校長室より「おこらいえ」

プレゼンの極意

地震から 712 日目

 

昨日

アナウンサーの 原田 幸子 さまをお招きして

話し方講座の3回目〜発展編〜を実施しました

これまでのおさらいをプリントにして

配っていただきました

 

原田師匠は

昨年『紅白歌合戦』の輪島高校中継で

進行役を務めたNHK金沢放送局の高畠菜那アナ

私から見たら

有吉弘行さん

橋本環奈さん

伊藤沙莉さんと並ぶ名司会者

彼女の師匠に当たる方ですので

それはそれは相当なものです

 

師匠直伝のおさらいプリント

ぜひ紹介させていただきたいと

お願いしたところ

惜しみもなくご了承くださいましたので

ここにご紹介させていただきます

  *  *  *

そもそも『プレゼン」とは何でしょう?

『プレゼン』の語源は『プレゼント』

心を込めた、相手への「贈り物」です

「伝えたいこと」つまり「想い」を贈るのです

 

ではどうやったら伝わるのでしょう?

それは『声の道」を意識することです

大きな声で

ゆっくりと

聴衆に目を配りながら

「伝えたい」と思いながら話すのです

 

「伝わるプレゼン」には

いくつかのポイントがあります

① 導入の大切さ 

 声と内容を意識して「第一声で心を掴む」

 ことが大切です

② 着地点を意識することの大切さ

 「終わりよければすべてよし」  

③ 構成の適切さ 

 「山はどこか」

  最も言いたかったことに

  時間が割かれていますか

④ 身近なエピソード

 「誰でも言えることではない

  “あなたらしさ”」

⑤ 思いをのせる話し方 

 「声に表情をのせる」

⑥「間」が大切

  伝えたいワードの前に

  大切な話の後に

⑦ 緩急を使う 

  初めて出てくる言葉

  核となる言葉

  強調したい部分は

  ゆっくりと

 

「自分が聞きたいプレゼンを目指しましょう!」

 自分のプレゼンを撮影し

 原稿を見ずに客観的に聴いて見てみましょう

 その声から

 表情から 

 姿勢から

 「伝えたい気持ち」は伝わりますか?

 

常に

「初めて聞く人にわかってもらう」

ことを意識しましょう

 

プレゼンを魅力的にするには

「取材の仕方」も大切です

事前に準備していった質問に

囚われすぎないこと

相手と「会話する」

話を “広げる” “深める”

相手に “興味を持つ”

予定調和でない流れから

思いがけない話を

聞くことができます

  *  *  *

さすがプロのアナウンサー

一つひとつが

なるほどな!

というポイントばかりです

 

 


文部科学省へ出かけ

自分たちの活動を報告してくるとともに

被災地の探究活動に対し

格段のご配慮を賜りますよう

お願いをして来ました

 

 

 

 

 

 

夕べ1時近くまでかかって

ホテルのロビーで準備した甲斐あって

素晴らしい発表ができました

 

 

 

 

 

 

 生徒の感想です 

 

宮腰花歩(1年生)

【一日目】OECDのお話を聞いて

 日本の教育、国際関係、災害が起こった際などの様々な観点からの議論を聞いていてとても興味深かったです。例えば日本の教育について群馬県教育委員会の今井さんが話されていた非認知能力の育成についてですが、ただ単に勉強ができるというだけなく、主体性、創造力、コミュニケーション能力などの国際化していく社会において不可欠となっていると思っています。そのような中で私自身も学校という少し閉鎖的な空間だけではなく、今回行った東京や今度行くフランスなどの様々な地域や人との交流を通じて経験をたくさん積んでいきたい、と思いました。また、輪島のような過疎化が進んでいる地域でどうしたら都会との格差を埋めることができるかなどの課題も知ることができました。

【二日目】文科省へ行って

 今日のスライド発表で自分の改善点が浮き彫りになったな、と思いました。もっと自分のスライドの原稿を突き詰めていけばよかったな、と少々後悔していることもありますが、これをバネにして今後の探究におけるスライド発表などに活かしていきたいと思います。

 この2日間を通して、おそらくなかなかできない体験をさせていただいて、自分の中でとてもいい経験になったと思いますし、今の自分に足りないものを知ることができたと思います。ここで学んだことなどを、今度はフランスに行ったときに活かせることができればな、と思いました。

 

出る杭はつながる!

