校長室より「おこらいえ」

はたらきアリの法則

252日目

 

はたらきアリの法則というのがあって

アリは働き者に見えるけど

実際に働いているのは

全体のおよそ3割程度だ

というものです

 

全く働こうともしないのが1割

残りの6割は

とりあえず働いているふりをしています

 

3割の働き者だけを集めて

新しい優秀な集団を作っても

やがてその割合は

3:6:1に行き着くのだそうです

 

実は何にもしない1割にも

それなりに大きな役割があって

仮に群れ全員が同じ方向を向いて

働いていたら

不測の事態が起こった時に

群れが全滅してしまう

そうなった時に生き残った1割が

新しい群れを作っていくのです

 

人間社会も何だかよく似ている気がします

私は若い頃は

なんやかんやといろんなところに

いちゃもんつけては

なんとかサボることばっかり考えていた1割でしたが

今こうして生き残って

自分でも信じられないほど

3割の仲間入りをしています


さて

先日行われた文化祭の振り返りを

若手の先生方で行いました

 

石川県教育委員会の

教員養成プログラムは

全国に自慢できるほどのシステムです

若手教員養成プロジェクト

通称「若プロ」の大きな柱として

各学校が主体的に研修を推進しています

今回の振り返りは

その研修の一環としてのものです

 

 

 

 

 

 

 

文化祭の振り返り

多忙な先生方なので

最も効率良いのは

オンラインを使ってのアンケート集約ですが

これまでの経験から

この手法の問題点は

1割の先生が提出してくれないこと

きちんと回答してくださる先生が3割

残りの6割はとりあえず提出だけしておこう

と分かれることです

 

6割の先生にはさらに2つのタイプがあって

「よかった 最高 問題なし」

と無批判に誉めてくれるタイプ

 

もうひとつのタイプは

ほとんどどうでもいいような細かいことに

ネチネチ小さな文字でびっちり

問題点の指摘だけをしてくるタイプ

係としては

「あなた気づいていたんですよね

 そこで何かしてくださったんですか?」

と言いたくなり

係の精神衛生上非常に良くないタイプです


そこで今回はあえて対面での振り返り

 

でも

「あそこがダメ

 ここもダメ」

というありがちな反省会では

次やるのがイヤになってしまいます

次に繋がるような

「大好き反省会」を

OECDから教えていただいたので

それを実践してみました

 

次の事柄について

1分間自分だけで考え

1分間グループでシェア

それをKJ法で繰り返します

KJ法というのは

付箋を用いてお互いの考えを深め合う

話し合いの手法です

 

Drop:次回簡略化できること

Add:今回足りなくてプラスすればいいこと

Improve:次回発展できそうなこと

Self care:今回自分が頑張ったこと 思いっきり自画自賛

Ubuntu:他の人の頑張りを見つける

Keep:次回もぜひ継続すればいいこと

Identity:今回の文化祭を通して自分が一番変わったこと

 

これらの頭文字をとって

「DAISUKI(大好き)ふりかえり」です

 

今回の研修にはもうひとつ狙いがあって

それは私が目指していた

授業スタイルの伝承です

 

239日目に登場したフィンランドの校長先生

「フィンランドでは

 1時間の授業中に

 7分以上しゃべる教師は

 無能と評価されます」

できるだけコンパクトに

説明をまとめ上げ

生徒の活動時間を

充分に確保することが

求められているのです

 

今回講師を務めた私がやったことは

最初のルール説明とタイムキープのみ

一方受講者は休む間もなく

頭をフル回転させていたはずです

「授業中いかに教員が楽をして

 生徒の頭を疲れさせるか」

これが私が授業を組み立てるときの

大きなテーマでした

 

ただしこのタイプの授業には

入念な準備の時間が必要となります

それでも一度作ってしまえば

それは生涯使える財産となるので

若い先生方には

自分だけの授業を

一つひとつ作っていって欲しいと思います