校長室より「おこらいえ」
読むラジオ読んでね
地震から 505 日目
豪雨から 241 日目
大谷翔平選手のユニフォームが
学校に届きました
以前これをいただいたといいう
金沢市で銀杏塾という学習塾を経営されている
川岸達 塾長様がくださいました
川岸先生は輪島のご出身で
週末などを利用して
実家の片付けにいらっしゃっています
このユニフォームについては
ご自分で所有しているよりも
若者たちの目につく場所に飾った方が
はるかにみんなに元気を届けられる
そう判断なさって
こころよく輪島高校にくださいました
玄関先の賞典ケースに飾ってあります
今日の授業のようすをどうぞ
ビジネスコースの1年生
とにかく元気です
加藤先生の「英語コミニュケーション」
大きな声で復唱しています
勉強の中身を教えるよりも
勉強のしかたに主眼を置いた
普通コース1年生の「数学Ⅰ」
今田先生は「見直しノート」のつくりかた
「見直しノート」はつまづきを集めた
いわば「宝の山」です
通先生は
「エビングハウスの忘却曲線」を用いて
復習の大切さを説きます
普通科2年生は中野先生の「保健」
今日から教育実習生が来て
みんなで自己紹介をしました
にしても
みんな自己PR力の低いこと
このへんが輪高生の弱さです
打たれんくらい出る杭になれ!
ビジネスコースの2年生は
「ソフトウエア」
こちらは部屋がなくて
急遽図書室の中にこしらえた
共用パソコンスペースです
先日出演させていただきました
MROラジオの
「Tad Mitani's Innovation Now」
読むラジオとしてアップしていただきました
どうぞご覧ください
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は2月22日「尊い仕事に就くみなさんへ」を読んで
「自衛隊の方々へのお話でした
私もたくさん助けられていたなと
記憶がよみがえってきました
私の家は地震が起きてから水が出るのに
半年ぐらいかかったと思います
もちろん家で入浴もシャワーもできないので
結構精神的にきていました
周りで避難している人もみんな体を洗えず
ウェットシートで体を拭いている人もいました
そんな中
『自衛隊の人がお風呂を作ってくれた』
という母の言葉を聞いて
私は母についていきました
中に入ると
受付で自衛隊の方々が優しく迎えてくれたのを
今でもはっきりと覚えています
ストーブもあり
お風呂に入るまでの待ち時間を暖かく過ごせました
お風呂も広々としていて
中でおばあちゃんたちがたくさんお話をしていたりと
ひとつのコミュニティーだったと思います
そしてみんなが自衛隊の方々に感謝していました
私と同じように
まだ家に水が出ていない友達もたくさんいて
その子たちと会うこともありました
友達と一緒に温まったり
他の人たちと会話したり
気分も癒されました
それから
自衛隊の方々がお風呂を閉めるまで通い続けましたが
いつも温かくみんな優しくて楽しかったです
感想ノート的なものが置いてあって
私も書かせてもらいました
中には自衛隊の方々への感謝が
たくさん書いてありました
本当に良い思い出です」
《匿名希望》
ウルトラマンAの最後の言葉
地震から 504 日目
豪雨から 240 日目
輪島市を国道249号線沿いに
半島の先端に向かって走ると
御陣乗太鼓の里
南志見があります
「なじみ」とよみます
石碑の左後ろ
折れた鳥居に象徴されるように
地震に引き続き洪水でも
大きな被害を受けた地です
こちらは隆起してできた新しい海岸線
これが全て海の底だったなんて
信じられますか?
