校長室より「おこらいえ」
夏の訪れ
地震から 566 日目
豪雨から 302 日目
夏休みの入りとともに
北陸地方でも梅雨が明けました
梅雨明け特有の初夏の雲が広がります
左下のは肋骨雲
魚の骨に見えます
飛行機雲が横風に吹かれてできます
右下のは毛状雲
鳥の羽根に見えます
上空の風の様子がわかりますね
上空8000mから12000m付近に発生する
『巻雲』の一種です
『巻雲』は一時期『絹雲』と表記していました
いずれも『けんうん』と読みます
横に薄く拡がる雲を『①層雲』
縦にもこもこ伸びる雲を『②積雲』
といい
標高2000m〜5000m付近に見られ
それぞれ「きりぐも」「わたぐも」
と呼ばれます
両方の特徴を持つ『③層積雲』
いわゆる「うねぐも」もあります
それよりもやや高いところに発生するものには
名前に「高」がつき
『④高層雲』いわゆる「おぼろぐも」
『⑤高積雲』いわゆる「ひつじぐも」
と呼びます
さらに高いところにある筋状の雲が
『⑥巻雲』いわゆる「すじぐも」で
同じ標高に
『⑦巻積雲』いわゆる「うろこぐも」
『⑧巻層雲』いわゆる「うすぐも」
ができます
雨を降らせるネズミ色の雲には
『乱』の文字がつき
『⑨乱層雲』いわゆる「あまぐも」
『⑩積乱雲』いわゆる「にゅうどうぐも」
雲はこのように高さや形によって
十種類に分類されています
暑いといえば涼しくなるんか!
地震から 565 日目
豪雨から 301 日目
ダルビッシュ選手は
20歳のとき
惨めな試合のあとで
40歳になってホームレスになって
全てを失った自分を想像してみたそうです
お金もない
ご飯も食べられない
そんなとき神様が現れてこういいました
「20歳の頃に戻りたいか?
もう一度チャンスをやろう
その代わりやるべきことをやらなかったら
またここに戻すぞ!」
それから神様のおかげで20歳に戻った自分を
懸命に生きたそうです
* * *
目を閉じて
想像してみてください
今日は夏休み最後の日です
明日から2学期が始まります
テストもあるのに課題すら終わっていません
「明日からやろう!」
40回口にしたらあっという間に夏休みが終わった
なんで毎年同じこと繰り返しているんだろう
明日から夏休み始まるといいのにな
夏休みはじめの日に戻りたいな
神様
「夏休みの最初の日に戻りたいか?
一度だけチャンスをやろう
その代わりやるべきことをやらなかったら
またここに戻すぞ!」
さあ 目を開けて
今日は何月何日?
今日は1学期最後の日
終業式の校長挨拶で
こんな話をするつもりでした
しかし急遽予定変更
体育館へ入ってくる生徒が口々に
「暑っつぇ!」
暑いといえば涼しくなるんか
いやいやあなたに教えていただかなくても
暑いことぐらいわかりますから
それとも暑いと感じることは
何かあなたの自慢ですか?
申し訳ないですが
それは周りを不快にするだけの呪いの言葉です
「よい夏休みを!」
挨拶は一言でやめました
そのあとの
教務主任の矢田先生からの素敵な挨拶
「夏休みはおうちの方と
いっぱいお話をしましょう
『宿題やったか?』
と尋ねられたら
『今からやろうと思っとったんに!
やる気失くした』と
ふてくされるのではなく
『今から数学のこんな問題を
やろうと思うよ』と
きちんと会話をしましょう」
さらには生徒指導の冨水先生からは
1年3組と3年2組は
1学期中ひとりも遅刻をしなかったという
素晴らしいお褒めの言葉が
何はともあれ
明日から夏休み
素敵な時間になるといいね
ヒョウモンダコ北上中
地震から 564 日目
豪雨から 300 日目
石川県の海にもとうとうやって来ましたよ
危険生物ヒョウモンダコです
本来沖縄など南の海にしか
生息しない生物です
先週の日曜日
能登町にある
のと海洋ふれあいセンターでの
シュノーケリング指導者講習会で
見つかったそうです
当センターではシュノーケリング体験ができて
私も毎年インストラクターのお手伝いをしています
今年はまだまだ空きがありますので
ぜひどうぞ
目の前に広がる海の底の風景
感動の体験ですよ!
さて問題のヒョウモンダコ
ヒョウモンというからには
豹紋すなわちヒョウ柄なんでしょうね
大阪に生息するヒョウ柄生物と
どっちが美しいんでしょう?