地震から 711 日目

 

今日のキーワードは『つながる』

 

被災地の子どもたちの想いを綴って

作曲家 弓削田 健介 さんがつくってくださった

合唱曲『フェニックス』

今も多くの絆を繋いでくださっています

 

佐賀での全日本音楽研究大会でお会いした

北海道の奥尻中学校の塩原祐馬先生より

仮校舎完成お祝いのメールをいただきました

「フェニックス」の音楽の力を

今度授業でお話されるそうです

素敵な授業になりますように

 

全国の教育現場を合唱でつなぐ

『フェニックス』つながるプロジェクト

に参加された

福岡市で『ユカリクラシックバレエ』

を主催されている

光永 ゆかり さまから

お手紙をいただきました

14日から16日に能登半島にお越しになり

仮設住宅でバレエを披露してくださいます

 


さて今日は

日本OECD共同研究

『2040年の日本の教育を

 ホンキで考えるシンポジウム』

に参加するために東京に来ました

ポルトガルより

パウロ教育局課長が来日されたので

お逢いしてきました

生徒たちも

今春のポルトガル研修について発表しました

国際比較で見た

日本の教育の課題と可能性について

課題先進国の日本

そしてその課題が

さらに浮き彫りになった被災地で

未来の教育の先取り実装に

試行錯誤したがら取り組んでいる

現場の実例を紹介してきました

 

東京駅から会場まで歩いて移動しました

完全におのぼりさん気分です

 

 

 

 

 

 

東京駅何年ぶりでしょう

江戸時代に徳川家康に仕えた

オランダ人通訳「ヤン・ヨーステン」

彼が住まいをした場所は

彼の日本名「耶楊子(やようす)」がなまって

「八重洲(やえす)」となりました

東京駅八重洲口の反対側の丸の内口が

皇居へ向かう出口です

 

 

 

 

 

 

 

桜田門をくぐります

 

 

 

 

 

 

大老井伊直弼が殺害されたところですね

 

こちらは百人番所

 

 

 

 

 

 

江戸城の警備をするところで

各藩が担当していたそうです

現在でいうと

皇居の警備に各県警が当たっている

って感じですね 

 

松の廊下跡です

 

 

 

 

 

 

松と千鳥が描かれた襖の長い量敗きの廊下で

赤穂演士討ち入りにつながったことで知られる

浅野内匠頭の吉良上野介への事件があった場所です

「殿中でござる!」

 

 石室です

 

 

 

 

 

 

火災などがあった時

大奥の調度などを避難させた場所です

防災意識高いですね 

 

そんなこんなでたどり着いた会場

今日のセッションでは

人口減少・自然災害・国際化経済・デジタル社会

という4つの切り口から

「2040年の日本にホンキで備える」

そのための具体的な一歩を考えます

 

パネルディスカッションに参加して

こんな感じでしゃべくりました

 

【セッション1】

問い:2040年よりも前に

   もしも南海トラフがおきたら

   なにができますか?

「昨年元日の地震で家も車も何もかも失って

 それ以来退屈しない毎日を過ごしております

 本来退職となる年でしたが

 留年してもう一年校長を務めております

 昨年1月の残業時間は300時間を超えるという

 教員のWell-beingという今日のアジェンダとは

 程遠い生活を送ってきましたが

 その代わり通常では経験できない

 多くの幸せにも出会うことができました

 学校が避難所と教育機関として運営していく中

 さまざまな課題に直面し

 その度多くの方々に助けられてきました

 中でも

 DMATとの出会いは衝撃的なものでした

 Disaster Medical Assistant Team

 日本中の医療関係者が

 被災地での医療を止めない

 そんな枠組みをつくっています

 教育でも同じような

 国を挙げての支援の枠組みが必要である

 DMATの教育版が必要であると文科省に提言し

 D-est(Disaster Education Support Team)の

 設立につながりました

 南海トラフが起こったら

 その一員として

 もちろん恩送りに駆けつけます」

 

【セッション2】

問い:もしものために

   あなた自身ができること

   していきたいことは何ですか?

