校長室より「おこらいえ」

モノクロの冬

地震から339 日目

豪雨から75 日目

 

ヒトがものを見るための細胞

つまり視細胞にはふたつあって

錐体(すいたい)細胞と桿体(かんたい)細胞

 

錐体細胞は明るいところで活躍する細胞で

赤青緑の光の3原色を

それぞれ感じる3種類の細胞があります

 

桿体細胞は弱い光でも感じます

つまり暗いところで活躍する細胞です

ところがこちらは

色の区別をすることができません

 

明るいところと暗いところで

それぞれ活躍する細胞が違い

その切り替えには少し時間がかかります

 

暗いトンネルからいきなり外に出ると

まぶしく感じたり

暗闇に入った瞬間は何も見えないけど

時間とともに目が慣れて見えるようになるのは

このふたつの細胞の切り替えに

かかっている時間によります

 

東京で活躍するカメラマンの方が

こんなことおっしゃっていました

「能登の冬はモノクロですね」

 

 

 

 

 

 

それまでそんなこと

気にとめたことすらありませんでしたが

確かに言われてみるとモノクロの世界です

さすがプロのカメラマンの感性は

素晴らしいですね

 

能登の冬は厚い雲に覆われて

太陽の光が届かないので

昼間でも光量が圧倒的に少ないんですね

なので

色の区別ができる錐体細胞がはたらくことができず

桿体細胞だけがはたらくから

モノクロに見えるのだと思います

新しい気づきでした

 

写真で見るより実物で見た方が

はるかにモノクロに見えます


 

 

 

 

 

 

全日本高等学校書道教育研究会様から

募金をいただきました

本当にありがとうございました


今日の「福島から能登 未来へ」

 

【おかあさんたちへ】

 

私だってこわかったです

私だってなきたかったです

何よりも不安でした

この子たちを守らなきゃという気持ちの方が大きくて

子供たちに育てられたのは私

登園できない

遊びができない

子供たちの健康も含め将来が不安

でも元気すぎる中高生になりました

不安も心配もいっぱい

自分のことは全て後回しですよね

気持ちが疲れっちゃったら

ちょっと想像してみてください

数年後

親の未来予想図以上の

子供たちの成長が待っています

 

「福島から能登 未来へ」へ寄せられた投稿は

こちらのサイトでもご覧になれます

https://sites.google.com/fcs.ed.jp/fukushima-to-note/

 

 

 

 

 

あのとき聞きたかった未来の自分から

地震から338 日目

豪雨から74 日目

 

輪島漆芸技術研修所の入学式に行ってきました

 

 

 

 

 

 

本当は4月に挙行される予定でしたが

小森所長様はじめ関係の方々のご尽力で

今日の入学式を迎えることができました

 

 

 

 

 

 

こんな状況だけど

15人の入学生がうるしの技を磨きに

集まってくださいました


JRC「ボランティアクラブ」のみなさんが

養護老人ホーム「ふるさと能登」を慰問しました

参加したのは2年生の

長井さん 坂口さん 濵谷さんの3名

毎年の取り組みとして行っている

サツマイモを栽培し

スイーツに加工して届ける取り組みを

今年も実施しました

 

3時のおやつの時間に訪問し

一人ひとりに手渡しして

一緒に写真を撮影しました

 

 

 

 

 

 

味は好評でした


福島県立高等学校長協会会長の

丹野 純一 校長先生が訪ねて来られました

「福島から能登 未来へ」を届けてくださいました

東日本大震災と原発事故からの14年

傷を負いながら前を向き

一歩一歩歩んできた方々からの想いを言葉に紡いだ

400件を越えるメッセージ

ひとつひとつ読むと

つらい経験をなさった方だからこそ

わかってくださる想いがたくさん詰まっていて

1ページめくるたびに

涙で滲んで

 

 

 

 

 

 

表紙の絵は会津高校の美術部のみなさんが

10日間をかけて描いてくださった黒板アートです

被災したあとの見附島が明日への輝きに包まれています

 

寄せられたメッセージ毎日少しずつ

紹介させていただきます


【小さい子を抱えたお母さんへのエール】

 

『こんな時に産んでごめん』

『笑顔のお母さんでいられなくてごめん』

『私は子供を苦しめている?』

 

ニュースを見ては心をえぐるような情報が入ってきて

心に余裕がなくなり

子供にきつく当たってしまい

夫とも意見が合わず心もすれ違い

そんな自分を責め立て

泣き叫ぶ子供から逃げるようにトイレにこもって

自分の頭を何度も何度も叩いたことも数えきれません

 

「今が一番いい時よ~」

0歳と2歳の娘といると時折そう言われました

『こんなにもこんなにも苦しくて

 泣いたり怒ったりしてばかりなのに

 この日々が一番いいときなの?

