校長室より「おこらいえ」
豪雨のあとさき
地震から268日目
豪雨から4日目
豪雨のあとはじめて登校する日です
時間の経過とともに被害の大きさが
明らかになってきます
街の中を走る車はほとんど泥だらけで
まっ茶色に染まっています
道路の寸断により登校出来ない生徒
家の中の泥を掻き出す作業をするため登校出来ない生徒
さまざまな事情で全員揃うことはできませんでしたが
それでも多くの生徒が顔を合わせることができました
コロナのとき
そして地震のとき
身をもって実感したのですが
こんなときは何もできなくても
お互いの顔合わせが
心の通い合わせになるのです
今日は野球部の生徒が
家屋の泥出しと清掃のボランティアに出かけました
今日はまず被災した部員の家からです
もし高校生の力を借りたいお宅があったら
どうぞお問い合わせください
調整の上
お手伝いできることがあればお手伝いします
以前もお越しくださった
大阪大学の渥美教授らが
ふたたび訪れてくださり
モバイルバッテリーのご寄付をくださいました
生徒のみなさんご家庭のみなさん教員のみなさん
必要な方におあげします
数に限りがありますので
明日の時点で一旦締め切り
被災状況を確認した上で
適切な方に差し上げます
あまったらその後は早い者勝ちにします
また生徒玄関にスポーツドリンクも置いてあります
こちらも自由にお持ちいただけますので
必要なご家庭は生徒に持ち帰るよう
お伝えください
何度でも何度でも何度でも
267日目
大雨もおさまり
寸断されていた道路も
片側交互通行ながら繋がり
金沢から輪島にようやく入れました
地震で崩れた岩肌を
何本もの滝が
音を立てて流れて落ちています
天然のダムとしての
山の保水機能が完全に失われています
地震がなければおそらく
今回の雨で
これほどの被害にはならなかったでしょう
自然破壊への警鐘です
街のあちこちで
流れ込んだ土砂のため
道路が通行止めになっています
頭の上を捜索や報道のヘリが飛び交い
消防車や救急車の音が鳴り止みません
まるで1月に戻ったようです
ようやく入れた仮設住宅が
ダメになった生徒もいます
営業を再開したばかりの
多くの飲食店が振り出しに戻ってしまいました
孤立した集落には支援物資が届かず
「あるものでしのいでくれ」
と言われているそうです
でも輪島のみんな
失うものを無くした人間には
怖いものなど何もない!
やったろうぜ!
絶対に負けるな
生徒のみんな
未来への希望を捨てるな
今朝からずっと
ドリカムの曲が
頭の中をリフレインしてます
何度でも何度でも何度でも立ち上がり呼ぶよ
きみの名前 声が涸れるまで
悔しくて苦しくてがんばってもどうしようもない時も
きみを思い出すよ
10000回だめで へとへとになっても
10001回目は 何か 変わるかもしれない
落ち込んでやる気ももう底ついて
がんばれない時も きみを思い出すよ
前を向いてしがみついて
胸掻きむしってあきらめないで叫べ
明日がその10001回目かもしれない…
あれこれ速報
帰路の安全が確認できましたので
金沢で宿泊していた陸上部は
午後1時に金沢を出発しました
男子バレー部は
3名が保護者に迎えに来ていただきましたが
残りの6名は
マイクロバスでの移動となるため
念のためもう1泊し
さらに道路状況が良くなってから帰ります
さまざま速報
266日目
大雨特別警報継続中です
本日予定されていた商業検定は中止
部活動等も全て中止
生徒のみなさんは登校しないでください
ご近所の方で自主避難したい方
輪島高校は避難所にはなっていませんので
輪島中学校の方へお願いします
熊野トンネル付近
片側交互通行で通れるようになったようです
現在金沢で宿泊している
陸上部と男子バレー部は現在ホテルで待機中です
午前中の雨が収まってから
道路の安全を確認後帰校します
状況によってはもう一泊する可能性もあります
安全第一で動きます
お迎えに来られたい方は
顧問に連絡の上宿舎の方までお願いします
