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2021年9月の記事一覧

【園芸系列】小学校で「お蚕さんの引き渡し会」

9月30日(木)園芸系列2年生の生徒2名と大丸先生がお蚕さん70頭を連れて萩野台小学校を訪れ、「お蚕さんの引き渡し会」の授業を行いました。

授業に参加してくれたのは、萩野台小学校1~3年生の児童のみなさんです。

萩野台小学校との交流は今年で2年目で、1年生以外のみなさんは2回目の養蚕体験になります。

 

先生と生徒の自己紹介をしたあと、<蚕のことや蚕の育て方を知ろう>をめあてとして、授業スタート!

まずは蚕のクイズにチャレンジ!

友達と相談しながら答えを考えます。

2年目なので、余裕で全問正解した蚕博士もいたようです。

蚕のことを学んだあと、桑の葉を与えてみました。

「お~、食べてる~。」

児童のみなさんからの質問コーナーでは、「1日にどれくらいの葉を食べるか?」や「どれくらい大きくなるか?」など飼育に関する質問の他に、「(成虫は)飛べないのに、どうして羽があるの?」と高校生も答えに困るような難しい質問も飛び出し、高校生も勉強になりました。

振り返りでは、「蚕のことを知れてよかったです。」などの感想や、「がんばって育てたいです。」という意欲的な言葉を聞くことができました。

まゆ玉になるまで1か月ほど、蚕の成長を楽しみつつ育ててくださいね!

 

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【園芸系列2年生】晩秋蚕(飼育9日目:2令蚕)「揃える」

 9月21日(火)、飼育9日目です。

 昨日、眠蚕が出現し、たっぷりと桑の葉を与えましたので、本日はほぼ全てのお蚕さんが眠に入り、そして、徐々に起きてきました。ただ、まだ全てのお蚕さんが起きていないので、3令蚕のスタートは明日まで持ち越しです。本日は、昨年度の経験者である、現在の園芸系列3年生がお手伝いをしてくれました(石灰作業)

 では、なぜ全てのお蚕さんを待つ必要があるかといいますと、起蚕を揃えるためです。起蚕を揃えずに、早く起きたお蚕さんにドンドン桑の葉を先行して与えていくと、早く起きたお蚕さんは先に先にと成長し、後から起きたお蚕さんは先に起きたお蚕さんに桑の葉を食べられる(競争しても先に起きたお蚕さんの方が体も大きくなっており横取りされる)ので、差は開く一方になります。そうすると、最終的な糸を吐くタイミングがズレてしまい、お蚕さんが繭を作る場所(蔟:まぶし)に移動するタイミングがバラバラになります。そうなると、結果として良い繭ができなくなり、一か月に及ぶ養蚕活動が水の泡になりかねませんので、良い繭を作るには、起蚕を揃えるということが肝心なのです。

※竹串で指しているところに、まだ眠蚕がいます。画質が悪くて見にくいかもしれません。アシカラズ・・・

 

 

 

 

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【園芸系列2年生】晩秋蚕(飼育8日目:2令蚕)「2令眠蚕」

 9月20日(月)、飼育8日目です。※更新が遅くなりまして申し訳ありません。

 早くも、2令の眠蚕が出現いたしました。実は、2令はお蚕さんの一生の中でも一番期間が短く、たいていは3日程度で眠に入るといわれています。そこで、眠に入ったお蚕さんが起きてしまう前に、ほかのお蚕さんたちを眠に入れなければいけません。この辺りは時間との勝負です。絶えず、桑が不足することのないように、無くなりそうになったら追加し・・・を繰り返し、何とか今日中に眠に入ってもらうようにしたいと思います。お蚕さんも、人間の子供と似ているところがあり、お腹が一杯にならないと寝ないんですね~(笑)

※写真の青丸が眠蚕です。ほかの写真でも眠蚕がいるか探してみてください。

 

 

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【園芸系列2年生】晩秋蚕(飼育7日目:2令蚕)「切り桑」

 9月19日(日)、飼育7日目です。※更新が遅くなりまして申し訳ありません。

 さて、昨日から2令蚕の飼育がスタートしましたが、本日はお蚕さんの食糧でもある「桑」についてお話しようと思います。

 『蚕』と『桑』はセットと言っても過言ではないくらいの関係性にあります。ただ、詳しく話しているとドンドン脱線しそうなので、詳しい話はまた機会があればすることにして、今日はどんな桑をお蚕さんに食べさせているのかを説明いたします。

 生まれたてのお蚕さんは体長が2~3mm程度でとても小さく、噛む力も大きくありません。なので、与える桑の葉は先端付近に生えている柔らかい葉が適しています。しかし、そのまま与えても、噛みつく場所(面積)が少なくて、中々全てのお蚕さんが桑にありつけなくなってしまいますので、お蚕さんの体長程の幅に切りそろえた「切り桑」を与えます。こうすることで、噛みつく場所(面積)が増えて均一に桑が行きわたるようにしているそうです。

 本校の養蚕では、2令まで「切り桑」を与えるようにしています。3令以降は、ある程度の大きさにちぎって与えるか、そのまま与えるようにしています。

 

 写真は本日のお蚕さんのお世話をしている生徒たちの様子です。お蚕さんも着実に、日々成長しております。「何だか塩昆布みたい」という言葉も聞きました。笑

 

 

 

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【園芸系列2年生】晩秋蚕(飼育6日目:2令蚕)「引っ越し」

