校長室より「おこらいえ」

微妙な駆け引き

地震から 580 日目

豪雨から 316 日目

 

暖かい日が続きますね

これだけ暖かいと

自販機のジュースもどんどん売れます

と同時にゴミ箱のペットボトルも

すぐに一杯になります

 

 

 

 

 

 

まだまだ入るとばかりにぎゅうぎゅう詰めです

誰か袋を替えればいいのに

 

最近この袋の交換が私の日課になっています

 

よく似た微妙な駆け引きに

シュレッダーのゴミいつ捨てる?

問題があります

 

 

 

 

 

 

「くずを捨ててください」ランプがついても

箱の中の屑をぎゅうぎゅうにして

まだ入るしとばかりに

ジャミジャミジャミ・・・

 

ところで福井県の一部では

シュレッダーのことを

「ジャミジャミ」というそうです

電子レンジを「チン」というのの

発展系ですね

 

さらにトイレットペーパーを

一巻ほど残して

「自分最後じゃないし・・・」アピール

 

 

 

 

 

 

10センチほどで次の人拭けると思うんかい!

と突っ込みたくなります

使い切って替えときましょう

 

以前ある芸能人がテレビで言っていました

「お互い気のついた方が掃除をしよう」

と夫婦でルールを決めたんだそうです

ところがある日奥さんが

「トイレ掃除してくれてありがとう」

言われて一瞬うれしくなったけど

よく考えたら

ということは

奥さんは明らかに汚いって気づいていますよね

 

微妙な駆け引き問題は

生活のいろんなところに潜んでいます

 

 


昨日テレビで不思議な物を見ました

これです

 

 

 

 

木材を継ぎ合わせたものなのですが

どうなっていると思いますか?

『四方蟻』という継ぎ方なのだそうです

倒れたり折れたりしない上に

抜けたりもしません

なんとも不思議な構造です

昔から受け継がれている伝統の智恵には

本当に驚かされます

地震の多い日本ならではの技術です

 

 


こちらは先日の幼稚園でのボランティア

 

 

「国語」と「化学」のメガネ

地震から 579 日目

豪雨から 315 日目

 

最近の悩みはもっぱら「マップ」アプリです

字が小さくて見えないので

二本指で大きくして見えるようにすると

地図は大きくなるのですが

字がシュルシュルと

小さく元通りになって結局読めません

 


午後は石川県高等学校商業教育研究集会にて

小松市の 山本民夫 教育長様のお話を

聴かせていただきました

 

 

 

 

 

 

OECD調査によると日本の学生は

数学リテラシーや科学リテラシーはトップ

なのに国際競争力が低くなり続けています

数学に関しては3つの問題があります

①実生活における課題に対し

 数学を使って解決する力が弱い

②実生活における事象と関連づけて

 学んだ経験が少ない

③日常生活に絡めた指導を行なっている

 傾向も少ない

 

つまり日本の子どもたちは

勉強ができても

その学力を使って問題解決する力が

弱いということです

 

教科横断型学習がますます重要なようです

 

山本教育長様は

① 迷った時は困難な方を選べ

② 運のいい人と付き合え

とご自身の座右の銘を語ってくださいました

 

そして最後に若い先生に

「夏休み取って海外に遊びに行ってこい!」と

 

心の中で拍手喝采を送りました

 

 


8月後半に高岡法科大学において

「自然災害と法 -対応 復旧 復興-」と題し

1週間にわたってシンポジウムが行われます

私も28日(木)13:00より登壇する予定です

 

 

 

 

 

 

被災者を今でも苦しめているもの

それは『法律』だ!と

法曹界を志す学生さんたちに

法を変えてくれ

そうでないと次何かあった時に

その人たちに

今の自分たちと同じ苦しみを

味わわせることになる!

