講座NOW

いしかわ師範塾

NEW 「高校生のためのオープンスクール」開催!

 第13期学生クラス標準コース第5日目の実施に合わせ、「高校生のためのオープンスクール」を12月13日(土)に開催しました。今回は、県内20校から134名の申込みがあり、当日は129名が参加しました。

 開講式では、才鴈塾頭から 「本日は、教員をめざす、教職に関心のある高校生と中学生の皆さんにたくさんの参加をいただいた。講座体験や模擬授業参観などの体験を通じて、師範塾についてより知っていただくとともに、教員という素晴らしい職業への関心を更に高め、教員をめざす機会にしてほしい。」 との挨拶がありました。

 そしていよいよ講座体験。アイスブレークの「仲間づくり活動」では、童心に返ってのリズム遊びやペア・グループでの自己紹介などを通じて、緊張がほぐれ、みるみる笑顔が広がっていきました。次に、講座体験「学校の先生になろう」では、授業づくりの基盤となる「傾聴」や「表情、視線、話し方など」についてロールプレイ形式で演習を行い、授業を行う上での大事なポイントについて実感しながら学んでいきました。

 次に、石川県教育委員会教職員課の西村担当課長より、教員の待遇や若手教員の育成、業務改善状況などについて説明がありました。その後、班ごとに分かれ、塾生による模擬授業を参観しました。参観者は、目の前に児童生徒がいるかのように授業を展開する塾生の姿や塾生同士で良い点や改善点を率直に協議する姿、その状況を踏まえ助言する指導員の姿を熱心に参観していました。

 最後に、いしかわ師範塾の紹介DVDを視聴し、質疑応答、アンケート記入が行われました。質疑応答では「標準コースと短期コースの違いは?」「模擬授業の時、指導員の先生は、何をメモしていたのか?」「模擬授業にパターンがあるそうだが、どんなものか?」などの質問が出されました。

 閉講式では、才鴈塾頭から 「今日のオープンスクールをきっかけに、一人でも多くの皆さんが未来の石川の教員をめざすこと、この師範塾で学ぶことを願っている。今後の成長に期待する。」 とのエールが送られました。意欲的に参加し、学び、体験する姿がとても素敵で、感心しました。

                          

<参加者アンケートより>

  • 教師としての心構えや大切なことを詳しく知ることができて、とても参考になりました。「子どもの心の中に入ることが大切」という指導員さんの言葉を私の心の中に留めておこうと思いました。
  • 模擬授業では、教員の生徒と向き合うことを大切にしている姿がやっぱり素敵で、教員になる夢がより大きくなりました。
  • 私は小学生の頃から教員を目指していて、今回のオープンスクールを通して、より一層教職に就きたいという気持ちが強まりました。
  • 「高校生に向けて」のオープンスクールでしたが、中学生の私も参加できました。この経験を通して、自分の中で「教員になりたい」という思いがより一層強いものになりました。
  • いしかわ師範塾では教員になるためだけでなく、なった後の教員生活でも身に付いたことを役立てられるという所にとても魅力を感じ、私も是非師範塾で教員を目指してみたいと思いました。

 

【アンケートに寄せられた質問及び回答】

 Q1.塾生は全員で何名ですか?

  • 1年間を通じて研修する「標準コース」には、約120名が参加しています。また、特定の月に6日間集中して研修する「短期コース」は年間3回(A日程・B日程・C日程)行われ、延べ100名以上の参加があります。

 Q2.模擬授業以外、どんなことをしているのですか?

  • 配付した「募集案内」にもあるように、「子どものほめ方・叱り方」などの学校現場ですぐに役立つ講座や、外部講師による「ベテラン教員に学ぼう」などの優れた教育実践に学ぶ講座があります。

 Q3.授業アドバイスをする上で、先生方が意識していることは?

  • まず授業のねらい、どんな力をつけるのかを明確にすることです。また、指導の技術面(具体的な指導方法など)と態度面(児童生徒への対応の仕方など)については、指導員が共通の視点をもち一貫した指導を行うとともに、一人一人の持ち味を大切にした助言に努めています。

 Q4.ロールプレイは実際どんなことをしているのですか?

  • 本日の講座体験では、話す方と聞く方を互いに演じて気付きを振り返りました。このように、具体的な場面についてペアやグループで役割を演じながらコミュニケーション力や課題解決能力を育成しています。

 Q5.模擬授業では、どんなふうに授業の準備をしているのですか?

