2024年11月の記事一覧

けあらしの見える湾

地震から330 日目

豪雨から66 日目

 

通勤途中の風景です

 

 

 

 

 

 

能登半島の内湾

七尾湾の風景です

和倉温泉が湧き出ている関係で

冬でも海水温が高いです

お風呂の湯気と同じ原理で

海水面いっぱいに霧が広がる

「気嵐(けあらし)」が見られます

朝日と冷たい空気の織りなす

幻想的な風景です

 

そろそろ冬用のタイヤと

雪かき用のシャベルを

準備するようにとの合図です


ところでスコップとシャベル

その違いはわかりますか?

 

私はガーデニングなどで片手で使うのを

スコップ

雪かきなんかに使う大きいのを

シャベル

と思っていたのですが

関東へ行くと逆なんだそうですね

 

実はスコップとシャベルの違いは

JIS規格で明確に定められています

これによると

上部(ハンドルがついている部分)が丸く

足をかけることができないものがスコップ

上部が平らで

足をかけられるものがシャベルです

 

豪雪地帯においては

先端が尖っているものをシャベル

平らなものをスコップと

使い分けるところもあるそうです

石川県の土建関係者はこれを

「剣スコ」「角スコ」

と言って区別しています

 

スコップはオランダ語が語源で

シャベルは英語が語源です

どちらが古いのかは明確にはなっていませんが

江戸時代にはすでにスコップという言葉が

使われていたという記録が残っています

 

語源で見ると

scoop
スコップの語源がこれ

shovel
シャベルの語源がこれです

trowel
ガーデニングなどに使われるものは

別の呼び方をします


「数学なんて何の役に立つの?」

この質問に対して

「数学はシャベルなんだよ」

とお答えになる先生がいらっしゃいます

「シャベルそのものはおもしろくもなんともない

 でもそのシャベルを上手に使うと

 宝物を掘り出すことができるんだ」

だとすると

道具をもっているかいないかで

大きな差になりますね


「100円のお菓子 3つでいくら?」

と言う問題に対して

「3 ✕ 100 = 300」と答えて

✕ をつけられた子どものお母さんが

「納得がいかない!」と

SNSに怒りの投稿をされているのを見ました

 

手段はどうあれ

いちはやく効率的に答えにたどり着く

そんな労働力が必要とされた

高度経済成長の昭和の時代なら

それでよかったのです

 

ところがそんな仕事は全てAIがやってくれる

人間にしかできない創造的な仕事が求められる

これからの時代においては

手段や方法だけでなく

物事を本質的に理解する

そんな力が求められるのです

 

100 ✕ 3 = 100 + 100 + 100

であって

決して3が100個あるのではないのです

そのことを

✕ をつけた先生は言いたかったのです


投稿されたおかあさん

学校にクレーム入れていなければいいなと思います

 

教員志望者の数が近年どんどん少なくなっています

その最も大きな原因は

理不尽な保護者からのクレーム対応です

さきほどのケースのようなときは

「納得いくまで先生に聞いておいで」

とぜひ背中を押してあげていただきたいのです

保護者が先生にクレームを入れて

✕が〇に覆されたとしても

あとに残るのは保護者の自己満足と

「困ったことは親に言えばなんでもしてくれる」

と安易に考える甘ったれた子どもだけです

備前の国にて

地震から329 日目

豪雨から65 日目

 

四国からの帰り

岡山に立ち寄りました

 

岡山と言えばお笑いコンビ千鳥です

 

先日「テレビ千鳥」という番組で

これまでまともに勉強したことがないという大悟さんが

小学校の算数に挑戦するという企画がありました

 

さすがに小学校12年生の足し算引き算は

難なくクリアするものの

小数分数で早くもつまづきます

ところがなにやら独自の図で表し

思わず道筋で答えを導いていきます

 

相方ノブさんからは

「あほガリレオ」と異名をつけられるほどに

 

その神髄は割り算でさらに磨きがかかります

割り算の筆算の計算式をみても???

ところが

168÷6 が168の中に6が何個あるかを意味している

ということを頭の中で整理するやいなや

6✕9=54 の知識を使って

54 を3回足して162

168まで 6 足りないから

9✕3+1=28

と正解にたどり着くのです

 

今ある知識を組み合わせて

未知の領域へ自分の力で踏み込んでいく

これから未来に必要な教育の理念を

まざまざと見せつけてくれました

 

本当にお笑い芸人のポテンシャルは高い

そのことを実感しました

 

人を怒らせたり悲しませたりするのは簡単です

人を泣かせることもある程度はできます

人を笑わせることは本当に難しい

人に笑われることとは違います

そのことをお仕事にしているお笑い芸人は

この世で最も尊いお仕事のひとつであると思います

 

自分の力で課題を解決できた生徒は

さらなる知識が欲しくなる

そして解決できる課題がどんどん増えていく

 

