校長室より「おこらいえ」

学校は石垣型組織

73日目

 

卒業式に

サプライズでお越しくださった

Smile Up さんからお便りが届きました

以下に掲載します

 

「2024年3月1日(金)

 昨年、創立100周年を迎えられた

 石川県立輪島高等学校の卒業式に伺いました。

 ある生徒の方は

「誰もが遭わない不幸に遭ったけど

 代わりに誰でもが会えない幸せにも会えた」

 と話してくださりました。

 皆様に幸せを感じていただくことは

 わたしたちの活動の目的であり

 喜びでございます。

 すてきなお言葉を頂戴し

 感謝申し上げます。

          SMILE-UP.グループ」

 

卒業式の日に

都合により出席できなかったふたりに

校長室で小さな卒業式です

 

 

 

 

 

 

 

熊本県立御船高校の生徒会の皆さんが

集めてくださった募金を送ってくださいました

添えられている手紙には

心に沁みる流れるような美しい文字で

「熊本地震から八年が経つ今

 熊本は皆様のお力添えにより

 確実に復興し

 私達も元気に

 学校に通うことができています」

文脈からすると

生徒さんが書かれたものでしょうか?

こんな素晴らしい書をしたためられるなんて

驚きです

 

 

 

 

 

 

ありがたく大切に使わせていただきます

 

熊本城は石垣の立派なお城です

 

 

 

 

 

 

私はいつも教員の仕事を

石垣に例えています

 

一般の会社はブロック塀のように

隙間なくびっちりと

役割が決められています

経理なら経理

人事なら人事

 

 

 

 

 

 

 

ところが学校の仕事は石垣のように

隙間がたくさんあるのです

隙間とは

誰の仕事かわからない

役割分担のできない仕事

これが多すぎるんです

 

 

 

 

 

 

この隙間仕事をどうするか?

気づいた教員でフォローしあうのです

 

教員という仕事は

隙間に気づかない教員にとっては

実はとっても楽な仕事だったりします

 

みんながみんな

自分の役割だけこなして

隙間仕事に気づかずにいると

 

こうなります

 

 

 

 

 

 

一部の教員の献身的な支えにより

なんとか倒れはしません 

でもこれでいいのか?

 

しわ寄せは

歩いてこない

一気に襲って

くるんだネ

 

こうならないために

普段から

コミニュケーションを

しっかり取って

全員で隙間を埋めに

いかないと

東日本大震災13年に思う

72日目

 

11日付の朝日新聞「天声人語」です

「女川町を見下ろす丘の上で、

 これを書いています。

 いかがお過ごしですか?

 あの日と同じように、

 さっきまで小雪が風に舞っていました。

 あなたたちを忘れぬようにという

 空からのメッセージでしょう。」

 

昨日3月11日は忘れてはならない日

学校でも14時46分に黙祷を捧げました

 

あの時亡くなった方が

命と引き換えに残してくださった

教訓のおかげで

 

あの時生き残った方が

差し伸べてくださる

温かい手のおかげで

 

今私たちはこうして生きています

 

今回最も大きな被害のあった場所のひとつ

珠洲市の高屋という地区に

かつて原発を建設する計画がありました

私が教員になりたての頃

40年ほど昔の話です

 

賛成派と反対派が

珠洲市を二分して争いました

立場が異なれば

親子や兄弟であっても

口すらきかないという

殺伐とした空気が

街中を覆っていました

 

選挙が近くなると

ほとんど車の通らない山奥の道沿いに

真夜中に点々と車が停まっているのです

夜中にこっそり往来する車を見張って

寝返るものがいないか

お互いに見張っているのです

不気味な光景でした

 

教員になりたての頃は

「珠州の子はなんて物言わぬ子だろう」

と正直感じていたのですが

おそらく大人たちのそういった雰囲気を

感じ取っていたのだと思います

 

珠州に限らず

石川県の人は総じて自己表現が苦手

よく言われます

百万石の領地を抱える前田の殿様は

徳川家に目をつけられぬよう

鼻毛を伸ばすなど

わざと馬鹿なフリをして

領民をお守りになったとも言われます

目立つことが嫌いで控えめな

石川県民の気質はそういったところから

脈々と引き継がれてきたものかもしれません

 

今回も

支援に来てくださっている

大阪府の方に言われました

「よう黙ってんな

 大阪やったら

 みんな暴れてるで」

 

言うべきことを言う

ということをやっていかなければ

今回の被災を次に活かすことはできません

 

結局

珠洲の原発は反対派が勝利しました

もしあの時原発が建っていたら・・・

考えるだけで恐ろしくなります

 