ヒョウモンダコの毒は
唾液に含まれるテトロドトキシン
フグ毒と同じです
噛まれると呼吸困難を起こし
死に至ることも
テトロドトキシンを摂取すると
20分程度から数時間で症状が現れます
神経細胞に作用し
意識があるまま
運動麻痺や知覚異常が起こり
外見上の昏睡状態に陥ります
外見上というのは意識がはっきりしているからです
回復した患者がそう証言しています
麻痺が呼吸筋にまで及ぶと死に至ります
解毒剤は見つかっていません
ただし人体内で比較的短時間で
無毒化されて排出されるので
その間人工呼吸などの適切な処置がなされれば
救命率は高いとされています
現代の医師が江戸時代にタイムスリップする漫画
『JIN-仁-』では
喉に注射針を刺して気道を確保し
救命する場面が描かれていました
気になることがひとつ
ヒョウモンダコは緊張したりすると
ゴクリと唾を飲むことはないのでしょうか?
死んでしまうのに
気になったので調べてみました
フグの場合どうも神経細胞の形が
他の生物と違うようです
ヒョウモンダコも多分そうなんでしょう
神経の伝達はナトリウムイオンが行いますが
テトロドトキシンは
ナトリウムイオンを取り入れる孔を
ふさいでしまいます
フグの場合この孔の構造が人間などほ乳類とは異なり
影響を受けにくい形になっているそうです
さらになんと
フグは自分で毒をつくり出している訳ではありません
テトロドトキシンをつくる海洋細菌
それを食べている巻貝やヒトデ類
それを好んで食べているようです
そしてテトロドトキシンは
メスの卵巣に多く蓄積されますが
オスのフグはテトロドトキシンに
惹きつけられる特性があるようです
つまり性ホルモンとしての役割も持っていると
推測できます
生物って不思議ですね
イルカはたまにフグを怒らせて
膨らませてボールにして遊んだり
わざと捕食して
毒による痺れを楽しんでいる
との報告もあります
いじめの上に薬物乱用です
いけません
因みに『らんよう』には
『乱用』と『濫用』
ふたつの漢字表記があります
以前は
『乱用』はむやみやたらと使うこと
薬物は少量ならいいんかい?
ということで
「本来の目的以外に使うこと」
の意味の『濫用』を用いて
『薬物濫用』と表記することが多かったです
現在は
『乱用』も『濫用』も
「本来の目的以外に用いること」
の意で用いられるようになり
『濫用』は権利や権限を不当に使う場合
『乱用』はさらに広く
薬物やアルコールなどを
不適切に用いる場合にも用いられます
したがって
『職権乱用』は間違いではありませんが
『職権濫用」の方が
意味が限定されて適切なようです
【今日のWAJI活】
明日の輪島をつくる
輪高生のまちづくりプロジェクト
今回は「猫にあげれる避難食」
ペットの避難所活動を
兵庫県でしていらっしゃる
石津 佐智子さまが
伴走してくださっています
いろいろ質問してみました
Q1:災害に備えて何を準備していますか?
A1:フード シート 水 ケージ 薬 ブラシ
Q2:ボランティアのエピソードを教えてください
A2:阪神淡路の時シェパードと少年が
体育館フロア入口にいました
その場では受け入れられていたけど
他の避難所ではどうだったのか?
その後仮設住宅が撤去された際
公営住宅はペット禁止のため
多くの猫が公園に放置されました
自費で始めた不妊治療が
今の活動に繋がっています
Q3:災害時に迷子ペットを減らすには?
A3:名札に電話番号を書くこと
マイクロチップも有効で名札と併用するとよい
犬には鼻紋認証もある
「Nose ID」というサイトで確認を
Q4:普段一番大切にしていることは?
A4:行政の意識を変え仕事をしてもらうこと
市民の意識を排除から共生に促すこと
人間のエゴではなく動物の立場で考えること
「保健体育」と「公民探究」のメガネ
地震から 563 日目
豪雨から 299 日目
今朝の七尾湾から能登島方面を望みます
能登島の奥に
立山連峰さらには日本アルプスが
見えました
年に数回しか見られない
縁起物の風景です
台風一過あるいは冬の好天時に
比較的見える風景で
この時期に見えるのは珍しいです
【今日のDeep Purple】
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
これまでは『紫』をキーワードに
全ての教科を繋ぐ試みを紹介しましたが
今回からは
実際に教科を超えた複眼的な視点での
授業実践を紹介します
今日は保健体育と公民探究をつなぎます
担当は冨水諒一先生(保健体育)と
奥野拓海(公民探究)
対象は1年生
数年後に参政権を得る生徒たちです
『保健体育』の視点で
健康的で文化的な生活を営むことの大切さ
そしてそのために選挙に行って
社会を変える取り組みが必要であることを
学びました
そして『公民探究』の視点から
2025参院選における
各政党の主義主張をまとめたプリントを配布
それをもとにどの政党に投票するか考えました
「 いろんな政策が掲げられているが
その財源はどうするんだろう?」
などなど
それぞれが深く考えています
模擬投票を行いました
その後グループでディスカッションです
自分はなぜその政党に投票したのか?
どの政策がささったのか?