と訴えて来ようと思っています

 

震災に関する困った法律

もしありましたらどうぞ教えてください

代わりに訴えてまいります

 


【今日のDeep Purple】

教科を超えた授業実践を紹介し

深い教科横断型授業を作り出すコーナー

野々市明倫高校さんの事例紹介最終回は

『国語』と『化学』のメガネ

「青色界隈」です

 

李白の漢詩

七言絶句を読み取りましょう

 

『黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る』

 故人西辞黄鶴楼(故人西のかた黄鶴楼を辞し)

 煙花三月下揚州(煙花三月揚州に下る)

 孤帆遠影碧空尽(孤帆の遠影碧空に尽き)

 唯見長江天際流(唯だ見る長江の天際に流るるを)

 

これは尊敬する詩人「孟浩然」の船出を

見送った時の詩です

 

孟浩然は『春暁』という詩を詠んでいます

第一句の「春眠暁を覚えず」で有名な詩です

 

第三句「孤帆遠影碧空盡」の『碧』

帆が青い空に消えていく様子を描写しています

 

漢詩から影響を受けて風景を描いた絵師に

葛飾北斎がいます

 

 

 

 

 

こちらは富嶽三十六景神奈川沖浪裏

青色に着目すると

インジゴと

プルシアンブルーを使い分けているそうです

 

インジゴについては

本ブログ7月7日「家庭科のメガネ」

でも取り上げました

ではプルシアンブルーとは?

 

プルシアンブルーとは

別名ベルリンブルーとも呼ばれ

北斎らは『ベロ藍』とよんでいました 

 

動物の血液から作られる

『黄血塩』や『赤血塩』などから

化学的に合成できる青色の染料で

それまでラピスラズリを削ってしか得られなかった

青色の絵の具の大量生産に成功したもので

その後の美術界に大きな衝撃を与えた化合物です

 

化学的な構造は

二価の鉄イオン Fe2+

三価の鉄イオン Fe3+

シアン CN によって

3次元的に格子状に繋がっています

 

その格子の大きさは

セシウム原子の大きさとぴったり同じで

その中にすっぽり閉じ込めることができます

東日本大震災の原発事故の際に

体内に取り込まれた放射性セシウムを

体外に排泄させるために用いられました 

「数学」と「地歴」のメガネ

地震から 578 日目

豪雨から 314 日目

 

校長研修に来ています

文部科学省の合田哲雄局長と

石川県の浅野大介副知事の対談は

見応えのあるものでした

 

GIGAスクール構想を構築されたおふたりの

次世代の教育への展望を聴かせていただきました

 

副知事からは

現在このコラムでも連載中の

教科横断型学習へのヒントもいただきました

国語 × 数学 → 証明活動を通した文章表現

社会 × 数学 → 社会的事象の統計処理と結果考察

化学 × 公共 → 公害と環境

倫理 × 生物 → 生命倫理

化学 × 家庭 → 調理における化学変化

数学 × 体育 → 動作解析とバイオメカニクス

なるほどアイデア満載です

 

午後からは

学校リスクマネジメント推進機構様からの

保護者対応のセミナーです

 

実際に最近あったケースです

ただ石川県のケースではありません

 

校庭で大縄跳びの練習をしていた小学生

ひとりの子がフード付きコートを着たまま跳ぼうと…

その時先生が危ないので脱ぐように

その子は従いました

 

ところが放課後教育委員会から先生に電話

寒いのにコートを脱がされたと

保護者からクレームがあったから

気をつけるようにと一方的に告げられます

 

フードが縄に引っかかった時の危険性は

少し想像力をはたらかせばわかるのに

保護者はそこまで考えが至らず

自分の子が叱られ寒い思いをさせられたことしか

頭になかったようです

 

保護者の言い分をそのまま受け止め

その行為の危険性を伝えようともせず

先生の側に立ってくれなかった

教育委員会もどうかと思いますが 

 

最近増えてきたケースです

①子供の言うことが全て正しいと思い込んでいる親

②自分のことしか考えない自分勝手な親

③子供どうしでは解決しているのに納得しない親

④ここぞとばかりに威厳を振りかざす親権のない父親

⑤警察弁護士マスコミに連絡すると脅す親

⑥1時間も2時間も電話で延々話し続ける親

 

