んで
「3月3日に先輩方の卒業式がありました
正直自分が卒業しない卒業式は
退屈なものだろうと構えていました
案の定次から次へと先輩方の名前が呼ばれるたびに
意図せずまぶたが落ちてきました
この後も長い話が続くんだろうなと心の中で思っていたとき
校長先生の式辞になりました
するとみんなが少しざわざわしてきて
どうしたんだろうと背伸びをして前の方を見てみると、
校長先生がギターを持っていました
校長先生にとって思い入れのギターだと言うことを知りました
何を歌い出すのかなと思っていたら
玉置浩二さんのメロディーを歌っていました
校長先生の歌声や込めた思いは
先輩方により伝わったと思います
私もきっとあの瞬間を忘れる事はないと思います
なんてったって歌を歌う校長先生に
私は今までで会った事はなかったので
その後の志田さんの答辞はすごく心に響きました
高校生活の一瞬一瞬を心に刻みながら
3年間歩んでこなければ出てこない言葉の数々でした
私ももう高校3年生になりますが
一緒一瞬を大切にしようと思いました」
《匿名希望》
鉄砲伝来
地震から 461 日目
豪雨から 197 日目
ゴールデンウィークに計画している
ポルトガル教育視察
2名の2年生が行くことに決まりました
ポルトガルといえば
日本に鉄砲をもたらした国として知られます
1543年
インドから中国へ渡ろうとしていた西洋の船が
嵐にあって種子島に漂着します
乗り合わせた中国人を見つけた
種子島地頭の西村織部之丞は
咄嗟に砂浜に漢字を書いて
筆談を始めるのでした
そしてこの船はポルトガルから商売に来たことを
理解します
さっそく島主の種子島時堯に報告したところ
血気盛んな16歳の若き島主は
その持ち物の鉄砲に興味を示します
2挺の銃を2000両でお買い上げ
1両は今のお金に換算すると10万円なので
しめて2億円
なんというボンボン息子という気もしますが
日本の歴史を大きく変える買い物だったことを考えると
安いものかもしれません
現在年間2000億円ずつトランプに払い続けている
思いやり予算に比べると端金(はしたがね)ですね
買い上げた2挺のうち
1挺は藩主島津家を通して室町幕府へ献上
もう1挺は
刀鍛冶の八板金兵衛に渡しその複製を命じます
卓越した技術を持つ金兵衛は
たちまち複製に成功しますが
実際に撃ってみると暴発して使い物になりません
当時日本にその技術がなかった
「ネジ」に秘密があることまではわかるのですが
その製法がとんとわかりません
1年後再来日したポルトガル人に
その製法を尋ねたところ
教えてもいいが
代わりにお前の美しい娘を妻によこせという
1年間父親の苦しむ姿を見続けていた娘若狭は
自ら進んでポルトガルへ嫁ぐのでした
なんか大河ドラマになりそうな展開です
さて日本の歴史に欠かすことのできない種子島
科学的にも非常に重要な意味を持ちます
ご存じJAXAのロケット発車台がある場所でもあります
種子島には世界最大の〇〇として
ギネスブックに登録されている施設があります
それは「世界最大の一枚扉」です
https://www.khi.co.jp/rd/technologies/infra/infra2.html
ロケットを組み立てた後
発射台までそのまま運搬するために
必要な扉です
高さ67mあります
私はこの施設を見に
種子島を訪れたことがあります
夕食に入った料理屋で
地元の漁師と意気投合し
ひとしきり盛り上がりました
そこでトビウオの刺身を生まれて初めて食べたのですが
その美味しかったこと
地元の漁師曰く
種子島には独特のトビウオ漁があるそうです
漁師が甲板に仁王立ちになり
そのまま船を走らせる
すると飛び跳ねているトビウオが
仁王立ちの漁師の胸板に勝手にぶつかり
足元にボタボタと溜まるのだそう
酔っ払いの話なので
どこまで本当かわかりませんが
ところでロケット発車台
どうして日本では種子島にあるのでしょう?