 9月18日(土)、飼育6日目です。※更新が遅くなりまして申し訳ありません。

 朝、確認したところほぼ全てのお蚕さんが2令になっておりましたので、本日より2令スタートです。

 まず、新しい蚕座(お蚕さんを飼育する場所)の準備です。2令になると体も大きくなりますので、もっと広い場所を準備してあげなければなりません。まずは、適当な大きさの容器に、紙を貼り、消毒します。次に、引っ越しに使う網を消毒します。引っ越しには、蚕の性質を利用します。お蚕さんは、基本的に上へ上へと登っていく性質があります。また、約1日ほど絶食していたお蚕さん達は、お腹もペコペコです。なので、この上に登るという性質と、お腹が空いているという状況を上手に活用して、引っ越しをさせます。

<引っ越し手順>

①網を2令起蚕の上に敷きます

②網の上に切り桑を置きます

③しばらく待ちます(お蚕さんが上に登ってきて、桑を食べるまで)

④頃合いを見計らって、新しい蚕座に網ごと持ち上げて移動させます

⑤網の下に残っていたお蚕さんを見つけて新しい蚕座に移動させます

 

以上のような流れで、新しい蚕座での2令がスタートしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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【園芸系列2年生】晩秋蚕(飼育5日目:1令蚕)「2令起蚕」

 9月17日(金)、飼育5日目です。

 昨日の眠蚕が、眠りから覚め、脱皮をして2令になりました。眠からさめたお蚕さんのことを「起蚕(きさん)」といいます。つまり、本日のサブタイトルにあります2令起蚕というのは、眠から覚めて脱皮して2令になったお蚕さんという意味です。

 さて、起蚕が発見されたときに行う大切な作業は、石灰です。石灰には桑の葉を乾燥させるという働きと、お蚕さんの体を消毒する働きがあります。桑の葉をそのまま放置しておくと、先に眠から覚めた起蚕が桑の葉を食べてしまうので、乾燥させて食べれないように石灰を撒きます。

 本日の5・6限目に、説明と作業を行いました。写真はその時の様子です!!ちょっとかけすぎだったので、後ほど除去しました。

 

※写真の赤丸で囲ったお蚕さんは眠蚕です。頭の上に△マークが見えると思います。

※青丸で囲ったお蚕さんが2令起蚕です。頭の下にぶら下がっている黒い粒は、1令時の頭部の殻です。ちなみに、左側に抜け殻が見えます。

※紫丸は脱皮直後のお蚕さんです。まだ頭が黒色になっておらず、白色をしています。

 

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【園芸系列2年生】晩秋蚕(飼育4日目:1令蚕)「眠蚕出現」

 9月16日(木)、飼育4日目です。

 本日、眠蚕(みんさん)が出現いたしました。眠蚕というのは、眠に入った蚕という意味です。では、眠(みん)とは何なのか?と申しますと、お蚕さんが脱皮前に全く動かなくなる状態のことを言います。約半日~1日の間、全く動かなくなり、まるで寝ているように見えることから「眠」と言われているそうです。。。

 ちなみに、この「眠」中は、写真のようにお蚕さんの頭の上に茶色い△の模様が浮かび上がります。この△模様は、眠に入ったかどうかを一番わかりやすく判断する材料となっています。

※写真4枚目に注目してみてください。

 しかしながら、まだまだ眠に入っていないお蚕さんが大多数なので、本日はいつもより気持ち少な目で、切り桑を与えました。

  また、今回の養蚕では、本校の先生方も参加して下さっており、現在は職員室と保健室でも個別飼育されております。最後の写真は、職員室のI先生のお蚕さん!!

 

 

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【園芸系列2年生】晩秋蚕(飼育3日目:1令蚕)「品種について」

 9月15日(水)、飼育3日目です。

 今回の日誌より、タイトルの「 」中に、サブタイトル(本日一番伝えたいこと)を書いていきたいと思います。

 さて、今年度飼育をしております品種は「太平×長安」という品種と。「秋光×竜白」という2つの品種です。どちらも、昭和を代表する名品種です。簡単にではありますが、以下にそれぞれの特徴を説明させていただきます。もっと詳しく調べたい方は、「太平×長安」や「秋光×竜白」と検索してみてください。また、以下の<参考>も拝見していただければ、より深く分かると思います。

 

「太平×長安」

 この品種は、太平洋戦争前に片倉工業株式会社がパラシュート製作という特殊用途を目的に開発した蚕の品種です。パラシュート用に育成されただけに、その糸は強く、細く、長く、また、解じょや小節点が優れているという特徴がありました。これに加えて、当時の品種としては収穫量(収繭量)も多かったことから、戦後の昭和 21 年の 6 月には高級生糸用品種として国から指定されました。

 

「秋光×竜白」

 「太平長安」と同じく片倉工業株式会社が戦後に、国内の団塊世代の晴着需要を満たすために、量産型品種として昭和39年に開発した品種です。「太平長安」が中細繊度系なのに対して、「秋光竜白」は中太繊度系であり、やや太い糸で比較的大型の繭をつくり、内部汚染繭も少ないのが特徴です。

 

<参考>

・シルクレポートNo.63 2019.10月号

・昭和の蚕品種の復活と洋装服地への実用化(飯田のり子、平川嘉一、常山 泉、田中幸夫)

  

 ちなみに、本日のお蚕さんの作業は、朝・昼・夕の給桑作業に加えて、昨日同様に拡座作業も致しました。

 

 

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