校長室より「おこらいえ」
逆境は優れたリーダーを創る
220日目
作家の橘玲氏は
著書『事実VS本能 目を背けたいファクトにも理由がある』の中で
【1】日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない(正しく読解できない)
【2】日本人の3分の1以上が小学校3~4年生以下の数的思考力しかない
【3】パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない
という驚くべき調査を発表して話題になりました。
この「日本語が読めない日本人」という現実は
広告業界では20年以上前から話題になっているそうです
この結果を見て驚くあなたは富裕層だそうです
最愛の親との離別であったり
虐待を受けていたり
父親から母親へのDV
さまざまな理由で
辛い思いをしている子供達
そんな子供たちもいます
子供たちには何の罪もありません
そんな子供たちに優しく寄り添う団体があります
ビヨンドトゥモロー
一般財団法人教育支援グローバル基金さんが運営する
人材育成事業です
そのビヨンドトゥモローさんが本校を訪れ
自身のつらい生い立ちを乗り越えて
前に進もうとしている全国の高校生や大学生と
今回の震災を乗り越えて
歩き出そうとしている本校の生徒との
交流の場を設定してくださいました
ビヨンドさんは
〜逆境は優れたリーダーを創る〜
を理念に
次世代を担う人材輩出に向けて
さまざまな取り組みをされています
まずは被害を受けた本校の様子を
見ていただきました
生徒同士の交流では
僕らの街は僕らが創る
「街プロ」で取り組んでいる内容を
紹介し新たな視点でのアドバイスなどを
いただきました
以下に生徒たちの感想を記します
まずは「海辺で映画を流したい」グループ
「聞けば聞くほどおもしろそうで映えそう」
「最初の想いを大事にして達成してほしい」
次に「復興の花火をあげたい!」グループ
「できないかもしれないでなくとにかくやってみよう
その考え方が素晴らしい!」
「熱いパッションが見えて刺激をもらいました!」
「自分たちでクラファンしているとかすごい!」
クラウドファンディング募集中です
よろしくお願いします
https://camp-fire.jp/projects/view/778271?utm_source=qr_code
次のグループ
「どれだけ人を巻き込めるかが勝負なので頼って!」
「 横浜と違って時間の流れがゆっくり感じた
人の表情が豊かに感じた
窓から差し込む光が輝かしく感じた」
素敵な感性をお持ちですね
そして「子供の交流場所を増やす!」グループ
「プロジェクトの斬新さを感じました」
いろんな立場からの意見を聞くことができ
全てのグループが
これからの活動の勇気をもらったと感じました
ありがとうございます
最後に一緒にお昼を食べました
生成AIを学びました
219日目
「生成AIにおける日本の教育現場の今とこれから」
Google For Education の日本総括 小出 泰久 氏から
お話を聞く機会をいただきました
変動性 不確実性 複雑性 曖昧性 の時代を生き抜くための
力強いご講演をいただきました
続いて活用支援をしていらっしゃる上原 玲 氏から
AIとは?
