講座NOW

いしかわ師範塾

NEW 第12期学生クラス標準コース6日目 教育実践課題への理解(国語科)

 降雪が心配された予報に反して暖かな日差しがのぞく中、1月11日(土)に第12期学生クラス標準コース6日目を開催しました。この日は、「教育実践課題への理解3」の講座を実施しました。
 小学校では、「Let's try ”考え伝え合う国語!”」、中・高等学校では「子どもの心と体の健康」と「学校における安全教育」の講義を行いました。
 小学校では国語科の講座を受講した塾生から、「国語の授業の進め方についてよく分かった」「言葉による・見方考え方について、『ごんぎつね』の教材で具体的に示してもらったので理解が深まった」「9月に教育実習で国語の研究授業を行った際は、単元計画や本時の授業の進め方が難しかった。今回の講義を聞いて、『言語活動を通すとはどういうことか』『適切な物語の進め方は何か』がよく理解できた。」「物語の内容を分かっただけではいけないことが分かった。」等、国語科の目標を踏まえた授業づくりについて理解を深めることができました。
 中・高等学校では、「生徒がストレスや病気でいつもと様子が違う事に気づいてあげられるのは教師の役目であり、大切なことだと学びました」「子供たちは自分の気持ちを上手く言語化できなかったり、そもそも自分の気持ちに気づいていない場合が多かったりするため、健康観察においては単に口頭で聞くだけではなく、アンケートへの記述などを通して表現してもらう手段を用意しておくことが重要だと学んだ。」「生徒の安全を守るために、日々の小さな変化に気づいて、あわてず対応し、未然に防げるような予防を心がけることが大切であると学んだ。」等の感想がみられ、心と体の健康や安全教育の大切さを理解していた。

「小学校・国語」 
講師 金沢市立浅野町小学校      
南井 由紀 教頭

 

 目下、学生クラス短期B・C日程の受講申し込みを受け付けています。募集締め切りは、令和7年1月24日(金)です。詳細はホームページをご覧ください。

 

 

「高校生のためのオープンスクール」を開催!

 「高校生のためのオープンスクール」を、第12期学生クラス標準コース5日目の実施に合わせて、開催しました。
 県内公立・私立高校17校から109名の申込みがあり、開講式では、才鴈塾頭が「教員という職業に、こんなに多くの高校生が関心を持ってくれているのだと大変感激している。皆さんには、体験を通して、この師範塾についてより知っていただき、教員という素晴らしい職業への関心を今まで以上に高め、教員志望について考えるよい機会にしていただきたい。今日をきっかけに、一人でも多くの皆さんが教員を目指されることを大いに期待する。」と挨拶しました。
 その後、指導員による「仲間づくり活動」、講座「学校の先生になろう」を体験しました。「仲間づくり活動」では、アイスブレイクを通して、授業づくりと仲間づくりは表裏一体であるということを体感しました。講座「学校の先生になろう」では、「傾聴」の大切さについて知り、ロールプレイ形式の 演習を行いました。表情や目線、話し方、受容の姿勢など、授業をする上で特に気を付けるべきことについて学びました。
 続いて、各班に分かれ第12期生の模擬授業を参観しました。授業をした塾生に対して指導員が助言する様子を熱心に参観する姿が見られました。
 最後に「いしかわ師範塾DVD」を視聴し、師範塾の取組について学ぶとともに卒塾生の活躍の様子を知りました。質疑応答では「大学の教員養成課程と師範塾の違いは?」「教えるのが得意でなくてもなれるか?」などの質問が出され、参加者の関心の高さを窺うことができました。

参加者のアンケートより

  • 『教師の言葉を一生の支えにして生きる教え子がいる』という言葉を聞いて、自分の発した言葉が教え子にとって良い支えとなるように、子どもと関わりあいたいと思いました。
  • 模擬授業では、ほとんどの学生が、生徒の発言に共感したり反応を示して授業を始めたりしていたのですごいと思いました。話すスピードや声の抑揚、黒板の色使いなどの小さな事にも心がけていて、自分が教師になる時も気をつけたいと思いました。
  • 「『なりたい』という情熱に勝る適性はない」という言葉がとても印象に残りました。私自身、話すことが苦手で、そんな私でもなれるのだろうかと不安を抱いていたので、この言葉を聞いてとても救われました。これからも情熱を持ち続けようと思います。
  • 今までは漠然と自分の将来の職業として教師に興味を持っていたのですが、今回このオープンスクールを受講して、より教師のイメージを深めることができました。いしかわ師範塾の塾生さんが本気で自己課題解決に取り組んでいる姿が印象的でした。私もこのような情熱を持った、工夫があふれている授業をしてみたい、という気持ちが強くなりました!!
  • 師範塾の先生方は、本当に教育に対し熱い思いを持っておられるのだと思いました。本当に良い経験になりました。ありがとうございました。
開講の挨拶(才鴈塾頭)
アイスブレイク
体験講座「学校の先生になろう」 模擬授業参観の様子

第12期学生クラス標準コース5日目 教育実践課題への理解(道徳科・英語科・指導と評価)

 冬本番を思わせる天候の下、12月14日(土)に、第12期学生クラス標準コース5日目を開催しました。この日は、「教育実践課題への理解1・2」の講座を実施しました。
 小学校では、「Let's try ”考え議論する道徳!”」と「Let's try ”Speaking English!”」、中・高等学校では「Let's try ”考え議論する道徳!”」と「子どもを育てる指導と評価」の講義を行いました。
 小学校では道徳科と英語科の講座を受講した塾生から、「道徳性は学校生活の全ての場面で身につけることが出来ることを学ぶことが出来た。その中でも道徳の授業では、中心発問をしっかりと設定して子どもの意見がたくさん出るように仕掛けていきたい。」「外国語の授業では先生のパワフルさが大切だと感じた。目的を持って楽しく行うために教師が明るく盛り上げていくことが必要であると学んだ。」等の感想がみられ、道徳と英語の授業について理解を深めることができました。
 中・高等学校では、「道徳の授業は、答えがひとつにならず人の数だけあること、話し合いの過程を大切にすることが必要なことを学んだ。」「道徳は高校志望なのであまり関係ないと思っていたが道徳教育と道徳科目は根本的に違うことがわかり、認識が間違っていたことを痛感した。」「『評価』の即時性:適切なタイミングに適切な方法で評価することへの理解度が深まった。『どこで 何を どのように』を意識した評価をしたい。」等の感想がみられ、教科化された道徳と、指導と評価についての理解を深めることができました。

「小学校・道徳」 
講師 小松市立串小学校      
柴田 和美 校長
「小学校・英語」
講師 津幡町立萩野台小学校
濵中 美咲 校長
「中高・道徳」
講師 穴水町立穴水中学校
中越 令 教頭