いろいろ速報
265日目
野球部秋の大会3回戦
同じく震災で被害の大きかった
日本航空石川との対戦です
先発は宮下くん
その宮下くんが3回裏
レフトスタンドに突き刺さるホームランで先制です
今日は終始レフトからホームへ
強い風が吹き付けていますが
打った瞬間その風が止まりました
6回に1点
8回に2点を奪われ逆転されますが
その裏宮下くんが四球を選び
代打志田くんが左中間のツーベース
応援にも力が入ります
徳野くんがスクイズを決め
1点差に詰め取ります
最後は惜しくも敗れてしまいました
日本航空石川さんは
この間ずっと練習にグラウンドを
お貸してくださっていました
ありがとうございました
最後は感謝を込めて互いに挨拶です
この後の試合頑張って甲子園決めてください
陸上部も新人大会で戦っています
紺谷優衣菜さんは
7種競技の最終種目800mで3位に入り
総合で5位入賞を果たしました
とかなんとか言っている間に
輪島の方が洪水で大変になっています
帰路がいずれも土砂崩れで帰れません
野球部はとりあえず球場で解散
応援にいらっしゃっている保護者に
お預けします
同じく遠征に来ている
陸上部はそのまま宿舎に宿泊します
お迎えに来れる方にはお預けします
練習試合に来ている男子バレー部は
石川県青少年総合研修センターに
宿泊することになりました
夕食は金沢錦丘高校さんが
作ってくださることになりました
お世話をしてくださったのが
以前にもお世話になった錦丘の中野先生
本校の野球部責任教師の
中野先生のお母様です
いずれにしても明日以降
道路の安全を確認してからの帰宅となります
明日も引き続き警戒が必要なようですので
最悪もう1泊も考えられます
みなさんにお願いです
道路状況おわかりになった時点で
明日の朝以降学校の方に情報を
提供していただけないでしょうか
よろしくお願いします
今回の延泊にかかる費用については
震災の際に
全国のみなさまからいただいた支援金を
使わせていただきます
ありがとうございます
ご家庭からの追加徴収はいたしません
学校の方では
学校前の道路が冠水
登校していた生徒は無事帰宅しましたが
帰宅できなくなった教員が数名
学校に泊まります
水道が断水で使えません
トイレはラップポンを使います
これは震災の際に
業者の方が設置してくださった簡易トイレです
用を足したあと
スイッチ一つでクルクルとラップして
自動的にポンと捨ててくれる優れものです
「トイレが使えるようになったら回収するので
ご連絡ください」
と言われてもいたのですが
いやいや待てよ
必要な時が来るかもしれないと
連絡せずに置きっぱなしにしていました
ラップポンの会社の方ごめんなさい
宣伝するので許してください
ラップポンぜひご家庭に1台!
生徒のみなさんで安否確認未回答の人は
すぐ回答してください
失言回避の6つの「た」
264日目
北信越高校校長会の2日目
今日はパネラーとして
パネルディスカッションに参加しました
失言しがちなシチュエーションというのがあって
(1)立場をわきまえず話す時
(2)正しいと思っていることを話すとき
(3)多人数の場で話すとき
(4)旅先で話すとき
(5)他人の批判をするとき
(6)例え話をするとき
全て「た」で始まる「6つのた」です
うーん
今回全て当てはまっているぞと
嫌な予感を抑えつつ
絶対ウケだけは狙うまいと
言葉を選びながら話すものだから
まあ歯切れの悪いこと
歯切れで思い出した面白い話
その昔
反抗的な態度で母親に口ごたえする娘にキレた晴れ女が
「親に向かって歯ごたえするな!!!」
歯ごたえって…
叱られている娘ともども
笑いを堪えるのに必死でした
その他のパネラーは
飯田高校の角秀明校長先生
飯田高校では前回も大地震に見舞われ
パソコン室のパソコンすべてが落下したので
そのときパソコンを全て机に固定したそうです
で今回の地震では机ごとひっくり返ったそうです
チャップリンの映画か?
