校長室より「おこらいえ」

トコトコ

地震から 570 日目

豪雨から 306 日目

 

すっかり夏の朝

中庭には心地よい空気が

 

 

 

 

 

 

でも蝉の声がしないんです

全国的に見てそうなんでしょうか?

あまり暑くて「トコトコ」が

出てこないのでしょうか 

 

輪島弁でセミの幼虫を「トコトコ」といいます

全国的に見ると「ノコノコ」と呼ぶ地方もあり

金沢では「アナゼミ」と呼ぶそうです

 

毎年中庭の木々には

「トコトコ」 の抜け殻がこの時期

たくさん見られるのですが

今年はほとんど見られないのです

ようやくふたつだけ見つけました

 

 

 

 

 

 

こちらはアブラゼミ

羽根が脂ぎっているから

ついた名前かと思いきや

鳴き声が油の揚げ物の音みたい

ということだそうです

 

 

 

 

 

 

 

こちらはたぶんニイニイゼミ

ニイニイ鳴くからということでしょう

 

それにしてもツクツクボウシといい

鳴き声を勝手に名前にしたり

オオアリクイのように

主食を名前にしたり

人間ってかなり失礼な生き物ですね

他の生き物から

「おい!コメクイ」

とか言われて嫌な気持ちしないか

「人が何食おうがほっとけや」

って思いませんか?

 

さて今年なかなか姿を見せない「トコトコ」

もしかして今回の地震で

土中に何か異変があったのでは?

いらぬ心配をしています

 

ところで脱ぎっぱなしの服のことも

「トコトコ」と呼びますが

 

 

 

 

 

 

もしかしたらこれは

我が家だけに伝わる「平野家弁」かもしれません

 

 


さて学校の方では本日

PISA2025 学力調査が行われ

1年生が受検しました 

 

 

 

 

 

 

PISA(ピサ)とは

「生徒の学習到達度調査」

(Programme for International Student Assessment)

の略称で

『経済協力開発機構(OECD)』

(Organisation for Economic Cooperation and Development)

によって推進されている

教育分野における世界最大の国際調査です

 

PISA調査は2000年から概ね3年おきに実施され

今年で9回目となります

 

世界中で90カ国以上が参加する国際比較調査です

目的は

義務教育終了段階の15歳の生徒が

これまで身に付けてきた知識や技能を

実生活のさまざまな場面で直面する課題に

どの程度活用できるかを

測ることにあります

 

本校は日本を代表する調査校に選ばれた

というわけです

実は震災前から内定しており

特殊な環境におけるケースではあるので

「もしかして外されるかも…

 外されたら

 被災地は日本じゃないんかい!

 と暴れたろ」

と息巻いていたのではありますが

予定通り調査校を

務めさせていただくことになりました

 

この自然災害が多い日本という国の中で

どう教育を組み立てているのか

そしてこれからどう組み立てて行くべきか

有意義なデータとなると思います

 

自然災害だけでなく

人的災害に苦しむ

ウクライナやイスラエルなども参加しています

石川県名物 通知簿渡し

地震から 569 日目

豪雨から 305 日目

 

今日から3日間の日程で

「通知簿渡し」

保護者目線でいうと

「通知簿もらい」

が行われています

 

石川県在住の方以外は

「何それ?」

って感じではないでしょうか?

 

実は石川県では

各学期の終わりに

保護者が通知簿を受け取りに

学校へ出向くしきたりがあるのです

 

全国的なものかとずっと思ってきたのですが

他県から転住されてきた方が

不思議がっているのを聞いて

これが石川県独自の文化であることを

知った次第です

 

他県では生徒に直接渡すのが主流で

学校がどうやって成績を家庭に知らせるかは

法的には全く根拠がなく

各学校に任されているようです

 

 

 

 

 

 

廊下で待たれていたお母さまに

そのことをお伝えすると

「そうなんですよ

 私九州出身なんですけど驚きました」

とのこと

とはいえ普段お話しできない担任の先生と

ゆっくりお話ができるのは

いい機会だともおっしゃっていました

 

もうひとつ不思議な風習

「家庭訪問」

こちらはどうなんでしょう?