 目下、学生クラス短期B・C日程の受講申し込みを受け付けています。募集締め切りは、令和7年1月24日(金)です。詳細はホームページをご覧ください。

 

 

第12期学生クラス標準コース4日目  こんな先生になりたい!~ベテラン教員に学ぼう~

 11月9日(土)、第12期学生クラス標準コース4日目に6名の令和5年度マスター教員の先生方を講師としてお招きし、「ベテラン教員に学ぼう」の講座を実施しました。

 示範授業では、深い教材研究と豊かな経験によって展開される素晴らしい授業から、塾生は教師として目指す姿を具体的に学ぶことができました。また、その後の講義では、それぞれの先生方が日々一人ひとりを大切にし、熱い思いで教育に取り組まれていることをひしひしと感じ、「こんな先生になりたい」と教職への思いを新たにしたようでした。

山内 一良教諭

(理科 金沢市立十一屋小学校)

西田 泰子教諭

(社会 七尾市立山王小学校)

亀倉 由紀子教諭 

(理科 石川県立小松高等学校)

 比良 俊晴教諭

(社会 金沢市立押野小学校)

 前田 敬子教諭

(算数 内灘町立白帆台小学校)

 下口 恭平教諭

(社会 加賀市立東和中学校)

<塾生のアンケートから>

  • 資料の文字の大きさや、発表する班の順番など、工夫している点をたくさん感じました。細部にまでこだわっているからこそ、あの生徒主体の授業が成り立っているのだと思います。
  • 知識を与えるのではなく子供たちが自ら調べる授業づくりが参考になった。自ら調べるのも、「これについて調べてね」というのではなく、賛成反対に分けて相手を納得させられるようにしようという授業展開にすることで、調べる動機を持たせることができると思った。
  • 授業のスキル面や声掛け、単元全体のデザインを構想することの大切さを学べた。また、生徒指導と学習指導の両輪で柔軟に対応することの大切さも学べた。
  • 今回の講義で生徒の意見を積極的に拾い、その際に教師がする表情や身振り手振りがいかに重要かについて再確認できました。
  • 先生のお話を聞いて、教科の中で生徒指導を行うということがとても印象に残りました。また、児童の興味・関心をひく声かけや教材を用いて、児童自身に「なんでだろう?どうしたらできるんだろう?」と考えさせ、教師は裏方にまわることが児童主体の授業を作る上で大切なのだと実感しました。
  • 1日講義をしていただきたいと思うほど、惹き込まれるお話で、学びになりました。より教員という職業の良さに気づいた講座でした。
  • 全員参加の授業を目指し、間違えてもいい、チャレンジすることがステキだとお互いに尊重し合える、授業を通した学級経営もやっていきたいと思いました。
  • 研究に終わりがないことも教職の一つの魅力だと感じました。

 

 

浅野大介副知事がいしかわ師範塾を視察訪問

 7月に石川県副知事に着任された浅野大介副知事が、8月31日の学生クラス標準コース第2日目を視察されました。職員との挨拶の中で、児童生徒のための個別最適化した教育と、教員がなすべきことに集中できる環境を実現し、子どもに寄り添い励まし子どもの望みに応える教員の育成に期待を寄せられました。
 視察では、講義「相手に伝わる聞き方・話し方」「授業のつくり方」をご覧になられたあと、いしかわ師範塾研修事業の概要や教育の方向性について、才鴈塾頭、新村顧問、杉中県教員総合研修センター所長と懇談されました。その中、いしかわ師範塾の役割、指導体制、研修実績についてご理解を示されるとともに、DXの活用も含め師範塾の進むべき方向について貴重なご助言をいただきました。視察の後半は、模擬授業を参観され、指導員からのきめ細かな助言のもと授業方法について真摯に学ぶ学生に、将来に向けた期待の言葉をかけられました。
 いしかわ師範塾は、今後も県の支援のもと石川の教育を担う未来の教員の育成に力を注いで参ります。

才鴈塾頭、新村顧問、杉中県教員総合研修センター所長と懇談
講義と模擬授業視察
模擬授業視察と塾生への言葉かけ


 

第12期学生クラス短期コース(A日程)仲間たちと切磋琢磨し合った6日間!

◇開講式・講座Ⅰ
 第12期学生クラス短期コース(A日程)は、8月23日(金)、24日(土)、25日(日)、26日(月)、28日(水)、29日(木)までの6日間、残暑厳しい中での開催となりました。

 開講式では、才鴈一博塾頭が挨拶の冒頭で令和の日本型教育に触れた後、「能登半島地震の被災から8か月近くたった今も多くの県民が苦境に立つ。こういった時こそ子どもたちの未来を支え、どんな時でも、何があっても子どもたちに寄り添い、一人一人の可能性を伸ばすのが、教師の使命だ。皆さんにはぜひ教師となって教育の力を大いに発揮し、子どもたちとともに、石川県の明るい未来を築いていってもらいたい。師範塾で仲間と切磋琢磨しながら、自らの目標に向かって学び続け、教える喜びや教職の素晴らしさが感じられるよう、有意義で充実した6日間を過ごしてほしい。」と激励しました。 

「開講式で挨拶する才鴈塾頭」  「めざせ石川の教師」

  講座Ⅰでは、石川県教育委員会 教育DX・教員確保指導力向上推進室の島村勝彦室次長が、「めざせ石川の教師」と題して、石川の教育の現状や求める人材、教師としてのやりがい等について話されました。講義の中では、キャリアステージに応じた研修があること、働き方改革が進んでいることや休暇制度が充実していることにも触れ、若手教員も安心して働けることを塾生に伝えていました。最後に、学校現場で活躍している先輩の動画を紹介され、「先輩の後に続き、仲間とともに学び、教師をめざすよう期待している。」と締めくくられました。

◇講義・模擬授業
短期コースの主な講義内容は以下の通りです。

「授業のつくり方」(授業づくりの視点、教師の基本姿勢など)
 「相手に伝わる聞き方・話し方」

 3日目の「ベテラン教員に学ぼう」では、金沢市立米丸小学校の中山あかね教諭を講師にお迎えし、示範授業を通して、学級づくりや授業づくりで大切にしていること等についてご講話いただきました。
 はじめに行った構成的エンカウンターの「みんなでドボン」というゲームを通して、協力することの楽しさ、クラス全体が明るくひとつになることを体感しました。中山先生は、学級づくりを自転車に例え、前輪は「授業で勝負」、後輪は「児童理解→寄り添う」とわかりやすく伝えて下さいました。授業づくりでは、児童が自分のペースで自分の学びを進められるよう見通しを持たせること、つけたい力を明確にしてしっかりと教材研究をすることが、児童の「わかった」「できた」「もっと学びたい」につながることを話されました。6年国語の短歌の単元を例として、「たのしみは~~する時」の形で児童や塾生が作った短歌を紹介し、笑顔あふれる楽しい授業を体感させていただきました。最後に現場の先生方の声として「先生のおかげで~~ができるようになった」と言われる喜びや、子どもとともに成長できること、人だけでなく教材も含めてたくさんの出会いがあること等、教師になってよかったという思いをたくさん伝えて下さり、とても学びの多い有意義な時間となりました。 