「自然災害は時を10年進めるといわれます

 これは10年未来の世界に行ける

 という夢のある話ではなくて

 10 年後に起こるであろう諸課題が

 前倒しして一気に襲ってくる

 という意味です

 現在能登半島はまさにその状況です

 これから10年後

 必ず日本の各地

 さらには世界の各国に起こるであろう

 様々な課題

 少子高齢化であったり教育格差であったり

 そういったものが

 容赦なく襲いかかって来ている訳です

 特に教員不足の問題は深刻で

 今年度30人中5人が大学を卒業したての新規採用者です

 これまで在籍していた教員が

 生活拠点を失って転勤してしまうからです

 教員の絶対数が圧倒的に不足している訳です

 ただ被災地での最初の教員経験は

 今後の生涯の教員人生において貴重なものとなるはずです

 被災地で何もかも失った子供達が

 それでも前を向いている姿を目にし

 何も感じないのであれば

 残念ながら教員としての資格はありません

 今日もそんな震災地の学校に赴任してしまった新規採用教員

 まさに震災の新採 

 一緒に来てもらっています

 彼にとっても今日この場に同席すること

 これ自体が大きな財産になるはずです

 そんな中で多くの課題に対して

 これ以上失うものが何もない被災地であるからこそ

 思い切った教育活動を展開できています

 『教育とは

 魚に泳ぎ方を教えることではなく

 自由に泳げる環境を与えることである 』

 を体現していきたいです」

 

今日はいわゆる『出る杭』たちの集まりでした

「出る杭は打たれる」それは昭和の田舎の話

出た杭どうしでどんどんつながっていきましょう!

仮校舎2日目

地震から 710 日目

 

昨日の仮校舎初日の様子を

多くのマスコミの方が

取材に来てくださいました

ある地元誌では

私が言ってもいないことを

コメントとして掲載してありました

「環境が変わってもしっかり勉強してほしい」

と言ったのが

「十分な施設ではないけれど…」

とあたかも現状に不満があるかのような

書きぶりでした

『伝える』のって難しいです

切り取られ方によって

全く意図しないものになってしまうので

今後はマスコミへの発言を控えようと思います

 


『ごちゃまる出張ラボ』さんが

来てくださいました 

 

 

 

 

 

 

新しい仮説校舎での

ふれあいのひとときです

 

 

 

 

 

 

スノーマンのキーホルダー作りなどで

楽しみました

 

日本の雪だるまは2段重ねですが

西洋のスノーマンは3段重ねです

なぜなのかチャッピーさんに訊いてみたら

(チャッピーさんはチャットgptのことです

 岡本先生がそう呼んでいました)

Snow Manが6人から9人に増えた

理由を説明してくれました

ほんとうに『伝える』のって難しいです

高校化学の発展的な内容に

「ラウールの法則」ってありますが

女の子が目をキラキラさせて

聴いていたのを思い出しました

(芸能界に疎い私のような方のために

 Snow Man はアイドルグループで

 ラウールくんはそのメンバーです

 合ってますか?)

 

各国の雪だるま事情を調べてみました

英語圏では「スノーマン=雪男」と呼ばれますが

イタリア・オランダでは「雪人形」

「雪男」と言うと

日本では雪男=UMA(未確認生物)

のイメージになってしまいます

『だるま』はもともとインドのお坊さん

さすがにインドに雪は降らないだろうから

中国ではどうかなと調べたら「雪人」

円錐形の胴体に丸い顔が載っています

韓国のは日本のに似ていますね

『冬のソナタ』にも出ていました

『ヌン(雪)サラム(人)』

というそうです

 


今日はクリスマスに計画している

朝市焼け跡のイルミネーション

の準備もしました

 

 

 

 

 

 

千枚田『あぜのきらめき』を彩っていた

『ペットボタル』を借りてきて

まずはクリーニングです

 

 

 

 

 

 

ステンドグラスのデザインもします

 

 

 

 

 

 

思い思いを形にして成形します

 

 

 

 

 

 

みんなの心を明るく照らしてください

 

 


輪島高校生の街づくりプロジェクト

『街プロ』の公認キャラクター

『わじねことふぐ郎』の

ポストイットが完成しました

 

 

 

 

 

 

1セット400円で販売しています

ご希望の方は輪島高校まで

ご連絡ください!