  • その日の授業内容(教材)のポイントについて確認し、導入から展開の部分について各自プランニングを行います。学習者自身がこの時間に解決すべき学習課題をつかみ、見通しを立てて主体的に学習できるよう、板書計画やICT活用なども踏まえプランを作成します。

 Q6.授業中の言葉遣いについて、話し言葉や標準語の使用など、どう考えればいいですか?

  • 基本的には小中高すべての学習指導要領にもあるように「言語環境の整備」を図ることが大切です。具体的には「教師は正しい言葉で話し、黒板などに正確で丁寧な文字を書くこと」「教師と児童(生徒)、児童(生徒)相互の話し言葉が適切に行われるような状況をつくること」などと明記されています。「正しく美しい国語を用いるように指導していく」が基本です。

 Q7.課題は出されていますか?

  • 課題は出しません。毎回、新たな講座内容や模擬授業教材と出会い、集中して学びます。

 Q8.塾生の間で交流はありますか?

  • 講座では、講義や演習でペアやグループによる協議や対話を積極的に取り入れ、他大学の学生同士で切磋琢磨できる環境をつくっています。また、模擬授業でも、小学校は毎回メンバーと指導員を替えて班編成を行い、中高についても教科にもよりますが適宜メンバーを入れ替えながら学びが深まるよう配慮しています。

Q9.駐輪場はありますか?

  • センターには駐輪場と明記した場所はありませんが、指導員が駐輪する場所を指定しますので、駐輪は可能です。
開講式の挨拶(才鴈塾頭) わくわく!講座体験  教員の現状(西村担当課長)
熱中!模擬授業参観    集中!アンケート記入 閉講式

 

NEW 第13期 学生クラス標準コース5日目 講座Ⅰ「ベテラン教員に学ぼう」(小学校)

 講座Ⅰ「ベテラン教員に学ぼう」では、午前の部は輪島市立鳳至小学校の和田理江子先生、午後の部は能登町立柳田小学校の髙野智子先生を講師にお迎えし、示範授業を通 して、授業づくりや児童への支援、教職の魅力等についてご講話いただきました。

 和田先生の示範授業は、通常の学級における支援について、まずは小学校3年生の国語の授業「漢字の意味」を題材にした模擬授業でスタートしました。授業を体験した後、教材研究や板書計画の方法、実際の板書などを解説していただきました。次に通常学級にいる支援を必要とする児童への支援方法を紹介していただきました。合理的な立ち歩き、やることや約束の見える化、動画を使った一人TT、トラブル解決すっきりノートなど、数多くの具体例を実際の児童たちの様子とともに教えてくださいました。和田先生は初任者の指導経験から、「4月当初、支援が必要な児童に対するちょっとした手立てや工夫を知っておくだけで違う。失敗を生かして工夫するレジリエンスにつなげてほしい」と熱く受講生を応援してくださいました。

受講生からは、

  • 刺激逃しという点では、なんでもかんでもダメというのではなく、人に迷惑をかけない目立たない方法で何かを考えることが大切だと分かりました。他にもありますが、今日の講義は聞けてとてもよかったです。
  • “少しの手立て”を学んだ。実際に学級経営することになった時に使えそうな手立ては、これまであまり学んでこなかったためすごく学びになった。
  • 私もカラフルで、いろんな人の個性を認め合える学級を作りたいと思いました。ちょっとした手立てのところでは、参考にしたいものがたくさんあったので、本物の教員になったら実践したいです。

といった感想があり、大変充実した研修となりました。

「漢字の意味」の模擬授業

「ベテラン教員に学ぼう」

輪島市立鳳至小学校 和田理江子教諭


 髙野先生は、小学校1年生算数「ひきざん」で構成的グループエンカウンターを取り入れ、より良い人間関係作りを交えながら、主体的に楽しく学ぶ示範授業をしました。

 塾生は、1年生が考えるときの補助となるブロックやさくらんぼ図を用いながら、実際にどのような考え方が出てくるかをグループに分かれ、児童になったつもりで一緒に考え盛り上がっていました。そして、このような協働的学習をとおして、児童が主体的に自らの考えを表現するとともにひき算の仕方について、いろいろな方法があることを理解していく過程を経験していました。