洪水で流されてきた木がうずたかく
洪水の凄まじさを物語っています
御陣乗太鼓を奉納していた神社も
なすすべもなくそのままの状態です
それでもそこには
復興に向けて力強く歩き出している
人々の営みが確実にありました
ここは南志見市場
今日はここでフェスティバルを
行っていました
本校からもダンス部の生徒達が
ステージで盛り上げました
「街プロ」のカフェグループが
コーヒーを振る舞っていました
能登高校さんの
書道パフォーマンスの作品も
展示されていました
こちらは「リラク&カイロ眠明」の
山下明美さま
被災民はもとより
支援の方にも
ここちよい安らぎを提供されています
そしてなんと
ウルトラマンA(エース)の北斗星司隊員
高峰圭二氏のトークショーがありました
私の子供時代ドンピシャの
ウルトラマンシリーズです
諸星弾がウルトラセブンに
郷秀樹が帰ってきたウルトラマンに
変身するのとはちょっと異なり
ウルトラマンAは
北斗星司と南夕子の男女ふたりが
リングを併せることによって変身するという
子供ごころになんとも
照れくさいような嬉しいような設定でした
ウルトラマンAは
地球での任務を終え
M78星雲に帰っていくとき
「やさしさを失わないでくれ
弱い者をいたわり
互いに助け合い
どこの国の人達とも
友達になろうとする気持ちを
失わないでくれ
例えその気持ちが何百回裏切られようと
それが私の最後の願いだ」
と言い残します
そのことを髙橋氏の言葉で
今日は直接聞きました
もしかして
知らず知らずのうちに
こころのどこかに
すりこまれていたのかもしれない
そんな思いになりました
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は3月5日「怖い話」を読んで
「地震からもう430日も経っていることがわかり
月日が過ぎるのはとても早いと思いました
『〇〇万円を全生徒にお配りしたい
我々は指定された金融機関に直接振り込む』
と申し出があったことが書かれていました
お金をもらえるのだったら自分も即申し込むし
すぐ騙されると思います
地震があって
空き巣に入られてるところもあったし
家まで来て
『鉄など売って欲しい』
などと言われたこともあります
少し怖いと思いました
『人生に対する感謝』という言葉が
私はすごくいいと思いました
これまで当たり前と思っていた
授業や友達と遊ぶこと
地震が起きてはじめて気づきました
それは当たり前じゃないことがわかりました」
《匿名希望》
生徒とAIと先生とAIと
地震から 503 日目
豪雨から 239 日目
高坂 健彦 様はじめ
一般社団法人社会応援ネットワーク
のみなさんが取材してくださった模様が
ようつべにあっぷされました
ぜひごらんあそばせ
AIは正解を知るためのツールではなく
それっぽい文章を作るツール
先日そのことを学んだ生徒が
AIの有意義な活用について
試行錯誤を繰り返しています
課題の提出がありました
どう見ても前半と後半の書き振りが異なる
そのことに気づいた担任が確認したところ
やはり後半はAIに作ってもらったとのことでした
書き直して提出された課題
何か違和感がある
担任が国語の先生に確認したところ
「この部分とこの部分はAIっぽいね」
との指摘
担任は考えました
「AIに見てもらおう!」
生徒が使用しているものとは別のAIに
「この文章は高校生が書いたものですか?
それともAIが書いたものですか?」
AIの回答は
「AIが書いたものを
高校生が手直ししたと考えられます
手直しした部分はこことここです」
国語の先生の指摘とピタリ一致するのでした
AIと人間のコラボをめぐる
生徒と先生の知恵の出し合いは
ますます面白くなってきています
【被災地に電気が灯るまで】第35回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
これまでにダニエル電池の仕組みを説明して
この電池をどう改良したいか?