本校でも震災前はちょこちょこありました

以下はイメージです

「もしもし」

「はい輪島高校です」

「2年3組の担任誰や!」

(電話の向こうで「私2組」)

「おうそうか2年2組の担任誰や!」

「平野ですが…」

「その平田出せ!」

「平野はもう帰宅しました」

「ふざけるな!今何時やと思とる!」

「8時で勤務時間は終わっています」

「お前んとこの平井は勤務時間終わったら帰るんか!」

「平野ですが普通そうなっています」

「ふざけるなファミマ見習え!」

「よろしければ代わりにお話し伺いますが」

「お前誰や?」

「教頭の髙橋です」

「高井か!うちの娘部活辞める言うとる!どうしてくれる!」

「髙橋ですが詳しくお話しいただけますか?」

「クラス担任の朝の挨拶の声デカすぎる!わかるか高山!」

「髙橋ですがそれと部活どういった関係が?」

「そんなもんどうでもいい!俺は会社でふたりも部下を使とる!」

「…」

「最近の若いもんはホント礼儀を知らん!そう思わんか高田!」

もう完全に酔っ払っています

 

こんな不毛なやりとりが時折

繰り広げられるのでした

 

ところが震災の後このような理不尽な電話が

パタっとなくなったのです

 

学校も大変だからと

おそらく言いたいことを

我慢してくださっているのでは?と拝察します

 

ただ大切なお子さまに関することですので

不安なことや改善してほしいことは

遠慮せずおっしゃってください

 

ただし素面(シラフ)で

できれば勤務時間内でお願いします

 

 


【今日のDeep Purple】

教科を超えた授業実践を紹介し

深い教科横断型授業を作り出すコーナー

野々市明倫高校さんの事例紹介5回目は

『数学』と『地歴』のメガネ

「TM 15」です

 

日本はPISAの数学リテラシーが世界第五位

数学が得意なお国柄です

これはなぜでしょう?

 

江戸時代の数学(和算)は日本独自の数学で

世界最高レベルでした

その中で関孝和は

筆算を使って円周率を少数第11位まで計算した天才でした

 

また縄文時代の人々は

建物を作るために縄文尺を使って

正確に直角を割り出していたそうです

なんとこの時代にすでに

3:4:5の三角形が直角三角形になることを

すでに知っていたようです

 

「歴史」を振り返ることで

「数学」の価値や大切さに気づくことのできる

素晴らしい教材です

緊急速報版

カムチャッカで地震です

遅ればせながら今ニュースで知りました

全国のみなさんにお伝えしたいことがあります

 

 

 

 

 

 

こちらは東日本大震災で

津波の被害を受けた門脇小学校震災遺構です

違和感ありませんか?

津波にやられているのに

机が整然と並んでいるのです

しかも天板はありません

つまり津波でやられているのに

燃えているのです

 

何が起こったのか?

これです

 

 

 

 

 

 

火事で燃えている家が

そのまま流されて来て

学校に火がついたのです

 

高い建物に逃げるのは

必ずしも安全ではありません

時間がない時の最後の手段です

基本は山です

 

この時も2階に火がついて

3階に避難していた小学生が

取り残されたそうです

 

先生方が力を合わせて

長机などを使って

隣の建物へ伝って逃げる経路をつくって

児童を逃したそうです 

「生物」と「数学」のメガネ

地震から 577 日目

豪雨から 313 日目

 

名城大学附属高等学校より

岡 充彦 教頭先生

小堀 淳子 先生はじめ

アントレプレナーの生徒さんたちが

本校を訪れてくださいました

 

本校の3年生

中村輝くんがボランティアでやっている観光ガイド

そのお客様として

訪れてくださいました

中村輝くんをそのフォルムから

私は勝手に『輝輝坊主』と呼んでいます

 

 


午後からは

『災害時学校支援チームおかやま』

のみなさんがお越しになりました

昨日から七尾市の方で防災の講演会をなさり

本日本校まで足を運んでくださいました

 

 

 

 

 

 

昨日兵庫の『EARTH』さんと

お話をさせていただき

本日は『チーム岡山』さん

日本の災害支援を牽引するふたつの団体さんに

続いてお逢いすることができました

石川県でも設立に向けて動いています

先輩方の仲間入りをさせていただき

今回の経験を

次の災害のために役立てていきたい

と思います

 

 

 

 

 

 

きびだんごをもらったので

家来としてはたらきます!