 じゃあこれからはもっと苦しくなるの?』

こんな日々を1年以上も続けてしまいました

 

今でも子どもたちには申し訳なかったなと思います

確かに今思えば本当にかわいい時期だったのです

でも私にとっては一番苦しい時期でした

間違いなく一番苦しい時期でした

 

あのとき私が聞きたかった

未来の自分からのメッセージを書きます

 

「・・・よく

 毎日をすごしてるね

 とりあえず

 ご飯を食べさせて

 寝させて 

 大きな怪我がないように

 大きな病気にならないように

 がんばって

 守ってるね

 部屋はぐちゃぐちゃだし

 ご飯もちゃんと作れてないし

 今日も怒っちゃったろうね

 でもね

 毎日ぐじゃぐじゃだけど

 生きてきてくれたから今があるよ

 ありがとう

 ギリギリな感じだけど

 よく乗り越えてるよ

 

 大丈夫

 子供たち大きくなったよ

 いっぱいいっぱい心配したけど

 ちゃんと成長したよ

 思っていたよりも

 いいことたくさんあったよ

 出逢いもいろいろあったよ

 

 いつか

 子供たちがね

 大きくなってくると

 あなたも余裕が出てくるよ

 そうするとね

 今はできないこともできるようになるよ

 ずっと今の余裕のないお母さんでしか

 いられないわけじゃないよ

 いい時のあなたも出せるようになるよ

 ダメダメなときばっかりじゃない

 あなたの良いところ発揮できる日も来るよ

 「あ 子育て楽しいな」って思える瞬間も来るよ

 子供もあなたも

 家族も状況も

 どんどん変わっていくよ

 子供たちが逆に励ましてくれたりするよ

 

 だから

 もうちょっと肩の力を抜いても大丈夫

 今かなり苦しいと思うから

 そんなときに

 なんとかしなくちゃって焦って思わないで

 いいタイミングが来るよ

 いい出会いに助けられることもあるよ

 叱らなきゃ

 ちゃんとさせなきゃって

 思わないでも大丈夫だよ

 いいところたくさん見つけてあげて

 そして自分もよくやってるねって思ってあげて

 あんまり思えないだろうけど

 思ってあげて

 自分が思っているより

 周りの人はよくやってるなーって思ってるからね

 

 がんばってくれてありがとう

 子供たちを守ってくれてありがとう

 あなたの毎日が今の力になってるよ

 ありがとう!」

いづこも同じあきのゆふぐれ

地震から337 日目

豪雨から73 日目

 

仮設教員住宅からの朝の風景です

 

 

 

 

 

七尾湾を望む風光明媚な場所です

風水的にもよい気が集まる地形で

(勝手にそう思っている)

今日も頑張ろうと

やる気がみなぎってきます

本当にいい場所に用意してくださった

県教委に感謝です

 

写真右には虹がかかっています

別の場所から

 

 

 

 

 

 

そういえばあの日

1月1日の朝にも同じ虹が出ていたなと

 

虹は古来巨大蛤(はまぐり)の

ため息と考えられていました

なので虫偏

 

蛤は二枚貝の中で唯一

二枚の模様がそっくり同じです

なので

平安時代の貝あわせや

ひな祭りのお吸い物などに使われます

 

虹は外側から「赤橙黄緑青藍紫」

昔はその外側に「桃」も加え

末広がりの八色ともいわれたとか

 

虹の外側にもう1本の虹

つまり二重の虹が見えることもあります

昔は地震の前兆などともいわれたそうですが

科学的根拠はおそらくないでしょう

外側の虹は色が反転していて

二重の虹の間は暗く見えます

「アレキサンダーの暗帯」

という名前がついています

 

虹を見ると

何かいいことがおこりそうな気がします

 

にじがにじが空にかかって

きみのきみの気分も晴れて

きっと明日はいい天気

きっと明日はいい天気

 

幼稚園でよく歌われているこの曲は

虹をいくつも渡っていくように

音程が上がったり下がったり

繰り返しになっているそうです


繰り返しといえば

同じ文字が繰り返された次の畳悟

なんと読むでしょう?