「示範授業」 講師:中山あかね 教諭(金沢市立米丸小学校)
「できる わかる 理科実験!」(小) 「できる わかる ICT活用!」(中高)
「先生ときまり」  「学級づくりのポイント 子どものほめ方・叱り方」
「個に応じた支援(発達障害の理解)」 「教師としての心構え」
「模擬授業の様子」

 全6回の模擬授業では、指導員の助言に基づき、改善しようとする姿が見られ、短期間ながら日を追うごとにステップアップできることに塾生は達成感を得たようです。

◇閉講式

 6日間の日程を終えた塾生に対し、才鴈一博塾頭は、「この6日間、大変熱心に受講され、自分自身の向上、進歩を実感できたことと思う。これからも常に学ぶ気持ちを持ち続け、向上心をもって日々自分磨きに努めてもらいたい。震災後、未だに困難な学校生活が続いている中でも、子どもたちのより良い学びのために献身的にがんばる教員の姿がある。これから教員をめざす皆さんにも、困難があってもそれを乗り越え、粘り強く積極的に立ち向かっていけるよう、優れた指導力とたくましい人間力を備えた教員となり、子どもたちの成長を支えていくよう期待している。石川の子どもたちが皆さんを待っている。」と、エールを送りました。

「閉講式で挨拶する才鴈塾頭」

  なお、次回の短期コースB日程は令和7年2月13日(木)~19日(水)、C日程は2月27日(木)~3月5日(水)の期間に各6日間の開催を予定しています。受付期間は令和6年12月2日(月)~令和7年1月24日(金)です。

第12期学生クラス標準コース スタート!

◇開 講 式
 8月3日(土)に、第12期学生クラス標準コースが、スタートしました。午前の部と午後の部の2部制で実施し、それぞれで開講式を行いました。
 式では、まず才鴈塾頭が、「能登半島地震で多くの県民が苦境に立つ、こういった時こそ教育の力が必要だ。なぜなら、これからの復興への希望の光を灯せるのは子どもたちであり、子どもたちに未来への希望を持てるように支え、育てる営みが教育だからだ。そして、どんな時でも、何があっても子どもたちに寄り添い、一人一人の可能性を信じ、教育を全うする。それが教師の使命だ。皆さんにはぜひ教師となって教育の力を大いに発揮してほしい。子どもたちとともに、石川県の明るい未来を築いていってほしい。この師範塾で仲間と大いに切磋琢磨しながら、自らの目標に向かって学び続け、教える喜び や教職の素晴らしさを実感してほしい。近い将来、本県の若き教師として大活躍されることを心から期待している。皆さん、今日からともに頑張りましょう。」と、塾生に熱いエールを送りました。

 
挨拶する才鴈塾頭

 午前の部の開講式では、馳 浩石川県知事にご臨席をいただきました。「全国にも教師を目指す学生を支える塾はあるが、石川県が唯一違うのは、師範塾という名称を使っているところ。ぜひ、なぜ先人が教師塾ではなくて師範塾という理念でこの講座を開設したのかということをご理解いただきたい。(中略)子どもたちに対する愛情を大切にしながら取り組んでいっていただきたい。」と話されました。知事からのメッセージを真剣に聞く学生たちのまなざしに、教職をめざそうという強い思いが感じられました。

塾生を激励する馳知事

 午後の部の開講式には、石川県教育委員会の北野教育長から、「子どもたちの学びを支え、成長を支える教師という仕事は、とてもやりがいのある素晴らしい仕事だ。皆さんの先輩方、学生クラスで学んだ先輩は3000人を超え、その多くが教員として学校現場で活躍している。師範塾の特徴は、やっぱり少人数、きめ細かく、そして学校で実際にやっていること、やらなければいけないことを実践に即して学ぶというところにある。恵まれた環境だということをしっかり意識をし、石川の教育を支える一員になっていただきたい。皆さん、しっかり頑張ってください。」と、激励していただきました。

 
塾生を激励する北野教育長

 塾生を代表して、2名が挨拶を行いました。
 「児童を否定することなく、一人一人を受け入れ、愛情をもって児童と向き合うことができる先生になりたい。児童に寄り添うことで、その良さや可能性を引き出し、さらに、それを児童にしっかりと伝えることで、自分に自信や誇りを持つことができる児童を育てたい。また、児童が学校には自分を受け入れてくれる先生がいる、安心して学校に来られることを目指す。いしかわ師範塾では、大学の垣根を越えて共に教員を目指す仲間たちと互いの良さを吸収し合ったり、改善方法を考えたりしながら、互いにスキルを高めていきたい。」
 「小学校の時に出会った先生は、どんなに小さな成功でも認め、励ましてくれた。この経験から、私も未来に向かって羽ばたく子どもたちをサポートしたいと思い、教師を志望している。支援をしてくださった先生方のように、子どもたち一人一人の個性を尊重することができること、子どもたち自身が自分で考え、成長できるようきっかけを作っていける先生になりたい。そのために、このいしかわ師範塾では、講義や演習などに加え、模擬授業や教育体験などの実践的な教育方法を学び、実際の教育現場で役立つスキルを身につけるとともに、子どもたちが楽しいと実感し、学びの面白さを存分に感じることができる授業づくりや指導を学んでいきたい。」
 このように、「教員になる」という夢の実現に向けて、仲間とともに切磋琢磨しながら自分を磨いていきたいという意気込みを述べ、これからの1年間の頑張りを誓っていました。

塾生代表の挨拶(午前) 塾生代表の挨拶(午後)

◇講 義・模擬授業
 講座Ⅰでは、石川県教育委員会の教育DX・教員確保指導力向上推進室  島村 勝彦室次長が、「めざせ 石川の教師」と題して、石川県の教育の現状について説明されました。研修体制や働き方についての説明では、キャリアステージに応じた研修があり、働き方改革が進んでいることや休暇制度が充実していることに触れられ、若手教員も安心して働けることを塾生に伝えていました。終わりに、学校現場で活躍している先輩の動画も紹介されました。そして、「これから1年間頑張って、ぜひ先生になり、将来の石川県の学校を背負って立つ、そういう人になってほしい。継続は力なり。最後まで諦めずに頑張り切れたら必ず道が開ける。」と、期待を込めて励ましの言葉を述べられました。