物言わぬ当時の珠州の人々が

心の声をあげて

今の我々を

放射能から守ってくださいました

 

「天声人語」は続けます

「なぜでしょう。 

 あなたたちの命の代わりに学んだはずのことが

 なぜこんなふうになってしまうのでしょう。

 女川原発は秋にも再稼働するそうです。」

どんなときも学びを止めるな

71日目

 

どんなときでも学びを止めるな

発災以来一貫して言い続けています

  

学校としてさまざまな学びの場面を整えています

 

(1)科学旅行 Astro Science COsmo Tour(ASCOT)

     3月19日(火)~21日(水)

   JAXA 国立科学博物館 日本科学未来館

   などを訪れ最先端の科学を学びます

   希望者9人が参加する予定です

   地震のメカニズムや

   地球のダイナミクスなども学べます

 

 

 

 

 

 

(2)日本OECD協働研究ワークショップ

   3月15日(金)ハイブリッド形式で行います

   今だ戦禍にさらされているウクライナ

   昨年大地震に見舞われたトルコ

   そして輪島から高校生が参加します

   通訳もつくので日本語でOK

   こちらは参加者募集中です

 

 

 

 

(3)全国高校生マイプロジェクト

   「わたし」からはじめる未来

   日本最大級の「学びの祭典」

   東京で開催される全国サミットを

   見学し次年度の探究活動へ繋げましょう

   3月22日(金)~24日(日)

   交通費宿泊費無料です

   こちらも参加者募集中です

 

 

 

 

 

 

(4)食で復活へ向けて歩きだそう

   日本司厨士協会北陸地方本部理事で

   VICTORIA GROVEの料理長を務める

   宮野裕次郎さんが学校を訪れ

   生徒全員にフレンチコースを

   ごちそうする約束をしてくださいました

   こちらは4月22日(月)に実施します

           

 

 

 

 

そのほか、まだ詳細は言えませんが

ワクワクする企画次々としかけますね

お楽しみに

 

学ぶ環境を整えることも

少しずつですが着実に進んでいます

 

(5)OECD教育スキル局訪問

   アンドレア・シュライヒャー局長

   田熊 美保シニア政策アナリストをはじめ

   多くの方がお見えになりました

   高校生が自ら住む街をデザインする

   今後取り組む企画について理解を求め

   未来を向いて歩き出す高校生への

   絶大なる支援をお願いしました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お土産にフランスの塗り絵をいただきました

被災された方への心の慰めにということです

 

 

 

 

 

 

 

(6)県教委保健体育課の方が視察に入られました

   床が陥没した体育館

   逆に隆起したトレーニング場

   液状化したグラウンドなど

   全く体育ができない現状を見ていただき

   新たな体育施設の建設が急務であることを

   説明しました

 

現在、第2体育館の床は比較的傾いていません

蛍光灯が落ちかかっていますが

3月28日(木)に修繕が入る予定です

それ以降、部活動を再開します

階下にはまだ避難民の方が

いらっしゃいます

大きな声と足音が予測されますが

どうかご容赦願います

 

今日の「PLAY FOR JAPAN」

メキシコより

日本の皆さん、

私たちはいつでも一緒にいます。

戦後の復興を遂げたのと同じように、

この困難を乗り越え、

立ち上がっていけると信じています。

そして粘り強く戦い続けるということを、

いままた皆さんは、

世界に偉大なる手本を示してくれているのです。

日本の皆さん、頑張れ!

絶対に、前に進んでいける!

心からの愛と深い敬意を

 

週の始まりは土曜日から

 

70日目

 

世の中には

誰かがやらなくてはならないけど

誰もやりたくはないこと

でも誰かがやらなければ

誰もが困ること

そんな仕事があります

 

学校の生徒会の仕事も

そんな仕事です

「自分がやらないと…」

そう考えてくれる生徒の力で

成り立っています

 

小松高校の生徒会の呼びかけにより

南加賀地区の高校の生徒会のみなさんが

3月2日に小松駅で

能登地区の被災した高校のために

募金活動を行なってくださいました

 

今日はその贈呈式がありました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「多くの同世代の高校生が

 みんなのことを想っているということを

 知ってもらいたくて」

小松高校生徒会長の

橋紀仁さんがご挨拶をしてくださいました

 

贈呈式の進行も全て生徒だけで執り行い

きっと将来の日本を背負って立つ

未来の担い手になるんだろうな

とても頼もしく感じました

 

募金活動にご協力してくださったみなさん

ほんとうにありがとうございます

 