 また、髙野先生は、児童とのより良い人間関係づくりのために、自己開示すること、ルールを大切にすること、臨機応変に対応すること、ねらいとゴールを明確にすることを心がけていると、経験をもとに話をされ、塾生は頷きながら熱心にメモをとっていました。

受講生からは、

  • 構成的グループエンカウンターを通した人間関係の構築の仕方を学ぶことができた。また、教師の体験や好きなことなど、教師についての話を子どもたちにすることで関係をつくることができると知ることができた。
  • 本日の講義·演習では児童をよく観察すること、主体性を持たせた授業づくり、学級経営の仕方等様々なことを学びました。これからの実習にも活かせるようにまた、日々の実践でも使っていきたいです。
  • 自分は教員になるに当たって心配ばかりだけど失敗してそれを糧にみんなやっているのだと分かった。学級づくりや学級開きで意識することが凄く為になったので自分もやってみたいと思った。

といった感想があり、受講者にとって大変有意義な研修となりました。

「ひきざん」の模擬授業

「ベテラン教員に学ぼう」

能登町立柳田小学校 髙野智子教諭

 

NEW 第13期学生クラス標準コース5日目 教育実践課題の理解1  Let’s try “考え議論する道徳!"(中高)

 12月13日(土)に、第13期学生クラス標準コース5日目の中高の講座では、穴水町立穴水中学校 中越 令教頭先生を講師としてお招きし、Let’s try “考え議論する道徳!” の講義を実施しました。道徳教育は、学習指導要領総則に「学校の教育活動全体を通じて行う」ものとされ、学校教育の中で、重要な位置づけがされています。本講座では、中越先生から、道徳教育の目標や指導方法などについて、講義や模擬授業を通してわかりやすくご指導いただきました。

<塾生の感想>

  • 道徳の授業づくりにおいては、先生が生徒に身につけさせたい力をどれだけ意識して行うかが大事だと学びました。授業内だけではなく、日常生活においても褒めたり認めたりすることが道徳的価値を身につけるために重要なことだと感じました。
  • 実際に道徳の授業を受けているような講座で、教科書の場面を動いてやってみるなど、授業に取り入れたいと思う活動が多くあって参考になった。どこでどの価値を学ばせるかは、授業全体だけでなく授業中の細かいところでも意識して発問しなければならないので、そのお手本のようなものを見せていただけたのが良い経験になった。
  • 道徳教育の在り方について学んだ。私は今まで道徳教育をする上で何をすれば良いのかを全く理解できていなかったのだと再認識させられた。人間の弱みに気づかせる、生徒の数だけ答えがある、言葉や行動をつかんで心を問う、という言葉が印象に残った。
  • 道徳の授業での意識するポイントについて学んだ。生徒から見れば、道徳は答えがなく発言の機会が多いのが嫌だという意見が多いと思うが、むしろ答えがなく全部の意見が答えだよと教えてあげることで道徳に向き合うことができ、道徳が科目となった意味があるのかなと思った。

中高道徳

講師 穴水町立穴水中学校

中越 令 教頭

 「草取り」の場面のロールプレイ

 

NEW 第13期 学生クラス標準コース4日目 講座Ⅰ「ベテラン教員に学ぼう」(中高)

  講座Ⅰ「ベテラン教員に学ぼう」では、午前の部は金沢市立港中学校の吉岡恵梨先生、午後の部は金沢市立高岡中学校の小島さやか先生を講師にお迎えし、示範授業を通して、授業づくりや教職の魅力等についてご講話いただきました。

 吉岡先生の示範授業は、英語の授業でテーマとなっている題材を通してより深く学びつつ英語を身につけるもので、実際の授業の流れを体験しながら、意図、目的とそれを実現する方法や、状況に応じた対応などについて、楽しく、わかりやすく教えていただきました。

 その後の講義では、授業づくりで大切にしていることをお話ししていただきました。そこでは、「教科書を」ではなく「教科書で」教えること、見通しを持たせること、集中力の続かない生徒への対処、自分が生徒の一番のモデルとなること、手段と目的をはき違えないようにすることなど、経験に基づいた明快な内容で、聞きながら深く頷く受講生の姿が印象的でした。そして、「まずやってみる」ことが重要であり、失敗も含めて様々な経験をしてほしいとエールを送ってくださいました。