 
講座Ⅰ「めざせ石川の教師」で講義をする島村室次長

 講義では指導員から、授業の流れや授業プラン作成の手順、模擬授業のポイントについて説明がありました。その後、塾生は小グループに分かれ、授業プランを作成し、はじめての模擬授業に臨みました。塾生が互いに模擬授業を見合い、学んだことや改善点を交流し、切磋琢磨する姿が見られ、意欲的に研修に取り組んでいました。

 
講義を聴講する塾生

<塾生の感想より>

  • 石川県には新卒の教員にとって心強い若プロがあることや今の石川の教育現場や児童の実態を知ることができました。改めて教員の責任の重大さを感じました。
  • 石川県が目指す理想の教師像について知ることができた。教師という同じ将来を目指す仲間たちがいることを知ったことで、より自分に対してのモチベーションが上がった。
  • 授業を組み立てる上で大切にしなければならないことが明確にわかる講義・演習内容だったと思う。ただ、模擬授業を今回ほぼ初めてやってみて、それを取り入れて授業をすることはとても大変だということがわかった。
  • 授業づくりの構成として、ねらい、学習課題、まとめの整合性の重要性を再認識することができた。3つに共通する核となる言葉から、児童目線、教師目線でねらい、課題、まとめ方を工夫したいと思う。教材分析では、自分の授業観を踏まえながら児童の意欲と授業の見通しを持てる工夫を施したい。
  • 自分には子どもの意見を拾って自己肯定感が上がる褒め方ができるという良さに気づくことができ、自信を持つことができた。交流を通して導入だけでもその人その人の個性を出せる場面がたくさんあることに気づいた。わかりやすいだけでなく子ども主体に重きをおいた授業ができるようになりたいと強く思えた。
  • 模擬授業の授業プランを短い間で考え実践するということは今回初めて行ったのだが、思ったよりも時間が早く感じたし、緊張した。しかし、今日だけで先生からアドバイスをいただくことができ、他の受講生の授業も客観的に見て分析することができて、刺激を受けた。他の大学に所属する学生の模擬授業は普段見る機会がないので、勉強になった。

 

第1回指導員全体研修会を開催しました

 第12期学生クラスの開講にむけ、第1回指導員全体研修会が招聘指導員を含む約40名が参加して、7月12日(金)午後、石川県教員総合研修センターにおいて開催しました。
 冒頭、才鴈塾頭からは、即戦力として学校現場で活躍できる若き優秀な教員人材の育成という当塾の果たすべき使命や今後の方向性について挨拶があり、石倉師範からは第12期学生クラス講座計画の要点について説明がありました。
 全体会では、石川県教員総合研修センター基本研修課 早川実宝 担当課長をお迎えして「初任者研修について」と題して、初任者研修講座の現況の理解を深めるとともに、当塾指導員が模擬授業指導にあたる上で心得ておくべき事項等について、様々な視点からわかりやすくお話ししていただきました。
 参加者からは「初任研と師範塾での指導が繋がっているという視点で大変参考になった。」「質疑応答では初任者の様子についても知ることができ、師範塾の指導の参考にしたい。」等の感想が多くありました。
 分科会は、小学校部会、中高・養護・栄養部会に分かれて研究協議を行いました。
 小学校部会では教員総合研修センター リーダー養成研修課 橋村由希子 担当課長より「算数指導の今」と題して講義をいただき、その後「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を図るための授業改善について研修を深めました。
 中高・養護・栄養部会では、教員総合研修センター教育相談課 高野真一 担当課長より「生徒指導の今」と題して講義をいただいたのち、各教科ごとに、生徒指導の視点を生かした模擬授業の進め方等を中心に情報共有を図ることができました。
 全体会、分科会をとおして指導員一同、第12期学生クラスの開講に備えて若き教員人材の育成に意欲を新たにしました。

挨拶 才鴈 塾頭 全体会  講師 早川 担当課長
小学校部会 講師 橋村 担当課長 中高・養護・栄養部会 講師 高野 担当課長

 

第11期学生クラス標準コース 閉講式

 第11期学生クラス標準コースは、6月29日(土)に最終回を迎えました。
 閉講式では、才鴈塾頭から「能登半島地震で多くの県民が苦境に立つ、こんな時だからこそ皆さんに教師になってほしいと思っている。これからの社会をリードする皆さんに、石川の子どもたちの健やかな成長をしっかりと支え、創造的な復興をめざすいしかわの未来を一層明るいものにしてほしい。近い 将来、本県教育の若き担い手としてご活躍されることを心から期待し、応援している。」との励ましの言葉がありました。
 また、来賓としてご臨席いただいた県教員委員会の塩田教育次長からは、「“教育は人なり”といわれる。個別最適化や協働的な学びの実現に向けて、今まさに教育改革が進んでおり、皆さんには、この師範塾での学びを糧に教育的愛情を備え、高い指導力・実践力を有する石川の教師をめざし、本県教育の担い手として活躍してくれることを期待している。」との激励をいただきました。

 塾生の代表挨拶では、この1年を振り返るとともに、次のような感謝の言葉がありました。

「いしかわ師範塾では、豊富な経験を積んだ先生方から、教師としての心構えや実践的な指導技術を学ぶことができた。講義では、他者と意見を交流させることで、自分の考えを深めたり、新しい視点を発見したりすることができたし、毎回の模擬授業では、先生方の丁寧なご指導のおかげで、自分の得意な部分を伸ばし、苦手な部分を克服することができた。いしかわ師範塾での多くの学びを踏まえ、将来は子ども一人ひとりの気持ちに寄り添うこと、常に向上心を持って授業を改善し続けることを心がけ、子どもと共に成長していくことができる教員を目指したい。」(小学校グループ代表)
 「学校実習では、多くの収穫を得ることができた。先生方が試行錯誤を重ねながら、生徒にわかりやすく伝えようとする姿を見て、人に教えることの難しさや理解してもらえた時の喜びを知るきっかけになったし、先生とお話しする中で、実体験を交えて説明すること、生徒の思考力を高めることの重要性を学ぶことができた。この一年間、師範塾の先生方のサポートや共に学ぶ学生との関わり合いを通じて、大きく成長することができた。いしかわ師範塾で学んだことを生かして、教員採用試験に臨み、その先は、現場で働く教員として励んでいきたい。」(中高校グループ代表)

<塾生の感想より>

  • 自分の色が出せるように理想の教師像や学級のイメージをふくらませたい。
  • 授業を楽しくする工夫をたくさん考えていきたい。子どもと向き合う姿勢を大切にしたい。
  • 12回を通して、授業のむずかしさをたくさん感じることがあったが、それ以上に授業の深さ、魅力を感じることができた。
  • この一年間で、「子どもはどう考えるのかな」と一歩引いた目線で考えることができ、成長を感じた。
  • いしかわ師範塾を受講して実践的指導力や知識を得ることができた。学びのある充実した一年だった。

挨拶する才鴈塾頭             塾生を激励する塩田教育次長

閉講式 塾生代表挨拶

小学校グループ代表           中高校グループ代表

塾生を激励する指導員

   

 

今年度もオープンスクールを開催!