生徒のみなさんに答えを募集しました
集まった答えは
(1)溶液がこぼれるのが嫌だ
そう
当時の人たちも同じことを考えました
液漏れしないように改良されたのが
乾電池です
その仕組みについては
ここでは触れませんので
各自で調べてみてください
(2)繰り返し使えるようにしたい
そう
当時の人たちも同じことを考えました
充電できるように考えられたのが
鉛蓄電池
車のバッテリーに使われています
この仕組みについて
次回から学んでいきましょう
世界平和
地震から 502 日目
豪雨から 238 日目
輪島高校には中間テストがありません
一回のテストよりも
日々の単元テストを重視して
できないポイントを早く見つけ
その改善に繋げて行きます
今日はビジネスコース1年生で
簿記の単元テストが行われました
これは朝の風景です
全員朝早く登校し
しっかりと準備に取り組んでいます
中間テストや期末テストなど
定期考査を廃止する動きは
全国的にも少しずつ増えています
岐阜県美濃市では
小学校1・2年生の通知表を廃止するそうです
「低学年の子にはもっとのびのび育ってほしい」
とのことです
私自身振り返ってみると
小学校の頃の思い出の中に
通知書は出てきません
動物や植物を育てたり
自然の中で飛び回っていたことばかり
あるいはアホなことしたり言ったり
先生に叱られたことばかり
走馬灯のように駆け巡ります
クラス内の順序を伝えることに
なんの意味があるのかなと思っていますので
美濃市のご英断に拍手を送ります
子どもの序列を知りたい
とお考えの保護者も
いらっしゃるかもしれませんが
できないことを責める社会から
できることを褒める社会へ変わるため
ご理解いただきたいと思います
トルコのエルドアン大統領が
「地域や世界的な危機を解決するため
トルコは支援や仲介を求められている」
と述べ
仲介外交において
世界的に存在感を高めています
これまでも
ウクライナとロシアの交渉の舞台を
イスタンブールなどで
何度となく提供したり
アサド政権崩壊後のシリアにおいて
米国から制裁解除を引き出すなど
「和平外交の中心」としての
役割を果たし続けています
輪島高校では現在
トルコの学校あるいは教育機関との共創を
OECDの協力のもと推進しております
大地震で被災した同じ経験を持つ高校生たちと
災害対策や世界平和のため
協力して行きたいと考えています
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は10月29日
「高石高校さんいらっしゃい」を読んで
「昔の人が次の世代の住宅対策として
植林を進めスギを植えましたが
今となっては
花粉によって多くの人が苦しめられています
子孫のためを思って行動を起こしたとしても
かえって苦しめるだけなのかもしれません
でも大事なのは結果ではなく
その行動に込められた先祖の思いだと思います
僕自身も花粉は辛いし
昔の人何やってくれたのと思ったりもしますが
それは自分たちの時代を
少しでも良いものしたいと思ってのことならば
嬉しいことだし心が温まります
僕も将来の日本のためにやれる事はしたいし
その行動が良い結果になるか
悪い結果になるかはわからないけど
少しでも良くしたいと思う気持ちが
伝わってくれれば嬉しいです」
《田中琉碧》
私も今
能登地区の将来の高校の在り方について
いろいろ行動を起こしています
それが本当に最適な選択肢なのか
かえってこの地区の教育を
グチャグチャにしてしまうのかわかりません
それでも前を向いて進んでいます
とても力づけられる感想でした
ありがとう!
強いぞ!ビーバーですぞ!
地震から 501 日目
豪雨から 237 日目
5月15日
輪島高校の創立記念日です
大正12年設立以来102年の時が流れました
設立当時の学校はどんな様子だったのか
調べてみました
当時の新聞は
「同郡ハ県下ノ第三位ヲ占メル大郡デアルガ
ソノ低位ニアル自治ノ振興
殖産興業ノ発展ヲ図ルニハ
中等教育機関ヲ完備セネバナラズ
シカルニ実情ハ郡民ノ一部
資産階級者ハ子女教育ノタメ
郷里ヲ捨テテ