人間の知能を模倣するよう訓練されたコンピュータ
AIは第一世代から順に
「考えるのが早いAI」
「ものしりなAI」
「データから学習するAI」
と進化してきたそうです
今では全国の学校でも教育に取り入れられ
例えば
カリスマきゅうり農家ばあちゃんの
きゅうりの等級分けに活用したり
呑んだアルコール量を測定して
じいちゃんが飲みすぎないようにしたり
開いたページに合わせたBGMが流れる
図書館を作ったり
生徒たちの様々なアイデアを具現化する
多くの取り組みがなされています
現在Googleでは
生成AIツール「Gemini」の提供を始めています
しょーもない質問には
テキトーな回答しか返ってこないけど
活用の仕方によっては
無限大に可能性の拡がるツールです
Google には
AIの活用に求められる
①学習データ
②データを検索するエンジン
③生成AIモデル
④生成AIを動かす端末
⑤データを処理するプロセッサ
の5つの要素を全て自社で準備することができる
という強みがあります
さらには
①社会にとって有益であること
②不公平なバイアスの発生、助長を防ぐ
③安全性を念頭においた開発と試験
④・・・
など7つの理念に則った開発が推進されています
今後教育の場面で活用するとしたら
①議論やまとめの過程で足りない視点を見つけ議論を深める場面で
②英会話の相手やより自然な英語表現の改善を図る
③自ら作成した文章をよりよいものへ昇華させる目的で
が主として考えられるものです
質の高い回答を得るには
①ペルソナ
②タスク
③フォーマットトーン
④コンテキスト
⑤例
を意識するとよいそうです
今回被災して困ったことで
最新テクノロジーでこんなことができたら
助かったのに
ということが少なくありません
創造的復興にどう活かしていくかを追求しながら
長期的展望に立った
未来の教育への提案を被災地からできればな
と思います
岐阜総文レポート(2)
218日目
岐阜の中心部を
自動運転のライドシェアバスが
実装実験をしています
オンラインで予約して乗ります
窓の横のモニターに
周辺の交通事情が映し出されます
乗客はこのタッチパネルで
行き先バス停を選びます
家庭用ゲーム機と同じコントローラーで
操縦することもできます
自動車会社ではなく
フランスのITベンチャー企業による
製品だそうです
岐阜市では
自動運転レベル4
ドライバーフリーでの
特定条件下完全自動運転を目指しています
生まれ変わる輪島市での
新しい市民の足としても活用できそうです
和太鼓部が土岐市文化ホールで行われた
全国大会に出場しました
輪島大祭のキリコ太鼓を
ステージ用にアレンジした曲です
最優秀賞 優秀賞に次ぐ
優良賞をいただきました
お客様からも
一段と大きな拍手をいただいていました
岐阜総文レポート(1)
217日目
2027年
第51回全国高等学校総合文化祭が
石川県を舞台に開催されます
3年後に迫った大会の準備を
石川県の高文連で進めています
その下見のために
「清流の国ぎふ」文化祭に来ています
まずは関ヶ原古戦場の巡見をして来ました
関ヶ原の戦いとは
豊臣家を守りたい石田三成軍と
新しい世を創りたい徳川家康軍との戦い
天下分け目の戦いと言われるほどの
日本の歴史において大きな意味を持つ戦いです
それほどの戦いであるなら
何ヶ月何年にも及ぶ戦いであるような印象を
勝手に持っていましたが
意外や意外わずか6時間で勝敗の決した戦です
勝敗を決するには
3人の武将の心の葛藤があったということを
今回学びました
ひとりめは小早川秀秋
三成軍の小早川秀秋は
合戦が始まって4時間後
突然家康軍に寝返りました
秀秋は秀吉の養子
かつては秀吉の後継者として
将来を嘱望されていたのですが
秀吉に待望のお世継ぎ秀頼が産まれてからは
ないがしろにされて
挙句の果ては小早川家に
養子に出されてしまいます
こうして見ると裏切りというより
寝返るには余りある理由があるなという気がします
人の心は時代を超えても変わりません
ふたりめは島津義弘
義弘は合戦前夜
奇襲を仕掛けるよう三成に進言します
ところが三成は
その作戦をけんもほろろに相手にしないどころか
義弘を罵倒します
結果翌朝合戦が始まっても
義弘軍は動こうともせず三成の指示に従いませんでした
このことは現代にも通じるものがあると思います
部下がいろいろ考えて提案したことに対し
どんな稚拙な提案であっても
決して頭ごなしに否定してはいけません
動かない義弘軍は結局
他の軍が壊滅状態になって孤立し
撤退を余儀なくされます
そのとき単に逃げるのではなく
敵の真ん中を突っ切って逃げます
つまり敵陣を正面突破して退却します
これは後に戦法「捨て奸」(すてがまり)とよばれる
味方を犠牲にして追撃隊を食い止める壮絶な策でした
3人目は毛利秀元
家康軍の背後に位置された秀元軍
元々は家康軍に動きがあった時に