 梅雨入りが間近に感じられる中、今年度の大学生対象のオープンスクールは、第11期学生クラス標準コース11日目に合わせて、6月8日に開催しました。
 当日は、県内外から41名の大学生の参加があり、まずは、小学校、中高等学校と校種別に分かれ、それぞれ「理科実験」と「ICT活用」の講座を参観しました。どちらの講座も実践的な内容で、高い関心をもって参観する姿が多く見られました。
 開講式では、才鴈塾頭が「毎年、多くのいしかわ師範塾出身者が、新卒・新規採用者として教壇に立ち活躍している。今日のオープンスクールの参加が、皆さんにとって、教員志望について真剣に考えるよい機会になることをお祈りするとともに、一人でも多くの方がここ師範塾に入塾されることを心から期待する。」と挨拶しました。
 その後、指導員による「児童・生徒とのコミュニケーションづくりの基礎・基本」の講義では、ロールプレイ形式の演習をとおして、「児童生徒とのコミュニケーションには、傾聴することがいかに大切であるか」について体験しました。
 続いて、各班に分かれ第11期生の模擬授業を参観しました。塾生の授業の様子や、指導員が助言する内容を、熱心に参観する姿が見られました。最後に「いしかわ師範塾DVD」を視聴し、師範塾の取組について学びました。
 その後の質疑応答では「塾生の模擬授業のレベルが非常に高いと思ったが、授業プランの作成にどれくらいの時間をかけているのか?」「学校実習が60時間となっているが、どのような研修なのか?」「石川県の教員採用試験を受けるかどうか迷っているが、標準コースに申込みはできるのか?」(石川県の教員採用試験を受ける可能性のある人は、是非お申し込みください)などの質問が相次ぎ、参加者の関心の高さを窺うことができました。
 また、参加者のアンケートからは、「模擬授業や講座は、どれも実践を通しての学びであり、実際に教員になった時に役立つ内容だと感じた。」「少人数制の模擬授業であるため、指導員の先生からたくさんのアドバイスをもらい、自分の授業に自信をもてるようになると思った。」「先輩の模擬授業の完成度が高いのに驚いた。自分も入塾し、授業レベルを上げたいと強く思った。」「明るく楽しそうな雰囲気で、学生同士が共に学ぶ姿勢が印象的だった。是非入塾しようと思った。」などの声が寄せられました。

講座参観の様子 開講の挨拶(才鴈塾頭)
講座体験「児童・生徒との
コミュニケーションづくりの
基礎・基本」

 

模擬授業参観の様子

 

教育実践課題への理解5「Let’s try“考え深め合う探究活動”」

 学生クラス標準コース第10日目は、石川県立金沢二水高等学校副校長の石尾和彦先生を講師としてお招きし、中高・栄養・養護教諭志望者向けに、教育実践課題への理解5「Let’s try“考え深め合う探究活動”」を行いました。

 石尾先生はご自身の豊富な指導経験に基づき、探究活動をとおして生徒が身につけるべき力、探究活動の実践による生徒の変容、活動のプロセスの中で行う評価の方法、そして指導にあたる教員の役割や立ち位置について、グループ協議や受講生との対話をとおして、わかりやすくお話になりました。教育現場に立ち探究活動を指導するときに十分に活用できる内容であったと、受講生からも大変好評でした。

 将来塾生が、石尾先生の言われる「正解のない問いに向き合い、多様な他者と協働しながら“納得解”“最適解”を導く力」を生徒の中に育んでいけるよう、探究活動の指導力を身につけていくことを期待しています。



令和6年度講師セミナー開講!

 令和6年度講師セミナーが4月24日(水)に開講しました。今年度は土曜午前の部、土曜午後の部、平日夜間の部の3部に分かれて、いずれも県教員総合研修センターを会場に、7月6日(土)まで行われる予定です。
開講式では、才鴈塾頭から講師の方々の日々の教育活動への感謝とともに、講師セミナーでさらに指導力を磨いてほしいと激励の挨拶がありました。
 続いて「授業のつくり方」の講義では、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業の工夫・改善について理解を深め、その後、校種、教科別にグループに分かれ、それぞれ「模擬授業」に取り組みました。
1月1日の能登半島地震を受け、今年度は能登会場(穴水高校)での講師セミナーの開催は見送ることとなりました。しかし、能登地区から20名を超える参加があり、学びへの熱い思いを感じました。今回から4回にわたるセミナーを通して、なお一層の指導力を身につけられるよう期待しています。

    開講式での塾頭挨拶

 

小学校で「選択教科別模擬授業―国語・英語・道徳―」に挑戦!

  3月9日、今年度最後となる11期学生クラス標準コース(第8日)が開催されました。
 令和4年度から、英語、算数、理科、体育の一部で教科担任制が導入されることになり、専門性を有した教員の育成と授業の質の向上が求められるようになりました。
 そこで、昨年度より、算数以外に、国語、英語、道徳の3教科から受講生の希望を反映した「選択教科別模擬授業」を実施しています。今年度は2年目となります。

 状況を報告します。

「国語」の模擬授業を行う
受講生

 受講生は、初めての国語の模擬授業ということで、難しさを感じる一方、面白さも感じていました。教科が違ってもこれまでの模擬授業と同様、教師と児童との関わりを大切にしようと一生懸命に授業を進めていました。
[受講生の感想]
 児童から出た意見を受け止めたり、広げたりするためには、教材研究はとても重要だと思った。国語ならではの言葉を大切にすることや教科書をもとに考えるということが大切だと分かってよかった。 
「英語」の模擬授業を行う
受講生
 5年生初めの単元に挑戦しました。どの受講生も、「言語活動を通して」を意識し、コミュニケーションの楽しさを味わいつつ、ジェスチャーと笑顔の体当たりの模擬授業をしていました。
[受講生の感想]
英語を話すのは苦手だが、英語の明るく楽しい雰囲気が好きで選択した。とても緊張したが、途中からは、自分の波に乗り自分らしく、そして楽しんで授業を行うことができた。

「道徳」の模擬授業を行う
受講生

 受講生は、受容的な授業となるよう雰囲気づくりを意識していました。また、2年生の児童が対象ということもあり、より柔らかい語り口調や豊かな表情で授業を行おうとしている様子が見られました。
[受講生の感想]
 道徳の授業を初めてやってみたが、児童とのやりとりをする中で発問を工夫したり、視覚的に分かりやすい板書を工夫したりすることの大切さなどを学ぶことができた。

 

第11期学生クラス標準コース8日目 SDGsの視点を取り入れた授業を学ぶ!

