校長室より「おこらいえ」

PISAの斜塔とPISA大学と

地震から 583 日目

豪雨から 319 日目

 

相変わらず校舎の一部が傾いたままです

『ピサの斜塔』状態です

 

ピサ大聖堂の鐘楼である『ピサの斜塔』

イタリア語で『Torre pendente di Pisa』

まんま「ピサの傾いた塔」です

日本語の『斜塔』

フランス語でお城のことをchâteauというので

うまいこと訳しましたね

 

『ピサ』『ピザ』発音はどっちでもよいようです

ただ日本人が『Pizza』を『ピザ』と発音するのは

イタリア人は???なんだそう

 

1173年に建設が始まった『ピサの斜塔』は

建設が始まって5年後

南側へと傾き始めます

一時的に工事が中断されたものの

約100年後に傾いたまま建設を再開しました

建設期間中も塔は少しずつ傾き続けました

 

傾いた主な原因は、建設地の地盤の弱さです

かつて海に近い湿地帯であったため

地盤が非常に軟弱だったのです

 

塔の傾きは長年にわたって少しずつ進行し

20世紀末には約5.5度にまで達し

倒壊の危険性が指摘されるようになりました

しかしその後行われた大規模な補強工事により

傾斜の進行は止まり改善されました

 

現在の傾斜角度は約3.97度とされています

これは現在原則使用禁止となっている

本校の2号棟の傾きとほぼ同じです

 

これほどまでに傾いているのに倒れないのは

塔の巧妙な構造にあります

中が空洞の円筒形で重心が低く設計されている他

約4メートルもある厚い壁が塔を支えています

 

現在はコンピュータシミュレーションを用いて

塔の構造を詳細に解析し安定性を確保しています

 

さてピサ大学と京都大学が共同で

興味深い研究結果を発表しました 

神経細胞に関する研究です

 

神経細胞は

中心部から軸索という手が伸びて

隣の細胞にシナプスという結合部分を作って

情報の伝達を行い

思考したり記憶したりしています

 

勉強をするというのは

このシナプスをたくさん作っている過程に

ほかなりません

 

たくさんシナプスを作れば作るほど

物事をしっかり考えることのできる脳に

育ちます

そして一生の中で

最も盛んにシナプスが作られるのが

15〜18歳です

 

ところがある病気の方で

うまく軸索が伸びていかない方が

いらっしゃいます

 

両大学の研究は

神経細胞の中に磁性物質を取り込ませて

体外から磁力で誘導することによって

軸索を思いの方向に伸ばすことに

成功したというものです

 

この磁性物質をパンに練り込めば

『暗記パン』を作れるじゃないですか!

万博でプレゼン!

地震から 582 日目

豪雨から 318 日目

 

いよいよ来ましたよ

 

 

 

 

 

 

 会場は外食パビリオン『宴〜UTAGE〜』

 

 

 

 

 

 

被災地から食の魅力を伝えます

 

 

 

 

 

 

『UTAGE 』は

『'85 国際 食 博覧会・大阪』をルーツに

4年に一度開催されています

 

 

 

 

 

 

「復興産地を知って食べて応援しよう」

今回「オオサカ Kizu なイチバ」を

開設してくださったのは

 

 

 

 

 

 

株式会社 グルメ杵屋 様

 

 

 

 

 

 
『わじねこシフォンケーキ』を

試食していただきます

 

 

 

 

 

 

『街プロ』イラスト班の横地さんが

つくってくれたPOP

 

 

 

 

 

 

元気に頑張っている様子もPR 

 

 

 

 

 

 

25人ずつの入れ替え制で4回

 

 

 

 

 

 

プレッシャーあったと思いますが

頑張りました

 

 

 

 

 

 

 

 


圧倒的なパビリオンの数々

 

 

 

 

 

 

とんでもないものをこしらえるもんだと感動

 

 

 

 

 

 

こら全国の工事関係者が

被災地に回って来れない訳だわと納得 

 

 

 

 

 

 

世界最大の木造建築として

ギネスにも認定された大屋根リング

 

 

 

 

 

 

一周が 2025.4 km 

 

 

 

 

 

 

万博開幕の2025年4月を表しています

 

輪島塗の『夜の地球儀』

会場の真ん中に展示してくださっていました

 

 

 

 

 

 

エサに注意

地震から 581 日目

豪雨から 317 日目

 

人間は食べれても

最悪ペットにとって死に至る食べ物があります

 

例えば犬や猫がチョコレートを食べると

・下痢
・嘔吐
・不整脈
・けいれん

を起こします

カカオに含まれる『テオブロミン』を

犬や猫は分解できないからです

 

またレーズンを食べると

24時間以内に中毒症状があらわれます

急性腎障害で死に至ることもあります

 

キシリトールを食べると

急激にインスリンの分泌され

低血糖や肝障害を引き起こします

 

ネギ類に含まれる

『有機チオ硫酸化合物』は

赤血球を壊し貧血を引き起こします

 