おそらく小学生の算数に四苦八苦する大悟さんの姿を

面白がる企画であったのでしょう

ところが算数の本質を理解した大悟さんは

「勉強はおもしろいんじゃ!」

最高の教育番組になっていました


岡山城を訪ね

城主の池田光政公の藩政改革について

学んできました

 

 

 

 

 

 

1654年

中心部を流れる旭川の氾濫により

備前藩は壊滅的な被害を受けます

 

光政公は妻の母親「千姫」から

現在に換算すると数十億円もの支援を受け

藩の復興に着手します

「千姫」は徳川家康の孫にあたります

 

質素倹約を旨とします

このことは当時江戸では「備前風」といわれました

 

また庶民の声をきくために「諫め箱」を設置します

これは八代将軍徳川吉宗の「目安箱」を

70年も先駆けてのものです

 

さらに地域の復興に携わるリーダー育成のため

「閑谷学校」を開校します

これは庶民の学校としては全国初のものです

 

発災以来

全国各地を訪れる機会が多くなりました

その場所ごとに

さまざまな災害から復興してきた歴史があり

勇気づけられています

 

光政公が手がけた治水工事は

現在でも岡山の人々を守り続けています


倉敷にも足を伸ばしてみました

 

 

 

 

 

 

30年ぶりくらいに訪れました

素敵な町並みです

 

 

 

 

 

 

こんな看板が・・・

もともとこの地に設置してあった

トイレトレーラーを珠洲市の方へ

派遣してくださっているのだそうです

ありがとうございます


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『ちっこいハマグリ

 でっかいシジミ』

【意味】

人生いろいろ

こんにちは!アンパンマン号

地震から328 日目

豪雨から64 日目

 

讃岐富士を望む綾歌の地で

高文連郷土芸能の宴です

 

 

 

 

 

 

讃岐富士は丸亀市と坂井市のシンボル飯野山

富士山そっくりのフォルムではありますが

火山ではありません

 

山の上部は古銅輝石安山岩でできています

この古銅輝石安山岩は一般的にはサヌカイト

世界中でも香川県以外ほとんど採れない

とても希少な天然鉱石です

地元では「カンカン石」と呼ばれ

金づちで叩くと非常に澄んだ金属音がするため

古来より楽器としても使用されてきました

削ったり磨いたりすることで音色が変わります

東京オリンピック開会式の折に奏でられ

サヌカイトの神秘的な音色は

世界的にも有名となりました

 

山の下部は花崗岩

つまり太古の昔に溶岩が海の底で固まったもの

 

どこから見ても円錐形のシンメトリーは

海水が全くの偶然に作りだしたものです

 

高等学校総合文化祭全国大会が

来年この地で開催されるため

そのリハーサルも兼ねたプレ大会です

 

ここ讃岐はこんぴらさんを擁する

郷土芸能の宝庫です 

 

 

 

 

 

 

「さぬきこんぴらさん」で有名な金刀比羅宮は

古来より海の神様

能登の港の復興と寮の復活を祈願しました

参道口から御本宮までは785段

奥社までは1,368段の長い長い石段があります

参道には旧跡や文化財が多数あります

 

ステージでは

香川県の5つの高校が

素晴らしいパフォーマンスを見せてくださいました

 

 

 

 

 

 


帰路につきます

アンパンマン号が迎えに来てくれました

 

 

 

 

 

 

アンパンマンの生みの親

やなせたかしさんの出身地高知と

岡山をつなぐ列車です

 

やなせたかしさんには従軍経験がおありで

戦中戦後の深刻な食糧事情もあり

「人生で一番つらいことは食べられないこと」

という考えをお持ちだったそうです

売れないころ空腹を抱 えながら思っていた

「食べ物が向こうからやって来たらいいのに」

この思いから

「困っている人に食べ物を届けるヒーロー」

が誕生しました


「僕の顔をあげるよ」

戦う力が落ちると分かっていても

目の前の人を見捨てることはしません

「ほんとうの正義というものは

 けっしてかっこうのいいものでは ないし

 そしてそのために

 かならず自分も深く傷つくものです」

と語って いらっしゃいます

 

さらにはアンパンマン自身

食事をする場面は

一度も描かれていないそうです

常に自分よりも他人の幸せを優先します

 

「機関車トーマス」にも

食事の場面は一度も描かれていません

これはこの物語がもともと作者が

食事ができない病気の

自分の子供に向けて作ったものだから

なんだそうです

 

来年春から

NHKの連続テレビ小説「あんぱん」

がスタートします

やなせたかしさんと妻の小松暢さんが

登場人物のモデルとなっていて

戦前から戦後の激動の時代を生き抜く

夫婦の姿が描かれています

 

「アンパンマン」というネーミングは

赤ちゃんが最も発音しやすい

音の並びとなっていて

「パパ」「ママ」のように

歯がなくても

舌使いがうまくできなくても

唇の動きだけで発音できます

 