夜、燃え尽きた街に立つと

街灯も店もなく

ひたすら真っ暗闇で

本当に星が綺麗です

 

夜中なんにもすることない昔の人は

こうやって星空を見上げて

星座を考えたりしたんだろうな

時を超えたような錯覚に陥ります

 

星座の中を5つの星だけが

他の星を追い越したり

途中で引き返したり

不思議な動きをしているのも

はっきりとわかります

 

惑う星「惑星」です

 

古代のひとびとは

この5つの惑星に月と太陽を加えた7つの星が

時間を支配していると考えました

 

七つの星を地球から遠い順(当時の知識)に並べて

土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月

この順に1時間ずつ時間を割り当てました

 

0時から1時までは「土星の時間」

次の1時から2時までは「木星の時間」

という具合です

そうすると

その日の最後の時間

つまり23時から24時は「火星の時間」となり

次の日は「太陽の時間」から始まります

 

同じようにたどっていくと

その次の日の始まりは「月の時間」

そして「火星」「水星」『木星」「金星」

と続きます

 

これが

土日月火水木金と並ぶ1週間の始まりです

 

週に1日または2日休みのあるこの制度は

なんてよくできた制度なんだろう思います

7日に1日くらい

ゆったりする時間がないと

いい考えなんて浮かびません

 

被災生活を送っている中

週に一度だけ風呂に入っている瞬間に

そんなこと考えています

 

明日からまたがんばろう

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

週末、小2の娘が

どこで覚えてきたのか

「上を向いて歩こう」を

熱唱しながら歩いていた。

「どうした?」と尋ねたら、

「地震で大変な人に

聞こえるように」との事。

届きましたか?

豊かな日本語の使い手に

69日目

 

春はあけぼの

昨日までの寒さとはうって代わり

今朝は青空が

これからあたたかくなりそうな予感

 

三寒四温という言葉があります

三日寒い日が続いた後に

四日暖かい日が続くという

この時期の季節の移り変わりを

表す言葉です

こうやって

一歩一歩春が近づいてきます

 

クイズ第1問

四字熟語を完成させてください

一(   )二(   )

二(   )三(   )

三( 寒 )四( 温 )

四(   )五(   )

五(   )六(   )

六(   )七(   )

七(   )八(   )

八(   )九(   )

九(   )一(   )  

 

私は昔から国語が大の苦手で

特に

「筆者の言いたいことを選べ」

という問いに対しては

「十中八九」はずしていました

 

あるとき

大学入試共通テスト

(当時は共通一次と呼んでいた)

の問題文として採用された

文学者の話を聞く機会が得られました

 

その方はこう言いました

「私がこの文章で言いたかったことは

 正解以外が全て正解だった」

 

後日このことについて

本校で校長先生を務められたこともある

国語科の表純一先生に

議論をふっかけたことがあります

 

「人の気持ちなんて

 その人にしかわからない

 そんなことを問うて

 正解不正解を決めつける

 国語という教科は

 ナンセンスだ」

 

表先生はこう答えてくださいました

「国語という教科はね

 実は作者が言いたいことを

 考えさせる教科ではなくて

 その文章を読んだ

 大多数の人がどう捉えるかを

 考えさせる教科なんだ」

 

目から鱗が落ちた瞬間でした

「そうか

 自分は世間大多数から

 ずれていたんだ」

 

以来この言葉は

自分の心の中にずっと響いており

このブログを書くときも

読んで傷つく人はいないか

何度も何度も読み返しては

書いています

 

このことを

国語でしっかり学んでこなかった人が

失言で世間を騒がせる政治家や

SNSで炎上する人になるのでは

↑ これも失言かな?

 

クイズ第2問

SNSとかけまして

江戸の街とときます

その心は?

答えは最後に

 

この年になってようやく

国語の楽しさに目覚めています

 

昨日の読売新聞に

「おしごと小町短歌大賞」の

受賞作の発表がありました

 

クスリとしたり

ホロリとしたり

どれも素晴らしい作品でした

「なんてことぼくのメダカを

 じゃこごはんみて涙する息子4歳」

  岐阜県 佐藤さん

 

「豊かな日本語の使い手をめざしましょう」

本校の松本昭子先生がおっしゃっています

 

クイズの答えは

第1問

一石二鳥

二人三脚

四捨五入

五臓六腑

七転八起 七転八倒

八索九丘

九死一生

 

六七の四字熟語

どなたか知りませんか?

 

第2問

火事とケンカが華です

 

金沢大学、大阪大学

合格のしらせが

入りました