金沢市へ移住スルモノサヘアリ」と
高校がないから
お金持ちはどんどん金沢に引っ越していくと
高等学校設立の必要性を伝えています
住民の熱烈な要望に応える形で
輪島高校が産声をあげました
当時の時間割を見てみましょう
[修身][公民]
[修身]は現在の「道徳」に相当します
身を正しくし立派な行いをすることを教えます
戦前の日本においては
教育勅語を基に
忠君愛国や家族愛などを教える教育として
特に重視されました
[国語][漢文]
[国語]では「講読 」「書取」「作文」「文法」「習字」
の五科目を学びます
[歴史][地理]
[英語]
「読方」「解釈」「聴方」「話方」「発音」「綴字」
「書取」「習字」「作文」「文法」「暗唱」
かなりたくさんの科目があります
戦時中は敵国語として学ばないもの
と思っていましたが
敵国の情報を入手するために
特に力を入れて教育されていたようです
[数学][代数][幾何][三角法]
[一般理科][博物][物理][化学]
博物は生物と地学を合わせたような科目です
こうしてみると理科は今と変わりません
[図画][作業][音楽]
作業は園芸や工作を学びます
[体操][教練][武道]
[教練]とは軍事教育で
射撃や手旗信号のほか戦史などを学びます
[農業][商業][簿記]
先生方の指導方針も示されていました
「予習復習ヲ奨励シ以テ
自学自習ノ習慣ヲ養成ス」
「教材ハ『分量ヨリハ徹底』ヲ期シ
之ヲ精製シテ
基礎的知識ノ徹底ヲ期ス」
「教師間ノ打合会ヲ徹底シ
教材研究教授方式ノ統一ヲ図リ
以テ教授効果ヲ最大ナラシム」
教える内容は変わっても
教師の教える姿勢については
普遍のようです
「他教科トノ連絡ヲ
常ニ密接ニ保ツ」
と現在の教科横断につながる記述もありました
[生徒心得]をみると
当時の風俗が見えて面白いです
「金銭ノ募集ヲスルコトヲ禁ズ」
学校でそんなことする生徒がいたんですね
「劇場及ビ寄席ニ立チ入ルコトヲ禁ズ」
劇場や寄席が
不良の溜まり場だったのでしょうか
それにしても寄席なんかあったのか?
調べてみたらなんと
震災で公費解体した我が家の敷地に
寄席がありました
「眼鏡ヲ使用セントスルトキハ
予メ許可ヲ受クベシ」
眼鏡が許可制って???
目が悪くないのに
おしゃれでする生徒がいたのでしょうか?
現在の
バイク禁止とか
スカート折り曲げて穿いたりとか
きっと未来の高校生からは
「変なの」って思われるんでしょうね
そもそも高校生そのものも
なくなっているかもしれません
現在の学年制が廃止されて
それぞれの子が
それぞれ最も最適な時期に学ぶことのできる
個別最適な学校の時代が
すぐそこまで来ているような気がします
商業教育研究会が行われ
北越製菓株式会社代表取締役
髙﨑憲親氏のご講演を
聴かせていただきました
髙﨑氏は
北越製菓が数年連続業績悪化している時に
26歳で代表取締役社長に就かれ
経営を建て直した方です
「新しいことにチャレンジするとき
何をするにも社内に3%は仲間がいる
残りの97%は決して敵でも反対派でもない
『無関心』や『重い一歩を踏み出せない』だけ
だからまずは3%の仲間で実績を叩き出す
それが97%の興味を引き彼らの背中をそっとおす
これが仲間づくり
経営者にとって最も大切なことは
自分の心と直感を信じる勇気を持ち続けること」
私も先日神戸での講演会の際に
お土産にビーバーを持って行ったら
大喜びされました
さすがの知名度でした
鳳凰の舞う里から
地震から 500 日目
豪雨から 236 日目
今日は地震からちょうど500日目
今年創立102年目を迎える輪島高校
その設立当時
輪島市はまだなく
鳳至郡輪島町に
次の世代を担う若者が集いました
伝説の鳥
鳳が降り立つ地
風至
麒麟・竜・亀とともに
霊獣視された瑞鳥(ずいちょう)
雄を鳳
雌を凰とよびます
首は蛇
尾は魚
あごは燕
くちばしは鶏
背は亀に似て
五色の模様の羽根をもちます
鯤(こん)という大魚が化身した幻の大鳥
「鵬」とは別物のようです
鳳凰は好んで桐の木にとまるといわれます
本校の中庭には大きな青桐の樹が植えられており
校章にも桐があしらわれています