仮校舎での最初の日

地震から 709 日目

 

昨日仮校舎への引っ越しを終えて

今日は最初の授業の日でした

 

2年生を対象に

大学の模擬授業を実施しました

『学びウィーク』の一環でもあります

本校では中間考査を廃止して

その期間中

学びの心に火をつける

『学びウィーク』を行っています

 

今回は2学期末考査を終えた後

『学びウィーク』を実施

県内の多くの大学からお招きしました

講義の内容を

仮設校舎の案内も兼ねて

ご紹介します

 

国際(北陸大学)【調理室】

 

 

 

 

 

 

国際的なコミュニケーションを図るには

単に言葉の壁を乗り越えるだけでなく

互いの文化を理解し合うことが大切である

ということを

トランプを使ったゲームで実感しました

 

 栄養(北陸学院大学)【物化実験室】

 

 

 

 

 

 

ようやく実験室が完成しました

これまでは水道が出なくて

実験できなかったのですが

さあお立ちあい!

 

 保育・幼児教育(金城大学短期大学部)【音楽室】

 

 

 

 

 

 

ご覧ください

この広々とした音楽室

吹奏楽部も思う存分練習できますね 

 

 スポーツ(金沢学院大学)

 

 

 

 

 

 

女子ソフトボール

北京オリンピック金メダリストの

藤本索子 助教です

 

文学(金沢学院大学)

 

 

 

 

 

 

 

 工学(金沢工業大学)【生地実験室】

 

 

 

 

 

 

標本たちも引っ越してきましたよ 

 

 理学療法(金城大学)

 

 

 

 

 

 

 

生物資源環境学(石川県立大学) 

 

 

 

 

 

 

 

看護(石川県立看護大学) 

 

 

 

 

 

 

今年の夏

トリアージの実習でお世話になった

木田 亮平 教授です

 

経営(かなざわ食マネジメント専門職大学)

 

 

 

 

 

 

日本で唯一フードサービスに特化した

経営学を学ぶことのできる

新しい大学です 

 

こうして見ると

さすが学都金沢

人口あたりの大学数が

京都に次いで全国2位だということに

納得です

 


さて今回の『学びウィーク』

他にも様々な取り組みが

予定されていますよ

 

恒例の

原田幸子アナウンサーによる

「話し方教室」

今回は第3回『発展編』です

 

それから

南カリフォルニア大学

EUI-SUNG YI(イー・サン・イ)教授の講義

世界で注目される都市研究の第一人者です

最新の都市計画の実践をお聞きし

被災地の復興へのヒントとします

高校生に限らず一般の方もぜひお越しください

詳しくはこちら

20251209.pdf

学校へお電話の上お越しください

0768-22-2105

お引越し大作戦

地震から 708 日目

 

いよいよ仮設校舎ができました

これまで長かったような

短かったような

 

校舎の傾きが見つかったのは

地震直後のことでした

最初に気がついたのは

山崎先生でした

「二号棟が傾いている気がします」

最初は言われて初めて気づく程度

の傾きでした

 

そのうちだんだんと傾きが大きくなり

三号棟との間に大きな亀裂が走り

壁のヒビも大きくなって

中に入ると気分が悪くなるほどになりました

職員室がその中にありましたが

キャスター付きの椅子に座ると

コロコロ転がっていくようになりました

職員室を一号棟の会議室に移動しました

 

発災後4日目には

避難所として開設しましたが

二号棟は立ち入り禁止としました

 

体育館はというと

第一体育館は床がハーフパイプ状に窪み

第二体育館一階は床が山脈のように盛り上がり

どちらも体育では使えません

唯一使える第二体育館二階と廊下など

できるところで工夫をして

体育や部活動を行ってきました

 

