校長室より「おこらいえ」

未来を創れ!輪高生

68日目

 

3月1日に行われた卒業式の

校長式辞の中で

こう言いました

「輪島に残るみんな

 一緒に新しい街つくろう

 一旦輪島をはなれるみんな

 驚くような街を作って待っている」

 

高校には

「総合的な探究の時間」

という授業があります

 

実社会や実生活と自分との関わりの中から

自ら問いを見つけ出し

他の人との協働をとおして

新たな価値を創造し

よりよい社会の実現を目指す教科です

 

輪島高校のテーマは「WAJI活」

自分たちの住むWAJIMAの魅力を再発見し

未来を創造するための活動を

これまで行ってきました

 

新しい交通システムの提案や

スイーツフェスなどの企画実践

地元の企業とコラボしての商品開発

さまざまな工夫を凝らした取組を

これまで行ってきました

 

なんのためにやってきたのか

今このときのためである

そんな気がしてなりません

 

焼け野原から新しい街を創り出す

その大切なミッションを

これからここに住む世代の意見を抜きにしては

語ってはいけないと思うのです

 

自分たちの住む街を

自分たちの力で創り上げていってほしい

希望に溢れる未来の街を

 

「WAJI活」実践編のキックオフです

生徒のみんな

新しい街のコンセプト

それぞれ考えておいてください

自分がワクワクするようなプランをぜひ

 

いろんな街を調べてみるといいね

あらゆるところにヒントがあるよ

 

たとえばディズニーランドにある

7つのテーマランド

西から東へ向けて過去から未来が

北から南にかけて夢から現実が

それぞれ配置されてるんだそうですね

ATMは南にあるのだとか

ファンタジーランドやトゥモローランド

輪島だとどんなテーマランドが考えられますか

 

次に挙げる都市の共通項は何かわかりますか?

オランダのアムステルダム

 

 

 

 

 

 https://worldheritage-mania.com/heritage-canal-amsterdam/

 

デンマークのコペンハーゲン

 

 

 

 

 

 https://www.styleofnorth.com/archives/8430

 

アメリカのポートランド

 

 

 

 

 

 https://hotels.his-j.com/ct/tripiteasy/post-3020/

 

フランスのストラスブール

 

 

 

 

 

 https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/1005462/

 

オーストラリアのメルボルン

 

 

 

 

 

 https://www.tripadvisor.jp/

 

これらはコンパクトシティといって

街の大切な機能が小さくまとまっている

住みやすい街です

住民が積極的に街作りに関わった結果

みんなが住みやすい街に仕上がっています

 

いろんなところに

アイデアの種がころがっているよ

高校入試最終日

67日目

 

高校入試の全ての日程が終了しました

今日も夕方に

中ぐらいの余震がありましたが

試験中でなくてホッとしてます 

 

悲しいお知らせとうれしいお知らせがあります

 

悲しいお知らせから

 

神戸大学の名誉教授で

阪神淡路大震災からの復興への提言を続け

東日本大震災の復興構想会議の議長を務められた

政治学者の五百旗頭真(いおきべまこと)さんが

亡くなりました

 

能登半島地震の復興計画にも

お力を貸していただけるのでは

と期待していたのですが…

ご冥福をお祈りいたします

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6493921

 

先生の残されたご提言を

次世代に繋いでいくのが

我々の役目であると思います

https://mainichi.jp/articles/20240301/k00/00m/040/350000c

決して自衛隊の初動が遅いなどと

責めるつもりは毛頭ありません

むしろ苛酷な現場で

命がけで闘ってくださっている姿を

目の前で見ているだけに

感謝の気持ちでいっぱいです

日本の自衛隊は

世界に誇るべき

唯一無二の組織であると思います

 

しかしながら

今回得られた教訓は

必ず次に活かさなければ

なりません

 

千葉県の方でも地震が続いています

最低でも自力で最初の3日間を生き延びる

準備はしておいてください

必ず起こるものとして

最善の準備をしておいてください

 

初詣のおみくじで

「大凶」あと数時間で今住んでいる街が消えてなくなる!

と書かれていたとしたら

誰がそんなこと信じますか?