 3月の風とは思えない厳しさで桜のつぼみも身を固くする中、第11期学生クラス標準コース8日目を3月9日(土)に開催しました。この日は、金沢市立兼六小学校の田中哲也先生を講師としてお招きし、「Let’s Try未来につなげようSDGs!」の講座を実施しました。
 はじめに、いしかわ師範塾指導員から
 ・ 持続可能な開発目標(SDGs)採択に至る経緯
 ・ ユネスコスクールとESD、SDGs
 ・ 全国及び本県学校教育におけるSDGs達成に向けた取組
についての講義がありました。
 引き続き、田中先生からは、6年生が金沢の魅力を調査し、修学旅行で金沢を訪れた愛知県の荒子小学校の皆さんに金沢の魅力を紹介する中で児童たちは観光客増加に伴うデメリットに気づき、4つのプロジェクト(ゴミを減らそう、マナーを学ぼう、交通改善、金沢の魅力発信)を立ち上げ、学習を深めてきた実践が紹介されました。
 塾生は児童生徒役として授業を受けながら田中先生の卓越した指導方法を体験し、総合的な学習の時間の授業づくりの参考になるポイントをつかむことができたようです。さらに、子どもたちの実態に応じた対応や工夫などを通して、教師としての情熱に触れることができ、思いを強くしました。

田中 哲也 教諭 金沢市立兼六小学校

<塾生の感想より>

  • 子どもたち自らが思考ツールを用いて考察分析をしており実践的な取組であることが印象に残った。
  • 子どもたちの学びを深めるために、授業の流れや発問を考えながら実践することを楽しそうにお話をされている田中先生を見ていて、教員という職業のやりがいを感じた。
  • 総合的な学習の時間はテーマ設定が難しそうに思っていたので、今回の実践のように、地域の特性を活かした授業は取組やすいように思った。
  • SDGsと地域の課題を結びつけることで、子どもたちが当事者意識を持つことができると分かった。大人でも答えが出せないことに取り組むことで、子どもたちが本気で学べるという言葉が印象に残った。
  • SDGsを教育に結び付けて子どもにどのように活動させるか予想もつかなかったので、とても参考になった。児童と地域の関わりを通して子どもの提案が実現する点にやりがいが感じられると思った。
  • 子どもたちの学びを深めるために授業の流れや発問を考えて実践される田中先生に、教員という職業のやりがいをとても感じることができた。
  • 「子どもに新しい提案をどのようにするか」という塾生の質問に対して、「子どもが過去の経験をもとにどのように考えるのかを予想し、予め段取りをしておく」という回答に教師の周到な準備の必要性を感じ取った。

第11期学生クラス短期コース(B・C日程)修了  短期集中で大きく成長!

 第11期学生クラス短期コースB日程は2月15日(木)から21日(水)(18日を除く)の半日6日間、C日程は2月29日(木)から3月2日(土)の全日3日間で開催しました。

 開講式では、才鴈塾頭が、能登半島地震による甚大な被害状況や児童生徒の心の痛みに触れ、「こういう時こそ教育の力が必要だ。なぜなら、復興の希望の光を灯せるのは子どもたちであり、その子どもたちに、未来に希望がもてるように支え、育てるという営みが教育だからだ。ぜひ、皆さんには教師になっていただき、教育の力を発揮し子どもたちとともに石川の明るい未来を築いてほしい。」と、激励の言葉を送りました。

 短期コースの主な講義内容は、「めざせ石川の教師」、「授業のつくり方(授業づくりの視点、教師の基本姿勢など)」、「相手に伝わる聞き方・話し方」、「ベテラン教員による示範授業」、「できる わかる 理科実験!(小)」、「できる わかる ICT活用!(中高)」、「子どものほめ方・叱り方」、「個に応じた支援」などです。

◇ 開講式

(挨拶する才鴈塾頭)

◇ 講義「めざせ石川の教師」

谷口 雅一 室次長

(石川県教育委員会教員確保・指導力向上推進室)

◇ 示範授業(B日程)

角 亜紀子教諭【国語】

(小松市立月津小学校)

天井 智美教諭【算数】

(津幡町立中条小学校)

井川 健太教諭【理科】

(石川県立金沢泉丘高等学校)

◇「示範授業」(C日程)

 小倉 美佐教諭【社会】

(金沢市立米泉小学校)

浅島 敏広主幹教諭【数学】

(金沢市立額中学校) 

 安原 広樹教諭【国語】

(石川県立金沢錦丘中学校)

 短期コースでは、模擬授業を連続して行うため、塾生は短期間で自分の成長を実感することができたようです。それが自信につながり、教師になりたいという思いをより一層高めたようで、本県教育界に新しい風を吹き込んでくれるよう今後の健闘を期待しています。

<塾生の感想より>

  • 模擬授業では、自分の特徴や今後改善していくポイントが見つけられて良かった。
  • 模擬授業は、初日に比べ、より自信をもってできるようになった。同じグループの人たちがみんな温かく、模擬授業をしやすい雰囲気をつくってくれたことに感謝したい。
  • 毎日いろいろな先生方、受講生と関わり、多くの刺激を受けた。教師という夢を実現するため、いしかわ師範塾で学んだことを忘れず、大いに生かしていきたい。
  • 子どもの特性をよく理解し、気持ちに寄り添って日々関わることが大切だと感じた。教師の言動で子どもの様子が変わることに、責任をもって励んでいきたい。(「個に応じた支援」)
  • 事例に基づいた対応を考える演習を今まで受けたことがなく、今回は良い刺激だった。(「個に応じた支援」)



     

第11期学生クラス標準コース5日目 教育実践課題への理解(道徳科・英語科・指導と評価)

 冬本番を思わせる天候の下、12月2日(土)に、第11期学生クラス標準コース5日目を開催しました。この日は、「教育実践課題への理解1・2」の講座を実施しました。
 小学校は、「Let's try ”考え議論する道徳!”」と「Let's try ”Speaking English!”」、中・高等学校は「Let's try ”考え議論する道徳!”」と「子どもを育てる指導と評価」の講義が行われました。
 小学校では、塾生が国語、英語、道徳の3教科から1教科を選んで模擬授業を行う選択教科別模擬授業を、来年3月に実施する予定です。今回、道徳科と英語科の講座を受講した塾生からは、「道徳の授業では、『自分だったらどうするか』『これからどうしたいかな』というように、子供たちが自分事として捉えていくことができるような授業をしたいと思う。」「私は、道徳は読んで感想を書く、英語はゲームや劇をする時代だったので、今、道徳や英語がどんな目的でどんなことが重視されているのか、どのような意識をもって授業づくりに取り組むべきかを考えることができた。力をつけていきたい。」等ついての理解を深めることができましの感想がありました。
 中・高等学校では、「道徳の指導方法をしっかり教わる機会があまりないので、とても新鮮だった。道徳は、特別な教科だけでなく、行事や自分の教科でも教育していくものであると学んだ。」「単元の目標がしっかりしたものであると、評価も行いやすく、客観的なものになり、評価と目標は一体化させて授業づくりを行うべきであると分かった。」等の感想がみられ、教科化された道徳と、指導と評価についての理解を深めることができました。