春になると簡易検査が入りました

二号棟の傾きが3度少々

これはピサの斜塔とほぼ同じです

一号棟にも1度の傾きが確認されました

法律上公共施設は1度傾くと

半壊扱いになるので

それまで入居していらっしゃった

被災者の方々を体育館へと

移っていただきました

 

秋には精密検査が入り

一号棟の基礎の部分に損傷

が認められました

そこで学習していた

一・二年生の教室を

安全な三号棟に移しました

パソコン室を普通教室に作り替えたり

ひとつの教室を間仕切りで区切って

習熟度別授業のための小部屋を

作ったりしました

 

グラウンドの3分の1ほどを利用して

仮設校舎の建築が始まりました

工期およそ半年ほどで

二階建ての校舎が完成しました

 

 

 

 

 

 

先週の土日を利用して

金庫などの重量物のほか

大きな家具の移動を

業者の方にしていただいて

本日は生徒の使う机椅子などを

全員で搬入しました

 

 

 

 

 

 

 

仮設校舎への移動が終わり次第

本校舎のジャッキアップ作業に入ります

建て替えはしません

 

完成まで

一・二年生が仮設校舎を利用し

三年生は三号棟の一階を使います

 

 

 

 

 

 

校長室もガランとしました

何年後かに帰ってきます

その時は別の校長先生でしょうが

その日までさようなら

 

 

 

 

 

 

こちらは仮設校舎の校長室

どこにこんなに荷物があったんだと

まるでミミズの缶詰めを開けた状態

どこから片付けてよいのやら

 

 

 

 

 

 

 

怪我しないように慎重に慎重に

 

 

 

 

 

 

新しい事務室です

 

こちらは新しい職員室

 

 

 

 

 

 

フリーアドレス化しました

近未来型の机椅子は

『内田洋行』様より

ご寄贈いただいたものです

ほんとうにありがとうございました 

「量子力学」百周年

地震から 707 日目

 

今週末は3件の講演会をさせていただきました

 

移動の新幹線で前の座席に座っていた方が

乗り換えた特急では隣の座席になりました

なんという偶然でしょう

この引き寄せに縁を感じ話しかけてみました

国際風水氣学協会の本鑑定士の方でした

普段から風水を科学と捉えている私は

興味津々でいろんなことを尋ねてみました

 

「目に見えるものだけが全てではない」

サン・テグジュペリの

『星の王子さま』にも登場するこの言葉

目には見えない酸素や二酸化炭素

そして電磁波が厳然として存在するように

風水は量子力学である

という言葉に妙に納得するのでした

 

アインシュタインは

「月は私たちが見ている時だけ存在するのか?」

と懐疑的だったこの量子力学

 

量子力学と私の出会いは

40年前に遡ります

大学時代の『理論化学』という講義の

シュレディンガー方程式の教科書は

これまでの私の常識を覆しました

難しい本を読むと3ページほどで

眠りに落ちてしまう特異体質の私を

わずか5行ほどで眠らせるものでした

 

1895年

ドイツのレントゲンは

空気を抜いて真空にしたガラス管に

電圧をかけて放電させる実験中に

管を厚い紙で覆っているにもかかわらず

近くに置いてあった物が光っているのを見て

「物を突き抜ける不思議な光が出ている」

と考え

この不思議な光をX線と名づけました

 

この発見の翌年 1896年

フランスのベクレルは

保存しておいた写真乾板が

光を受けていないのに

感光していることを見つけました

一緒に保存していた岩塩から

X線に似た何らかの光が出ていると

考えました

 

1903年

マリー・キュリーは

夫のピエール・キュリーが発明した装置を使って

ベクレルの岩塩から光を出しているのは

そこに含まれるウラン原子であることを発見し

その光を出す性質を「放射能」と名づけました

 

時は第二次産業革命

製鉄業がさかんとなったドイツでは

溶鉱炉の中の溶けた鉄の色で

温度を判断していました

赤黒いときは千数百度

真っ赤の時は二千度以上、

それ以上では白っぽくなる

といった具合です

物体の温度と放射される光の波長の関係を

プランクは公式で示しました

そしてこのことを説明するためには

『量子』という考えが必要であるとしました

光のエネルギーは連続的に変わるのではなく

飛び飛びの値を取るということです

 