 

 


【今日のDeep Purple】

教科を超えた授業実践を紹介し

深い教科横断型授業を作り出すコーナー

野々市明倫高校さんの事例紹介4回目は

『生物』と『数学』のメガネ

「世にも奇妙な自然界に潜む数学」です

 

まずはフィボナッチ数列を学んだそうです

 

本コラムでも以前に紹介しました

1,2,3,5,8,13,21,34,55,89…

前のふたつを足したものが次の数

という数列です

 

考えたのはイタリアの数学者 レオナルド・ピサノ

父の名前がボナッチで

filius Bonacci(ボナッチの息子)

が短縮されてフィボナッチと呼ばれるように

彼は「兎の問題」を出題しました

次のとおりです

「1つがいの兎は

 生後2か月後から

 毎月1つがいの兎を産み

 兎が死ぬことはないものとする

 この場合に

 産まれたばかりの1つがいの兎は

 1年後に何つがいの兎になるか?」

解いてみてください

 

ちなみにつがいを漢字で『番』と書きます

では次の漢字はなんと読むでしょう」

『蝶番』

 

前の3つを足すトリボナッチ数列

0,0,1,1,2,4,7,13,24…

4つを足すテトラナッチ数列

0,0,0,1,1,2,4,8,15,29…

なんてのもあるそうです

 

フィボナッチ数列が

自然界によく見られる数列であることは

知られていますが

トリボナッチ数列や

テトラナッチ数列に関してはどうなんでしょう?

考えてみるとおもしろいですね

 

さて明倫高校さんの授業では

さらにハニカム構造を学んだそうです

 

ハニカム構造とは

正六角柱を隙間なく並べた構造のことです

 

 

 

 

 

 

「honeycomb」はハチの巣を意味します

 

なぜハチは六角形の巣を作るのでしょう

数学的に検証してみたそうです

 

答えを言ってしまうと

少ない材料で最も広い部屋を作れるからです

 

検証してみましょう

例えば12m分の壁を作る材料があったとします

正方形の部屋を作ると

1辺あたり3m つまり

面積 = 縦 × 横 = 3 × 3 = 9m

 

正三角形では

1辺が4m

高さは1:2:√3 を使って

√3 ≒ 1.7 とすると3.4

その面積は

底辺 × 高さ ÷ 2 = 4 × 3.4 ÷ 2 = 6.7 m

正方形より狭くなりました

 

円だと…

直径 × π = 円周だから

直径 = 12/π で

半径 = 6/π

面積 = π(6/π)= 36/π ≒ 12 m

 

このように円が一番

コスパがいいのです

 

この円の部屋を敷き詰めると

 

 

 

 

 

 

 

ひとつの部屋の周りには

6つの部屋が隣接します 

これだと円と円の隙間が無駄なので

それを埋めたのがハニカム構造

 

ミツバチって頭いいですね

計算したわけじゃなく

体験で身につけたのでしょうけど

 

π にまつわる話をもうひとつ

「ピラミッドの横幅を高さで割って

 2倍すると円周率になる」

 

ピラミッドの1辺 = 230.37m

高さ = 146.6 m

(230.37 / 146.6) × 2 ≒ 3.14 

 

円周率という概念は

ギリシャ数学において確立されますが

それはピラミッドが造られた

およそ2000年あとのことです

 

π の計算もせずに

体験で身につけたもの?

ミツバチ以上ですね

 

円形の物差しを使っていたのではないか

という説があります

石を切り出す際に

高さは物差しの直径で

幅はその物差しを転がして測った

とすると説明はつきます

 

ただそんな物差しは

未だ発見されていないのだとか