単に土地があるからではなく
科学的な理由があるのです
発射台は垂直に建てられているのではなく
少し東へ傾けて建てられています
それは地球の自転による遠心力を利用して
発射にかかるエネルギーを節約するためです
室伏選手のハンマー投げをイメージするとわかりやすいです
遠心力は赤道に近いほど大きくなります
なのでできるだけ南にある種子島に
発射台が設けられているのです
アメリカのNASAの発射台も
フロリダにありますしね
娘若狭の決断もあり
ネジを作る技術を手に入れた金兵衛は
やがて西欧の技術を上回る
高品質の国産鉄砲を作り出します
当時西欧では融点の低く脆い青銅でしか
鉄砲を作ることができなかったのですが
日本に古来から伝わる刀鍛冶の技術を生かし
西洋の鉄砲をはるかに技術的に上回る
鉄砲の製作に成功するのです
トランプが関税をかけてきやがっていますが
報復措置を考えるのではなく
高くても買いたくなる
高品質の製品をつくりつづけることが
日本の生きる道であり
そして使命であると
あさはかな素人考えを巡らせています
キワニスさんありがとうございます
地震から 460 日目
豪雨から 196 日目
いよいよグラウンドの整備が始まりました
今のところ4月いっぱいで
使えるようになる見込みです
グラウンドの3分の1ほどには
仮設の校舎が建つ予定で
いろいろ制限はありますが
待ちに待ったグラウンドでのプレイです
これまで色々ありました
行政には他に優先すべきことがありすぎて
自分たちで
不要になった人工芝を持ってきて
敷こうとしたけどとても重くてダメで
自分たちで石拾いから始めても
せいぜいキャッチボールができる程度の
スペースを確保するのがやっとで
日本航空高校さんのグラウンドをお借りしたり
ボールを使わなくてもできるトレーニングを工夫したり
単に自分達が野球をしたいだけじゃなくて
行き場をなくした子供たちに
遊び場を作ってあげたくて
身体を動かす機会を失った
お年寄りに動ける場所を提供したくて
一生懸命活動してきました
そんな選手達を応援してくださる方が
今日学校においでくださいました
金沢キワニスクラブ会長の石動博一様
同じく次期会長の松崎充意様です
キワニスは世界各地に広がる社会奉仕団体で
地域社会に貢献しています
子どもたちへの奉仕を目的としており
「Serving the Children of the World」
を合言葉としています
全国のキワニスクラブ様からいただいた
たくさんの支援金を持ってきてくださいました
グラウンドやネットなどの施設は
県の予算で今整えていただいているので
そのほかの設備の充実に活用させていただきます
【今日のじょーおこらいえ】
校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は「街プロ発表会」を読んで
私が選んだブログは3月13日に投稿された記事です
震災が起こる前から輪島高校には
高校生が主体となって輪島市が直面している課題の解決に向けて取り組む
「WAJI 活」という授業があるということを姉から聞いていました
入学当初は楽で楽しいイベントしよう
友達と遊びながら行うことができる活動をしよう
と正直思っていました
しかし震災後「WAJI活」が
復興をメインとした「街プロ」となり
私のこれまでの考えもがらりと変わりました
復興の話を小学生をターゲットとして広げるために
自分ひとりで「カタリバ」さんにアポを取り
イベントを開催することができました
入学当初の私からは考えもつかない行動力でした
このおかげで高校生活で大きな成長を感じることができ
自己肯定感も上がりました
もし震災がなかったら
ひとりで行動してイベントを開催するという機会も
なかったと思います
なぜ先生が高校生の私たちに
「街プロ」をしようと声をかけてくれたのか
今なら理由がわかる気がします
自分のように震災があったけど成長できたこととか
自分を少しでも好きになれたこととか
震災の「せい」でではなく震災が「あっても」という
次のステップを示してくれた先生方には
とても感謝しています
輪島高校に入学できて
「街プロ」に参加できて
本当に良かったと改めて感じました
《稲木茉那》
「みつばちプロジェクト」に取り組んでいる
以前にも紹介したまなちゃんです