(1)苛苛

(2)粘粘

(3)偶偶

(4)然然

(5)限限

(6)怖怖

(7)戦戦

(8)寸寸

(9)予予

(10)兀兀

 

畳語テストの解答          

(1)苛苛「いらいら」

(2)粘粘「ねばねば」

(3)偶偶「たまたま」

(4)然然「しかじか」

(5)限限「ぎりぎり」

(6)怖怖「おずおず」

(7)戦戦「わなわな」

(8)寸寸「ずたずた」

(9)予予「かねがね」

(10)兀兀「こつこつ」


久しぶりに空き時間ができました

いつも次から次へとやってくる

案件に追われているので

ふと空き時間ができると

なんともいえない不安な気持ちと

寂しさをがよぎります

ふらりと校長室を立ち出でて

校庭を眺むれてみました

 

 

 

 

コロナとインフル

地震から336 日目

豪雨から72 日目

 

学習場所として学校を開放しています

仮設住宅ではなかなか集中できません

 

 

 

 

 

 

今日も3年生を中心に登校して

頑張っています


感染症の心配な季節となってきました

予防接種の予約はお済みでしょうか

インフルエンザとコロナ

2回も面倒くさいなという方に朗報です

 

アメリカの医科大学から

予防接種に関する論文が発表されました

 

コロナワクチンとインフルワクチン

同時に接種した場合

副作用の出る確率は25%

1週間空けて接種した場合は32%

これは統計学的に見て

優位差があるとはいえず

誤差の範囲だそうです

 

つまりふたつ同時に受けても

副作用のリスクは

同じということらしいです

トルコと日本の絆

地震から335 日目

豪雨から71 日目

 

週末は家族の住む内灘へ

二拠点生活が続いています

 

金沢の街はいろんな店が開いていて

飲食店もたくさんあって

夜まで明るくて

別世界です

 

回転寿司へ行ってきました

発災直後に行ってみたけど

あまりの値段の高さに怖気付いて

カッパ巻きだけ食べて出て以来です

 

子どもの頃から

「出されたものは残さず食べなさい」

と教育を受けていたので

生まれて初めて回転寿司に行った時

次から次へと出て来る皿を

残してはいけないと食べ続け

お腹を壊したお間抜けな経験があります

 

高校生のみなさん

昔の回転寿司は

今みたいなタッチパネルではなく

本当に回転寿司で

次から次へと流れて来ていたんですよ


NHKの新プロジェクトXで

トルコで海底トンネルの建設に携わった

小山文夫さんと木村政俊さんの

物語が放送されていました

 

以下NHKのサイトより

「150年間も着工されなかった世紀の難工事

 トルコ・ボスポラス海峡海底トンネル

 厳しい地形条件を恐れて

 世界各国のゼネコンが固辞する中

 挑んだのは日本とトルコの混成チーム

「鋼鉄の男」と呼ばれる日本人リーダーの下

 予測不能の複雑な潮流を読み解き 

 海中に直接トンネルを作る特殊工法を採用

 アジアとヨーロッパをつなぐ地下鉄マルマライを実現させた

 市民の通勤事情を劇的に改善し

 今なおトルコで語り継がれる物語」

 

トルコといえば新日国家として知られています

 

古くは1890年和歌山県串本町沖合での

エルトゥールル号遭難事件に遡ります

台風の影響で

エルトゥールル号が岩礁に衝突し沈没

500名を超える死亡者と行方不明者が出ました

このとき近隣の村民が総出で

捜索や救助、介抱をしました

生存者がいないかどうか荒れる海に飛び込んだといいます

打ち上げられた遺体の中に生存者がいたら

息絶えないよう自らの体温で温める人もいたそうです

 

エルトゥールル号遭難事故から100年後

イラン・イラク戦争が勃発します

イラクのフセイン大統領は

48時間後を境に

イラン上空を飛ぶ飛行機を

無差別で攻撃すると宣言します

ところが日本政府は

邦人保護のための航空機を

出すことができませんでした

その時トルコ政府は

自国民のために用意した飛行機を2機

日本人を乗せるために差し出してくれたのです

タイムリミットぎりぎりの48時間で

多くの日本人がイランを脱出することができました

その時飛行機に乗れずにイラン国内に残されたトルコ人は

陸路での脱出を図り自力でトルコに帰ったのです

トルコは自国民よりも日本人の脱出を優先させてくれました

トルコ政府はこう言いました

「エルトゥールル号の借りを返しただけです」

 

1999年にトルコは大地震に見舞われました

日本は真っ先に

レスキューチームや医療チームの派遣を行いました

支援物資を積んだ海上自衛隊輸送艦「おおすみ」の艦長は

「イラン・イラク戦争の際に 

 危険を顧みずに日本人を助けてくれたトルコの友情に

 我々は今こそこたえなければならない。」

 

今回のパリサミットでは

輪島高校の生徒とトルコの高校生が

同じチームを組んで活動することになっていて

その後も共創を続けて行くことになっています


ビジネスコースの3年生が

卒業制作として

被災地の瓦や瓦礫を転生させて

マリンタウンに設置するベンチを残す

そんな活動を現在進行しています

ご協力してくださっているのは

大成建設さん

発災時から生徒の探究活動に

寄り添ってくださっています

 

新プロジェクトXトルコの海底トンネル

番組最後の方で

この海底トンネルを完成させた会社名の

テロップが流れました

大成建設