そのことを突き詰めたのが

シュレディンガー方程式です

ここからいよいよ私が秒で寝る領域です

 

ともかく

トランジスタ

発光ダイオード

太陽電池

MRI

量子コンピュータ

我々の現在の豊かな生活は

量子力学の上に成り立っています

 

量子力学の世界では

「実験の測定値は測定した瞬間に決まる」

とされています

このことは『シュレディンガーの猫』

と例えられて説明されています

 

電子は『スピン』という磁力を持っています

『スピン』には上向きと下向き

ふたつの状態があります

ある電子の『スピン』がどちらなのかは

測定した瞬間に決まり

測定する直前はどちらでもない

いわばグレーな状態です

オセロのコマを弾いて回転させて

倒れた瞬間に白か黒か決まる感じです

 

さらに奇妙な

『量子もつれ』とう現象もあります

この状態のふたつの粒子は

どんなに遠く隠れても

瞬間的に影響を伝え合うのです

 

『量子もつれ』の状態にある

ふたつのオセロのコマを

『スピン』を逆向きに設定して

北極と南極に移動させます

そして回転させた後

同時に測定すると

その瞬間

必ず一方が白なら他方は黒

となるのです

 

一見何の関係もない

ふたつの現象であっても

目に見えない不思議な力で

影響を及ぼしあうということです

 

これはユングの提唱する

シンクロニシティの原理とも重なります

これは「意味のある偶然の一致」

あるいは「非因果性同時多発性」

ともいわれます

精神分析家ユングと

量子力学研究家パウリは

この非因果的な相関に注目し

精神と物質を統一する理論を構想するなど

シンクロニシティの原理を

科学的に探求しました

私たちの直感を超えた世界のあり方を

理解しようとする試みといえます

 

さて量子力学と風水に話を戻して

徳川家康が江戸のまちを築く時に

天海僧正らの助言を得て風水を取り入れています

東の隅田川を「青龍」

西の中山道などの道を「白虎」

南の江戸湾を「朱雀」

北の上野や神田山を「玄武」とする

四神相応の配置を基本としています

今日の大都市東京の繁栄の基礎がそこにあります

北に山があるとなぜ都市が繁栄するのか?

一見無関係に見えるこのことが

量子力学的に何か因果関係があるのかもしれません

 

実は焼けた朝市

風水的には

北に海

南に山

西に川

東に道と

四神相応の真逆なんですよね

だからこそ復興させる際には

その気を整える建物配置を

考えてみたらどうかなと思う次第です

愛媛の朝

地震から 706 日目

 

気持ちのいい朝を迎えています

 

 

 

 

 

 

 

今日は高松で

講演会を行いました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 


高松へ向かう前のひととき

丹原高校の合田校長先生に

地域巡見をしていただきました

地歴が専門である先生からは

地理と日本史の視点から

さまざまなことを

教えていただきました

 

まずは四国三十六不動霊場である

西山興隆寺

 

 

 

 

 

 

紅葉の美しい古刹です

 

 

 

 

 

 

『千と千尋の神隠し』に出てくるような

『みゆるぎ橋』を渡ると

 

 

 

 

 

 

国指定文化財の『三重塔』などがあります

 

愛媛県は東予・中予・南予に区分されますが

丹原高校のある東予地区には

独特の地形が見られます

 

 

 

 

 

 

まずは日本で有数の扇状地が連なります

扇状地では水が伏流水となって流れますので

川がなく

稲作には向きません

そこで果樹園として活用しています

 

下流に行くと伏流水は地表に現れ

川となって流れますが

多量に運んできた土砂を堆積させ

だんだん川底と堤防が高くなり

周囲より高いところを流れる

天井川となります

 

 

 

 

 

 

こちらは鉄道が

川の下のトンネルを潜るという

珍しい光景です

 

 

 