挟み撃ちにするための軍でした
ところが家康軍が最初の陣から
三成軍に攻めに入っても
一向に動きがありません
秀元が動かなかったのを見て
小早川が寝返ったというのが
最新の学説だそうです
秀元が動かなかったのは
その前に陣を敷いていた吉川広家が
動かなかったのも一因です
秀元が広家に出陣命令を出しても
「今お昼食べてるから!」と
ほんわかした理由で断ったそうです
かくして天下分け目の戦いは
わずか6時間で幕を下ろしたのでした
ここで登場した秀秋 秀元 広家は
毛利元就「三矢の訓え(おしえ)」の
3人の息子のそれぞれ息子です
関ヶ原で家康が勝利したのは
毛利元就の
「3本の矢が束なれば決して折れない」
との訓えがあったからにほかなりません
しかし毛利一族の功績はさほど家康から
取り立てられることはありませんでした
250年の時を経て
一族の末裔の長州藩が
討幕を企てたことを考えると
人の恨みの恐ろしさ
人の評価の大切さを
しみじみと考えさせられます
復興絵巻その2
216日目
早起きして街の様子を見に行きました
河井小学校の運動場に
仮設の校舎が建ちました
小学生は2学期からここで勉強できます
大町から朝市方向を望みます
輪島の朝市は奈良時代の末期
神社で始まった物々交換が
その起源といわれます
つまり千年以上の
歴史があることになります
「勝浦朝市」
「飛騨高山朝市」
と並んで日本三大朝市と呼ばれます
明治43年の大火で
一度焼け落ちてしまいましたが
そこから蘇っていますので
今回ここで終わるわけにはいきません
朝市通りの突き当たりにある重蔵神社は
1300年の歴史を持つ
大国主命をお祀りした神社です
このブログのタイトル
「おこらいえ」は輪島の海女の方言です
輪島の海女の先祖は
その昔福岡県宗像市から渡って来ました
宗像には
沖ノ島に沖津宮 筑前大島に中津宮 宗像に辺津宮
の三社があり
渡って来た輪島にも
その位置関係を模して
舳倉(へぐら)島に奥津比咩 七ッ島に中津比咩 輪島に重蔵
の神社をそれぞれ置いたそうです
舳倉島は昔「重蔵島」とも書かれ
重蔵神社もへぐら神社と呼んでいたそうです
これらは重蔵神社の公式HPからの引用です
興味深いのでぜひご覧ください
春の祭に曳く山車です
収納庫が崩壊したため
シートを被せて屋外に置いてあります
重蔵神社をはさんで朝市の反対側には
観音町があります
昔遊郭があったいわゆる赤線地帯で
現代でも震災前には多くの呑み屋が並んでいました
広い道路の真ん中に立つ
提灯型の街灯がなんともいい風情です
ご先祖さまが心配で墓地にも行ってみました
案の定倒れてしまっていて
ブルーシートを被ったお墓もチラホラ
自分たちが生きることで精一杯で
ご先祖さままでとても手が回らず
申し訳ない気持ちでいっぱいです
こんな様子では今回の地震で亡くなっても
まだお墓に入れない方も
きっといらっしゃるでしょう
近所の民家には
お墓参りに訪れる人に
「水道自由に使ってください」
となんとも大らかな貼り紙が
今日の街巡りの終着は馬場崎
この地域は比較的建物の被害が少ないです
新しい建物が多いからか
あるいはここは昔の駅前通り
馬場という地名にもある通り
もっと昔から交通の要所であった可能性が
だとすると地盤の
しっかりしたところなのかもしれません
雲図鑑と復興絵巻
215日
初夏の空には不思議な雲がいっぱい
写真では確認しづらいですが
真ん中やや右に彩雲
太陽との角度によって見える
虹色に輝く雲です
左下には鉤状雲
釣り針のように曲がった雲
上空の風が大きく曲がっていることが
わかります
こちらは蜂の巣状雲
上空の狭い範囲で
上昇気流と下降気流が
渦巻いています
周囲には天使の羽のような
毛状雲
右上には肋骨雲
飛行機雲が
上空の風に散らされて
魚の骨のようになっています
左下には変わった形
どうしてこんな形になるんだろう
勝手に四分休符雲と名付けます
雲ウォッチャーの私にとって
梅雨明けの空は
興味の尽きない研究対象です
手術後久しぶりに
街の様子を見に行きました
学校のすぐ近くにあった傾いたビル
すっかり撤去されました
小学生も安心して通学できます
お世話になっているティーンラボの建物
中がグチャグチャになっていたそうですが
今では多くの生徒のサードプレイス
ブルーシートで覆われた家
痛々しくもしっかりと
街のために商売再開しています
小路に入れば未だ手つかずの家も
火災のあった街並みです
公費解体が始まってしばらく経ちました
中央通り付近からいろは橋が見えます
間を遮る建物がすっかりなくなりました
高州山の中腹に大きく崩れた
岩肌が痛々しいです
他にもたくさんの
崩れたまま手つかずの家の
生々しい写真を撮ってきたのですが
おうちの方の心情を考えると
とても掲載する気にはなれませんでした
「街プロ」花火グループへのご支援も
