校長室より「おこらいえ」
僕は明日、昨日のきみと・・・
30日目
このコラムの冒頭の「〇日目」というカウント
これ実はある映画のオマージュです
その映画は
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
福士蒼汰さん演ずる美大生、高寿(たかとし)と
小松菜奈さん演ずる秘密を抱えた愛美(えみ)の恋物語
ストーリーが進み愛美の秘密が明らかになると
それまで時折見せていた彼女の涙の意味に気づき
何ともいえない切ない気持ちがこみ上げます
通常、映画の冒頭にあるタイトルバックが
開始1時間後
ちょうど折り返しのあたりにあるのも
とっても意味深
二度観がお薦めです
二度目は愛美に感情移入してみてください
時が遡り
涙腺崩壊必至です
単なる恋愛映画に終わらず
今まで出逢ってきた人たちと過ごしてきた
全ての瞬間が愛おしく感じる
そんな映画です
自分がこの映画を見たのは
一番下の娘が高校を卒業する直前のことでした
大学を出て就職して結婚して
もうこの家で暮らすことはおそらくない
やがて再び妻とふたりだけの生活に戻っていく
巣立って行く娘にこれまで何をしてあげられたのか
そして限られた時間の中で何をしてあげられるのか
残された時間が
なんだかとても大切なものに
感じられたことを思い出します
大切な人と過ごした時間は
いつまでも色褪せることなく
心の中で輝き続けます
卒業生のみなさんは高校生活の中で
いくつの輝きに出会えたのでしょうか
これまで
あなたがそこにいるだけで
ご家族の心の輝きであったことは
まちがいありません
そしてこれから先、
いくつの新しい出会いが待っているのでしょうか
自分自身が誰かの未来になれるよう
目の前の人との一瞬一瞬を大切にして
「今」を感じながら歩んでいってください。
こんなことを
昨年の卒業式で
生徒と保護者に
お伝えしました
今回の震災で
「大切な誰か」を
失ってしまった方も
いらっしゃいます
なんて声をかけていいのかも
わかりません
映画のカウントは
30日目で終わりますが
我々のカウントは
まだまだ続きます