思わず笑ってしまいました
今だから笑えますね
田鶴浜高校の赤島あけみ校長先生
県内で唯一看護科を持つ高校で
校長先生ご自身も看護の免許をお持ちだとか
その経験を活かして
避難所開設の際には
各部の部室に仮設トイレを設置したそう
やはりそれぞれの学校で工夫を凝らして
乗り越えてきたんですね
それから今日は東京の大成建設さんが
再び学校にお見えになり
今度は1年生全員とビジネスコースの3年生に
転生プロジェクトのワークショップを
実施してくださいました
転生プロジェクトとは
被災地の崩れた瓦やコンクリート塊などを
生まれ変わらせるプロジェクトです
前回2年生で提案されたのは
例えば被災地の瓦で作った風鈴
想いを音に込めて残すというアイデアです
今回はどんなアイデアが生まれるのでしょう
特に3年生に関しては
卒業制作にしようと考えています
それから桐章会の総会がありました
桐章会は卒業生の同窓会組織です
多くの方が出席くださいました
昨年度百周年記念式典の際に提案のあった
輪島実業高校同窓会組織も加わる案
正式に採択されました
輪島高校卒業生
輪島実業高校卒業生
双方から反対するご意見も聞いています
過去に何があったかも
ある程度聞いております
でもこれからの子供たちのことを
そして未来の輪島市のことを考え
ご理解ご協力お願いします
桐章会は
「輪島高校」の卒業生の組織ではなく
「輪島の高校」の卒業生の組織です
本の木とバウムクーヘンの街
263日目
石川県立図書館は
「百万石ビブリオバウム」の愛称で親しまれています
「百万石」は100万冊を超える蔵書の規模感を
「ビブリオ」は図書を表します
そして「バウム」は木
「バウムクーヘン」の「バウム」です
「クーヘン」がケーキなので
「バウムクーヘン」は「切り株ケーキ」
みたいな意味でしょうか
命名当時は「覚えにくい」などの声も聞かれましたが
とても素敵なネーミングだと思います
本の木「ビブリオバウム」は
まるで本のページをめくるような外観です
360°展示された本の間を
中空に浮かぶ「ブリッジ」が繋ぎます
館内にはカフェも併設され
飲食も可能な「文化交流エリア」では
知識を深めるイベントや音楽会なども多数開催
「思いもよらない本との出会いや体験によって
自分の人生の1ページをめくることができる場所」として
学都金沢にふさわしい学びの場です
10月11日
OECD(経済協力開発機構)を中心に
世界各国から教育関係者を招くことになっていて
この誇るべき学びの場を
世界に発信したいと考えています
震災直前には
輪島市にもこのような
新しい図書館を建てる計画があったのですが
今どうなっているのでしょう
新しい街の学びの中心としての図書館が
求められています
今日は北信越地区の高校の校長会に出席しました
各校の優れた実践例に学び
自校の教育活動に活かしていきます
全体会で発表されたのは
本校にもゆかりのあるおふたかたでした
まずは
先日本校の視察にも来てくださった
福井県立高志高校の山内悟校長先生
学校の最上位目標を達成するための5つの促し
①夢・希望を持つことへの促し
②自ら考えることへの促し
③自ら目標を達成することへの促し
④自ら学ぶことへの促し
⑤果敢にチャレンジすることへの促し
優れた授業実践のための3つの問い
①事実発問
②評価発問
③創造発問
を校長先生のリーダーシップのもと
先生方が徹底して取り組んでいらっしゃる様子が
伝わってきました
ふたりめは
昨日このコラムで校歌を紹介させていただいた
金沢辰巳丘高校の河岸美穂校長先生
先生は昨年度本校の百周年記念式典にお越しになり
そのとき植松電機の植松努社長の講演に感銘を受け
今年の修学旅行で実際に北海道を訪れ
社長の講演とロケットづくりを実現されたそうです
驚くべき行動力と実行力です
そのほかにも
このブログを読んでくださっているという
長野県下諏訪向陽高校の三輪元子校長先生が
お声かけをしてくださいました
人と繋がることの大切さ
輪島の子は
どうしても限られた人間関係の中でしか
これまで生きることができませんでした
この震災を機に
世界中のたくさんの人が繋がろうと
してくださっています
この機会を逃す手はありません
「半島の先端から目指せ世界の最先端」
ずっと言い続けていたことが
今現実のものになりそうな気配です
金沢市教育う長の野口弘様からのお話です
金沢市長の公用車のナンバーは1583
これは前田利家公が
金沢に入城した年だそうです
ナンバー1583 の黒のアルファードを見かけた時に
「ラッキー」と叫んで手を振ると願いが叶います!
