2025年4月の記事一覧

運命が用意してくれた大切なレッスン

地震から 474 日目

豪雨から 210 日目

 

奥能登の入口にある穴水

元向洋中学校の跡地に建てられた

教員仮設住居での暮らしが続いています

 

生活の目処がつかず転出する教員が多く

新たに来る先生は新採の先生がほとんどです

 

そんな先生方のために新たな棟が建てられ

今では60部屋となりました

 

 

 

 

 

 

我々住むところを失った者にしてみたら

寝るところがあるだけで感謝なのですが

新たに来られる先生方にとっては

慣れない暮らしを強いられることとなっています

 

昨年度

ずっと車中泊をしていた本校の若い先生が

「教師としての誇りだけで耐えていました」

と言ったように

 

一年我慢してすぐにでも金沢への異動を希望していた先生が

「被災地で頑張っている生徒の姿を見て

 もっと自分にできることがあるはず!」

と残留を希望してくれるようになったように

 

きっとこの苦しい教員一年目の体験は

将来素晴らしい教員になるための

運命が用意してくれた

大切なレッスンになるはずです


生徒が登校してきます

登校に合わせて

合唱作曲家 弓削田健介さんがつくってくださった

「フェニックス」をBGMに流しています

 

 

 

 

 

 


【被災地に電気が灯るまで】第24回

 発電と電池の仕組みについて学び

 エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー

 

ちょっと本題からそれて

「火」の正体について考えています

第23回では

「火」の正体はフロギストンであるという

シュタールの説を紹介し

そこには明らかな矛盾があることを説明しました

 

フロギストン説に変わる理論を打ち立てたのが

ラボアジエです

化学の教科書に載っているので

ヒゲを描いたりちょんまげにしたり

いたずら描きした人も多いかと思います

 

 

 

 

 

 https://clickmica.fundaciondescubre.es/conoce/nombres-propios/antoine-lavoisier/

 

彼はルイ15世の元

徴税請負人の仕事をしながら

週に1回大好きな化学の実験をしていました

もれなく税金を取り立てるには

パリから人の出入りをなくせばいいと

日頃考えていた彼は

その考えを化学にも応用します

すなわち

外部との出入りがなければ

全体の重さが変わることはないという

「質量保存の法則」を確立するのです

 

物が燃えたときに重さが増えるのは

空気中のある物質がくっつくからであるとし

その物質が酸素であると考えました

 

その後酸素と呼吸の関係にまで

実験を深めていった彼ではありますが

やがて仕事柄パリ民衆の怒りの的となり

マリーアントワネットとともに

ギロチンにかけられるのでした

 

処刑が決まっても最期まで科学者でした

「ギロチンでクビを落とされても

 できる限り瞬きをするから

 その様子を記録にとどめるように」

と弟子達に言い残し

実際に瞬きし続けたとの伝説が残っています

 

彼の

「燃焼は酸素との結合である」

という説は現在でもある程度正しいのですが

実はこのあと

彼の説を覆すような事実が見つかるのです

 

続きはまた明日


【今日のじょーおこらいえ】

校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を

紹介するコーナー

 

今回は3月11 日「やるっきゃない」を読んで

 

「私にとって15年の間3月11日は

 東日本大震災があった日でしかありませんでした

 その当時私は2歳でした 

 なのでお母さんからは

 『あなたが2歳だったとき急にでかい地震が来て

 公民館に段ボールで生活していたんだよ

 ほんとに怖かったの

 ももはまだ小さいから泣いたりして大変だったの

 あんな思いははもうしたくない』

 と言われたけどあまりピンと来てはいませんでした

 2024年1月1日に震度7の能登半島地震が来て

 私は地震の怖さを実感しました

 2027年3月11日黙祷の時

 これまで以上に犠牲者のことを思いながら

 ご冥福をお祈りしました

 こんなことがもうないように

 今は祈ることしかできません

 東日本大震災から14年経っても

 30,000人近くの人が避難生活をしていると知り

 私も今後何か力になれるように

 自分自身を力をつけれるようがんばります

 日本全体の問題も

 『誰かが考えればいいでしょ』

 としか思っていませんでしたが

 自分も日本に住んでいるから

 みんなで考えていこうという気持ちになりました」

           《白崎萌々子》

能登半島はアルファベットの "F" の文字

地震から 473 日目

豪雨から 209 日目

 

ポルトガル研修旅行のための

パスポート取得に

パスポートセンターを訪れました

松任谷由美さんからのメッセージボードが

飾られていました

 

 

 

 

 

 

 能登半島はアルファベットの"F"の文字

    Forever,Friends,Furusato

  目に見える姿形はたとえ失われたとしても、

  心に刻まれたふるさとや大切な人を、

   何ものも奪うことはできない。

 