鳳凰の雛をあらわす「鳳雛」という言葉には
輝く希望に溢れた子どもたちという意味があります
「鳳雛」が集う本校に
合唱曲「フェニックス」が届けられました
「フェニックス」はエジプト神話の霊鳥
500年に一度自ら焼かれ
そのたびに幼鳥となってよみがえる
不死の鳥です
各テレビ局でその模様が放送されます
18:00 北陸朝日放送「ふむふむ」
18:09 石川テレビ「石川さんパレット」
18:15 北陸放送「Atta」
18:30 テレビ金沢「テレ金ちゃん」
NHKは未定
ぜひご覧ください
つくば市立みどりの学園義務教育学校
のみなさんとオンラインでつなぎ
一緒に歌いました
輪島市の小学生も集まってくれました
生徒会長の田中さんと
副会長の波座さんがメッセージを
送ってくれました
最後は輪になって大合唱です
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は3月14日「地震から一年」を読んで
(ただしこの記事は諸事情により削除してあります)
「この日のブログには
あっという間に月日が過ぎたことに対する心情や
たくさんの人に支えられた感謝が綴ってありました
そして紅白歌合戦のステージについても詳しく書かれていて
坂本冬美さんの能登に対しての思いや
歌の裏側などについてたくさん書かれていました
一人ひとりに感謝の気持ちを綴ってあるのが
素晴らしいと思いました
自分も一人ひとりに対して感謝の気持ちを
伝えていこうとと思いました
最後に質問です
ネタがつきないんですか?」
《匿名希望》
ネタがつきかけたら
こうして生徒のみんなからの感想をもらえるので
助けられています
これからは校長個人のブログではなくて
先生方や生徒のみんなから湧き上がった声も
どんどん伝えたいと思いますので
言いたいことがあったら
校長室まで訴えにきてくださいね
みんなで「おこらいえ!」という気持ちを
発信していきましょう!
明日のフェニックス
地震から 499 日目
豪雨から 235 日目
3つある建物のうち
現在2つが危険判定を受けていて
残りの1つの建物に
3学年が集まって授業をしています
図書室を利用したり
パソコン室を普通教室に転用したり
工夫を凝らしてやっています
こちらは
1つの教室を2つに区切って
利用しています
狭いですが
生徒たちは集中して頑張っています
震災後
生徒たちの授業に取り組む姿勢は
驚くほどに変わってきています
居眠りしたり
ボーッとしていたり
そんな生徒はまずいません
数年前は
授業中じっと座っていることができず
廊下に飛び出す生徒が相当数いたのですが
全く見ぬ光景となりました
特に1年生は受験の時期の集団避難により
落ち着いて学習できなかった経験がありますが
その分伸び代は未知数です
乾いたスポンジほど水をよく吸います
どんどん知識を吸収していきましょう
合唱作曲家
弓削田健介さんが
被災地の子どもたちの声を紡いで
つくってくださった合唱曲「フェニックス」
いよいよ明日
お披露目会を行います
輪島の小学生たちも一緒に
全国のお友達ともオンラインで繋いで
今日はその最終リハーサルがありました
昨年の音楽堂での卒業式で
歌のプレゼントをしてくださった
ソプラノ歌手の仲谷響子さん
炊き出しで牛丼を振る舞ってくださった
保護者の崖ご夫妻にもご指導いただき
感動的な歌声となりました
明日は13;15より始まります
ぜひお越しください!
【被災地に電気が灯るまで】第34回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
前回はダニエル電池の仕組みを学びました
中央を仕切った容器の
片方には
硫酸亜鉛水溶液に金属亜鉛を浸し
もう一方には
硫酸銅水溶液に金属銅を浸し
亜鉛と銅を導線でつなぐ
すると
金属亜鉛 Zn が溶け出し
その時生じた電子が導線を伝って銅へ
溶液中の銅イオンがそれを受け取って
銅に変わる
ではこの電池をパワーアップするには
どうしたらいいか?
というのが宿題でした
(1)硫酸銅水溶液についてはどうでしょう?