「小学校・道徳」 
講師 石川県教員総合研修センター
袴谷 美弥指導主事

「小学校・英語」
講師 津幡町立津幡小学校
濵中 美咲教頭
県教員総合研修センター
ALT イアン ローレンス先生

「中高・道徳」
講師 小松市立串小学校
柴田 和美校長

  また、この日は、県内3大学から8名の教職指導担当の皆さまをお迎えして、教育懇談会と学生クラスの講座公開を行いました。
 懇談会では、いしかわ師範塾及び石川県教員総合研修センターの取り組みについて理解を深めていただくとともに、各大学の教員養成の制度や取り組みなどについて意見を交わす貴重な機会となりました。

   
   教育懇談会の様子  

 

 

6年ぶりに「高校生のためのオープンスクール」を開催!

 「高校生のためのオープンスクール」が、第11期学生クラス標準コース4日目(11月4日)の実施に合わせて、6年ぶりに開催されました。
 県内公立・私立高校23校から116名の申込みがあり、開講式では、才鴈塾頭が「毎年、数多くのいしかわ師範塾出身者が、新規採用者として教壇に立ち活躍している。ここ師範塾で身に付けた力は、教員になるためはもちろん、教員になってからも大いに生かされていると感じている。近い将来、石川県の教員をめざすなら、ぜひここ「いしかわ師範塾」で学んでいただきたいと思うし、何より、今日をきっかけに、一人でも多くの皆さんが教員をめざされることを期待する。」と挨拶しました。
 その後、指導員による「仲間づくり活動(アイスブレイク)」、「講座『学校の先生になろう』」を体験しました。講座「学校の先生になろう」では、ロールプレイ形式の演習をとおして表情や目線、話し方、受容の姿勢など、授業をする上で特に気を付けるべきことについて学びました。また、教師という仕事のやりがいと魅力、学生時代になすべきことについて話を聞き、職業としての教師について改めて深く考える機会となりました。続いて、各班に分かれ第11期生の模擬授業を参観しました。塾生の授業や、指導員が助言する様子を熱心に参観する姿が見られました。
最後に「いしかわ師範塾DVD」を視聴し、師範塾の取組について学びました。質疑応答では「教員になるために、どのような準備をすればよいか?」「生徒理解に必要な心構えとは?」などの質問が出され、参加者の関心の高さを窺うことができました。
 参加者のアンケートからは、「なんとなく教師になりたいとしか思っていなかったが、話を聞いたり、実際に見たりしたことでイメージが深くなり、教師になりたいと、より一層思った。」「模擬授業で、指導員の先生が大学生にアドバイスしていたことが、分かりやすかった。」「今までなぜ教員になりたいか、よく分かっていなかった。今日参加して、生徒の成長を感じ、仕事をしていく上で感動することがある、その瞬間がやりがいを感じる一つの場面であると思い、教師という仕事がさらに好きになった。」などの声が寄せられました。

開講の挨拶(才鴈塾頭) 体験講座「学校の先生になろう」 模擬授業参観の様子

第11期学生クラス標準コース4日目 ベテラン教員の技に学ぶ!

 第11期学生クラス標準コース4日目を11月4日(土)に開催しました。この日は、令和3・4年度マスター教員の先生方6名を講師としてお招きし、「ベテラン教員に学ぼう」の講座を実施しました。小学校は理科と算数と社会、中学校、高等学校は国語と数学の示範授業が行われました。
 塾生は児童生徒役として授業を受けながら、ベテラン教員の卓越した指導方法を体験し、自身の授業づくりの参考になるポイントをつかむことができたようです。その後の講義では、子どもたちの実態に応じた指導方法や学級づくりの工夫などを通して、教師としての使命感や情熱に触れることができ、更なるレベルアップを図ろうという思いを強くしていました。

山本 純太 主幹教諭 理科

白山市立東明小学校

野間 佐和子 教諭 算数

金沢市立小坂小学校

小原 由希子 教諭 社会

加賀市立錦城東小学校

河元 友子 教諭 理科

能登町立松波小学校

平田 直子 教諭 国語

金沢市立港中学校

横山 教史 教諭 数学

七尾市立七尾中学校

<塾生の感想より>

  • 実際に理科の授業を受けながら、実験までの道筋のつけ方、危険の予測と回避の方法などを子どもたちの目線で学ぶことができ、有意義な時間になった。
  • 社会の授業を子どもの立場で受けてみて、とても集中してあっという間に時間が過ぎた。新しいことを次々と取り入れ、しかし押さえるべきところはしっかり押さえる素晴らしい授業を体験できた。
  • 考え方の習得を重視するという姿勢が印象に残った。「計算できる=理解している」と思っていた自分のとらえ方の浅さを痛感した。
  • 生徒の発言に対して「私もそう考えます。」「そのような考えも良いですね。」など肯定的な声かけをしていて素敵だと感じた。生徒役で授業を受けてみて、自信をもって発言できて参加しやすいと思ったので、私も心掛けたい。
  • 特に印象に残っているのは「時間を守る」ということ。授業時間できちんと終わり、生徒の時間を確保することで生まれる信頼もあると思った。
  • ゴールから逆算して伝えるべきところを明確にするなど、自分の知らない教材研究を知ることができた。

第11期学生クラス短期コース(A日程)仲間たちと切磋琢磨し合った6日間!

◇開講式・講座Ⅰ

 第11期学生クラス短期コース(A日程)は、8月25日(金)から27日(日)まで、29日(火)から31日(木)までの計6日間、残暑厳しい中での開催となりました。

 開講式では、才鴈塾頭から「教師の仕事は、子供一人一人の成長に直接関わるとともに、その生き方や人間形成にも大きな影響を与える。苦労や責任を伴うが、子供の成長とともに自らも成長できる、 日々感動に満ちあふれているやりがいのある仕事である。ぜひ、入塾された仲間の皆さんと切磋琢磨し、教師としての自らの将来の姿や理想の教師像をイメージして、主体的、計画的に向上心をもって学んでほしい。」と激励の言葉がありました。

 講座Ⅰでは、石川県教育委員会教員確保・指導力向上推進室の谷口雅一室次長が、「めざせ石川の教師」と題して、石川の教育の現状や求める人材、教師としてのやりがい等について話されました。学校教育法の「教諭は、児童の教育をつかさどる」という規定から、「『つかさどる』には、自分の裁量と責任で職務を担うという意味合いがあることに触れ、その裁量の結果が、子供の成長となって教員としての充実感につながる。こういう営みこそが教師の醍醐味である。」と話され、教師とは、崇高でやりがいのある仕事であるということを、熱く、学生に伝えていました。