     今はどんなに苦しくても、

あなたを育てたその場所は、やさしく美しい風土

      であるのを忘れないで。

 

                  私も決して忘れないから。

 

                             松任谷由美


3年生の卒業アルバム用の写真を撮影しました

 

 

 

 

 

 

バックの桜は散り始め

葉桜となりはじめています

 

「ソメイヨシノ」は花が散ってから

葉が茂ってきますが

花の盛りがやや遅い山桜は

葉の方が先に茂ってきます

「山桜 花より葉がさき出でにけり」

 

鼻よりも歯がさきに出ている馬の肉を

「桜肉」と呼ぶのは

このことに由来しているそうです


今年迎えた5人の新採の先生方

毎週木曜日は初任者研修の日です

会場である金沢までの道が危険であるため

オンラインで受講できるよう

県教委に配慮していただいています

 

 

 

 

 

 

フレッシュな今年の職場の平均年齢は34歳

昨年の37歳に比べ3歳も若返りました

 

以下新採の先生方の今日の感想です

 

加藤 幹陽 先生(英語)

We learned a lot about this job.

I'd like to improve my teaching skills

through this seminor.

 

濵田 雅大 先生(国語)

カメラが追いつけない教師になります

 

岡田 成満 先生(理科)

相手の反応をしっかり見た上で

対話するように授業を行い

授業に対する生徒の興味のベクトルが

正であり続けるようにしたいです

 

竹田 悠月 先生(地歴)

話すより伝える

伝えるより態度で示す

態度で示すより生徒の心に火をつける

教師を目指します

 

櫻庭 雅明 先生(英語)

教師は児童・生徒に「安全・安心」と「夢」

を与えることのできる職業だと学びました

「夢」を与えるとはもはやサンタの領域

研修を通じて

「夢」や「知識」というプレゼントを

与えられる教師を目指します


【被災地に電気が灯るまで】第23回

 発電と電池の仕組みについて学び

 エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー

 

第22回では「フロギストン」が登場しました

これはドイツの医師シュタールの理論です

「フロギストン」は「燃素」と訳されていますが

「原神」というゲームのアイテム名として

ゲーム好きの人は聞いたことあるかもしれませんね

 

当時シュタールは「燃える土」の中には

燃焼をつかさどる元素としてフロギストンが含まれ

それが勢いよく出て行く時に

炎となって見えるのだとしました

 

ところがマグネシウムのように

燃えた後重くなる物質もあるのです

 

これに対して

「フロギストンは負の質量を持つのだ」

と苦し紛れに言うもんだから

「適当なこと言うな!」とばかりに

一気に炎上するのでした

 

このことをを踏まえて

「燃焼」の定義として

新しいものができるのですが

それについてはまた明日


【今日のじょーおこらいえ】

校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を

紹介するコーナー

 

今回は2月23日「屋根の上に軽四7台」を読んで

 

雪の重みで家屋が倒壊してしまうこともあることから

実際に実験をするのがおもしろいと思いました

計算方法を見てみると結構難しくて

あまりわからなかったけれど

今年降った積雪量が

屋根の上に軽四自動車7台分

7トンの重みがかかっていることを知りました

そしてまだ解体していない家が

7トンの重さに耐えたのかと思い驚きました

今年は雪での転落事故や窒息などで

亡くなってしまう方が多かったように感じます

私は雪が降って嬉しいとが楽しいと思うけど

結構危険なんだと改めて実感しました

私も以前県外の方から

「屋根が真っ黒で驚いた」

と言われました

そこで初めて伝統的なものだったと知りました

伝統の真っ黒で重たい瓦を使うのか

雪や自然災害から身をを守るために

軽い瓦を使うのか

私だったら真っ黒で軽め瓦を使うかなと思いました

           《匿名希望》

夢を託して

地震から 472 日目

豪雨から 208 日目

 

生徒会役員の新旧引き継ぎの会が行われました

 

昨年の生徒会の役員たちは

本当によく頑張ってくれました

様々な制限ある中

自分たちで工夫を凝らしてやり遂げました

 

学校の施設も

市内の施設全てが使えない中

かほく市の体育館での

球技大会を企画・開催しました

 

グラウンドが使えない中

日本航空高校石川さんにお願いして

グランドを借り体育祭を開催しました

日本航空高校の生徒さんにも参加していただき

交流を深めることができました

 

水道が復旧していなくて

学校での調理ができない中

文化祭にキッチンカーを招いて

ご馳走を振る舞ってもらいました

 

「震災があったせいでできない」

ではなく

「震災があっても工夫を凝らす」

このことを身をもって示してくれた

生徒会の皆さんでした

 

