校長室より「おこらいえ」

英語の研究授業を研究する

地震から 661 日目

豪雨から 397 日目

 

生徒と雑談しました

「7時間全部奥野先生の授業ならいいのに!」

「どうして?」

「だって奥野先生

 授業のゴール示してくれるし

 ゴールしたらそこで授業終わるし」

「他の先生は?」

「2分ほど余ってもいきなり

 小テスト入れたりして

 時間ギリギリまで引っ張る」

「最大限に学んで欲しいんじゃ?」

「でも授業の内容終わっとるし

 集中力切れとるし

 全く意味ないと思う」

「じゃあそれ先生に伝えてみたら?」

「ダメやと思う」

「どうしてかな?」

「俺らうるさくするから?」

 

自分たちでもわかっているようです

 

私も現役時代は

この生徒たちと同じことを考えていて

終了のチャイムが鳴っても

授業のまとめをしている先生を

「アホちゃうか

 生徒が早よ終われ思てんのに

 意味ないやろ」

とどんなに話が途中でも

チャイムと共にサッと終わって

生徒の貴重な休み時間を

1秒たりとも奪わない

そんな努力をしていたものです

 

キレイに授業をまとめたいのは

教員のサガではありますが

生徒が聞いていないのでは意味ないのです

 

最近では

「教師がなにを教え込んだか

 ではなく

 生徒が何を学んだかが大切」

という考えが主流になっています

 

生徒が言うように

授業の目的達したんだから

そこで授業終わればいいようなものの

「教員は給料もらって働いているのだから

 授業をサッサと切り上げて

 給料分働かないのは

 契約違反だ」

といった問題も絡んでくると

ややこしくなってきます

 

こういった社会の問題について

生徒と教員とで

じっくり議論する時間も

必要なのかもしれません

 

しかしながら

教育と経済は

必ずしも相容れないものであって

 

例えばアメリカの研究で

こんなのがあります

 

アメリカは結構思い切った

教育に関する実証実験をするお国柄で

ある州で

教員の給料を完全出来高払いにしたそうです

進学実績に基づいて

教員の働きぶりを査定し

結果を出した教員を優遇したそうです

教員のモチベーションが上がり

優れた教育効果をもたらすと

期待されていたのですが

結果は

アメリカの教育施策上

最大の失敗のひとつとなりました

 

なぜか?

学校がこれまでにないほど

荒れ出したのです

 

教員の指示に対して

「へん!どうせ自分の成績上げたいだけだろう」

「俺たちに言うこと聞かせれば

 自分の給料上がるからな」

全く従わないようになってしまいました

 

教育の世界に

費用対効果だとか

経済の原理だとかは

決して持ち込んではならないという

教訓とすべきです

 

 


【今日のMAJIでWAJI活】

11月1日に開催される

探究学習「WAJI活」発表会

その内容を告知し

繋がってくださる方を見つけるコーナー

 

(3)ヤマメ大捜査線 in 輪島

 環境DNAを調査して

 輪島の川にヤマメがいないか

 調査しています

 生物は体表から剥がれた細胞や糞を

 環境中に放出します

 河川水中に含まれるDNAを分析することで

 そこにどんな生物が住んでいるか特定できます

 捕獲する必要がないので

 生物や環境への負荷が少ない技術です

 

(4)神戸震災学習ツアー

 かつての被災地神戸を視察して

 30年間どのように復興してきたのか

 自分の目と足で学んできました

 30年経った今だからこそわかる

 復興の成功と失敗

 その教訓を能登の復興に活かします

 

(5)スポーツで健康 〜訪問型ジム〜

 スポーツが大好きなのに場所がない

 このグループでは

 自分たちでジムを作ろうと

 行政にかけあうなど

 さまざまな活動を行い

 多くの困難にぶつかってきました

 そして今

 訪問型ジムという

 新しいスタイルのジムを考えました

 

発表会では

落成したての仮設校舎の

内見会も予定しています

内田洋行様にご支援いただいた

フリーアドレス制の職員室も

ご覧になれます

 

ぜひのお越しを

 

 


【今日の震災新採5】

震災の地に赴任となった

5人の新採者を紹介するコーナー

 

外国語科の加藤先生の

初任者研修の研究授業が行われました

 

 

 

 

 

 

授業はAll English でテンポよく

教師と生徒のトークが繰り広げられました

こんな授業ならもっと英語好きに

なっただろうなと思いました

 

特にいいなと思ったのは

教師から日本語の例文が提示され

即座にペアで英語に直す活動

 

ただ今回の授業では

教員が指名したひとりの生徒の英文しか

全員でシェアできず

その他のペアは

自分たちが作った英文について

合っているのか間違っているのかわからず

モヤモヤするのではと思います

 

そこで

AIを活用したこんなアプリどうでしょう

 

もし既にあったら教えてください

 

全ペアで話している例文を

マイクで拾います

現在門前高校とのオンライン授業で

使用している機器では

教室の一番後ろの席の生徒の

雑談まで拾えるので充分可能だと多います

 

拾った音声は全て

即座にスクリーンに投影されます

すると全てのペアで作られた英文を

全員でシェアできるのです

 

その際AIが

文法的な誤りなどを修正して表示します

すると間違った本人は

間違いに気づき

文法的に正確な英文を学べる上に

間違えたことは他の生徒に知られないので

間違いを恐れず話す習慣がつきます

 

ただ同じような文章ばかり集まっても

面白くも何ともありません

 

そこで教員に発問力が求められます

「彼は午後三時に駅で彼女を見かけた」

みたいな

他に訳しようのない例文ではダメです

生活に密着し

なおかつ汎用性の高い文章

例えば

「先生遅えな」

主語をどうするかだけでも

何通りも作れるし

そこに一言自分で付け加えるよう指示し

「先生遅えな 何してるんだろう?」

「先生遅えな 忙しいんかな?」

「先生遅えな 時間守れって言うとるくせに

 自分が遅れるってどうなん?」

みたいに自由に生徒が作文すると

一気にボキャブラリが増えて

楽しいと思います

 

集まった例文はそのまま保存されて

いつでもアクセスできるようにしておけば

家庭学習にも使えます