輪島高校では実施してはいませんが

小学校とかではどうなんでしょう?

 

核家族化しかも共働きが増えているので

そのためにどちらかが

休みを取らなければいけないとなると

大きな負担です

 

昭和の時代なら

お掃除して

障子張り替えて

座布団新調して

お茶用意して

お寿司を注文して

並がいいか上がいいか悩んで

来るのが遅いとか言って

曲がり角まで迎えに行ったり

なんか娘の彼氏が初めて家にくる日か!

と突っ込みたくなるほどのテンションで

先生も先生で

行く家行く家でお寿司をたらふく食べて

 

なんてことは令和の世には

全くそぐいませんね

 

「家庭訪問に行きます」なんて言おうもんなら

「うちふたりとも帰りが遅いんで

 夜8時以降にしてくれませんか?」

なんて家が続出で

全ての家を周り終わる頃には

もう日を跨いでいた

てなことになりかねないので

縮小傾向にあるのでは?

と勝手に想像しています

 

じゃあ家庭訪問のメリットは?

って考えると

担任が生徒の家を把握しておくと

災害時の安否確認に役立つかもしれませんね

とはいえ今回のように

ほとんどの人が家にいない元日に起こった時には

ほとんど役に立たないわけで

 

担任が生徒の家を一度見ておくと

登校時における危険をある程度

予測できるという利点もあるかもしれません

とはいえ起こる可能性が限りなく低い危険のために

担任が全ての家庭を訪ねる必要があるのかと言われると

限りなくコスパの低い作業になるのです

 

家庭訪問したら

身上調書では把握しようのない

内縁の夫が家にいて

生徒のその後の生活指導の役に立った

という経験も実はあります

 

ですので

「通知簿渡し」も「家庭訪問」も

必要ないから即廃止とはせずに

あえてグレーのまま残しておくべき

そんな行事であるというのが

私の中での結論です 

ほんとにここ地球?

地震から 568 日目

豪雨から 304 日目

 

石川県吹奏楽コンクールに

吹奏楽部が出場し

「故郷」と

「東北地方の民謡によるコラージュ」

を演奏しました

現3年生がひとりも入部せず

一体どうなるかと心配された吹奏楽部でしたが

2年生と1年生だけで

素敵なハーモニーを奏でました

 

 

 

 

 

 

それにしても入場料が結構いいお値段で

アンパンマンショーより高かったです

 


能登半島の外浦を巡る

国道249号線が開通しました

 

 

 

 

 

 

隆起した海岸を利用して造った

新しい道路が続きます

 

 

 

 

 

 

 空の青と海の青

その狭間をひたすら走ります

 

 

 

 

 

 

途中崩れた山肌が地震の激しさを

というよりむしろ

太古からの地球の営みを

感じさせてくれます

 

 

 

 

 

 

今回の地殻変動は

2000年に1回と言われる4m の隆起

 

この隆起を2212回繰り返す

すなわち442万4000年経てば

8848mに達するので

エベレストの頂上が昔海だった

と言われることにも納得です

 

 

 

 

 

 

絶対お目にかかることができなかった

昔海の底だった地形に出会える場所

 

 

 

 

 

 

本当にここ地球って感じの場所もあるので

宇宙映画のロケ地に使えるかもしれません

 

ぜひみなさん一度ご覧になってください

コロラドの夏

地震から 567 日目

豪雨から 303 日目

 

夏休みで思い出すのが

初任の夏に行ったアメリカ研修旅行です

コロラドを中心に3週間ほど

アメリカ各地の学校を視察してきました

 

教育委員会企画の英語科の研修でした

私は担当は理科なのですが

知らん顔して紛れ込みました

 

当時から教科横断を実践していました

そしてその時の経験は

その後の私の教員生活にとって

大きな影響を与えてくれました

 

その時ご一緒したふたりの英語の先生と

およそ40年の時を超え

お逢いする機会に恵まれました

 

おふたりには英語だけでなく

教師としての矜持など

多くのことを学ばせていただきました

 

ただ3人の行動は

同行した他の先生方には

予測不能 理解不能だったらしく

3dollers(スリーダラーズ)