 受講生からは、「教師は教えるプロであれということをしみじみと感じた。生徒が積極的に参加でき必要な能力を身につけられそうなすばらしい授業だった」「生徒が眠くならない、集中できる授業を作るために必要なことを今回の示範授業で学べてよかった」「子どもは集中力が続かないことを前提に授業するべきだというのが新たな考えだった」「若いうちに色々経験しておきたいし、授業を積極的に見る、見せることを意識したい」といった感想がありました。

 

 小島先生の示範授業では、「解の公式」を使う達人になることを目指す授業を実際に体験し、共同で学びあい、できた、わかったを実感できる授業を体験しました。

その後の講義では、つまずきを予想した授業づくりの大切さとその実際の方法、授業の中での人間関係づくりや信頼関係づくりの大切さ、それらの基礎となるわかりやすく魅力的な授業づくりについてお話しいただきました。できるようになったことを見つけほめる、チャンスと期待は平等に、失敗しても嫌な思いをさせないといった取り組みで、生徒の挑戦する心と柔軟さ、学ぶ姿勢を大切にしていること、そして受講生にも、「やってみたい」に是非挑戦して授業づくりを楽しんでほしいとのお言葉をいただきました。

 受講生からは、「授業においてつまずきを予想し、そのつまずきをどう突破していくかを例の工夫や形態を工夫し、感覚を言語化したり教科書から引っ張ってくることが最も印象に残りました」「全ての生徒を平等に、また、一人一人理解度や学ぶペースも違ってくるので、そこを意識して授業を構成することが重要だと学んだ」「やはり生徒と良い関係を築くことがやる気を引き出すために重要であるということを再認識した」といった感想がありました。

お二人の先生の、実践に裏付けられた言葉の一つ一つが、受講生の心に伝わっていると感じられました。

 

 

   

 

 

NEW 第13期学生クラス標準コース3日目 「授業のつくり方 基礎3」(小学校)

10月4日(土)第13期 学生クラス標準コース3日目の小学校の講座では、加賀市立作見小学校   橋村 由希子 教頭先生を講師としてお招きし、「算数の授業づくり」の講座を実施しました。

 講義では、3年生「分数」の教材を使った模擬授業を通して「算数の授業づくり」について学びました。
 導入では、算数的活動を通して意欲を喚起し、本時のねらいに迫る「問い」が生まれる工夫があり、考えさせる場面では、主体的な学びにつながる「発問」や「学習形態」などの工夫がありました。また、さらにまとめの場面では、自己の学びを評価し、自然に次の学びにつながる「まとめ方」になるような流れでした。
 塾生は、授業の構成を考える時には、教師自身が自分の授業観を持ち、教材研究を行い、1時間毎のねらいを明確にして構成することの大切さを実感していました。教師の意図が細部に感じられた様々な工夫に、大いに刺激を受けたようです。

◆1mを4等分したテープを
   使ってジャンケンゲーム 

◆学習課題の設定
 〈1mより大きい分数の表し方は〉

◆まとめ
単位分数の○個分で表すと・・・。

〈塾生のアンケートから〉

  • 授業の45分間の見通しを持つことだけでなく、単元や学年を通しての見通しを持つことが大切だと感じた
  • 子どもたちの目の前にある学びが今後にもつながっているため、今後の学習も踏まえた教材研究の大切さを学んだ
  • 1時間の学びが上の学年にどのようにつながっていくか、縦で見た時の学習のつながりの大切さを学んだ。実際の授業を見ることでイメージしやすかった。子どもたちの考える過程を褒めることを大切にしたい
  • 楽しみながらもその単元の核となる数学的な力を子どもたち全員に身につけさせる授業づくりを学ぶことができた
  • 導入で算数的なゲームを取り入れて、楽しく盛り上げて授業をスタートさせる方法を学んだ。一つ一つ の発問や、板書が統一されていて、児童の理解を促していることがすごく分かった。私も真似したいと思った
  • 算数は個人差の出やすい教科だと思うが、同じものを学習する時でも言い方を変えたり、時間の流れが分かる板書をしたりすることで、子どもたちの考えを促すことができるとことを体験した。また、上下の学年のつながりを意識することで学ばせたいことも変わってくると分かった
  • 教材のねらいを把握し、考えさせる場をどこで設けるかを考えておくことが大切だと学んだ