うちの娘たちも小さい頃

上手に発音していました

そんな娘たちに

カタカナを苦手とする晴れ女は

「アパマンショップ」や

「ワンマンカー」の看板を見つけては

「ほらほらアンパンマンよ」

読み違いにも程があります


 

 

 

 

 

 

 瀬戸は日暮れて夕波小波


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『おまえは傘をほしがる魚か?』

【意味】

無駄な衝動買いをたしなめる言葉

お遍路の旅その2

地震から327 日目

豪雨から63 日目

 

丸亀へ向かう新幹線の中です

先々週に引き続き四国旅行記です

「かがわ総文祭2025プレ大会」

の視察に来ました

 

「いしかわ総文2027」を控え

その準備のための視察です

輪島高校は郷土芸能部を担当しています

ただ2027年に輪島市文化会館が使える目処はなく

加賀市文化会館に場所をお借りします

 

輪島市は石川県の北端

加賀市は南端

距離にして200kmほど離れているので

準備といっても大変です

 

ただ県外からのお客様にとって

アクセスはよいので

3年後ぜひお越しください


 今日は瀬戸大橋を通って四国に入りました

 

 

 

 

 

 

本当に美しい景色です

 

日暮れに合わせて父母ヶ浜へ寄りました

日本のウユニ塩湖

鏡に映ったような写真が撮れるスポットです

 

 

 

 

 

 

日の入りと干潮が重なった瞬間だけ

奇跡のような写真が撮れるのだとか

今日は残念ながら干潮ではありませんでした

 

なんでもない海岸だけど

工夫してブランディングして

みんなが訪れたくなる

魅力的なスポットにできるんですね

輪島の復興にもぜひ参考にしたいです

 

 

 

 

 

 

かつてここは埋め立ての危機にあったそうです

この浜辺を愛した人たちによって守られました

美しい父母ヶ浜を守るため

当初7人で始めた「ちちぶの会」のメンバーが

清掃活動をされているそうです

 

今は亡き河田速雄さん

毎日当たり前のように浜に立ち清掃をする姿は

多くの人の心に刻み込まれています

 

ちちぶの会の伝説の3人は

その寡黙な後ろ姿で

世代を超えて

勇気と希望を与えてくださっています

 

勇気と希望といえば

なんかアンパンマンのテーマみたいですね

あるゲイバーのママが

悩みを相談する女性客に

「あんたねー

 アンパンマンのテーマを聞いて

 泣くぐらいじゃないと

 本当の悩みとはいわないのよ」

と言っていたのを思い出しました

 

「そうだ忘れないで生きる喜び」

確かに発災時はこれを聞いただけで

泣いていたと思います


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『出世魚も最後は刺身や』

【意味】諸行無常

卒業

地震から326 日目

豪雨から62 日目

 

この絵を見てください

昔SNSで拾った画像です

 

 

 

 

 

 

 

 

どのようにお感じになりますか?

 

下の方から伸びている

無数の階段やはしご 

それらを使って

必死になって登ってきた

登り詰めた先で目にした風景は…

 

この絵のタイトルは「卒業」

 

高校や塾が用意した無数の課題

それらをこなして

必死になって登ってきた

合格した志望校

だけどそこで何をすればいいのか

 

そんな気持ちを表しています

 

そんな思いをされた方

お母さんお父さんの世代でも

結構いらっしゃるのではないでしょうか?

 

大学入学後のミスマッチを防ぐために

今様々な教育改革が行われています

生徒の意識も確実に変わってきており

このようなミスマッチは以前と比べて

少なくなってきているように思います

 

それでも

「僕はいい大学へ行きたいです」

「どんな大学がいい大学なの?」

「偏差値の高い大学です」

「そこへ行って何をしたいの?」

「別にありません」

「じゃあ、どうしてそこへ行きたいの?」

「親がそのほうがいいって言うからです」

今でもこのような光景が見られたりします

 

こんな子はかなりの高確率で

「卒業」の絵のようになってしまいます

 

保護者の方にぜひご理解いただきたいのは

偏差値の高い大学へ入りさえすれば

何とかなったのは

遠い昔の話であるということです

 

輪島の子たちは

階段を登り詰めた後の光景を

無理矢理見せつけられました

土地が4m隆起した

そのおかげで

階段の先にある景色を

ちら見できた感じです

  

明日の事すら見えない

そんな状況に置かれ

それぞれが自分の将来を

真剣に考え始めました

 

「街プロ」の活動を通して

自分がすべきことを見つけたり

「自分はみんなの役に立っている」

自己有用感が高まったり

OECDとの共創を通して

世界との距離が縮まったりしています


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『懐中電灯で懐中電灯探すなよ』

【意味】

無駄なことはすな

発災以来ボランティアの方のお世話になっています

いろんな方がおいでます

「今度ボランティアに行きますから

 その手伝いに生徒何人か貸してください」

なんで被災民がボランティアのボランティアせなあかんねん