でも本当に起こったのです

 

次にうれしいお知らせ

 

国公立大学前期日程の合格発表が始まりました

ぞくぞく合格の知らせが入ってきています

おそらくダメだろうなと思っていた生徒も

逆転合格を勝ち取っています

本人が「震災枠かな?」とうそぶくくらい・・・

そんなことないよ

一生懸命頑張った結果だよ

 

それもこれも

金沢での学習環境を提供してくださった

公立高校の関係者

およびハイアットセントリックのみなさま

2次避難先として落ち着いた生活環境を

保証してくださった金沢彩の庭ホテルのみなさま

最後まで学校を信じてくださった

保護者のみなさまのおかげです

 

もちろん3年生の担任

進路指導担当の教員も

自身も被災している中

最後まで粘り強く指導しました

 

このあとも合格発表は数日間続きます

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

病院のレストランで働いている

母から聞いた話。

節電かな?

暗いレストランで食事中の老夫婦。

ただでさえよく目が見えない老婦人

『じーさんの顔が見えないから

昔のじーさんの顔を思い出しながら

食べることにしましょ』だって。

なんかいいよね~。

高校入試1日目

66日目

 

高校入試の1日目です

 

8:30頃余震が観測されました

受験生は落ち着いています

予定通り実施します

検査中の余震も考えられます

何かありましたら

このブログで速報します

 

隣の文化会館で復旧工事の音がします

英語の「聞くことの検査」の時間帯のみ

工事を中断してもらうことにしました

本当は検査時間中

ずっと止めてもらいたいのですが

復興の歩みを止めるわけにもいきません

 

つらい環境の中

耐え抜いて勉強してきている子たちだから

少しの騒音があっても

集中して力を発揮できる

そう信じています

 

高校に入学しても

できない言い訳を他に探すことのない

たくましい生徒を育てたいと考えています

 

今朝の朝日新聞で

鳥屋小学校の中谷萌瑛先生の記事を

拝見しました

 

能登の子は13年前の私だ

 

先生は

小学校4年生の時

福島県で被災し

おかあさまの実家の石川県に

引っ越してきたそうです

 

クラスのみんなとのお別れの時

日が暮れるまで外を走り回り

「もう一生会えないのかもしれない」

とめどなく涙が

 

今、その時と同じ

4年生を受け持っておられます

輪島からの転校生もいるそうです

 

気持ちをわかってくれる

先生に出会えてよかったね

 

つらいときに

頑張る姿を見せるだけじゃなく

一緒に「しんどいね」って言える

大人でいよう

だそうです

 

こんな素敵な記事を書かれる

朝日新聞の記者の

力丸祥子さんにも

ありがとうございます

 

真実を伝えることが報道の使命

それは理解できるつもりですが

真実が不安を煽るだけ

そんな記事を目にすることもあります

 

例えば

ウミガメのお母さんは卵を産むとき

涙を流します

 

それは涙ではなく浸透圧の関係で

体液が滲み出ているだけだよと

真実を伝えることに

どれだけの意味があるのか

 

「どうして泣いているのかな?

 生まれてくる子たちに

 しあわせになってねって

 祈って泣いているのかな?」

 

嘘でもいいから

そう伝えるほうが

はるかに意味のあることだと

自分は思うのですが

 

教育と報道は違うって言われると

それまでですけど

ふたりの素敵な女性から

65日目

 

先日、山椒魚のピアノを運び出す際に

情報を拡散してくださった

カウンセラーカレッジ石川の森辰美さんより

生徒のみなさんにメッセージがあります

 

「困ったらまず人に相談する

 という経験が大事

 相談すること

 助けを求めることは

 恥ずかしいことでも

 みっともないことでも

 何でもない

 この経験が

 青年になって

 もしもしんどくなった時でも

 誰かに相談することができる

 礎になるの

 たった一人で抱えて

 崖っぷちにいる大人が

 本当に多いんだわ」

 

このことは

自分も身をもって経験しています

捜し物をするときは

「あれ、どこいった~?」

って大騒ぎしながら探すんです

そうするとたいがい誰かがどこかで目にしていて

「あそこにあったよ」

ってあっけなく見つかります

 