◇開講式 ◇講座Ⅰ
挨拶する才鴈塾頭 講義する谷口室次長

◇講義・模擬授業

短期コースの主な講義内容は以下の通りです。

「授業のつくり方」(授業づくりの視点、教師の基本姿勢など)

「相手に伝わる聞き方・話し方」

「示範授業」 講師:松本 幸枝教諭(羽咋市立瑞穂小学校)

「できる わかる 理科実験!」(小)「できる わかる ICT活用!」(中高養)

「子どものほめ方・叱り方」

「学級づくりのポイント」 

「先生ときまり」

「個に応じた支援(発達障害の理解)」 

  3日目の「ベテラン教員に学ぼう」では、羽咋市立瑞穂小学校の松本幸枝教諭を講師にお迎えし、示範授業を通して、クラス作りと授業作りについてご講話いただきました。

 クラス作りでは、アイスブレイクとして「言うこと一緒、やること逆」「バースデーチェーン」「ネームパス」等を体験し、体を動かすことで自然に心が打ち解け合うことを実感しました。遊びで緊張を取り払うことが心の安全を確保することになり、そのことが授業づくりにも大いに関わるという松本先生のお話は、受講生にとって、実感をともなった学びとなっていました。授業作りについては、6年生の「比『割合の表し方を調べよう』」の単元で、導入部分の示範授業を通して、「児童に思考させる場面」までの流れを教えていただきました。まず、活動から入り、次に、全員が見通しをもてるように支援し、そこから、児童に思考させる場面へと進む一連の流れに、なるほどとうなずく受講生の姿が多く見られ、とても良い学びとなりました。ICTを使った「ロイロノート」による実践例も、今後の実践に役立つ内容でした。

示範授業(松本教諭)

 各講義の後に行われた6回の模擬授業では、指導員や塾生が指摘した改善点について翌日の模擬授業で改善しようと努力する姿が見られ、短期間ながら日を追うごとにステップアップできることに塾生は達成感を得たようです。

◇閉講式

 6日間の日程を終えた塾生に対し、才鴈塾頭は閉講式で、「これから教員をめざす皆さんには、困難があってもそれを乗り越え、粘り強く積極的に立ち向かっていけるように、優れた指導力とともにたくましい人間力を備えた教員になってほしい。そのためにも、常に学び続けるという姿勢を忘れずに、向上心をもって日々研鑽に励み、自分磨きに努めてほしい。」との言葉を贈りました。

 なお、次回の短期コースB日程は来年2月15日(木)~21日(水)、C日程は2月29日(木)~3月6日(水)の開催を予定しています。(受付期間は12月1日(金)~1月26日(金))

第11期学生クラス標準コース スタート!

◇開 講 式
 7月29日(土)に、第11期学生クラス標準コースが、スタートしました。第11期は、午前の部と午後の部の2部制が本格実施となり、それぞれで開講式を行いました。
 式では、才鴈塾頭が、幕末の名士、吉田松陰の”夢なき者に理想なし 理想なき者に計画なし 計画なき者に実行なし 実行なき者に成功なし 故に夢なき者に成功なし“という言葉から、「『絶対に教師に なるんだ!』という強い思いをもって、主体的、計画的に、向上心をもって学んでほしい」と、学生にエールを送りました。
 午前の部の開講式では、来賓としてご臨席いただいた石川県教育委員会の北野教育長から、「これまで学生クラスで学んだ塾生は3千人を超え、その多くが教員として学校現場で活躍している。皆さんも先輩方に続き、師範塾での学びを生かして本県の教員をめざして欲しい。」と、期待を込めた激励をいただきました。
 午後の部の開講式には、馳 浩石川県知事にご臨席をいただき、「151名の皆さんには、この師範塾で、互いに声かけをして友達同士となり『何で先生になりたいのか。どんな先生になりたいか。』など夢を語り合ってほしい。」「皆さんには、なぜ教職の道に進むのか、なぜ子供たちのためにがんばろうと思っているのか、それぞれにモチベーションがあると思う。その原点のモチベーションを大切に頑張ってほしい。」と話されました。知事からの熱いメッセージを頷きながら聞く学生たちの姿に、教職をめざそうという強い思いが感じられました。
 受講生を代表して、2名が挨拶を行いました。「教員になる」という夢の実現に向けて、仲間とともに切磋琢磨し自分を磨いていきたいという意気込みを述べ、これからの1年間の頑張りを誓っていました。

塾生を激励する北野教育長 挨拶する才鴈塾頭
塾生を激励する馳知事 開講式挨拶

 

◇講 義・模擬授業
 講座Ⅰでは、石川県教員総合研修センターの杉中達夫所長が、「めざせ石川の教師」と題して、石川県の教育の現状について説明されました。研修体制や働き方についての説明では、キャリアステージに応じた研修があり、働き方改革が進んでいることや休暇制度が充実していることに触れられ、若手教員も安心して働けることを塾生に伝えていました。終わりに、「教員はやりがいのある仕事であるからこそ、うまくいかない時の悩みもある。しかし、教員になることが夢である人も、まだ、自分が教員に向いているかどうか分からないという人も、まずは向上心をもって進んでほしい」と、期待を込めて励ましの言葉を述べられました。
 講義では指導員から、授業の流れや授業プラン作成の手順、模擬授業のポイントについて説明があり、その後、塾生は小グループに分かれ、授業プランを作成し、はじめての模擬授業に臨みました。なかなか授業プランがまとまらず苦戦する塾生も見られましたが、塾生が互いに模擬授業を評価し合うなど切磋琢磨する姿が見られ、意欲的に研修に取り組んでいました。
 開講式にお越しいただいた馳知事は、式が始まるまでの間、各研修室で行われている模擬授業を視察されました。塾生の成長を期待されるご様子で、知事自ら、塾生に直接声かけをされる場面もありました。

<塾生の感想より>
・教育や教員養成に力を入れ、工夫・改善も行っている様子を数値で見て、石川県のすごさを感じた。
・模擬授業では、先生からのフィードバックがもらえ、客観的に自分を見つめ直すことができた。
・わずか半日でしたが、講義を受けて授業のつくり方が分かったし、模擬授業を指導していただけて、 とても学びのある充実した時間だった。
・教員になりたいという気持ちを、再確認できた。自分が教員をめざそうと思った原点を大切にして頑張りたい。
・馳知事がおっしゃっていたように、「教育とは何か」ということを考えつつ、教師になるモチベーションを大切にしながら、これからの講義に取り組んでいきたい。

 
講座Ⅰ「めざせ石川の教師」で講義をする杉中所長  
 
 模擬授業を視察する馳知事