というのは今自分が思いついたレビューです
それから金沢は
バウムクーヘンのような都市とも
言われているそうです
金沢城を中心として
武家屋敷 商人の街と
年輪のように広がっているからです
校歌について考える
262日目
今日
懐かしい顔にお会いしました
石川テレビの久保田アナが
学校を訪ねてきてくださいました
思えば
震災後初めて校内にテレビカメラが入ったのが
石川テレビで
その時インタビューしてくださったのが
久保田アナでした
さすがプロは話がうまいなと
感動してからはや9ヶ月
この校舎はどんなふうに見えたでしょう
私は震災前は髪が黒々とし
天然パーマで湿気が多い日なんかは
ボワっと膨れ上がり
「石川さん」のようなヘアスタイルでした
「石川さん」は
石川テレビのイメージキャラクターです
石川県以外の皆さん
ローカルネタで申し訳ございません
番組の企画で校歌を披露する機会をくださり
今日はその準備の取材にいらっしゃいました
番組の制作上
どこまで明らかにしていいかわからないので
詳しくは10月30日の紹介の放送をご覧ください
私は若い頃
高校野球の仕事に携わっており
勝利校の校歌を流す仕事もしていました
ですので
夏の大会で勝利のない高校を除き
県内全ての高校の校歌を聞いたことがあります
その中で特徴的な校歌をふたつ紹介します
まずは金沢辰巳丘高校
辰巳丘高校は石川県で唯一
芸術コースを有する高校です
校歌もおしゃれです
マイナー(短調)の曲なんです
悲しげで儚げな校歌です
そしてもう一つが輪島高校の校歌です
ふたつ特徴があって
ひとつめは変拍子(ポリリズム)
4拍子の中に
ところどころ2拍子や3拍子が混じるのです
ふたつめが男女交互に歌うパートがあること
ただしこれについては
昨年度100周年を機に廃止しました
生まれた時に割り当てられた性別で
歌わされることに抵抗を感じる生徒に
配慮してのものです
私が卒業した学校の校歌は
どれもこれも言い回しが難しくて
松陵中学校
「のとのなぎさにゆあみして
うみとたわむれそだちしこ」
ゆあ見して???
そ立ちしこ???
河井小学校
「へぐらのうみもさちあまた
ゆたけきさとにまなぶみの
よろこびともにうたわずや」
さち海女た???
うたわずや?歌うの?歌わないの?どっちやー
こんな感じで意味もわからず歌ってたものが
半世紀を経ても頭に残っているなんて
やはり校歌には大きな力があるものですね
さて全国的に見ると上には上があって
驚きのぶっ飛び校歌は
和歌山南陵高校のレゲエ校歌です
「イエイ!イエイ!イエーイ!」
と松下サービスセンターのCM
(これもおそらくローカルネタ)
のように始まります
めっちゃ令和な校歌です
誰かが誰も誰かが誰もが
261日目
「目指せ〇〇時間!」の表彰式を行いました
これは夏休み中自分の学習目標を立てて
自分自身を律することを目的に行われます
目標を達成できた生徒の表彰式を行いました
顔ぶれを見ると
家を失いずっと仮設住宅生活を送っている生徒や
内灘高校でひとりオンライン授業に取り組んでいた生徒
そんな生徒ばかりでした
自分自身が置かれた環境に不平不満を漏らすことなく
今の自分にできることを精一杯果たしてきた生徒たちは
本当に輝いていました
それから生徒会認証式を行いました
「誰もやりたくないけど
誰かがやらなければいけないこと
誰かがやらなければ
誰もが困ること
そんなことを
誰かにほめられることを期待せず
誰にも知られずやるのが
生徒会の仕事」
いつもこの言葉を贈っていますが
今年は
「しょーもないことでいい
本気でバカを演じきろ!」
とだけ伝えました
1学期の終わりに保護者懇談会をした際に
いくつかご意見をいただきました
それに対してお答えします
(1)マスコミの取材を嫌がっている
→学校としましても
現在マスコミを通じて多くを知ってもらう段階から
少しでも落ち着いた日常を取り戻す
次の段階に入っていると考えます
取材の申込に対しては慎重にお受けし
生徒の負担が大きいと考えるものについては
お断りしていきます
(2)仮設住宅にWiFi環境が整っておらずすぐGIGAがなくなるので
オンラインを使った宿題は出さないでほしい
→大量のデータを使う宿題は出していません
連絡に用いているclassroomもほとんどデータは使いません