日本では

「人様に迷惑をかけないように」

って育てられるけど

ある国では

「あなたも人に迷惑をかけるんだから

 あなたも人からの迷惑を許しなさい」

って育てられるんだそうです

 

「こどものすること怒るでない

 かつておまえが通った道

 年寄りのすること笑うでない

 いつかおまえが通る道」

って言葉もありますしね

 

先日ラジオに出演させていただいた際に

インタビューをしてくださった

MROの原田 幸子アナからも

力強いメッセージが届きましたので

ご紹介します

 

「みなさんの目の前に

 立ちはだかっているのは

 壁ではなく

 きっと扉で

 その扉には鍵がかかっていたり

 とても重かったりするかもしれないけど

 きっと開く

 開けることができる

 自信を持って扉を開けて

 前に進んで欲しいです」

そのうちなんとかなるだろう

64日目

 

今日もいろんな方からの支援が

 

山田長満奨学金より

本校から4名の生徒が採択されました

この奨学会は

世界の平和及び経済成長

並びに人々の幸福に

寄与することを目的に

日本や国際社会に貢献する人材を

育成する会です

 

今回の被災を受け

急きょ10名の増員をしてくださり

奥能登5高校の生徒に

支援していただけることに

なったものです

 

お世話をしてくださった

サンテック株式会社の

岩和志会長様にも

厚く御礼申し上げます

 

山椒魚のピアノの脱出にも

本日成功しました

運び出してくださったのは

大浦運輸株式会社

石川ピアノ配送センターのみなさん

 

 

 

 

 

 

絶対無理だと思っていたのですが

さすが専門家です

傷ひとつつけずに

あっという間に運び出してくださいました

 

設置したのは

輪島高校の吹き抜け階段

 

 

 

 

 

 

誰でも弾ける屋内ストリートピアノとして

第二の人生のスタートです

 

大浦運輸さんを紹介してくださったのは

白山市の楽器店ポンポロプーの島崎克宏店長

石川のマイスターにも選ばれている

名ギタリスト

ポンは太鼓

ポロはギター

プーはラッパ

なんでも揃う楽器の総合店です

 

山中温泉の近くのお寺に

こんなお触れ書きが

 

 

 

 

 

 

「大変」とは大きく変わるチャンスのこと

輪島高校卒業式校長の言葉

として紹介してくださっています

 

ただこの言葉は

36日目のブログでご紹介したように

インターネットで見つけた

島本麻衣子さんの言葉であって

私のオリジナルではありません

そもそもこのブログ自身に登場する名言は

ほとんどどなたかの言葉のつなぎあわせであって

オリジナルは1割程度しかありません

 

島本さんの言葉を私が始業式挨拶で使い

それを聞いた生徒が卒業式答辞で使い

それを報道したものをご住職が書いてくださり

 

素晴らしい言葉というのは

このようにして伝わって行くものなのですね

 

お寺に書かれている言葉というのは

ほんとうに奥深いです

私がある日見かけてずっと心に残っているのは

「いのち◯わたし◯生きている」です

◯には助詞が入ります

どんな助詞が入っていたか忘れましたが

入る助詞によって

幾通りにも解釈できる言葉だなと…

「いのちでわたしは生きている」

「いのちのわたしが生きている」

「いのちもわたしも生きている」

「いのちがわたしを生きている」

 

名言と言えば

私のお気に入りの一休さんの逸話です

亡くなる前に弟子達に

「どうにもならないほど困った時があったら

 この遺言を開きなさい」

その後実際どうにもならないほど困った弟子達が

遺言を開けると

「大丈夫 心配するな なんとかなる!」

 

植木等さんの名曲

「金のない奴ァ俺んとこへ来い!

 俺もないけど心配するな」

と同じくらい大好きです 

「見ろよ青い空白い雲

 そのうちなんとかなるだろう」

 

でも勘違いしてはいけないのは

何にもしなくて

なんとかなっている訳じゃなくて

なんとかしようと思って

一生懸命頑張っている人がいるからなんですよね

 

だから大事なのは

なんとかなるだろうと

楽観的に構えながら

今できることを

精一杯やることだと思うのです

 

「誰かがなんとかするだろう」では

いけません