引き続きよろしくお願いします
https://camp-fire.jp/projects/view/778271?utm_source=qr_code
見える喜びを被災地に
214日目
私事ですが
白内障の手術を受けてきました
夜運転をしていると
対向車のヘッドライトに
目の前が真っ白になるので
怖くなり決心しました
執刀してくださったのは
金沢医科大学の佐々木洋先生
白内障の研究と治療で
日本をリードする第一人者である先生は
東日本大震災翌年の2012年から
月に一度週末を利用して釜石のぞみ病院を訪れ
白内障を患った患者を治療し続けていらっしゃいます
今年で13年目になります
近くの大槌町や山田町からも患者が訪れ
今でも多くの方が先生を待っています
これまでに5,000人になんなんとする方に
希望の光をくださっています
当時白内障手術のできる施設も被災し
眼科の治療を受けることが困難だった中
最新の医療を提供し続けた先生は
まさに現代の「JIN-仁-」
当時被災地では
避難生活や不自由な仮設住宅での暮らしが
人々の健康に大きな影響を及ぼしていました
白内障は加齢とともに
目のレンズが白く濁る病気です
目がぼやけたまま仮設で暮らしていると
認知機能が衰え認知症が進みます
手術によって目の輝きが変わると
みなさん元気になるそうです
手術は日帰りでもできます
濁ったレンズの内部を取りのぞき
新しいレンズを入れて固定します
スタッフがレーザーを照射したあと
先生の待つ手術台へ
痛みは全くありません
目の前に幻想的な光が輝いています
美しいな
別世界へのトリップを楽しんでいる間に終了
時間にしておそらく10分かかっていません
被災地で将来への希望の光が見えなくなっている方
もしかして白内障かも
こんな身近に「神の手」があるなんて
ゴッドハンドを頼ってみては?
花火を打ち上げたい!!!
213日目
上から降ってくる復興計画に
そのまま乗っかるな
僕らの街は僕らがつくる
「街プロ」では
自分たちが将来住む街をデザインします
花火グループからのメッセージ
はじめまして、僕たちは輪島高校の二年生です。
僕たちは地震で活気を失った輪島市を復興させるために、今年の8月23日に花火を打ち上げたいと思っています。
そこで、資金調達のために募金活動やクラウドファンディングも行っているのですが目標金額にはまだまだ届いていません。輪島を元気にしたいと思い僕ら全力で活動していますので、是非クラウドファンディングなどのご支援やこの活動の拡散をお願いします。
クラウドファンディング
https://camp-fire.jp/projects/view/778271?utm_source=qr_code
インスタグラム
https://www.instagram.com/wajima_hanabi_project?igsh=MTBiNGQwZDQydWc3Zw%3D%3 D&utm_source=qr
X
https://x.com/wajima_hanabi?s=21&t=TV7AaXRMZDWcbxC5hrIulQ
Tiktok
https://www.tiktok.com/@wajima_hanabi_project?is_from_webapp=1&sender_device=pc
夏休みの街プロ
212日目
上から降ってくる復興計画に
そのまま乗っかるな
僕らの街は僕らがつくる
「街プロ」では
自分たちが将来住む街をデザインします
まずは
渋谷区立宮下公園 MIYASHITA PARK
の視察
宮下公園は風通しのいい開放的な空間で
ショッピングや食べ歩き スポーツまでできる
“4階建ての公園”カルチャースポットです
空を横切る芝生ひろばは
自由気ままにくつろげる憩いの場として
街に溶け込んでいます
帰って来たくなる街づくりへの
たくさんのヒントをもらって来ました
そしてハーバリウムイベント
岩地さん 出村さん 松谷さん 森さん 上平さんが
テーインズラボのスタッフさんと
一緒に行いました
ハーバリウムとは
ガラスの可愛い小瓶に
お花をオイル漬けしたものです
インテリアフラワーとして大人気です
20人ほどの小学生が来てくれて
一緒に作りました
フルーツ飴も作って
振る舞ってあげました
家で何度も作って練習したそうです
とっても美味しくできました
諸々の禍事(まがごと)罪穢れ有らむをば
211日目
10月は神無月といいます
全国の神様が出雲に集まるため
出雲以外は神様不在となるためです
逆に出雲では10月を神在月といいます
今日は石川県の校長無日
県内の校長先生が集まって研修を受ける日でした
北陸は教育に熱心な土地柄です
石川県は全国に誇れる
教員資質向上のための研修が充実しています
今日の校長研修もその一環です
教員総合研修センターから依頼を受け
全県の校長先生に
学校が避難所になったらどうするか?