GIGAがなくなるのはおそらく学校の課題以外の
動画視聴などの原因が考えられます
ご家庭でもご指導いただければありがたいです
(3)態度が悪い一部の生徒への怒りをクラス全体にぶつけるのをやめてほしい
→自分は悪いことをしていないのに
他の生徒への注意により
自分たちの貴重な時間が奪われるのは
我慢しがたいものがあると思います
一人ひとりの良いところを見つめ
個別の指導を徹底してまいります
(4)進路に関する情報がほしい
→これまで手が回っていなかった部分ではあります
特に初めてのお子さんが1年生の保護者は
不安に感じられていたことと思います
今後進路情報を適切に提供します
また
昨年度このブログで定期的にアップしていた
「親子で考える進路あれこれ」のコラムを
再掲してまいりますので
1年生の保護者の方はぜひご参考になさってください
「親子で考える進路あれこれ」vol.1
これは一昨年度から本ブログで掲載していた
進路情報に関するブログの再掲です
第1回は受験制度が多様化してきたその背景についてです
初めて高校入学したのお子さんをお持ちの方はもちろん
お兄さんお姉さんがいらっしゃった方も
その頃の受験システムとは大きく変わっていますので
いっしょに学んでいただければと思います
幼稚園から高校まで
その教育の基本を定めるのが「学習指導要領」です
これは約十年に一度 政府により改定されています
高校では2022年度に最新の改定が行われ
「主体的・対話的で深い学び」をキーワードに
新しい科目を学んでいます
今回の教育改革は
戦後最大のものになるといわれていました
大学入試制度までをも巻き込んだものであるためです
前評判のとおり、大学入試制度はすでに大きく変わってきています
従来の筆記・記述型の入試に加えて
より主体的で対話的な深い学びの成果を評価する選抜方法が
既に多くの大学で取り入れられています
ではどのような準備が必要になっていくのか
次回から少しずつ掲載していきます
21世紀枠の四半世紀
260日目
なんだか日差しはまだまだ夏の大会ですが
高校野球秋の大会の2回戦です
この大会は春の選抜に繋がる大事な大会です
春の選抜に「21世紀枠」が導入されて
次回で25回目になります
野球の実力だけではなく
文武両道や地域貢献に力を入れていたり
災害や練習環境のハンデを乗り越えていたりと
いくつかの選考ポイントをクリアした学校が選ばれます
世紀の変わる2000年11月
新聞記事を持つ手が震えました
「春の選抜に新たな選抜基準を設ける
過疎や災害のハンデを乗り越えて
地域の模範となる学校
全国から2校
その基準は県大会ベスト8」
私が当時部長を務めていた
過疎地にある
部員わずか10数名の町野高校は
秋の大会でベスト8の成績を収めていたのです
まさに自分たちに用意された制度
そう勘違いするには充分すぎる知らせでした
石川県の候補から北信越の代表へ
そして全国9校から2校への最終選考に残りました
当時
震災からの復興のシンボルとしての境港工業
そして過疎にあえぐ能登半島の町野高校
この2校が最有力候補と
スポーツ新聞各紙にこぞって書き立てられたものでした
結局2月1日に
選抜報告の電話が鳴ることはありませんでした
それから四半世紀
今となっては懐かしい思い出です
輪島高校も石川県の候補に選ばれたことはあります
試合の方はというと
3回
二木くんの中越三塁打
坂口くんの二塁強襲安打で3点先取です
4回には森高くんの適時打で田屋くんが生還
続く徳野くんは2ストライクから
きっちりスクイズを決め2点を追加です
徳野くんは以前
山野前金沢市長から
君は将来きっとみんなを引っ張る人になる!
とお褒めいただいた生徒です
さすが追い詰められた場面で
責任を果たします
4回の一二塁のピンチには
捕手の田屋くんが難しいワンバウンドの投球を
身体を張って前に落とします
隠れた名プレイです
5点の大量リードで迎えた5回には
坂口くんが送りバント
四番であってもその場その場で
自分の役割を果たします
その後着実に加点し
7回コールドで
ベスト16進出を果たしました
2013年より21世紀枠の推薦基準が
129校以上の都道府県ではベスト32以上
それ以外の県ではベスト16以上が
最低ラインとなったそうなので
まずはその権利を得たことになります