以前に「ゆず」のおふたりが

輪島高校に歌いに来てくださった時の模様が

NHKで放送されます

【番組名】東北ココから ゆずとつくる 未来へつなぐうた

【放送日時】12/12(金) 19:30~19:57 <東北地方のみ>

      ※NHK ONEで見逃し配信

【内容】来年東日本大震災から15年を迎えるにあたり、

    ゆずのおふたりが

    震災の経験を未来へつなぐ歌を制作するべく

    東北の被災地を訪れ

    地域の人たちと語り合う

    旅のドキュメント

ぜひご覧ください

 

初冬の伊予路へ

地震から 705 日目

 

今年の夏休みに

韓国に視察旅行に行きました

バスの中で偶然隣合わせになったのは

愛媛県立丹原高等学校の

合田 明典 校長先生でした

防災教育に力を入れるなど

たいへんパワフルな校長先生でした

合田先生のお招きを受けて

本日同校で講演会を行います

今日は『防災デー』ということで

その一環ということになります

 

秋の京都駅で乗り換えです

 

 

 

 

 

 

紅葉がちょうど見ごろを迎えているようです

 

 

 

 

 

 

 駅員さんお手製の案内板

『街プロ』でも

やってみるといいですね

 

京都では

中国人観光客が減って

日本人観光客が増えているとか

ホテル代なんかもグッと下がってお得に

 

予約を取り直す方も

いらっしゃるようです

 

 


丹原高校の『防災デー』

最先端の避難訓練を見せていただきました

 

予告なしの避難訓練です

掃除中に発災の設定です

 

 

 

 

 

 

 生徒たちはすかさず

「落ちてこない倒れてこない」

場所を見つけて避難姿勢です

 

揺れが収まると

生徒たちは駆け足でグラウンドへ

途中通行不可能箇所を設定

みんな自分で避難路を見つけて

避難します

 

 

 

 

 

 

緊張感を持って取り組んでいます

 

生徒がふたり負傷した設定です

先生方が捜索に向かいます

 

 

 

 

 

 

ひとりは骨折で動けなかったようです

安全な場所までおんぶで運びました

 

もうひとりは心肺停止です

タンカで運んできました

 

 

 

 

 

 

ここは問題提起です

「訓練のための訓練」

になっていませんか?

心肺停止は一刻を争います

わざわざみんなのいるとこまで

連れてこないで

安全な場所で胸骨圧迫をすべきでは?

 

小学生も一緒に参加です

 

 

 

 

 

 

防災訓練は単独でなく

地域で行うべきものですね

勉強になりました

 

降下訓練も行いました

4階の高さから緩衝機を用いて

降下して避難する練習です

 

 

 

 

 

 

私も体験してみました

輪島高校でもぜひ取り入れましょう

 

煙避難訓練です

 

 

 

 

 

 

スモークマシンで煙を充満させた部屋を

潜って避難します

ハンカチの大切さを実感しました

 

SONPO さんのご協力による

『学防ッチャ(まなぼっちゃ)』

防災の知識を楽しみながら学べる

ボッチャです

 

 

 

 

 

 

 

防災リュックを作るワークショップ

 

 

 

 

 

 

防災バッグに必要なものを組み合わせる

パズルゲームです

 

私も講演会をさせていただきました

「南海トラフは必ずやってくる」

そう言われ続けて

暗い未来を刷り込まれるだけでは

高校生がかわいそうです

 

正しい防災知識を身につけて

地震の最初の15分間に命さえ守れば

つらいことの後には

人は大きく成長できるよ

予想もしなかった輝かしい未来が待ってるよ

そのことを

輪島高校生が頑張っている姿を紹介することで

伝えてきました

 

とっても素直で明るい生徒さんたちで

みんな真剣に話を聴いてくれました

 

藤原 禄都 さんと 桑村 桜羽 さんは

『江戸走り』を

 

 

 

 

 

 

渡部 もも花 さんと 佐々木 真央 さんは

『能登半島ポーズ』を考案して

 

 

 

 

 

 

それぞれ披露してくださいました

 

 

 

 

 

 

この中のどこかに

「能登半島ポーズ』の

ふたりがいます 

金沢大学特別講義

地震から 704 日

 

金沢大学特別講義

「石川県の学校安全」で

お話をさせていただきました

 

金沢大学では

学校安全の中核を担う教員を育成するため

地理的環境・過疎化・被災など

石川県の地域特性を踏まえた

学校安全の取り組みについて

理解を深めるために

本講義を開講しています

 