 

 

 

 

 

そんな旧生徒会の役員の夢と思いを

新役員に託しました

 

「誰かがやらなければいけないけど

 できれば誰もやりたくないこと

 でも誰かがやらなければ

 誰もが困ること」

そんな仕事に自ら身を置いてくれた

生徒会に立候補してくれたみんなには

本当に頭の下がる思いです 


【被災地に電気が灯るまで】第22回

 発電と電池の仕組みについて学び

 エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー

 

第21回から「火」について考えています

ギリシャ時代に考えられていた

この世のものを形作る4元素

「土 」「水 」「火 」「風」

このうち「風」

今で言うところの気体には

さまざまなものがあることが知られてきました

 

ブラックは

当時薬や漂白剤さらには壁材として使われていた

石灰石の性質を調べました

石灰石を焼くと泡が出て重さが40%も減ります

石灰石に酸をかけても同じことがおきます

ところが石灰石を焼いたあとの物質に

酸をかけても発泡しません

ブラックはこれを

石灰石の中に固定されていた「風」が

加熱や酸によって放出されるからと考えました

この「風」は木炭の燃焼や発酵から得られる「風」と同じであり

石灰水を白濁する性質があることも見つけました

今でいうところの二酸化炭素ですね

 

この

燃やすとなにかが出て行って

元の物質は軽くなる

この発見がフロギストンという考えに繋がります

 

フロギストンって何でしょう?

 

続きは明日


【今日のじょーおこらいえ】

校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を

紹介するコーナー

 

今回は1月28日「ヒトデと星の不思議な関係」を読んで

 

「日本人の協調性や責任感について考えました

 これらが身に付くからくりは

 私たちが知らずに受けている

 日本の教育に組み込まれた

 特別活動(TOKKATSU)にあります

 特別活動とは

 学校行事や委員会活動など

 協調性や課題解決力を育むことを目的にしたものです

 しかし特活による学びを得ていない人がいるのは

 確かであると感じます

 特活によって得られる力は近年

 より重要視されています

 総合的な探究など様々な視点から学ぶことで

 社会はより良い方向へ動き出すと考えました」

               《邑田達紀》

 

ウクライナに隣接するモルドバ共和国では

「BUNKASAI」という学校行事が

大きな教育的効果をもたらしているそうです

言わずと知れた日本の「文化祭」です

このように日本の優れた教育実践は

世界に広がりつつあります

今晩18:15 「ふむふむ」見てね

地震から 471 日目

豪雨から 207 日目

 

2年生の授業風景です

ビジネスコースは情報処理の授業です

Exell の関数について学んでいました

 

 

 

 

 

 

 

普通コースの古典探究は

2クラスを3つの習熟度に分けて

個々に応じた内容を学んでいます

 

 

 

 

 

 

山本先生は寺子屋スタイル

あるいは禅問答スタイルです

生徒との対話を重視した

まさに職人芸です

 

 

 

 

 

 

 

一方こちらは新採の濱田先生

ICT機器を活用して

生徒の興味関心を引き出しながら

丁寧に説明しています

 

 

 

 

 

 

 

そしてこちらが高森先生の少人数精鋭クラス

学校の中でも生徒からの授業評価が

トップクラスの先生です

 

それぞれの先生がそれぞれのスタイルで

多様な学びを展開させています


昨日

「奥能登における高校魅力化構想説明会」

が行われました

この会には

県教委と

奥能登5高校の校長及び担当教員が集まり

魅力的な高校づくりに向けて話し合いが持たれました

 

奥能登5高校の統廃合はしない方針であるとの

知事による表明が先日ありましたが

今後は5校のネットワークを構築し

(1)各校の持つそれぞれの魅力をさらに充実させること

(2)生徒個々のニーズに応えうる学力向上

(3)外部機関との交流活動を充実させること

に対して協力していくことが求められます

 

今被災地で顕在化している教育の諸問題は

全国各地で現実に潜在していること

今その課題に否応なしに

立ち向かわなければならない我々には

今後の日本における教育に対して

ある程度の指針を示す責任があります


【被災地に電気が灯るまで】第21回

 発電と電池の仕組みについて学び

 エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー

 

第20回までに

電池のしくみについて

ごくごく基本的なしくみを説明しました

 

そして今日から

すこし本題からはずれるように見えますが

「火」について考えてみたいと思います

 

ギリシア哲学では

土・水・火・風を

万物を構成する4元素と捉えていました

やがて果実の発酵の際に生じる「風」や

鉱山で発生しろうそくの炎を消す「風」など

普通とは若干性質の違った「風」の存在も

知られるようになりました

ヘルモントはこれらの存在を

ギリシア語の「混沌(カオス)」にちなんで

「ガス」と名付けました

 