溶液中の銅イオンが無くなった時点で
電池は寿命ですから
答えは濃い方が良い
(2)硫酸亜鉛水溶液についてはどうでしょう?
金属亜鉛が溶け出すので
初めから亜鉛イオンがたくさんあったのでは
溶ける勢いが弱まるので
答えは薄い方が良い
(3)電極の種類については
ふたつの金属の
イオン化傾向の差が大きいほど
反応が起こりやすいです
イオン化傾向は
Li > K > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Cu > Ag
なので
例えば亜鉛 Zn を アルミニウム Al に変える
銅 Cu を銀 Ag に変えるなどです
さて今日の宿題です
この電池の弱点は?
改良を加えるにはどうする?
今日の宿題は化学の知識は必要ありません
例えばこの電池がケータイの電池だとしたら
困ることは何?
という日常生活レベルの宿題です
ぜひチャレンジを
このブログを読んで
考える力を養って欲しいので
解けた人にポルトガルのお土産をあげましょう
答えを紙に書いて
校長室前の封筒に入れておいてください
締切は明日の午後4時です
ポルトガルの思い出
地震から 498 日目
豪雨から 234 日目
石川県の高等学校の校長会が行われ
その席で
今回のポルトガルツアーの報告をしました
「輪島高校は震災を機にOECDと共創しています
OECD(経済協力開発機構)は
ヨーロッパ諸国を中心に
日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟
国際経済や貿易そして開発援助など
加盟国間の分析・検討を行い
さまざまな提言を行っている
パリに本部を置く国際機関です
PISAという学力テストの結果を踏まえ
日本の子供は数的リテラシーは高いが
読解力が低いとか
各国の子どもたちの学力をもとに
教育施策についての提言も行なっています
今被災地では
多くの教育課題が浮き彫りになっています
しかしこれらは地震によって起こったものではなく
地震の前から潜在していたもので
奥能登に限らず日本全国で
さらには今後世界中に広がってくる
大きな課題です
例えば少子化
今の小学校1年生は奥能登全区域で200名弱
4クラスから5クラス分の子どもしかいません
馳浩石川県知事は
奥能登5公立高校を全て残す方針を
打ち出されていますので
何らかの方策が必要です
それから教員不足の問題
能登地区の教員の中には
住むところを失い
金沢加賀地区へ異動を余儀なくされた方が
多くいらっしゃいます
代わりに転勤してくる教員を確保することも難しく
新規採用の先生方が
その役目を担ってくださっています
そういった課題をOECDに相談したところ
ポルトガルの小さな街にそのヒントがある
そういう助言をいただき
今回の研修旅行に繋がったわけです
ポルトガルのモメンタ・ダ・ベイラ
首都リスボンから車で4時間以上揺られる
地方の小さな街
そこでは幼小中高特支が一体となり
地域のHUBとして機能していました
(1)シチズンシップ教育
単なる主権者教育といった枠組みでなく
教科横断型の学習で地域課題の解決を目指します
日本の次期教育課程に盛り込まれることになりそうです
(2)スクールクラスター
幼小中高支の垣根がありません
小学生が中学校で学んだり
高校の先生が中学校で教えたり
さらには高校生が小学生に教えたり
校長室はひとつの部屋に
全校種の校長先生が在室し
情報の共有と
迅速な意思決定を図ります
(3)ウエルビーイング
職員室は教員の休憩の場として徹底しています
バーカウンターとエスプレッソマシン
そしてソファーが設置されていて
授業から帰ってきた先生が一堂に会し
雑談しながら情報共有する場として
機能しています
考えてみるとそうですよね
教員の仕事場は本来
教室でありグラウンドであるはずで
職員室にこもってパソコンに向かうことが
教師の本務ではないはずです