と呼ばれていました

 

『ダラ』というのは

石川県の方言で『ばかタレ』の意味です

 

この語源については

「知恵タラズ(足らず)」が

地方に伝わる過程で変化したという説が有力です

鳥取・島根の「ダラズ、ダラ」や

新潟の「タラズ」がその証拠とされているそうですが

私は『阿呆陀羅経』説を支持します

小さな二個の木魚をたたき

または扇子で拍子を取りながら街頭で演じて

銭を乞うた乞食坊主が謳ったお経です

1750年頃大坂で始まったそうです

 

さて

1ダラー目の中先生は

渡米後のウェルカムパーティーで

女性の田中先生に続き

「I'm not Miss Tanaka but Mr.Naka 」

と洒落たIntroduceをかますような

センスあふれる方です

現在も複数の肩書をお持ちで

クリエイターの 栗 瑛太 氏

有言不実行家の 口田 圭 氏として

各方面において

その才能を余すことなく発揮されています

 

2ダラーズ目の向先生は

そんな才気煥発な1ダラーを

大きく包み込み

あるいは手のひらの上で転がすように

才能を開花させる術をお持ちの方で

校長先生を経てご退職なさいました

 

そしてそこに運良く加えていただいた

3ダラーズ目の私は 

その時の経験を現在

被災地の子供達の目を

世界と未来へ向けさせるため

生かしていますので

何が幸いするかわかりません

 

当時の教員にとっての夏休みは

かように自己研鑽をするための

極めて重要な時間でした

 

しかしながら

先日の小学校の盗撮グループのような

一部のふしだらな教員のせいで

教師に対する信頼が大きく揺らぎ

世間の目が厳しくなるとともに

大多数の真面目で誠実な教員から

貴重な研修の時間を奪ったのです

 

私が教員を志した大きな理由のひとつが

「夏休みがあるから」でした

 

教員のなり手不足対策の大きなひとつが

自己研鑽のための時間の保障です

教員に夏休みを取り戻せ!

OECDを通して

教員のウェルビーイングを提案していきます

 

さて

昨年度のフランス研修

今年のGWのポルトガル研修に続き

今年の夏休みにはアメリカ研修を実施します

 

医療関係志望の生徒3人を

災害医療を専門に学ぶアメリカの大学へ

10日間ほど派遣します

引率は養護教員の栃木麻紀先生

災害時のトリアージなども学ぶ

教員にとっても貴重な研修です

夏の訪れ

地震から 566 日目

豪雨から 302 日目

 

夏休みの入りとともに

北陸地方でも梅雨が明けました

梅雨明け特有の初夏の雲が広がります

 

 

 

 

 

 

左下のは肋骨雲

魚の骨に見えます

飛行機雲が横風に吹かれてできます

 

右下のは毛状雲

鳥の羽根に見えます

上空の風の様子がわかりますね

 

上空8000mから12000m付近に発生する

『巻雲』の一種です

 

『巻雲』は一時期『絹雲』と表記していました

いずれも『けんうん』と読みます

 

横に薄く拡がる雲を『①層雲』

縦にもこもこ伸びる雲を『②積雲』

といい

標高2000m〜5000m付近に見られ

それぞれ「きりぐも」「わたぐも」

と呼ばれます

両方の特徴を持つ『③層積雲』

いわゆる「うねぐも」もあります

 

それよりもやや高いところに発生するものには

名前に「高」がつき

『④高層雲』いわゆる「おぼろぐも」

『⑤高積雲』いわゆる「ひつじぐも」

と呼びます

 

さらに高いところにある筋状の雲が

『⑥巻雲』いわゆる「すじぐも」で

同じ標高に

『⑦巻積雲』いわゆる「うろこぐも」

『⑧巻層雲』いわゆる「うすぐも」

ができます

 

雨を降らせるネズミ色の雲には

『乱』の文字がつき

『⑨乱層雲』いわゆる「あまぐも」

『⑩積乱雲』いわゆる「にゅうどうぐも」
 

雲はこのように高さや形によって

十種類に分類されています