校長室より「おこらいえ」

県の産業について考える

地震から702 日目

 

「石川県産業教育振興会」

に参加しました

産業界 教育界 行政関係者が一堂に介して

県の産業教育の振興充実についての

諸課題の解決を図ることが目的です

 

ホクショー株式会社代表取締役社長

北村 宜大 氏による講演を

拝聴させていただきました

 

ホクショーさんでは

 

コロナ禍の際には

テレワーク手当の支給

ガソリン価格高騰の際には

通勤手当の2割増など

会社の業績アップと

従業員のWell-biing を

同時に実現されています

 

昭和の時代は

「電話がならない会社は危ない」

「社員が休みがちな会社は危ない」

などと言われたものですが

現在では必ずしも当てはまりません

 

社員のWell-being を実現しながら

業績を上げるには

① 営業の行動量を上げる

② 営業の「勝ち率」を上げる

③ 受注単価を上げる

だそうです

3つに共通することは

他者との差別化を図ることです

やってはいけないことは

価格競争に陥ること

学校現場にも応用できそうです 

 

 


意見交換会がありました

企業側からの質問に対し

突然指名されたある校長先生は

「すみません もう一回言ってください」

聞き逃したようです

私が指名されても

きっと同じようになったと思います

ドキドキしました

「高校ではどのような指導されていますか?」

という質問だったのですが

その先生は

「人の話をちゃんと聞けと指導しています」

センスある回答ぶりに心で拍手を送りました

 

意見交換会でわかったこと

企業側が懸念していることは

現在学校教育で比重が大きくなっている探究活動

それにより基礎学力の指導が疎かになっていないか

ということのようです

どうも探究活動と基礎学力を

2項対立で捉えているという認識を変えるための

学校側の努力が必要なようです

 

専門用語では

企業側の捉えている基礎学力を「認知能力」

探究活動で身に付く能力を「非認知能力」といいます

ここでいう『認知』とは

『認知症』の『認知』とは意味合いが違います

 

『認知能力』とは

共通の尺度で点数化して評価できる能力のこと

『見える学力』ともいいます

例えば『漢字能力』のような

 

『非認知能力』は

それができない能力

『見えない学力』ともいいます

例えば『積極性』のような

 

「非認知能力が高ければそれでいいのか!」

「積極性があれば漢字書けなくていいのか!」

そんな極端な論法はやめてください

 

『非認知能力』or 『認知能力』

ではなく

『非認知能力』for『認知能力』

です

 

『非認知能力』を高めれば

『認知能力』が高まるのです

 

ヒトがコトに臨むうえで

必要な力を身につけるのに必要な力

それが『非認知能力』です

 

もっと簡単に言えば

『認知能力』とは国数英理社の力

『非認知能力』とはざっと上げると

自主性・向上心・協調性・共感性

創造性・コミュニケーション能力

などなど

 

おわかりになると思いますが

『非認知能力』とは全く新しい概念ではなく

これまでも日本の学校教育で重視されていたこと

すなわち「心の教育」なのです

 

「心の教育」の育成には

例えば部活動が大きな役割を果たしています

 

部活動においては

競技力を高めるために

従来は競技に特化した訓練を

スパルタ式で行っていました

しかしながら今はそんなやり方は時代遅れ

フィジカルトレーニングや

メンタルトレーニング

主体性の育成やチームビルディングなどを

科学的に体現できるチームが強いです

 

それを

学習にも応用しましょうというのが

探究学習の目指すところなのです

「単語練習」や「計算練習」を

意味もわからず機械的にこなしても

それで身に付く力は一時的なもので

将来的に生きていく力とは

程遠いものです

「学びに向かう力」を

高める必要があるのです