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は8月23日「綿密用意周到派と行き当たりばったり派」を読んで
「地震や洪水などのつらかった記憶や
学校行事やイベントなどの楽しい思い出を
思い出しました
人生史上最も強烈な一年でした
本当に苦しい思いをした一年だったけど
一番楽しい一年でもありました
日常生活のありがたさや
友達の大切さを見に沁みて実感しました
僕たちは「街プロ」で花火を打ち上げました
この日のブログを読むと
とても懐かしく感じたり
昨日のことのように感じたりします
あの時は
花火を打ち上げるためにお金を集めたり
広報することに必死でした
当日を迎えて
打ち上がった花火を見て
頑張ってきてよかったという達成感と
成功してよかったという安堵の気持ちが
こみあげてきてとても感動しました
去年を振り返ってぼくは
最高の一年にすることができたと感じます」
《匿名希望》
熱烈ファンからの「喝!」
地震から 497 日目
豪雨から 233 日目
野球部が富山県へ練習試合に出ています
発災時から本校に寄り添ってくださって
定期的にご自分で焙煎したコーヒー豆を
先生方のためにと届けてくださっている
富山県にお住まいの北島嘉孝様が
観戦に駆けつけてくださったようです
お便りをいただきましたので
ご紹介させていただきます
「輪島高校野球部を生で拝見させて頂きました
試合前後の監督さんの
高校球児張りの挨拶そして相手や味方選手への声掛け
などなど
この監督のもと高校時代過ごせる選手達
幸せだなと感じました
また女子マネさんのノック
とてもかっこよかったです
監督さんやコーチがするノックと
同じ気持ちで捕球していない選手数名居たのは
喝!ですが(^_^;)
観戦中に選手の家族さん同士の
仮設住宅に住む近況報告を耳にして
選手達の元気な姿を見て
野球ができる事が当たり前でなく有難き事
改めて感じました
一日ひと時大切に過ごしたいと思いました
皆様の健康と共に
輪島高校野球部三年生が
一日でも長く高校野球生活送れるよう
夏の大会勝ち進む事を祈願致します」
ありがとうございます
これからも応援よろしくお願いします
選手の何人かに「喝!」があったぞ
しっかりやれ!
【被災地に電気が灯るまで】第33回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
これまでに
金属には電子を与えやすい順番
すなわちイオン化傾向があること
Li > K > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Cu > Ag
さらに
銅と亜鉛を導線で繋ぎ酸に浸けると
亜鉛から銅に向かって電子が流れること
ただしこれでは
水素の泡が銅を覆ってしまい
すぐ寿命が尽きること
それを解決するために
液を希硫酸から硫酸銅水溶液に変えて
水素の発生をなくすアイデアがあること
しかし今度は
銅イオンが直接亜鉛から
電子を受け取るようになり
電子の流れが生じなくなることを説明し
この問題を解決する方法を
宿題としました
生徒のみなさん
いかがですか?
いいアイデアはありましたか?
ひとつの答えです
銅イオンが亜鉛の方へ
行けないようにすれば良いのです
銅と亜鉛の間を仕切って
銅側にだけ硫酸銅を入れます
亜鉛側はとりあえず電極に合わせて
硫酸亜鉛でも溶かしておきましょう
こうすることによって銅イオン Cu2+ が
亜鉛版に近づくことを防ぎます
この電池の仕組みを説明するとこうです
(1)イオン化傾向の大きな亜鉛が
電子を失って陽イオンとなる
Zn → Zn2+ + 2e−
(2)電子が導線を伝って銅へ流れる
(3)銅イオンが電子を受け取って
金属の銅に変わって銅板に付着する
Cu2+ + 2e− → Cu
(4)銅には水素の泡が発生しないため
電子が流れ続ける
この電池をダニエル電池と言います
では今日の問題です
この電池のパワーをアップする
あるいは寿命を伸ばすには
どんな方法が考えられますか?