そしてこの「風」と「火」の関係について

さまざまな実験と考察が繰り広げられることとなります

つづきは明日


【今日のじょーおこらいえ】

校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を

紹介するコーナー

 

今回は8月31日「人間がAIに負けないこと」を読んで

 

「最近ではニュースやSNSだけでなく

 教科書にもどんどん出てくるようになったAI

 いつかは仕事を奪うだけでなく

 脳にマイクロチップを埋め込む可能性もあることに

 驚いています

 校長先生のブログに

 AIは想定外のことや未経験のことについては

 今のところ案外脆いと書いてあり

 人間がAIに勝てるものは感情ぐらいしかないのか

 人間が作るものに人間が支配されてしまうのか

 と考えていた自分は少し安心しました

 しかしいつかは未経験のことにも

 強くなりそうなので

 自分はAIに絶対に負けたくない

 と言う気持ちを持って

 もっといろいろなことに挑戦をしたり

 新しいことをしたいです

 しかしAIを少しも使わないとなると

 作業効果などが下がってしまうので

 AIと人間が共存して

 今までよりもより良い生活を

 していきたいと思いました」

          《匿名希望》


先日行われた

大阪万博オープニング関連セレモニー

「銀河のMATSURI」

本校生徒の活躍の模様が

今晩18:15 からのHAB北陸朝日放送

「ふむふむ」の第2部で放送されます

是非ご覧ください

カルシファーの謎に迫れ

地震から 470 日目

豪雨から 206 日目

 

8日の入学式以来初めて学校での勤務

さっそく授業の様子を見て廻りました

今日は1年生の授業の様子を報告します

 

まずはビジネスコースです

16名の生徒が入学しました

こじんまりとしたクラスですが

英語の授業では

ALTのマイケル先生

新採の加藤先生といっしょに

英語で自己紹介をしていました

 

 

 

 

 

 

 

普通コースの数学は

2クラスを3展開した

習熟度別クラスです

 

 

 

 

 

 

こちらも少人数のクラスで

それぞれの理解度に応じた

きめ細かな指導が行われています

 

 

 

 

 

 

地震で使えない教室が多く

3つめのクラスは

調理室での授業です

ちょっと変わった光景です

 

 

 

 

 

 

それでも目を輝かせて

高校の授業に臨んでいました


先日被災地を訪れてくださった

石川地区町内会長会の松田 博光 会長様より

報告書を送っていただきました

被災地の情報を伝えていただいて

ありがとうございます

1214_輪島市震災洪水被災地の視察研修.pdf 


【被災地に電気が灯るまで】第20回

 発電と電池の仕組みについて学び

 エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー

 

第19回では

金属には陽イオンになりやすい

わかりやすく言えば錆びやすい順番があり

それを「イオン化傾向」という

ということを学びました

 

「イオン化傾向」の小さい金属たとえば

金・銀・銅・プラチナなどは

錆びにくいので価値が高い

すなわち貴金属と呼ばれるわけです

 

またこれまでに学んだことを

簡単にまとめると

食塩水や酸のように電気を通しやすい液体に

「イオン化傾向」の違う金属を浸けて

導線をつなぐと電気が流れるということです

 

どうです?

電池の仕組みは単純でしょ

なんだか作れそうな気がしてきますね

 

明日から少し横道にそれて別の話をします

「火」の正体です

よく考えてみると

「火」って不思議じゃないですか?

あれ何?

気体?液体?

絶対個体じゃないですよね

 

さあ君は誰?

カルシファーに訊いてみましょう

 

 

 

 

 

 

https://www.ghibli.jp/works/howl/#&gid=1&pid=12


【今日のじょーおこらいえ】

校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を

紹介するコーナー

 

今回は3月10日「それでも正解がある問い」を読んで

 

「まずタイトルに惹かれました

 問いに答えがある事は当たり前であるのに

 なぜ「それでも」がついているのか

 この記事はすごく現代的な問題であり

 情報を扱う上で

 大切にしていかなければならないことであると思いました

 「ごんぎつね」の感想にまつわる25年前の思い出

 と言う投稿に触れられており

 小学生であった投稿者が

 「殺さなければもっと栗や松茸を食べれたのに」

 と述べたことに先生が

 「がっかりです もっとしっかり読みなさい」

 とコメントしたことに対し

 SNSで炎上してしまったそうです

 一見すると先生が悪いように思えますが

 そこへ至るにはちゃんと背景があった

 と書かれていました

 現代でも充分起こり得ることであり

 情報を鵜呑みにせず

 正しく判断することが大切だと思いました」

             《谷内結人》