今日明日と集中講義期間となっていて

通常講義はお休みです

キャンパスはガランとしていましたが

そんな中この講義を選択した学生さんは

熱心に講義を聴きに来てくださいました

 

さすが休みの日に進んで受講されるだけあって

みなさん本当に熱心に耳を傾けて

こちらからの問いかけについては

積極的に答えてくださいました

意識高く頼もしい限りでした

 

午前中は

発災後珠洲市の中学校で

陣頭指揮をとってこられた

現奥能登教育事務所長の

山岸 昭彦 先生の講義があり

拝聴させていただきました

 

珠洲市は今回の地震以前から

群発地震に見舞われていたので

防災教育そして地震への備えを

計画的に実践されていました

我々の認識の甘さを痛感しました

 

講義を受けられた方の中に

大切なご家族を亡くした方も

いらっしゃいました

言葉を一つひとつ選んで話したつもりです

 

教員採用試験に合格された方も

いらっしゃいました

 

被災地に赴任となる可能性もありますよ

とお伝えしました

被災地での教師としての実務経験は

今後の長い教員人生にとって

かけがえのないものを学ぶ機会になりますよとも

お伝えしました

 

実際震災わずか3ヶ月後

傷だらけで

住むところもない本校に

大学出たてのふたりの先生が赴任しました

そのうちひとりは

こんなとこ住めないと

金沢から毎日通い続けました

そんな厳しい環境の中

ふたりは真剣に生徒に向き合いました

どんなにつらい環境に置かれようと

それでも前を向いて歩き出そうとしている

生徒たちに

自分にももっとできることがある!

ふたりはそう思うようになってきました

今年はふたりとも学級担任をしています 

 

明日は丸一日

「子どものための心理的応急処置」と題して

セーブ・ザ・チルドレンさんによる

実習が行われるそうです

がんばってください

高校生ガイドツアー

地震から 703 日目

 

石川県では

全国から修学旅行に訪れる学校向けに

高校生ガイドの取り組みをしています

 

本校もそのガイド校のひとつです

被災地ではありますが

今しかここしか体験できないコースもあります

今日はそのリハーサルということで

輪島市内の全中学校の生徒に来てもらい

お客さん役をしてもらう予定でした

 

ところが北陸特有の冬の気候となり

となると『鰤起こし』つまり

冬の雷もありうるなということで

急きょ予定を変更して

屋内で実施することとしました

せっかく来てもらうのだから

すこしでも楽しんでもらえるように

先生方は知恵を絞ります

建ったばかりの仮設の校舎に

高校生よりも一足早く入ってもらい

被災地ライフを楽しんでもらうことにしました

 

 

 

 

 

 

ところがここで問題発生

Wi-Fiがつながりません

生徒と先生は知恵を絞ります

急きょアナログの資料を準備して

紙芝居形式で何とかつなぐことにしました

 

 

 

 

 

 

ここでさらに問題発生

街を案内しながら話す原稿だったので

座ったままだと10分で終わってしまいました

先生方は知恵を絞ります

出たがり校長にに喋らせとけ

良いアイディアです

 

 

 

 

 

 

急遽音楽室に全員を集めることにしました

先生方がドタバタ準備をしている間

生徒たちが勝手に喋り始め

場を盛り上げてつないでくれていました

なんて気の利く生徒たちでしょう

 

想定外の出来事が次々と起こる中

生徒たちも先生方も

自分たちで最善を考え

自分たちで行動する

そんな姿が着実に身に付いています

震災がくれたプレゼントです

と言っては不謹慎でしょうか

 

さて、東陽中学校と門前中学校のみなさんは

道路事情が悪く

震災後輪島市街に入ることも

滅多になかったということで

バスで輪島塗会館とキリコ会館を案内しました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生がそっちについて行ったので

残された生徒たちは

「おい!片付けやっちゃおうぜ」

自主的に使った部屋の片付けと

掃除をしてくれました

 

入学した頃は

やんちゃでどうなることやらと

心配した子たちではあったのですが

本当に成長しました

頼もしい限りです