能登半島地震の際

ペットを連れて避難所に来られた方がいました

輪島高校避難所では

ペットをお連れの方専用の部屋を設けたのです

 

ところが困ったのはエサ

自衛隊の炊き出しが来てくださるまで

パンの支給があっただけでした

ペットフードの支給があったのはさらにその後

実は猫は小麦粉にもアレルギーを起こすのです

飼い主は

欲しそうに見つめるペットを横目に 

パンを食べるのでした

 

それを見ていた生徒が閃きました

災害時にペットにあげれる避難食があれば

人が食べるものを

ペットフードのように気軽にあげれればいいのに

  

小麦粉を使わない避難食の開発に乗り出しました

 

現在の3年生がスタートアップして

いろいろな企業様の協力を得ながら

開発に成功

これまでも色々な場所で販売してきました

 

今では後輩たちがその活動を引き継ぎ

万博会場で明日プレゼンをして

お客様に試食もしていただきます

 

またポスターと動画を

今日から8月16日まで

ご覧になっていただけます

 

今日はその準備と会場下見です

 

 

 

 

 

 

詳しくはこちら 

 https://kizu-ichiba.com/expo/kizunaichiba/fukkou/020/

 

大屋根を通って会場入りです

 

 

 

 

 

 

こちらが明日発表するパピリオン

 

 

 

 

 

 

楽しみです!

 


なんだか『濃い』お茶がブームです

 

 

 

 

 

 

『カテキン』や『カフェイン』を

多く含みます

お茶の木は

学名「カメリア・シネンシス」

緑茶・紅茶・烏龍茶

お茶には何種類かありますが

お茶の木は1種類だけです

 

『発酵』の度合いによって

お茶の種類が変わります

本来『発酵』とは

微生物の活動によって

成分が変化することを指しますが

お茶の『発酵』は

茶葉自身が持つ酸化酵素によるものです

ですので

化学的にいうと

『発酵』ではなく『酸化』です

 

緑茶は

葉を摘み取ったら

すぐに蒸すか煎るかして

酸化する酵素の働きを止めて

発酵しないようにします

 

一方で紅茶は

茶葉を萎れさせた後

もみほぐしたり刻んだりして

細胞を壊し

空気に充分触れさせて

一定期間発酵させます

 

烏龍茶は

軽く発酵させた後で加熱して

途中で発酵を止めます

つまり

緑茶と紅茶の中間です

 

発酵が進むと

カテキン同士が結合して

別の物質に変わるので

『カテキン』の含有量は

緑茶>烏龍茶>紅茶

の順に少なくなります

 

『プーアール茶』のように

カビをつけて実際に発酵させたものもあります

 

『カテキン』とは

赤ワインにも含まれるポリフェノールの一種で

お茶には

化学構造がわずかに異なる

4種類の『カテキン』が含まれます

『カテキン』どうしは

酸化酵素のはたらきにより結合し

最終的には

赤色の『テアフラビン』や

褐色の『テアルビジン』という

ともに渋味を示す物質に変わります

 

烏龍茶は

発酵を途中で止めているので

『カテキン』が『テアフラビン』に変わる

途中段階の物質が種類豊富に含まれ

複雑な味わいを醸し出しています

 

『カテキン』はタンパク質や脂肪に

結合しやすく

過剰に摂取した脂肪なんかを

一緒に排泄してくれます

これが「カテキン』を豊富に含む

濃いお茶のブームにつながっています

 

『カテキン』は熱いお湯に溶け出しやすいので

多く摂りたい時は

80℃以上のお湯で入れるといいそうです

 

1煎目でその80%が溶け出すので

2煎目以降には

実はほとんど『カテキン』は含まれていません

 

『玉露』のように旨みを愉しむお茶は

苦味成分である『カテキン』を出さないように

50℃程度のお湯で

じっくりと旨み成分のアミノ酸だけ

抽出するのがおすすめです

微妙な駆け引き

地震から 580 日目

豪雨から 316 日目

 

暖かい日が続きますね

これだけ暖かいと

自販機のジュースもどんどん売れます

と同時にゴミ箱のペットボトルも

すぐに一杯になります

 

 

 

 

 

 

まだまだ入るとばかりにぎゅうぎゅう詰めです

誰か袋を替えればいいのに

 

最近この袋の交換が私の日課になっています

 

よく似た微妙な駆け引きに

シュレッダーのゴミいつ捨てる?

問題があります

 

 

 

 

 

 

「くずを捨ててください」ランプがついても

箱の中の屑をぎゅうぎゅうにして

まだ入るしとばかりに

ジャミジャミジャミ・・・

 

ところで福井県の一部では

シュレッダーのことを

「ジャミジャミ」というそうです

電子レンジを「チン」というのの

発展系ですね

 

さらにトイレットペーパーを

一巻ほど残して

「自分最後じゃないし・・・」アピール

 

 

 

 

 

 

10センチほどで次の人拭けると思うんかい!