3つあげてみましょう
ヒントは
①硫酸銅水溶液の濃度について
②硫酸亜鉛水溶液の濃度について
③電極となっている金属について
EARTHからD−ESTへ
地震から 496 日目
豪雨から 232 日目
輪島沖浮体式洋上風力発電の特集番組が
5月10日(土)20:54~
テレビ朝日/サタデーステーションで放映されます
21時15分~25分または
21時40分~50分のいずれか10分程度
となりそうです
輪島の復興のひとつ
浮体式洋上風力発電に焦点を当てた内容です
https://www.nedo.go.jp/fuusha/haikei.html
この方式だと
地震が起こったときにも
安定した電気の供給が期待できるとともに
新たな雇用の創出にも繋がりそうです
それに向けて本校では
電験技師の資格取得に向けての
特別講座も開始しています
その様子も報道されるかもしれません
是非ごらんください
昨日
兵庫県立学校の校長会のお招きを受け
「EARTHからD−ESTへ」と題して
講演をさせていただきました
「傷ついた神戸を
元の姿に戻そう
支え合う心と
明日への希望を胸に
響き渡れ僕たちの歌
生まれ変わる神戸の街に
届けたい私たちの歌
幸せ運べるように」
今年1月17日
この地を訪れた時に初めて耳にした
阪神・淡路大震災の時につくられ
今なお歌い継がれているこの歌を
最初に歌わせていただきました
あの時亡くなった方々が
ご自分の命と引き換えに
残してくださった多くの教訓と
あの時生き延びた方々が
今なお差し伸べてくださる
温かい手
そのお陰でこうして
今なお私は生きている
このことは発災以来
片時も忘れたことがありません
その感謝の思いを込めて
お話をさせていただきました
EARTHというのは
Emergency And Rescue Team Hyogo
被災地における学校の早期再開と
子どもたちの心のケアを支援する
兵庫県教育委員会の組織です
今回の能登半島地震においても
発災後すぐに珠洲市に入り
被災地に寄り添った支援を
してくださいました
一方で避難所にもなった本校には
発災後すぐに
災害派遣医療チーム
DMAT(ディーマット)さん
Disaster Medical Assistance Team
が入ってくださいました
医師や看護師そして業務調整員で構成され
大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に派遣される
専門的な訓練を受けた医療チームです
阪神・淡路大震災で
災害医療について多くの課題が浮き彫りとなり
平成17年4月に発足した組織です
今回本校にも
およそ3週間のサイクルで
全国の医療関係者が
入れ替わり立ち替わり入ってくださり
本校校舎内に
輪島市全避難所内で罹患した
コロナやインフルなどの患者を
一手に収容する病棟をいち早く設置し
あの劣悪な環境の下で
日の罹患者総数が20名を超えることがないという
奇跡的な医療行為を実践されています
それを日々目にしていた私は
教育にもこのような全国的組織があれば
との思いから
DEAT(ディート)
Disaster Educational Assistance Team の設立を
東北大学さんを通して提言させていただきました
それを受けて動き出したのが
D−EST(ディーエスト)
(Disaster Education Support Team)です
EARTHさんのようなチームを
全都道府県で設立し
連携を図りながら
災害があった際には
協力して被災地の教育的支援を行います
いわゆるEARTHの全国展開です
現在EARTHさんのような組織は
兵庫県の他に熊本県など5つの県で
組織されています
南海トラフのような
広範囲において被害が想定される地震においても
子どもたちの学びを止めないために
こうした枠組みづくりが急務です
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は3月7日「半島の最先端から世界の最先端へ」を読んで
「地震から一年が過ぎ
能登半島地震のことを取り上げるニュースが
今ではほとんどありません
ニュースで取り上げて欲しいわけではありませんが
復興のための何か力が欲しいと思っています
そんなとき「おこらいえ」で
「半島の最先端から世界の最先端へ」
と言う記事を見つけました
「新しい芽吹きはいつでも枝の先端から始まる」
といった内容のもので
素敵な考え方だなと感銘を受けました
これまでは自然災害の影響で
自分たちで何か行動を起こさなくても
話題性がありましたが
これからは自分たちで新しい芽吹きを
作っていただければならない
それが今の輪島に求められている
ということを考える
良いきっかけとなりました」
《匿名希望》