というテーマで
お話をさせていただく機会をいただきました
昔
学校の授業はどれくらいの価値があるのだろう
試算してみたことがあります
教員の給料を時給に換算してみて
必要となる教室の借用費
電気代
冷暖房費
あらゆる必要経費を生徒数で割ってみると
1時間の授業に生徒ひとり約1,000円を
支払っている計算になることがわかりました
40人学級だと1時間の授業に4万円
1時間4万円の価値のある授業を提供しないと
その思いで教材研究に取り組んできた
つもりではあります
今日の校長研修には
どれくらいの費用がかかっているのでしょうか
それに見合うだけの話をしないと
そのプレッシャーで押しつぶされそうな
依頼を受けてからの4ヶ月間でした
一生懸命準備したにも関わらず
授業を離れて2年以上経つ
ブランクによるプレゼン力の衰えは
いかんともしがたく
いいたいことの9分の1も伝わらない
なんとも情けない講話となりました
明日は自己嫌悪で
昼も眠れない日になりそうです
本日は
一粒万倍日
この日蒔いた一粒の種がやがて一万倍に実を結ぶ日
天赦日
諸々の禍事罪穢れを天が赦してくださる日
大安吉日
ご存じのとおり
みっつが重なったまことにおめでたい日でした
しかも7月29日
七福(729)神の日でもありました
かしこみかしこみ
この佳き日に
校長先生方に少しでも心に残る話をと
意気込みだけはよかったのですが
以前 Posttraumatic Growth
心の傷を負ったものはその後大きく成長できる
という話をこのブログで書いたものの
今回の心の傷は大きく
口で言うほどGrowthは簡単なものではなさそうです
Posttraumatic Growth のひとつに
「精神性的変容」があります
人間の理解を超えた大きな力を目の前にして
生、命、死について
深く考えるようになるのです
部活動のはじめに「お願いします」
おわりに「ありがとうございました」
これはなんのため?
たとえば野球部に尋ねると
「野球の神様に」
と答えます
「じゃ野球の神様って誰?」
これまで明確に答える生徒はいませんでした
今
選手たちは活動できる場所がないため
自分たちでグラウンドの整備を始めました
輪島市民の命を守るため派遣された自衛隊
活動の拠点として入ったグラウンドで
液状化のため一時立ち往生していた時に撒いた
バラス(石ころ)が全面を覆っています
来る日も来る日も
その石ころを拾っては棄て
活動できる範囲を自分たちで拡げています
心も徐々に変わってきます
これまで当たり前のように
グラウンドで野球をしていたけれど
それは決して当たり前ではない
こうしてグラウンドひとつ作るにも
多くの人々の力が必要であること
そのことに気づきはじめるのです
「神様って誰?」
その問いに今では明確な答えを持っています
当たり前でないことを当たり前にしてくださった
そのために力を尽くしてくださった多くの人たち
当然挨拶の仕方ひとつ
変わってきます
心のこもったものとなるのです
何十年後かに
球児が挨拶する神様は
まぎれもなく
今一歩踏み出そうとしている
君たちなのです