と突っ込みたくなります

使い切って替えときましょう

 

以前ある芸能人がテレビで言っていました

「お互い気のついた方が掃除をしよう」

と夫婦でルールを決めたんだそうです

ところがある日奥さんが

「トイレ掃除してくれてありがとう」

言われて一瞬うれしくなったけど

よく考えたら

ということは

奥さんは明らかに汚いって気づいていますよね

 

微妙な駆け引き問題は

生活のいろんなところに潜んでいます

 

 


昨日テレビで不思議な物を見ました

これです

 

 

 

 

木材を継ぎ合わせたものなのですが

どうなっていると思いますか?

『四方蟻』という継ぎ方なのだそうです

倒れたり折れたりしない上に

抜けたりもしません

なんとも不思議な構造です

昔から受け継がれている伝統の智恵には

本当に驚かされます

地震の多い日本ならではの技術です

 

 


こちらは先日の幼稚園でのボランティア

 

 

「国語」と「化学」のメガネ

地震から 579 日目

豪雨から 315 日目

 

最近の悩みはもっぱら「マップ」アプリです

字が小さくて見えないので

二本指で大きくして見えるようにすると

地図は大きくなるのですが

字がシュルシュルと

小さく元通りになって結局読めません

 


午後は石川県高等学校商業教育研究集会にて

小松市の 山本民夫 教育長様のお話を

聴かせていただきました

 

 

 

 

 

 

OECD調査によると日本の学生は

数学リテラシーや科学リテラシーはトップ

なのに国際競争力が低くなり続けています

数学に関しては3つの問題があります

①実生活における課題に対し

 数学を使って解決する力が弱い

②実生活における事象と関連づけて

 学んだ経験が少ない

③日常生活に絡めた指導を行なっている

 傾向も少ない

 

つまり日本の子どもたちは

勉強ができても

その学力を使って問題解決する力が

弱いということです

 

教科横断型学習がますます重要なようです

 

山本教育長様は

① 迷った時は困難な方を選べ

② 運のいい人と付き合え

とご自身の座右の銘を語ってくださいました

 

そして最後に若い先生に

「夏休み取って海外に遊びに行ってこい!」と

 

心の中で拍手喝采を送りました

 

 


8月後半に高岡法科大学において

「自然災害と法 -対応 復旧 復興-」と題し

1週間にわたってシンポジウムが行われます

私も28日(木)13:00より登壇する予定です

 

 

 

 

 

 

被災者を今でも苦しめているもの

それは『法律』だ!と

法曹界を志す学生さんたちに

法を変えてくれ

そうでないと次何かあった時に

その人たちに

今の自分たちと同じ苦しみを

味わわせることになる!

と訴えて来ようと思っています

 

震災に関する困った法律

もしありましたらどうぞ教えてください

代わりに訴えてまいります

 


【今日のDeep Purple】

教科を超えた授業実践を紹介し

深い教科横断型授業を作り出すコーナー

野々市明倫高校さんの事例紹介最終回は

『国語』と『化学』のメガネ

「青色界隈」です

 

李白の漢詩

七言絶句を読み取りましょう

 

『黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る』

 故人西辞黄鶴楼(故人西のかた黄鶴楼を辞し)

 煙花三月下揚州(煙花三月揚州に下る)

 孤帆遠影碧空尽(孤帆の遠影碧空に尽き)

 唯見長江天際流(唯だ見る長江の天際に流るるを)

 

これは尊敬する詩人「孟浩然」の船出を

見送った時の詩です

 

孟浩然は『春暁』という詩を詠んでいます

第一句の「春眠暁を覚えず」で有名な詩です

 

第三句「孤帆遠影碧空盡」の『碧』

帆が青い空に消えていく様子を描写しています

 

漢詩から影響を受けて風景を描いた絵師に

葛飾北斎がいます

 

 

 

 

 

こちらは富嶽三十六景神奈川沖浪裏

青色に着目すると

インジゴと

プルシアンブルーを使い分けているそうです

 

インジゴについては

本ブログ7月7日「家庭科のメガネ」

でも取り上げました

ではプルシアンブルーとは?

 

プルシアンブルーとは

別名ベルリンブルーとも呼ばれ

北斎らは『ベロ藍』とよんでいました 

 

動物の血液から作られる

『黄血塩』や『赤血塩』などから

化学的に合成できる青色の染料で

それまでラピスラズリを削ってしか得られなかった

青色の絵の具の大量生産に成功したもので

その後の美術界に大きな衝撃を与えた化合物です

 

化学的な構造は

二価の鉄イオン Fe2+

三価の鉄イオン Fe3+

シアン CN によって

3次元的に格子状に繋がっています

 

その格子の大きさは

セシウム原子の大きさとぴったり同じで

その中にすっぽり閉じ込めることができます

東日本大震災の原発事故の際に

体内に取り込まれた放射性セシウムを

体外に排泄させるために用いられました