個人の力で社会は変えられる
そのことを学ぶための
素晴らしい授業でした
ただ教員が特定の政党に有利にはたらく誘導は
決してしてはならないし
模擬選挙の匿名性の担保など
慎重に扱わなければならない教材ではあります
昨日最終回に2点差に迫るホームランを放った
坂口くんに今朝話を聞きました
「それまで全然タイミングが合わずに
空振りを繰り返すたびに
自信たっぷりに頷いていたけど
何かを測っていたの?」
「自分に自信を持たせるためです」
何か根拠があって
頷いていた訳ではなかったんですね
必死に不安と闘っていたんですね
不安から逃げることなく
真っ正面から向き合って
そして放ったアーチ
感動がふたたび蘇ってきました
一生忘れることはないでしょう
ワールドベースボールクラシックで
それまで不調に喘いでいた
村上選手が決勝戦で放った
優勝を決めた一打を思い出しました
パッション!
地震から 562 日目
豪雨から 298 日目
「パッション!」
を合言葉に2回戦に挑みます
15:15 プレイボール
先発は1回戦に続き宮下くん
初回23塁のピンチに
サードの濱田くんが
難しい当たりを捌きます
内野守備は鍛えられています!
スタンドには総勢20名の大応援団
授業日だし
車でも片道2時間以上かかるし
仕方ないですね
お母さん方も広いスタンドの中で
ほんの一角
それでも声の限りの声援です
全校応援のバスでも
出してあげたいところですが
なにしろPTA会費も同窓会費も
震災の復旧のため底をつきかけていて
ごめんなさい
4回には
ツーベースの二木くんを
濱田くんがタイムリーで迎え入れ先制です
5回からは濱田くんがマウンドへ
6回に一挙4点を失い
7回にも先頭打者の出塁を許します
ところが走者が一塁上で痙攣
輪島のベンチからすかさず
水分を持って行ってあげます
敵も味方もありません
素晴らしいスポーツマンシップです
ただその甲斐あって
次の瞬間二盗を決められてしまうのでした
最終回
再び宮下くんがマウンドへ
今日体調不良で出られない
池くんを再び球場に立たせるために
最後の攻撃に望みをつなぎます
3人でピシャリと抑えます
そしてその裏
坂口くんがレフト線に特大アーチを描きます
最後まであきらめません
しかし
津幡 000 004 100 5
輪島 000 100 002 3
パッション…
震災後
つらい環境で共に戦ってきた
日本航空高校石川さんが
応援に来てくれていました
グラウンドを使わせていただいたり
本当にお世話になりました
勝てば次対戦する予定でした
輪島高校の分も勝ち進んで
ぜひ輪島市民を
甲子園に連れて行ってください
監督さんも本当にありがとうございました
グラウンドを使えない中
自分たちでグラウンド作りから始めて
仮設校舎の建築も始まり限られたスペースで
それでもできることを一生懸命やって
最後まで諦めない姿を見せてくれました
ありがとう
あの時
グラウンド使用許可を
自衛隊に出さなければ
もっと思いっきり練習ができたはずなのに
校長として
本当に申し訳ないことをしました
以前お世話になった株式会社鳳山の丹羽さんより
『きんじょの本棚』の臨時店舗設置状況の
ご連絡をいただきました。
本が好き、本を読むのが好き
本を読む人が好き、
本と人が出会う場所をつくりたい。
お天気が晴れた日も雨の日も
心が晴れた日も雨の日も、
本とともに過ごしたい。
本を通じた交流を目指して
小さな本棚を作りました。
一緒に楽しむ人、この指とまれ。
※「きんじょの本棚」HPより
『きんじょの本棚」は
どこで借りてどこで返してもいい
まちの本棚です
本棚を開設する人
本を借りる人
本を寄付する
本を通じた人と人との交流の場です
店主がセレクトした本や
お店を利用する人が寄付した本
それぞれのお店ならではの本が揃っています
本と一緒に
個性豊かなお店や関わる人も
楽しんでみてください
https://www.google.com/maps/d/u/0/edit?mid=1LyS4IvOux2ZLC739WPjzlwsXrXzw1mw&usp=sharing
輪島市内の正規店舗として
ホシバ美容室(上加さん)
ごちゃまるクリニックの小浦さんはじめ
現在20店舗ほどになります。
ニューフルカワさんの「くまのおうち」に
カラオケハウスも2棟あります
ぜひご利用ください
池くんを再び球場に立たせることはできませんでした
ふと自分が高校生だった頃を思い出しました
あの頃は今と違って
上下関係が厳しくて
グラウンド整備や草むしりは1年生の仕事
3年生のグローブやスパイク磨きも
1年生が担当していました
でも夏の大会の試合の前日だけは
3年生だけでグラウンド整備をするのです
これまでの感謝の気持ちを込めて
というよりは
絶対勝って再びこのグラウンドに帰ってくる
そう誓ってトンボをかけている姿を
その日だけ1年生は
黙って目に焼き付けるのです
それでも頂点に立たない限り
3年生との別れの日は来るもので
今日と同じ時間帯の試合でした
帰りのバスの中
誰も口を開きませんでした
窓の外千里浜に沈む夕日を
ぼーっと見つめていました
時間がゆっくりと過ぎていきました