校長室より「おこらいえ」

ゆでたまごを科学する

地震から 406 日目

豪雨から 142 日目

 

ゆでたまごの最適なつくりかたが

科学的に解明されたとの

画期的な発表が

イタリアの研究チームからなされました

 

これにつきましては

わたしもかねてより研究を進めていたところであり

先を越されてしまったことに

口惜しい思いを禁じえないとともに

同じ研究者として

心から敬意を表します

 

これまでの研究の歴史を振り返ってみますと

時間を計測している最中に

電話がかかってきたり

待ちきれず途中で食べてしまったり

一所懸命計測して作ったものよりも

晴れ女が何も考えず作ったもののほうが

はるかに美味しかったり

厳しい研究の繰り返しでした

 

卵は白身と黄身で固まる温度が違います

白身は60℃で固まり始め

65℃くらいで流動性がなくなり

80℃ほどで完全に固まります

一方黄身はおよそ65℃で固まりだし

70℃で完全に固まります

 

70℃のお湯で30分間加熱すると

白身は完全には固まらず黄身だけ固まった

「温泉たまご」ができあがります

 

100℃近いお湯で加熱すると

白身は完全に固まります

このとき5分ほどで取り出すと

黄身まで熱が伝わらず固まっていない

「半熟たまご」になります

 

今回のイタリアチームのつくりかたは

100℃の熱湯と30度のぬるま湯に

交互に2分ずつ16回浸すというものです

 

実験する前に

温度の伝わりかたを

コンピュータでシミュレーションするなど

かなり本気で研究していて

人類の発展に大きく寄与した研究といえます

 

しかもこの研究リーダーは

「私は卵料理は嫌いだ」と

おっしゃっています

だから途中で食べたくなる

衝動に駆られることがなかったんですね

 

なるほど

好きなことを研究するのではなく

好きでもないことを

無理やりやらされる中で

真実に辿り着く研究もあるのですね